価格競争から脱して、新たな価値を生み出した後に起こることは、新たな価格競争。ではどうするか?


講演で、次のようにお話ししました。

「際限のない価格勝負を続けると企業は体力を消耗してしまい、次々と淘汰されてしまうので、業界全体としては永遠には続けられません。だから価格競争が行き着く先には、必然的に価値競争への転換があります」

そして質疑応答の際に、こんなご質問をいただきました。

「価値競争に転換した後、再び価格競争になる、といったように、それは繰り返されるのでしょうか?」

 

皆様は、このご質問にどのようにお答えになりますでしょうか?

 

私は、このように答えました。

「まったくおっしゃる通りで、価値競争に転じても、再び価格競争になります。

なぜかというと、新しい価値を創り出しても、価値には賞味期限があるからです。

たとえば、一時期「企業寿命30年説」というのが流行りました。新入社員として成長産業に入っても、50歳になった頃には構造不況産業になるケースはとても多くあります。企業が新しい環境に適応できず、新たな価値を提供できないと、成長産業と言えどもいつかは衰退してしまうのです。

だからこそ、常に新しい価値を創り出して、価格競争に陥らないようにしていかなければなりません。
その出発点は、どのターゲット顧客の、どのような課題に、どのような解決策を提供するか、です。」

 

常に、いかに新しい価値を顧客に提供し続けるかは、企業にとって永遠の課題。

そしてそれこそが、企業の存在理由でもあると思います。