今月の日本経済新聞「私の履歴書」は、長嶋茂雄さんです。
今日(7/3)は野球漬けの毎日だった高校生の頃の話が描かれています。
—(以下、引用)—
庭にある樹齢三十年の柿の木の下でバットを振るのが日課だった。後楽園に行った日は夕方、余韻冷めやらぬうちに「長嶋、打ちました」と藤村さん(注:タイガースの藤村富美男さん)のフォームをまねた。下手でも振って振って、好きで好きで夢中でやった。
今で言うメンタルトレーニングだろう。スター選手のバッティングの物まねを一通りおさらいしたあと、いよいよ私の独壇場の世界に入る。
「バッターは四番、長嶋、悠々バッターボックスに入ります。構えました。第一球はカーブ、ボールです。第二球、長嶋、打ちました。ボールはぐんぐん伸びております。センターバック、センターバック。ホームラン、長嶋、みごとなホームランです」
とっぷりと日の暮れた柿の木の下で、自己陶酔の実況アナウンスが夢を膨らませた。もうジャイアンツの未来の四番になりきっていた・
—(以上、引用)—
この記事を拝見して、あの長嶋さんが若い頃に一人で実況アナウンスをしながら素振りをしている様子がまざまざと思い浮かびました。
なるほど、長嶋さんのあの素晴らしいプレイの数々は、高校生の頃の柿の木の下の素振りと無意識に行っていたメンタル・トレーインングに源流があったのですね。
このように「好きで好きで夢中にやり」、無条件に自分を信じられることが、長嶋さんの強さですね。
この「好きで好きで夢中にやる」ということは、その道を極めるための一つの方法だと思います。
ただ、こればかりは意図してもなかなか巡り合うことはできません。
今、好きで好きで夢中にやりたいことがある人は、幸せですね。