自費出版のための7箇条


今回の自費出版での経験を通じて、自費出版で必要と感じたことをまとめてみます。

全部で7つで、個人的な独断で順位付けしてみました。

7位から順に、1位まで紹介します。

■第7位:本の在庫をストックする部屋のスペースを確保する

これ、実は結構大事です。

今回、初版で2000冊を印刷し、全て家で在庫管理していますが、比較的小さな新書であっても、2000冊というのは結構なボリュームです。

ちなみに、新書2000冊がどの程度の量かというと、横に段ボールを二個並べて積み上げて2m近くの高さになります。より大きな単行本の場合はさらに大きなスペースが必要になります。

ということで、私は自費出版の作業を進めている最中に、この在庫スペースを確保しなければいけないということに途中で気づき、デスクトップPCを処分し、PC用机を廃棄して、スペースを確保しました。

「自費出版した。本が沢山家にやって来た。でも、家に置けない。どうしよう」

ということがないようにしたいものです。

 

■第6位:勤務先の承認を得る

「面倒くさいから、会社に黙っておこうっと」

….ううむ、この方法、お勧めしません。

勤務先に黙って出版すると、色々な不都合が起こる可能性があります。

例えば、著作権の問題、出版収入が勤務先と利益相反している可能性、書いている内容が勤務先のブランド価値を毀損する可能性、等々です。

自分の判断が妥当かどうか、という問題ではなく、客観的な勤務先の第三者の判断を入れることがとても大切です。

のちのち自分に全ての問題が降りかかってきます。

「面倒くさい」と思うかもしれませんが、自分を守るためにも、そして勤務先の仲間に不要な迷惑をかけないためにも、勤務先のしかるべき部門に問い合せて確認することをお勧めします。

 

■第5位:早めに転載許可を取る

本の中で他の本や雑誌・新聞の内容を転載する場合、転載承認依頼が必要になります。

出版社、新聞社に個別に問い合せて、承認を獲得することになります。

ほとんどの会社では、標準プロセスが既にあるので、申請すればほぼ数日で承認が完了します。

場合によっては本文書き直しもあるので、転載許可は出来るだけ前倒しで完了させるとよいでしょう。

 

■第4位:本を出すと宣言し、出来るだけ多くの人達に見ていただく

「伽藍とバザール」を書いたオープンソースソフトのカリスマ的人物、エリック・レイモンド氏は、「目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない」 と言いました。

これは本でも全く同様に当てはまります。

出来る限り多くの方々に原稿をチェックいただくことで、誤字脱字の類はもちろん、ロジックの間違いや、よりよい本にするためのアドバイスを得られます。

特に専任の編集者がいない自費出版の場合、なおさらです。

できるだけ沢山の人に見ていただくことをお勧めします。

 

■第3位:ワープロ画面上で徹底的に誤字や間違いをたたく

本を書いてエラーをチェックしていると、何回見直しても、不思議とその前には気がつかなかった間違いが見つかります。

なかなか収束しないのですが、時間をかけて修正していくうちに、必ずエラーが減ってきて収束するタイミングがやって来ます。

一旦印刷の校正段階に入ると、エラーを修正して修正を確認するのは、極めて面倒な作業になります。

大切なことは、この段階までワープロ画面上で徹底的に修正を続けることです。

 

■第2位:マスタースケジュールを立てる

「本を作る」と宣言して、しばらくはこんな感じでした。

5月下旬頃の会話
「いつできますか?」
「まぁ、7月はじめくらいには」

6月中旬頃の会話
「いつできますか?」
「ううむ、なんとか7月中に仕上げたいけど、8月かなぁ?」

6月下旬の会話
「いつごろできますか」
「ちょっと7月中は無理っぽいので、8月になりそうですねぇ」
「………。」(__;)

…ということで、仕事で普通に行っているプロジェクト管理は、自費出版でも必要です。

方法は何でもよいのですが、目標とする完成日までに順番に何を行うべきなのかを書き出して、関係者と合意し、一旦合意したスケジュールは出来る限り守ることが重要です。

いったんしっかりとしたスケジュールを立てれば、あとはただひたすら愚直に出版プロジェクトを進めるだけです。

 

■第1位:FEPをATOKに変える

やっぱり、生産性と品質を上げる決め手はこれでしょう。

ということで、第1位にさせていただきました。

章立てを作ったりするために、原稿をWordで書く人は多いと思います。

ここで問題になるのはIMEのカナ漢字変換の精度の低さです。

低いだけならちゃんと変換すればよいのですが、Wordで使うと正しく変換済の文字列を変な変換に後から置き換えてしまう場合があります。

このエラー潰し、結構時間を使いました。

私の場合は、カナ漢字変換をATOKに変えたら、この問題がほとんどなくなりました。普段パソコンを使っているときも変なストレスを感じることがほとんどなくなり、精神衛生上も快適です。

ジャストさん、もっとATOKを宣伝するといいのに、と思うのは、私だけでしょうか。

Just Right! 3も試してみたかったのですが、今回は間に合いませんでした。

次回、試してみたいと思います。

ちなみに、上記の中で5位と6位は、自費出版に限らず普通の出版でも必要なことですね。

自費出版のための7箇条」への2件のフィードバック

  1. この第一位に、私も1票、いや、10票です。
    これって使ったことのある方ならわかりますよね。
    ATOKとはかれこれ15年以上、バージョンでいえばATOK8のころからのお付き合いですが、
    新しいPCを使うときにまずやることが、ATOKのインストールと辞書の引越しです。
    これは数年変わらないですね。

  2. 中村昭典さん、
    コメントを下さり、ありがとうございます。
    私はATOKを使うのは十数年ぶりですが、変換に伴うストレスがほとんどなくなりました。生産性もかなり違っているような気がします。

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