虎に出会った際の対応から学ぶ、問題解決の方法論


早稲田大学の内田和成先生に、あるセミナーで聞いた話です。

 

ある二人が歩いていたら、道端で虎に出会いました。

一人はすぐに逃げようとしましたが、もう一人はしゃがんで靴紐を結び始めます。

逃げようとした一人は言いました。「何やっている。早く逃げよう」

靴紐を結んでいたもう一人が曰く、「気にするな。お前よりも速ければいいんだから」

 

この逸話は、緊急対応が必要な課題に対して、次の3つが重要であることを語っています。

1.問題に気づくスピード

逃げ遅れると、虎に食い殺される。

2.意志決定のスピード

どうすれば、のがれることができるのか。
→もう一人よりも速く逃げれば助かる
→そのためには、もう一人よりも速く走れることが必要
→速く走れるように、靴紐を結ぼう

3.実行のスピード

即座にしゃがんで靴紐を結ぶ

 

実際に、友人を前にしてこのような判断をするかどうかは別として、問題に対する解決策を絞り込み、実行する際の考え方として、参考にしたい事例です。

 

 

虎に出会った際の対応から学ぶ、問題解決の方法論」への4件のフィードバック

  1. 靴紐を結ぶときになって「逃げ切ってから結び直さなくてもいいように今のうちにきれいに結んでおこう」などと考えるのもありそうな失敗ですよね、日本では。

  2. 問題に対する解決策の絞り込みの際、上長のハイエナに
    「靴紐なんかどうでもいいから今すぐ逃げるんだ!」
    とか無茶言われて、いよいよ虎に捕まって食われそうになったとき、遠くに逃げ切ったハイエナから
    「だからあの時俺は靴紐を結べって言ったんだ」
    とか得意顔で言われそうですよね。
    で、そうやって物を考えさせる訓練をしない企業では、
    あちこちで社員や事業部が虎に食われたり、
    「ものを考えない社員が増えて困る」とかしたり顔でいう
    ハイエナがウロウロしてたり。

  3. 洸弘さん、
    目の前に虎がいて、そうするかどうかが、生死の分かれ目ですね。
     
    ardbeg32さん、
    色々と大変なのですね。

  4. 生き残り競争のキリスト教的思想の最たる例ですね。
    仏教思想に近い全員生き残り派の最初の人の「(一緒に)速く逃げよう」が否定されていますよね。
    良い悪いではなく、どのような世界を望むのかです。

コメントは受け付けていません。