『朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力』が生まれるまで(15):マーケティング・コミュニケーション (09年08月)+おまけ


『朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力』が生まれるまでの経緯を連載でご紹介しています。連載バックナンバーは、こちら

 

2009年8月。

校正も完了し、本書もほぼ完成の目処が立ちました。

自費出版の時とは異なり今回は商業出版なので、出版社がプロモーションをして下さいます。

しかし自分の本ですから、自分でも是非、市場に対して本書の価値を伝えていきたいと考えました。

 

本書にも書いた通り、これは「プロモーション」というよりも、むしろ「マーケティングコミュニケーション」と言った方がいいかもしれません。

「プロモーション」という言葉には、「販売促進」というニュアンスが感じられます。

しかし本来は、対象顧客にとっての商品の価値を正しく定義した上で、その対象顧客に対して商品の価値を正しく伝えることこそが重要です。これがマーケティングコミュニケーションの考え方です。

「プロモーション」と「マーケティングコミュニケーション」は、一見同じことを言い換えただけに見えますが、実はその考え方は大きく異なります。

本来の対象読者へのマーケティングコミュニケーションとはかけ離れたような、販売促進活動を行う例もあります。

例えば、身内で注文を一時期に集中してアマゾンの順位を上げたり、出版の度に大規模な出版記念パーティを開く出版社もあるそうです。

このようなカンフル剤的な施策を実施することで、確かに一時的には売上効果が上がるかもしれません。

しかし、このような活動は顧客に価値を届けることとは全く関係ありません。このような活動により、対象顧客に商品の価値が正しく伝わるかどうかは、はなはだ疑問です。

本来のマーケティング活動とはかけ離れたものですし、一見うまく行っているように見えても、結局長続きしないのではないでしょうか?

 

ということで、本書のマーケティングコミュニケーション活動の狙いは、非常にシンプルです。

「対象読者となる若手ビジネスマンに、本書の価値をシンプルに伝えること」

この狙いを達成するために、次の4通りの方法を実施しました。

 

1.ポータルサイトを作る

昨年「戦略プロフェッショナルの心得」を自費出版をした際に、www.takahisanagai.comというサイトを作り、本書の概要を紹介しました。

このサイトは、takahisanagai.comという名称が示す通り、将来的に私の様々な活動をまとめて紹介するサイトにしたいと考えていました。

しかし昨年の時点では、旧著の紹介がメインでした。

そこでこのサイトをまず下記のようにバージョンアップし、当初の狙いである私個人の様々な活動をここに集約しました。

Takahisanagai

このサイトで本書のバナーをクリックすると、本書の概要が分るようにしました。詳細な目次や、本書に掲載した30件の参考文献も掲載しました。さらに、ここからアマゾンで注文できるようにもしました。今後は読者の声も分るようにする予定です。

Takahisanagaibook2009

各種記事で本書を紹介する場合は、このサイトを紹介するようにしています。

 

2.ITメディアの連載記事

前著は、「オルタナティブ新書」として出版したこともあって、ITメディアの方々に色々とご相談にのっていただきました。

今回、新しい本を出すのが決まった時点で、早速ITメディアの方々にご報告しました。

すると、「ある程度まとまった時点で、ITメディア・エンタープライズで本書の紹介記事を連載してはどうか」というお申し出をいただきました。

出版社とも相談した結果、16章からなる本書から4章を抜粋し、紹介する形にしました。

既にご案内の通り、これまでに公開した記事は下記です。

『GoogleやIBMの未来を方向付けた「顧客視点の事業定義」』

『顧客第一主義の自社が価格の高いライバルに負ける理由』

おかげさまで、はてブのブックマ数は、連載第1回目が50件を超え、2回目も40件近くになる等、好評でした。

『GoogleやIBMの未来を方向付けた「顧客視点の事業定義」』のはてブのブクマ状況

『顧客第一主義の自社が価格の高いライバルに負ける理由』のはてブのブクマ状況

 

3.本書が出来上がる過程の紹介

普通のビジネスマンは、なかなか本を出す機会がありません。しかしビジネスマンとして10年・20年仕事をしていると、自分だけしか語れない経験が少しずつ貯まってきます。

そこで、「この経験を本にまとめると面白いのではないか?」と考え、その経験をまとめたのが、本書です。

同時に、「私と同様に、自分で本を出したいと考えているビジネスマン向けに経験談を紹介すると面白いのではないか?」と考え、本書が出来上がる課程をブログに書くことにしました。それが当連載です。

アクセス上位には顔を出しませんが、確実に読んで下さる方がいるようです。

 

4.Twitterのハッシュタグを使った方法

林さんがブログで本書の書評を書いていただいています。

この方法がとても興味深いもので、Twitterでつぶやいて、それをまとめる、という方法でした。

しかも、単につぶやくだけでなく、ハッシュタグという方法を使っていました。

「はっしゅたぐ?」

実は私も全く知りませんでした。

Twitter上で、#で始まるハッシュタグを入れてつぶやき、後でこのハッシュタグで検索すると、このハッシュタグが付いているつぶやきを全て見ることができる、ということが分りました。

そこで林さんの方法を参考に、新たに『朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力』用のハッシュタグを作ってみました。

#asanocafe

本書関連の話題をTwitterでつぶやく場合は、是非つぶやきの中に#asanocafeを入れてみて下さい。検索すると仲間が見つかります。

ちなみに、最新の#asanocafeこちらで見ることができます。

 

また、ここではご紹介できませんが、他にも様々なマーケテインングコミュニケーション活動を組合わせて実施しています。

 

おまけ

本日も、書店をいくつか回って、本の販売状況を見てきました。

  • Book 1st新宿ルミネ店:3冊棚済みでした。もともと6-7冊あったようです
  • 紀伊國屋書店新宿南店(高島屋横):6冊平積みでした
  • 紀伊國屋書店新宿本店:7冊平積みでした
  • 青山ブックセンター丸ビル店:1冊ありました
  • 丸善・丸の内本店:7冊平積みでした

思ったよりも平積みをしていただいている店が多いのに驚きました。(ありがとうございました)

各書店で入荷を増やしていただいているような感じです。

アマゾンでは品切れが続いているようなので、入手したい方は大手書店に行けばすぐに入手出来るかもしれません。

 

http://twitter.com/takahisanagai

『朝のカフェで鍛える 実戦的マーケティング力』が生まれるまで(15):マーケティング・コミュニケーション (09年08月)+おまけ」への4件のフィードバック

  1. 永井さんの連載、いつも楽しみにしています。
    > 身内で注文を一時期に集中してアマゾンの順位を上げたり、
    身内にそれだけの応援団がいるというのも、ある意味すごいことですが、
    > しかし、このような活動は顧客に価値を届けることとは全く関係ありません。
    コレは本当にそうですね。本を出す目的をしっかりと持っていくことが大切なのかなと思いました。

  2. 竹内さん、
    コメントを下さり、ありがとうございます。
    >> 身内で注文を一時期に集中してアマゾンの順位を上げたり、
    >身内にそれだけの応援団がいるというのも、ある意味すごいことですが、
     
    確かにおっしゃる通りですね。
    アマゾンの順位ですが、短い時間帯で10冊単位で個別に注文を入れると、結構上に来るようです。でも、100位以内にはなかなか入らないようですね。
    >本を出す目的をしっかりと持っていくことが大切なのかなと思いました。
     
    これは本を出してみてよく感じます。
    読者にとっての意味も、大切なのですね。

  3. > 「はっしゅたぐ?」
    便利ですね~♪
    さっそく拝読させていただきました。
    小説仕立てはオシャレで、しかし内容は良い意味で非常にオーソドックス。
    大変に勉強になる一冊だと思いました。ありがとうございました。
    廣江@午後のカフェにて

  4. 廣江さん、
    コメントありがとうございました。
    廣江さんがおっしゃる通り、基本的なストーリーはマーケティング理論に忠実に沿った形にしてみました。
    是非また色々とお教え下さい。よろしくお願いします。

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