映画版『レ・ミゼラブル』プロデューサーであり、舞台版の生みの親でもあるキャメロン・マッキントッシュさんへのインタビュー記事が東洋経済オンラインに掲載されています。
この中でキャメロンさんは次のように語っています。
ヒットの秘訣が分かるなんて豪語する人間はウソつきに決まっている(笑)。ただ、僕が一番大事にしていることは、とにかくストーリーとキャラクター。それだけは言える。
これは全く同感です。
「100円のコーラを1000円で売る方法」も、まずストーリーをしっかり構築した上で、かなり時間をかけて登場人物のペルソナを作り込みました。
「マーケティング理論を解説しているのに、ストーリー部分は余分」という意見もいただくことがあります。
しかし実は、ストーリーがあることで格段と記憶に定着できるのです。これは人類の知恵でもあります。
人類の多くが文字を読めるようになったのはここ数百年のこと。それ以前は字を読める人は極めて限られていました。
こんな状況で人類は世代から世代へ情報を伝える方法を編み出しました。それは物語による口伝。
分かりやすく記憶に残る物語で情報を伝えたのですよね。聖書が広まったのも、聖書の物語自体が面白かったからだ、とおっしゃる方もいます。
ストーリーがあることで情報はずっと伝えやすくなるし、記憶にも残るのですよね。
そして面白いストーリーを作る上で、キャラクターは重要です。
実は「100円のコーラを1000円で売る方法」は、前作となった作品(廃刊)とストーリーはあまり変わっていません。しかし前作はキャラクター設定をあまり重視しておらず手間をかけていませんでした。廃刊になったのは、やはり理由があったのですね。
キャメロンさんもおっしゃるように「ストーリーとキャラクターがしっかりしていれば必ずヒットする」という単純な話ではありませんが、確かに必要条件であることは間違いなさそうです。