2014/6/23の日本経済新聞の記事「月曜経済観測 家電量販、増税後の消費は 高付加価値商品に需要」で、 ケーズホールディングス 遠藤裕之社長がインタビューで次のように話しています。
—(以下、引用)—
メーカー自体の業績が悪化したことで、無理な営業ができなくなってきた。そして価格を下げなくても売れることに気が付いた。消費者が本当に必要だと思う商品が売り場に並ぶようになったことも背景にある
—(以上、引用)—
そして、そんな家電製品の例として、
・布団のダニを取る韓国メーカーのクリーナー
・米国生まれのロボット掃除機
・油を使わない欧州メーカーのフライ機
を挙げ、「新しい価値が伝わるなら2割程度高くても買う。かつては家電と言えば日本製品しか手にしなかったがこうした『価値組商品』は海外メーカーでもよく売れる」とおっしゃっています。
家電業界は価格競争に陥っていると言われてきましたが、このように価値勝負で「価値組」になるということですね。(「価値組」という言い方は、言い得て妙ですね)
ここで国産家電メーカーが挙げられていないのが、ちょっと残念です。
お客さんが気がつかない課題やウォンツは、日々お客さんに接して、アンテナを張ることで、発見できます。そして、「言葉にできないような課題やウォンツ」を掘り下げることで、新たな価値を創造できます。
日本の家電メーカーは、お客さんのニーズを真面目に聞く企業が多い半面、ともすると言いなりになってしまっている面もあります。
しかしお客さんの言いなりになっている限り、「言葉にできない課題やウォンツ」を実現することは、なかなかできません。
マーケティングは、単なるプロモーションの方法論ではありません。世の中の言葉にできない課題やウォンツを解決し、よりよい世の中を創り上げていく方法論でもあります。
元々、日本の家電メーカーは技術力はピカイチ。マーケティングの考え方が日本メーカーに普及していくと、この状況も変わり、価格競争から抜け出して、多くの企業が「価値組」に変わっていくのではないかと思います。
現在執筆中の本は、「100円のコーラを1000円で売る方法」で描いた顧客中心主義を、より実践的に企業の中で取り組めるようにすることで、このような課題にお応えできる本にしたいと思っています。