「走りながら考える」の言葉の意味が、この30年間で変わってきた


昨日のブログの続きです。

「走りながら考える」という言葉があります。

 

1980年代後半、私がまだ20代だった頃は、先輩社員が「あの人は、相変わらず走りながら考えているなぁ」と言うことがありました。

当時、「走りながら考える」という言葉には、どちらかというと「もっとちゃんと考えた上で行動するべきだ」という多少揶揄するニュアンスが入っていました。

 

しかし現代では、「走りながら考える」という言葉のニュアンスはかなり変わってきたように思います。

揶揄するニュアンスはなくなり、むしろ「タイミングを逸しないように、実行力を重視している」というポジティブな意味が強くなっているのではないでしょうか?

 

ただこのことは、「戦略を考える必要はない。まずは実行だ」という意味に捉えると、本質を見間違えるかもしれません。

「3ヶ月の完璧な戦略を立てる」のでなく、「半日で仮説を立てて、すぐに実行する」形に変わってきた、ということだと思います。

言い換えると、「時間をかけてあらゆるケースを想定して熟考を重ね、戦略を立てた上で、実行する」という方法論から、「迅速に仮説としておおまかな戦略を立てた上で、まず小さく実行し、仮説を検証しながら速度を上げ、規模を拡大する」という方法論へ、変わってきたと言うことだと思います。

 

「走りながら考える」という言葉のニュアンスが変わってきたこと自体、この30年間で「時間が第5の経営資源」になっていることを象徴していることなのでしょう。

 

「走りながら考える」の言葉の意味が、この30年間で変わってきた」への2件のフィードバック

  1. 理論武装して完璧に考えてから行動を起こすよりも考えながら走るということをずっとやっていると思います。
    行動を起こす前にどれだけ考えるかなのですが、考える時間は考える人の能力によって大きく違います。
    仕事は、事前の考える時間と遂行している時間を足して出来上がりの時間が算出されますが、トータルの時間が短い方(結果を同じと仮定)が良いとされます。
    途中よりも結果が出てから評価する方が良いように感じます。

  2. Ifreetaさん、コメントありがとうございます。考えた時間も確かに大切ですが、成果が問われるプロの世界では、考えた内容がより重要ですね。

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