「パワポができる奴は戦略が立てられない」?


時々、こんなことを言い放つ部長さんがおられます。

「パワポ(パワーポイント)ができる奴は、確かに絵は描けるけどさ。戦略が立てられないんだよなぁ」

もしあなたが就活中で、転職希望先でこんな管理職に遭遇したら、その会社への就職はやめた方がいいと思います。

まずこう発言する部長さんは、自分でパワポを作っていません。パソコンが使えないからです。

そこで係長か主任クラスの若手社員に声をかけて、「こんな感じでさ。パワポ資料作ってよ」と依頼するわけですが、往々にして指示は曖昧です。従って、ちゃんとした資料ができません。

出来上がった資料を見て、「うーん。なんかこれ、違うんだよなぁ」
こうして何度も資料は突き返されて作り直し。これは元々の指示が曖昧なのがいけないのです。

実はこうして作り直している間に、部下のアイデアを取り込んで徐々に資料が出来上がっています。しかし当の部長さんはすべて自分が考えていると思っています。

その結果、この発言になります。

「パワポができる奴は、確かに絵は描けるけどさ。戦略が立てられないんだよなぁ」

自分でパワポ資料が作れず、そして周囲の部長さんたちも自分で作れません。社内のオフィスにこもってそんな世界しかみていないので、こんな発言になります。

これは二つの意味で問題です。

1つ目は、とても非効率であること。
自分でパワポを覚えれば、ずっと短時間でパワポ資料が作れます。管理職の社内資料は、別に凝った資料を作る必要はなくて、ロジックがしっかりしていれば、文章の箇条書きでOK。こんな資料だったら、最低限のパワポ操作を覚えれば自分で作れます。現場で仕事を抱えて頑張っている部下の貴重な時間を奪うこともなくなります。「パワポ資料くらい、自分でサクっと作ろうよ」という話です。

2つ目は、会社全体に広がっているITリテラシーの低さ
こんな部長さんなので、Zoom会議に一人で参加するのなんてまずムリ。
デジタル発想もできません。
会社を動かしているミドルマネジメントがデジタル音痴なので、DXもまったく進みません。

会社全体が非効率で、かつITリテラシーも低いので、将来性はありません
だからこんな会社には、就職はやめた方がいいと思います。

現実には、私の周囲でしっかり戦略を考えられる実力派ビジネスパーソンは、パワポも上手です。ITリテラシーが高いので自分で作った方がはるかに速く確実に作れます。そもそも部下は現場で大事な仕事を抱えて頑張っています。部下にはその仕事に集中して欲しいわけです。

もしパワポ資料作成を部下に任せていたとしたら、そろそろ自分で作りましょう。

      

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