本や記事などでは、企業の成功や失敗の事例が紹介されています。これはどの程度役立つものなのでしょうか?
本日2014/2/10の日本経済新聞の記事『今こそ問われる「ケネディ大統領、核軍縮の理念」』で、池上彰さんが次のように書いておられます。
—(以下、引用)—
歴史は決して暗記科目ではありません。歴史の前後には常に因果関係があり、いくつもの出来事が積み重なって、かたちづくられているものだと私は考えています。
その因果関係には人間が大きく関わっています。「なぜこんなにも愚かだったのか」と思うこともあれば、「どうしてこれほど重大な決断を下せたのか」と考えさせられます。それによって、人間の弱さ、強さが見えてくるはずです。
—(以上、引用)—
池上さんもおっしゃるように、歴史に学び、人がなぜ過ちを犯したのか、あるいは成功を収めたのかを学ぶことは、とても意味があることです。
同様に、企業の様々な事例の物語には、実際に体験した人ならではの真実があります。それらを学び、失敗や成功を追体験することで、得られるものはとても大きいはずです。私も事例の物語を読むことは好きです。
一方で、事例で書けることには限界があります。形式知で表現できることには限界があるからです。当事者にしかわからないことがあります。
このように考えると、実は自分自身の成功体験や失敗体験こそが、最高の事例なのではないでしょうか? 自分の体験を振り返り、深掘りしてみることで、得られることは大きいと思います。