10月に、朝カフェ次世代研究会と、勤務先の社内会議で、「プレゼンの心得」というプレゼンを行なうことになりました。
今年4月に当ブログで書き、5月に勤務先のある部門からの依頼で話したテーマです。
その後、「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」という本が出版されました。
評判の本なので、参考になればと思い、読み始めました。
現在1/3ほど読んだところですが、いい本ですね。
メモ書きを兼ねて、いくつか紹介します。
■構想はアナログでまとめる
デジタルではなく、紙と鉛筆という昔ながらの方法を使う、とのこと。
これは「プレゼンテーションZEN」でもガー・レイノルズが書いていることですね。
—(以下、p.25から引用)—
アル・ゴアの『不都合な真実』の制作で中心的役割を果たしたナンシー・デュアルテも、30枚のスライドを使う1時間のプレゼンテーションを作るためには最大で90時間もの準備をする必要があるが、スライドを作る時間はその3分の1に押さえるべきだと言う。
最初の27時間は、話の種を探す、専門家に話を聞く、アイディアを整理する、仲間と話をする、話の流れを大まかに組み立てるといったことに費やすのだ。
—(以上、引用)—
確かにこれをしっかりやっておくと、確かに骨太なストーリーになることが多いと思います。
■一番大切な問いに答えること
一番大切な問いとは何でしょうか?
—(以下、p.48から引用)—
プレゼンテーションを準備しているとき忘れてはならないことがある。
プレゼンテーションの対象が自分ではなく、聴衆であるということだ。
聞き手は「なぜ気にかける必要があるのか」と必ず自問している。
まずこの問いかけに答えてあげれば、聴衆を話に引き込むことができる。
—(以上、引用)—
そもそも、何のためのプレゼンかを考えると自明のこと。
でも、これがないプレゼン、確かに多いですね。
■ツイッターのようなヘッドラインを作る
マックブック・エアの発表の時のスティーブ・ジョブスのプレゼンを覚えている方も多いのではないでしょうか?
「マックブック・エア。世界で最も薄いノートパソコンだ("world’s thinest notebook.")」
この30文字の英文"world’s thinest notebook."は、この製品に関わるあらゆるところで使われました。
この仕組みについても説明されています。
—(以下、p.86から引用)—
ジョブスは、どの製品にも必ずといっていいほど1文で表した概要を用意する。
しかもこの文は、プレゼンテーション、プレスリリース、マーケティング資料などが完成するよりはるかに前、企画の段階で細心の注意を払って作られている。
そして終始一貫、ひとつのヘッドラインが使われる。
—(以上、引用)—
このヘッドライン、誰が作るのでしょうか?
本書は答えています。
—(以下、p.90から引用)—
放置してメディアにヘッドラインを作らせることなどジョブスはしない。
自分で作り、プレゼンテーションで何度も使う。
まずヘッドラインを打上げる。
次に製品を詳しく紹介する。
デモも行なうことが多い。
説明の最後は、またヘッドラインを使って締める。—(以上、引用)—
iPodの例も紹介されています。
—(以下、p.92から引用)—
「今日発表するのは、ウルトラポータブルなMP3プレイヤーだ。重量は185グラム、5ギガバイトのハードディスクが搭載されており、アップルらしい使いやすさも備えている」
—2001年10月23日、ジョブスはiPodをこのように紹介してもよかっただろう。
実際に彼が語ったのはこれだけ—-
「iPod。1000曲をポケットに」
(中略)
アップルのヘッドラインが記憶によく残るのは、3つの条件を満足しているからだ。
簡潔(英語27文字。日本語訳で12文字)、具体的(1000曲)、そして利用者にとってのメリットがわかる(ポケットに入れて音楽を持ち歩ける)。
—(以上、引用)—
前者の製品紹介をする人は、圧倒的に多いのではないでしょうか?
一方で後者の「iPod。1000曲をポケットに」というタイトル。とても分りやすいのですが、作るのはとても大変です。
しかし、このように力があるメッセージを作れるのは、コンセプトが明確だからです。
製品が出来てから考えるのではなく、製品企画段階から考えるべきなのでしょう。
本書では、ある投資家の言葉も紹介されています。
「何をしたいのかを10ワード以内で表現できないなら、私は投資しないし買わないし、興味もない」(p.96より引用)
私も、ブログ、本、プレゼン等で、シンプルにする重要さと、その大変さはいつも痛感しています。
上記の言葉は、シンプルさが重要であることを、改めて具体的に教えてくれます。
まだ残り2/3はこれから読みますので、続きはまた後程書きます。
> 放置してメディアにヘッドラインを作らせることなどジョブスはしない
この一文に、耳が痛い日本企業のマーケティング担当は多いのではないでしょうか。
製品だけ作ったら、広告代理店に丸投げ。
だから、日本の広告代理店は、異常なくらいに権限を持っている。グローバルに見ると、おかしな図式ですね。
やはり、自社の製品を語れるのは自分たちしかいない、という原点に戻るべきだと感じます。
大木さん、
ありがとうございます。
これは製品中心の発想の名残なのかもしれませんね。
本来は、ジョブスがやっているように、製品を作ろうとする時点でコンセプトを固めることが必要なのでしょうね。
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