先月に続き、昨日(2/17)、「嶋口・内田研究会」に参加しました。
今回は『地域再生を経営が変える』と題し、市街地経営研究機構代表の木下斉さんが講演されました。
木下さんのプロフィールによると、1982年7月生まれなので、現在27歳。ブログはこちら 。
早稲田高等学校在学の頃から地域活性化で活躍、2000年には新語流行語大賞「IT革命」を受賞、社会起業家コンペティションや論文でも数多くの受賞をされています。
どのような方なのか、楽しみにしていたのですが、豊富な現場経験に基づいた強い信念を持つ、「地に足が着いた熟練の経営者」といった印象を受けました。
今回は、木下さんが関わられた様々なまちづくりのご経験談を聞くことができました。
その中で、特に印象深かった話がありました。
地域再生を行なおうとすると、様々な利害衝突が起きます。
そのような中で、どのようにプロジェクトを進めればよいのでしょうか?
木下さんによると、ポイントは「全員の合意形成を取らず、やりたい人達がリスクを取って、やる」ということです。
極論のようですが、実際には合理的な考え方でした。
まず、街の商店街関係者全員の合意形成を図ろうとすると、リスクを取らない人が色々なことを言ってきます。
さらに、利害関係が錯綜しているので、全員の合意形成そのものが大変ですし、時間もかかります。
また、仮に全員の合意形成が取れたとしても、その内容は無難かつ何も変革しないものに流れがちです。
ともすると人々は大多数になると、苦しいことや面倒なことを避け、現在の自分の既得権益を守ろうとし勝ちだからです。
そこで、例えば地域でやる気のある人達同士で別会社を作り、この中でガバナンスを効かせてプロジェクトを進める、という方法を取るとのことでした。
実際に木下さんは、様々なプロジェクトで大きな成果を挙げています。
もちろん、プロジェクトに参加する全員が、進んでリスクを取り、自分の既得権益を返上してでもよくしたい、と考えるような素晴らしいプロジェクトもあると思います。
また、この方法論が適用できない状況もあります。
例えば会社の部や課で、十数名程度のチームによるプロジェクトは、比較的利害の衝突がありません。このようなケースでは、明確な方針の下で全員が納得した上で進める方が、高い成果が得られることが多いと思います。
しかし、木下さんが関わられた利害が異なる非常に多くの人達が関わるような状況の中では、木下さんの方法論は現実的な解決手段だと思います。
現場で揉まれた経験に基づいて語るその言葉は、とても重みを感じました。
また、このような20代の方が日本にいることは、新鮮な驚きでもありました。
木下さんに代表されるように、最近の20代の若い方々は、問題意識も高く、とても優秀な方が多いと思います。
先週日曜日の多摩大学の集まりでお会いした現役大学生の方々も、そのような方が多くいらっしゃいました。
また、今年1月に参加した慶応ビジネスコンテストでも、一般的なビジネスマンよりもはるかに高いレベルのビジネスプランを提示する現役大学生が多数いらっしゃいました。
日本の若い世代の方々は素晴らしいですね。