暫定税率期限切れで、4月1日からガソリン税率が下がっています。
消費者から見ると、
「税金が下がっているんだから、即日下げるべきだ」
と思い勝ちですが、実際には「蔵出し税」なので、4月1日の時点で店が在庫として持っているガソリンは、旧来の高い税金がかかっています。
従って本来は、
「旧来の税金を払って入荷したガソリンは、旧来の高い価格で売る。この在庫が切れて、4月1日からの新しい税金を払って入荷したガソリンを売る時点で、値段を下げる」
というのがロジカルな対応のように思えます。
しかし、この辺りは明確なガイドというものがありません。
しかも消費者にとっては、上記の対応は非常に分かりにくいものです。
実際には、販売価格を4月1日に即日下げる店と、下げずに旧来価格で売っている店に分かれているようです。
価格を下げた店には「待っていました」とばかり早朝から長蛇の車の列が並んでいる様子をTVのニュースで放映していました。
当然ですが、下げない店には、今までよりも来るお客様は減ります。商売になりません。
そこで、値下げをする店も増えているようです。
一方で、租税特別措置法改正案が再可決される4月末、再度ガソリンが元の価格に戻ることが予想されています。
従って、下記4つのパターンが考えられます。
パターンA: 「4月1日は即日値段を下げる。5月は低い税率で仕入れた在庫がなくなるまで安い価格で売る。在庫がなくなったら元の価格に戻す」
パターンB: 「4月1日は即日値段を下げる。5月に税率が元に戻った時点で、在庫に関係なく元の価格に戻す」
パターンC: 「4月1日は即日値段を下げず、旧来の税金を払って入荷したガソリンがなくなった時点で値段を下げる。5月は、低い税率で仕入れた在庫がなくなるまで安い価格で売る。在庫がなくなったら元の価格に戻す」
パターンD: 「4月1日は即日値段を下げず、旧来の税金を払って入荷したガソリンがなくなった時点で値段を下げる。5月に税率が元に戻った時点で、在庫に関係なく元の価格に戻す」
パターンBとCがロジカルな対応、パターンAは本来の利益を削った過剰サービス、パターンDはこの機会に乗じて儲けようとしているケース、ということになるのでしょうか?
一方で、今や価格比較サイトでどのガソリンスタンドが安いか、消費者はすぐに分かる時代です。
従って、パターンDの場合はお客さんが来ないので、実際にはパターンBにせざるを得ない店が多いように思います。
結局、消費者が強いので、利益を圧迫する、ということなのでしょうか?
政治の混迷によるツケが、民間業者を混乱させています。
このような事態が予想されたのに回避できなかった与党。
一方で、「昨年の参院選の一票一票を、このような結果に繋げることが出来た」と言っている野党。
世界全体の中で、課題山積みの日本にあって、本来、このようなことで時間と政治的パワーを浪費する余裕はないはずですが….。
【25.1円】 ガソリン減税を機に、税金について今から考えてみるというのはどうか
昨日4月1日。TVではニュースの度にガソリンスタンドが映し出され、「安くなった
高速道路の入り口付近や周囲にスタンドが少ない地域では値段の看板を隠してしまって「大特価」や「12X円」などと表示するところもあるようですね。車を走らせながらガソリンスタンドを探す運転手の事情を考えればわかりやすい看板を設置する事を義務付けても良さそうですが、看板の設置は任意であるようです。