正直は美徳か? 実用か?


"Honesty pays in the long run" (「長い目で見れば正直は報われる」)

また、"Honesty is the best policy."(「正直が最善の策」)という言葉もあります。

中学生の頃は、この言葉は人間として生きていく上での美徳を説いた言葉だと思っていました。

色々と経験して改めてこの言葉を聞くと、これは非常に実用的な言葉であると思えてきます。

確かにその場をやり過ごすためにウソをついた方が楽な場合もありますが、これもしょせん一時的なもので、いづれそのようなウソはばれます。

「彼(又は彼女)は、必要な時はすぐにウソをつく人間だ」と思われることが、いかに大きな損失になるかは言うまでもありません。

常に正直かつ率直であり続けることが、人からの信頼に繋がりますし、何よりも、ウソをついたら、話の整合性を維持するためには過去のウソを全て覚えていなければなりません。でも、私はそれ程記憶力はありません。

そうであれば、常に正直であり続け、言っていることと現実の整合性を常に持ち続けていることの方が、よいと思うわけです。

実際のビジネスでも、お互いに正直であることが大前提です。もちろん競争社会ですから様々な駆け引きはありますが、その競争ルールの基本には「正直であり偽らないこと」があります。

そもそも、このような損得勘定は抜きにして、私自身偽ることは嫌いですし。常に自然体でいたいですね。

一方で、松山真之助さんが、メルマガ"Webook"の中で、『「善玉ウソ」を使いこなせ』という本を紹介なさっています。

このように相手を幸せにするウソもあるのがまた、世の中の味わい深いところですね。

正直は美徳か? 実用か?」への10件のフィードバック

  1. 英語では罪のないうそを「White lie」と呼ぶようです。「真っ赤なうそ」というのは、丸っきりのうそという意味ですね。うそには色がついているようです。 
     
    状況に応じて、うそをつかなければならない場合もあります。末期がんのひとには、医者はよくリンパ腺の腫瘍です、と言うそうです。治療法が同じだから。お前は明日死ぬと言ったら、精神的に苦しむでしょうね。だから、ついて良いうそもあるんでしょうね。
     
    うそで固めた人生は悲しそう。正直者は馬鹿をみるのでしょうか。うそにまつわる名句やことわざって多いですね。わたしはうそが下手です。

  2. 「善玉ウソ」って確かに必要だと思う。でも、もし末期ガンで明日死ぬなら、私だったら言って欲しい。そしたら、好きな人のそばで逝けるようにちゃんと準備をしておくから。

  3. 「正直は効率である」と断言しましょう 🙂
    世の中、根っからの“嘘つき”がそんなにいるとは思いませんが、ゼロでないことは認識しておく方がよいでしょうね。
    私も、明日死ぬならそう教えて欲しいです。

  4. とおるさん、
    あと1日ということを聞くと私は苦しむかもしれませんが、よりよく生きたいので告知希望ですね。
    >>うそで固めた人生は悲しそう。正直者は馬鹿をみるのでしょうか。
    馬鹿を見ない世の中であって欲しいですね。Web2.0は正直者が馬鹿を見ない世界だと思います。

  5. Majyokkoさん、
    私も、ですね。最後までの時間が分かった瞬間の残りの人生って、すごく充実しているような気がします。

  6. mohnoさん、
    久しぶりにmohnoさんからコメントをいただき、嬉しく思います。
    >>「正直は効率である」と断言しましょう 🙂
    「ううむ、なるほど」、っていう感じですネ。(^^)

  7. 私の少ない経験から考えると、駆け引きは情報を全て開示しないことによって行われている気がします。これは確かに正直ではないですが、(「全部手の内を明かしています」とさえ言わなければ)嘘でもないですよね。
    あと、今は古い先生でもない限りがんの告知しますのでご安心を。全国平均を取ると50%くらい何ですが、私の感覚から言うと、少なくとも都内の病院はかなり高率にちゃんと告知しているはずです。informed consentが医療法に書かれている時代ですからね。もっとも、あと「何日です」なんて言う医者もいませんが。言うとしたら、「統計上の平均値は、、、です」とか、年単位、月単位、週単位ですってくらいだと思います。

  8. Dr.Aさん、
    コメントありがとうございました。
    確かに、情報をみだりに開示しないことも駆け引きの上では大切ですね。情報を開示することで他の人に迷惑をかける場合もありますし、おっしゃる通りこれは許される範囲ではないかと思います。
    最近はほぼ告知なのですね。確かに医療の世界でも色々と説明責任が求められる時代ですからね。ただ、告知された家族が本人に言うかどうかは、ケースバイケースなのでしょうね。

  9. しつこくて恐縮ですが、原則(小児や認知症、ある種の精神疾患を除き)、本人に告知です。少なくとも、国家試験的には家族であろうとも、本人の了解なしに情報提供してはいけないことになっています。もっとも、それが完全に浸透するには何世代か医師の交代を待つしかないでしょうけど。
    たびたび失礼しました。

  10. Dr.Aさん、
    本人のみへの告知なのですね。
    「しつこくて」なんてとんでもない、感謝しています。どうもありがとうございました。

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