3Dプリンターをご存じの方もおられるかと思います。
一般的な普通のプリンター(2次元)は、文字や絵、写真といった平面のものをプリントします。
3Dプリンターはこれが3次元になります。樹脂などを吹き付け、それを幾重にも階層状に重ねることで立体の物体を出力します。ちょうど紙の切り抜きを重ねて、立体的なものを作り上げるイメージです。
2012/11/14の日本経済新聞に掲載された記事「真相深層 米国発、新たなデジタル革命――1人で起こせる製造業」では、ベストセラー「ロングテール」「フリー」の著者であるクリス・アンダーソンが、この3Dプリンターやレーザーカッターにより生み出される全く新しい製造業を描いています。
—(以下、引用)—
「インターネットにつながった3D(3次元)プリンターやレーザーカッターといった卓上サイズのデジタル工作機械を使って、これまで大企業にしかできなかった『ものづくり』が、一般の人々にもできるようになった。装置がなくても製造を請け負う工作スペースにネットで設計図を送れば、自分のデザインを形にしてくれる」
—(以下、引用)—
例えば私たちが、3次元デザインソフトでデザインしたものを、すぐに立体物に作ることができるということですね。
—(以上、引用)—
「2次元のデジタル革命では、それまで表現手段を持たなかった一般の人々がメディア企業や映画会社と同じように、自分たちが作ったコンテンツやソフトウエアを市場に届けられるようになった。それと同じ『民主化』が製造業でも起きる。眠っていた膨大な数のアイデアや情熱や創造性が流れ込み、新しい市場が生まれる。アマチュアが明日の市場をつくる。だから新産業革命なのだ」
—(以上、引用)—
以前当ブログでご紹介した山本恭輔さんは、10代の人達が自分の身体をCTスキャナーでスキャニングし、透明な身体の模型(1/4サイズ)を持つようにすることで、生きる意味を考えよう、というプレゼンをTEDxOsakaで行われていました。
このようなことは、以前は思いついても実現は難しかったと思います。しかし3Dプリンターなら可能です。
まさにアイデアや想いが、そのまま形に出来るのですね。
—(以下、引用)—
「彼らはネット上でコミュニティーをつくり、アイデアを共有する。みんながアイデアを出し合ってどんどん改良していく。ネットで公開したアイデアに賛同した人たちが開発費用を出資するクラウドファンディングという仕組みもある。こうした動きを『メイカームーブメント(製造業革命)』と呼んでいる」
—(以上、引用)—
記事によると、デジタル工作機械を共同利用できる工作スペースは世界に1000カ所あり、米オバマ政権は今後4年間で1000カ所の学校にデジタル工作機完備の工作室を設置する計画であることを紹介しています。
一方で、東京大学ものづくり経営研究センター センター長の藤本隆宏教授は、日本のものづくりの強みは「すり合わせ」と「作り込み」にあるとおっしゃっておられます。
「ものづくり」を追求してきた日本こそ、今後のこの流れをしっかり見極めていく必要があるかと思います。