日経メディカルにこんな記事がありました。
ダイエット清涼飲料の飲みすぎは禁物、胴囲の増加が飲まない人の6倍に
テキサス大学が384人について、1日当たりのダイエット清涼飲料の消費量ごとに、0本、0.5本未満、0.5~1本未満、1~2本未満、2本以上の5群に層別化して約3.6年間隔で3回、9.6年間追跡調査した結果によると、
・ダイエット清涼飲料の消費群は、胴囲が2.11±0.33cm増加、非消費群では0.76±0.24cmの増加
・ダイエット清涼飲料消費と胴囲の変化の間には、正の関係が確認(p<0.001)
・毎日2本以上のダイエット清涼飲料を飲んでいる群では胴囲が平均4.74cm増加(飲まない人の6倍)
この結果について、記事では下記のように指摘しています。
・「加糖飲料の消費を減らそうという努力は、ダイエット飲料の消費拡大につながっている。しかし、今回の結果は、ダイエット飲料の消費拡大に思わぬ落とし穴があることを示した」
・「カロリーを減らすためにダイエット炭酸飲料の消費を促すことは、必ずしも賢明な対策とは言いがたい。カロリーはゼロかもしれないが、もたらす結果は期待通りではない」
つまり、この調査では、
「ダイエット飲料をよく飲むグループ」と「胴囲が増加する」という相関関係が確認された
ということですね。
ただ、あくまで相関関係です。
当り前ですが、この研究では、
「ダイエット飲料をよく飲む」→「胴囲が増加する」
という因果関係は証明されていない、という点、ちゃんと理解する必要がありそうです。
世の中には、このような調査を元に、あたかも因果関係があるように提示するケースがあったりするので、注意が必要ですね。
ちなみに、以前「科学的教養は、自分を守る」で書きましたように、米国では、「ダイエット飲料は痩せるから、いくら沢山食べても大丈夫」と誤解する人もいたりします。
例えば、
「ダイエット飲料をよく飲む人は」-「沢山食べる」という相関関係
「沢山食べる人は」→「胴囲が増加する」という因果関係
に分けてみて、「ダイエット飲料をよく飲む人は、よく食べる」という相関関係と、「よく食べると、胴囲が増加する」という因果関係を証明する、というように分解して考えると面白いと思います。