東村アキコ「かくかくしかじか」……ひたすら行ずることの大切さ


東村アキコさんはとても好きな漫画家の一人です。

その東村アキコさんが「かくかくしかじか」という作品でマンガ大賞2015を受賞したとのことで、早速Kindle版で第1巻をダウンロード。2日間で一気に全5巻を読了しました。(第5巻のみまだKindle化されておらず、紙の本で読みました)

かくかくしかじか5

 

話は東村アキコさんが宮崎の高校生だった時代から始まります。スパルタ美術教室の日高先生と出会い、美大に入り、社会人となり、漫画家になるまでの日高先生との8年間を描いた実話です。

厳しい日高先生は、常に「描け」と言います。とにかく手を動かして描く。描く意味や、自分が何を描きたいかなどは考えず、ひたすら目の前のものを描く。

日高先生の最後の言葉も、「描け」でした。

そして真剣に生きる。

 

ひたすら目の前の課題に対して行ずる大切さ。

行じた意味は、あとから付いてくるかもしれない。(しかし、ついてこないかもしれない)

これは絵に限らずに、生きることすべてに共通な、大切なことだと思います。

それがなかなか出来ないのも、人間の弱さ。

東村アキコさんは、その自分の姿も、本作品でありのまま描いています。

 

このように書くとシリアスなストーリーに思われるかもしれませんが、基本は東村アキコさんのいつもの作品通り、コメディ路線です。

 

「たまにはビジネス書から離れた本を読んでみたい」という方にはお勧めです。