失敗前提で成長する米国企業。成功前提で低迷する日本企業

朝活勉強会「永井塾」で、こんなご質問をいただきました。

「長年ITビジネスに関わっているので、米国企業と日本企業の考え方が全く違うことを実感しています。たとえばウーバーのように一般人の車をシェアする仕組みは、登場した当初は『荒唐無稽なアイデア』としか思えませんでした。でも今は普通ですよね」

まったくおっしゃる通りだと思いました。
これは、彼らが「競争市場が3つにわかれている」ことを理解しているためだと思います。

シェア独占で圧倒的に儲ける市場(大きいところが勝つ)
たとえば、飲料市場(コーラなど)、ITインフラ市場(Google検索など)

各社横並び競争の市場(圧倒的差別化が難しい)
たとえば、自動車業界、かつての日本の家電市場

早い者勝ちの市場(不確実性が高い)
たとえば、ITビジネス

このうち「各社横並びの市場」は、これまで日本企業が得意としてきた市場です。

「早い者勝ちの市場」は米国IT企業が成長してきた市場。カジノで賭けをするようなもので、10件やって1件当たるかどうかという世界です。FacebookやGoogleはこの市場で生まれ成長し、ソーシャルメディアや検索サービス市場で圧倒的シェアを確保し、「シェア独占で圧倒的に儲ける市場」の世界に入り、莫大なお金を生み出すようになりました。そこで得たお金を「早い者勝ちの市場」に再投資し、次のビジネスを生み出そうとしています。(Googleが自動運転に投資しているのもまさにそうです)

いまITがビジネス全体に広がっているので、「早い者勝ちの市場」は急速に様々な業界へと広がりつつあります。だから海外企業は、ITを活用する際には、「失敗してもいい。早い者勝ちなので、むしろスピード命だ」と考え、失敗前提で次々と挑戦します。

ちょうどカジノで賭け金を分散するようなもので、失敗する事業も多いのですが、数少ない事業が大化けし、全体で成長を続けています。そして大化けした事業が多くの雇用を生み出し、人が集まっています。つまりこの流れの中で人材も活発に入れ替わっているのです。

 

一方で伝統的な日本企業は「失敗してはダメだ」「全部成功させよう」と成功前提で考えるので、組織内で根回しし、じっくりと計画を立てて時間をかける一方で、あまり多くの挑戦をしません。挑戦の数が少ないので、成功する数も少なくなります。

加えて、根回ししたり計画を立てている間は、貴重な時間が無駄に過ぎています。「早い者勝ちの市場」なので成功確率はますます下がります。挑戦する数自体が少なく、タイミングを逸して確率も低いので、全体でますます縮小します。

最近、しきりに「現場に権限委譲しよう」「失敗前提で挑戦しよう」と言われるようになりました。これは根回しをしなくても済むように現場にドンドン権限委譲することでビジネスのスピードを上げ、現場では失敗前提で数多くの挑戦を行い、そこで得られた失敗から学び続けるようにしない限り、日本企業は競争に勝てなくなるからなのです。

 

備考:この3つは経営学者のジェイ・バーニーが分類したものです。「シェア独占で圧倒的に儲ける市場」は「産業構造型」、「各社横並びの市場」は「チェンバレン型」、「早い者勝ちの市場」は「シュンペーター型」が正しい名前ですが、私がわかりやすく名前を変えてご紹介しています。詳しくはハーバードビジネスレビュー2017年8月号に掲載されている「世界標準の経営理論」で、入山章栄先生が詳しく紹介しておられますので、ご興味がある方はご一読下さい。

 

 

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徹底した顧客目線が、AIビジネスを成長させる

いま、AIビジネスが爆発的に伸びています。爆発的に成長する海外のAIビジネスに共通するのは、「顧客目線をしっかり持っている」ということです。

たとえば、「次世代のインテル」とも言われているNVIDIA (エヌビディア)。

もともとNVIDIAは、GPU (Graphics Processing Unit)という画像処理専用チップを提供する老舗企業でした。

画像処理では、単純な計算がものすごく大量にあります。NVIDIAのGPUは、この単純で大量な計算を並列で行うことで、通常のCPUよりも数十倍速く完了できるようにしました。おかげで私たちは、パソコンなどで動画を自然に見ることができます。

ある日、NVIDIAのCEOは、社員からこんな報告を受けました。

「大学のAI研究者がGPUを使っています」

実はAIで大量データを学習する「デュープラーニング」という処理も、画像処理と似ています。並列で行える割と単純な計算が、ものすごく沢山あります。

これを通常のCPUで処理していると、とても時間がかかります。
並列処理に特化したGPUを使えば、数十倍に高速化できます。
たとえば数ヶ月間かかる計算が、数日間で終わるということです。
そこでAI研究者は、GPUをAIの研究に流用していたわけですね。

AIビジネスの成長を感じていたNVIDIAのCEOは「千載一遇のチャンス」と考え、経営資源をAI分野に集中する決定をしました。

早くからAIビジネスに取り組み、AI研究者を取り込んだおかげで、既にNVIDIAは自動運転に取り組む多くの自動車メーカーで採用されるなど、AI分野でデファクトスタンダードの地位を確立しつつあります。

NVIDIAの2016年度売上は69億ドル (7700億円)で、現時点で企業価値は844億ドル(約9兆円)。この出発点は、ユーザーであるAI研究者のニーズだったのです。

 

GoogleもAIビジネスに大きく投資しています。Googleでは、自社データセンターで使用するためにTPU (Tensor Processing Unit)というAI処理に特化したプロセッサーを開発し、実装が始まっています。先週、世界最強棋士に三連勝したGoogleの囲碁AI「AlphaGo (アルファ碁)」も、TPUを使っています。

GoogleがこのTPUを開発したきっかけも、顧客目線でした。
Googleは2011年頃にAI研究を本格的に始めました。
この時、ユーザーが毎日3分音声検索して音声認識のためにAIを使うと、データセンターの規模が2倍になることがわかりました。このままAIを本格的に始めると、膨大な投資が必要です。

そこでAI処理に最適化したプロセッサーが必要になったのです。
TPU開発も、Google自身がAIのユーザーであり、顧客目線を持っていたからこそ、生まれたものでした。

 

AIビジネスが爆発的に成長する米国では、ユーザーと開発が非常に近い関係にあります。

日本でも、自動運転に取り組む自動車産業のように、ユーザー目線でAIビジネスに取り組む業界も出てきています。

 

しかしながら、一方で、

「AIが流行っているらしい。何しようか?」
「AIと名前が付けば何でもいいから、ウチの商品で何かやってくれ」

という取り組みが少なくないのも、現実です。

 

ユーザーのニーズがビジネスを生むのは、あらゆるビジネスで共通です。テクノロジー産業も例外ではありません。

テクノロジーへの洞察力を持った経営陣が、徹底したユーザー目線を持ち、テクノロジーの将来像を描き、必要なテクノロジーのあり方を見据えることで、テクノロジー産業は進化してきました。

日本企業でも、かつての松下電器やソニー、そして今のソフトバンクも、そうやって成長してきました。

先進的なテクノロジー産業だからこそ、しっかりした技術の理解とビジョン、そして徹底した顧客目線か大切なのです。

 

 

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オムニマネジメント2016年5月号に連載最終回『2020年東京オリンピックは、世の中を変えるイノベーションを生み出す』が掲載されました

一般社団法人日本経営協会様が発行する月刊オムニマネジメント2016年5月号に、『2020年東京オリンピックは、世の中を変えるイノベーションを生み出す』が掲載されました。

オムニマネジメント201605

 

実は前回1964年の東京オリンピックでは、その後の日本を変える大きなイノベーションが数多く生まれました。それは1964年〆切厳守の無理難題にチャレンジせざるを得なかったからです。

今回2020年の東京オリンピックも、同じように今後の日本を変えるイノベーションを生み出す可能性は、とても高いのです。

本論文ではそのことを述べました。

もしご覧になる機会がありましたら、お手にとってご一読いただければ幸いです。

 

今回で連載12回目、最終回となりました。このような連載の機会をいただきましたこと、感謝します。

縮小する日本市場へ、海外有力メーカーが競って最新の掃除機を投入する理由

黒船

当コラムで何回かご紹介している掃除機市場では、海外の黒船家電メーカーが競い合って日本市場に最新異種を投入しています。

たとえばダイソン。日本市場で最新商品を先行販売しています。さらに日本の消費者モニターも募集しています。
アイロボット社が開発販売するルンバ。品ぞろえの半分は日本独自仕様です。
北欧の家電メーカー・エレクトロラックス。日本市場向けに静音性に優れた掃除機エルゴスリーを投入しています。

しかし考えてみると不思議ですよね。日本市場は少子高齢化で縮小しています。
なぜ海外有力メーカーは、縮小する日本市場へ、競い合うように最新機種や日本独自機種を投入するのでしょうか?

 

その理由を、アイロボットのコリン・アングルCEOはこう語っています。

「日本のお客さんを幸せにできれば、世界中のお客さんを幸せにできる」

 

ダイソンも、消費者の目が厳しい市場で商品を磨き上げるために、日本で最新機種を先行発売しています。
エレクトロラックスも、排気フィルター採用などの日本市場で得られた消費者の意見がグローバル商品の開発に生かされています。

きれい好きで、最新技術を受け入れ、要求レベルも厳しい消費者が集まっている日本市場は、掃除機の最先進ユーザーが集まっているのです。
言い換えれば、掃除機市場については、日本はニーズのサキドリができる貴重な地域なのです。

だから黒船家電メーカーは、技術の粋を極めた最新の掃除機を、競い合うように日本市場に投入しているのですね。

 

黒船家電メーカーは、技術面の「ものづくり」と、ニーズサキドリの「顧客づくり」の両輪を回すために、日本市場に最新の掃除機を競い合うように投入しているのです。

私たちも、黒船家電メーカーの考え方から学べることは多いのではないかと思います。

 

御社の商品・サービスの最先進ユーザーは、どこにいるか?

そこから見えてくるものが、きっとあるはずです。

 

 

1999年、IBMはあることをやめて、2000年代に大きく成長した

太陽と新芽2

「永井さんはIBMご出身ですよね。IBM時代に事業変革に関わったご経験で、日本企業にとって参考になるエピソードがあったら教えてください」

研修の質疑応答で、こんなご質問をいただきました。

私はこのようにお答えしました。

 「強力なライバルが、一夜明けるといきなり最重要パートナーになる経験をしました。企業規模の大小や業種を問わず、様々な企業で参考になると思いますので、このお話をします」

 

1998年、私は製品開発マネージャーからマーケティングマネージャーに異動になり、IBMが自社開発していたある業務用アプリケーション製品のマーケティングを担当することになりました。他社の業務用アプリケション製品は、強力なライバルでした。(業務用アプリケーションとは、顧客管理、会計、人事管理のように、業務用に作られたソフトウェアのことです)

 

翌年の1999年11月。IBM本社は、ある宣言をしました。

「業務用アプリケーションの開発・販売をする会社は、IBMにとって重要なパートナーです。ですので、IBMは今後、業務用アプリケーション製品の自社開発は行いません」 (注:これは「デベロッパー憲章」と呼ばれています)

 

自社開発の業務用アプリケーションに携わっていた現場の私たちにとって「今やっていることはやめる」と言われたのですから、このIBM本社の方針転換はまさに晴天の霹靂(へきれき)でした。

 

なぜIBMは、このような宣言をしたのでしょうか?

実は当時、ユーザーがライバルの業務用アプリケーションを使う際には、IBMのハードウェア・システムソフトウェア・サービスと組み合わせて使うことが多かったのです。

その理由は、IBMが持つ本来の強みにありました。

1999年当時、お客様が業務用システムを使う場合は、自前でシステムを用意する必要がありました。システムを用意するためには、複雑なIT系システムをすべて統合することが必要です。(ちなみに現在は、多くの業務用システムがクラウドで提供されているので、ユーザーは自前ですべての業務用システムを用意しなくてもよくなりました)

そのような課題を持っているお客様にとってIBMの強みとは、「他社製業務用アプリケーションに、サービス・ハードウェア・システムソフトウェアを統合して、提供できること」だったのです。

たとえばIBMのサービス部門には、他社業務用アプリケーションを統合できる高いスキルを持つエンジニアが数多くいました。

IBMのハードウェア部門には、他社業務用アプリケーションに最適化した製品群がありました。

しかしIBMが自社開発アプリケーション製品に固執すると、他社製業務用アプリケーションに、IBMのサービス・ハードウェア・システムソフトウェアを提供する機会を失ってしまうことになります。

そこでIBMは、業務用アプリケーションの自前主義を捨てたのです。

 

現場で自社開発の業務用アプリケーションに関わっていた人達は、大変でした。

まず、それまで開発を続けてきた自社開発の業務用アプリケーションを今後どのようにしていくのかを決めなければなりません。私自身も、個別対応策に追われました。

 

さらにライバルだった会社が一夜明けると最重要パートナーになったので、営業の仕組みも大きく変わりました。

これまで自社開発の業務用アプリケーションに関わっていたマーケティングやセールス担当者は、それまでライバルだった他社の業務用アプリケーションと自社ハード・ソフト・サービスを組み合わせて、統合ソリューションとして販売することが仕事になりました。

それまではライバルには極秘だった案件情報も、新たにパートナーとなった相手に定期的に情報共有する仕組みを作り、お互いに協業責任者を置き、一緒に販売する体制も整えました。

 

自社開発アプリケーションをやめた結果、それまでの手強いライバルは、一緒にビジネスを開拓する心強いパートナーに変わりました。しかも、すべての業務用アプリケーションを開発・販売する会社がパートナーになったのです。

2000年代、IBMのハードウェア・システムソフトウェア・サービスといった主力製品/サービスのビジネスは、大きく成長しました。

 

この経験で私が学んだことは、自社の強みと、その強みを活かせるお客様の課題を見極めた上で、強化するモノ、やめるモノ、追加するモノを明確にし、全社でその戦略を共有し、首尾一貫して、徹底的に実行することの大切さでした。

今回のケースを整理すると、次のようになります。

IBMの強み:他社製業務用アプリケーションに、サービス・ハードウェア・システムソフトウェアを統合して、お客様に提供できること

お客様の課題:複雑なIT系システムをすべて統合すること

やめるモノ:自社開発の業務用アプリケーション

強化するモノ:他社の業務用アプリケーションに最適化したハードウェア・システムソフトウェア・サービス

追加するモノ:他社の業務用アプリケーション・パートナーとの協業体制

 

「IBMさんは大企業だからね。ウチは中小企業だから、参考にならないよ」と思われる方がいるかもしれません。

しかし、そうではありません。この基本的な考え方は、企業規模や業種が変わっても重要なのです。

御社がやっていることは、昔は意味があったとしても、もしかしたら今はお客様にとっては意味がないかもしれません。それをやめることによって、新しい事業が生まれる可能性もあるのです。

むしろIBMのような巨大組織でなく、小回りが利く小さな会社こそ、この考え方を迅速に実行できる環境は整っているはずです。

そのためには、常に「現時点で、お客様にとっての自社の強みは何か?」を問い続けることが必要なのです。

 

とは言え、多くの日本企業は、なかなか「やめるモノ」を決められません。決めても、なかなか実際に捨てることが実行できません。しかし「やめるモノ」を実際にやめなければ、新しいことに挑戦しても、中途半端になってしまうことが多いのが現実です。

逆に考えれば、1998年から1999年のIBMのように、戦略的に自社の強みと、その強みを活かせるお客様の課題を見極めて、「やめるモノ」「強化するモノ」を考えて実行することで、日本企業は大きく成長する余地が残されているはずです。

 

 

 

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「ヘッドピンの存在を信じる」マツダ スカイアクティブ成功の裏側

Ten Pin Bowling Pins And Ball

マツダは4年連続赤字やフォードの出資比率低下による信用低下などによる苦境を乗り越え、現在好調です。このマツダの好調に大きく貢献しているのがスカイアクティブ・テクノロジーです。

しかしマツダは業界トップのトヨタと比べると規模は1/10以下。エンジン周りの開発人員に至っては、フォードとの共同開発案件に駆り出されていたこともあって、数十分の一でした。そんな状況で、「燃費を30%以上改善しながら、走りの楽しさも実現する」という目標を立てて、スカイアクティブ・テクノロジーが開発されました。

 

マツダのスカイアクティブ・テクノロジーの挑戦については、「100円のコーラを1000円で売る方法2」や当ブログでも何回か紹介しました。

開発本部長としてこの開発を陣頭指揮された、マツダ・常務の人見 光夫さんが、著書を出されました。

「答えは必ずある---逆境をはね返したマツダの発想力」(人見 光夫著)

マツダの挑戦については、これまで主にマスコミの記事で報じられていましたが、人見さんご自身が何を語られるのかとても興味があり、拝読しました。

 

やはり現場で格闘されている人の言葉には重みがあります。

いくつかご紹介したいと思います。

—(以下、引用)—

もっとも、私たちの「選択と集中」は前述のとおり、多くの選択肢の中からどれかよさそうなものを選んでそこに集中するということではなく、さまざまな課題に共通している主要共通課題を賢く選択して、その部分の解決に集中するという意味である。 ボウリングのように、後ろのピンがすべて倒れるようにヘッドピンにうまく当てるのが理想だ。

(中略)

最も重要なことは、ヘッドピンの存在を信じることだ。 常に、そうした目でものごとを見るという習慣が何よりも大事だ。そうすれば、必ず見えてくる。一人ではダメでも、チーム力を駆使すればそれができる。

—(以上、引用)—

本書ではこの「ヘッドピン」という言葉がよく出てきます。

自動車開発に限らず、実に多くのケースでこの「ヘッドピン」というのは存在する、ということは、私も実感します。

ともすると私たちは、常識に囚われたりして、表面的な現象を問題の原因と考えがちです。しかし、様々な視点でその奥深くに潜む本当の原因は何かを徹底的に考えることが必要になります。

様々な現象の本当の原因を徹底的に考え、シンプルな原因に辿り着くことで、ヘッドピンが見えてくるのです。

逆に言えば、対策が10個もある状態では、まだまだ思考が不足している証でもあるのです

 

競争について語っている箇所もあります。

—(以下、引用)—

自動車業界を見渡せば、現在でもそうした後追いはある。なぜ後追いをするのか。不安だからだ。不安になるから真似をする。

—(以上、引用)—

「不安だから真似をする」というのは、まさにその通りだと思います。

日本企業に限らず、世界を見渡しても、成功している他社の模倣をする企業はとても多くあります。

しかし成功企業の真似をしようとしても、100%真似をするのは不可能です。成功企業は独自の強みを持っているからです。だからコピーしたつもりでも「劣化版コピー」にしかならず、「安価な代替品」になってしまうことも少なくありません。

我々は、「模倣は、実はリスクが大きい」ということに、気がつく必要があるのではないかと思います。

 

仕事のあり方についても、語っている箇所があります。

—(以下、引用)—

だから、私はできるだけものごとをシンプルに考えて、仕事は減らさないといけないと言っている。もちろん、ラクをするためではない。無駄をなくし、より重要で、全体最適に貢献する仕事をするためだ。 そこを解決すれば、品質もよくなるし、性能もアップする。そしてコストも安く済む。そうした課題を見つけるという発想で課題を探し、ソリューションを考える。それがつまり、仕事を減らすということの意味だ。

—(以上、引用)—

「品質と性能をアップし、コストを削減し、仕事を減らす」

相矛盾するように聞こえますが、実はシンプルな理想形を徹底追求すると、不可能なことではありません。

無駄を排除すること、言い換えれば、不要な様々なモノを切り捨てればよいのです。

それは仕事だったり、製品だったり、あるいはお客様だったりします。

しかし私たちは、この「不要な様々なモノを切り捨てる」ことがなかなかできません。企業は組織ですから、当然ながら利害関係者の反対もあります。

そのためには、価値観と、全体最適の姿を徹底的に共有するチームワークが大切になってきます。

 

スーパーマンのように見える人見さんですが、先行開発部での仕事が長く、ご自身のキャリアの中で、実際の商品開発には関わってこられなかったため、このように語っておられる箇所もあります。

—(以下、引用)—

すでにそれなりの年齢になっていたのに、特に満足感や達成感が得られないまま過ごしているという焦燥感も強かった。自分の仕事がなかなか商品化されない。たとえ商品化されたとしても、技術者としてどれだけのことをしたのかと問われた時に説明ができない。山のようにある技術のうちの数種類に携わったというだけのことでしかないという虚しさだ。

(中略)

考え方、技術のとらえ方を変えないと、「何もできないまま、サラリーマン人生終わりだな」と日に日に強く感じるようになっていた。

—(以上、引用)—

会社に務められて、同じような気持ちを抱えながら仕事をしている方は多いのではないかと思います。

 

等身大で語られる本書から、私たちが学べることは多いと思います。

Google/Appleは自動車業界を制覇するのか?

TechCrunchで、「自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている」という記事が掲載されています。

1985年当時のIBMは、コンピュータ業界で最強とも言える巨人でした。絶好調のパソコン事業では、OSはMicrosoft、CPUはIntelをパートナーとして組んでいました。しかしその後、Wintel連合が業界を牛耳ることになりました。

当記事の主張は、現在、自動車業界がダッシュボードをGoogleとAppleに明け渡そうとしているのは同じことである、という点です。

 

当時、私は新入社員としてIBMにいました。業界の中でリアルタイムにこの怖さを肌身で感じた世代です。

新規事業立ち上げの際に、自社に足りない部分を他社に頼る判断はよく行われます。「新技術でよくわからない分野はベンチャーや専門家に任せて、自分たちは現時点で大金を生み出すキャッシュカウに集中しよう」という考え方ですね。

そして任せた部分がいつの間にか業界標準プラットホームになり、各社がこのプラットホームに準拠しなければならなくなり、将来莫大なキャッシュフローを生み出すプラットフォームを明け渡してしまうのです。

 

今、自動車業界で起こっている変革は、人工知能、センサー機能、膨大な数のセンサーから生み出される巨大なビッグデータへの対応、自動運転、ロボット技術、など、かなり膨大なテクノロジーの集合体です。30年前にIT業界で起こっていたCPUやOSといったものと比較するとかなり大がかりな資本と人材を必要とします。

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現在アナログな自動車業界がデジタル化した時点を見据えて、Googleは莫大な資金と人材をこの分野に投入しています。

 

また現代では、企業や組織の壁を越えて、様々な技術を持ち寄って、イノベーションを推進していく「オープンイノベーション」も主流になりつつあります。

30年前と同様、少数企業がプラットホームを独占し業界を牛耳るのか?

それとも自動車業界や電機業界などのメーカー主導でいくつかの業界標準が生まれ、群雄割拠の状況になるのか?

大きな分かれ目でもあると思います。

 

IoT (Internet of Things)の時代になり、同じことは急速に様々な業界で起こりつつあるように感じています。

技術的な卓見性を兼ね備えた戦略を立てて、愚直に実行するイーロン・マスクの凄さ

イーロン・マスクについては、当ブログでも何回かご紹介してきました。

宇宙ビジネス・電気自動車・太陽エネルギーに挑戦するイーロン・マスクの実像。「モノゴトに魔法はない。志を持って実行するのみ」

火星移住に向けて着実に宇宙ロケット技術を進化させているイーロン・マスク

 

このイーロン・マスクの取り組みからは、実に色々なことを学ばされます。

その一つが、

①最初にぶれない戦略を立てること
②そして、それを愚直に実行すること

 

たとえばスペースX社では、このように考えました。

SpaceX_logo.svg

現状:既存のロケットは特注品であり、材料コストは2%。一方、民生品でたとえばパソコンは材料コストは90%。しかもロケットは再利用せず使い捨て
戦略:ロケットの総コストは1/100程度に引き下げることは可能。民生品を使用し、再利用する。
実行:3回の失敗を重ね、創業8年目に独自開発の宇宙ロケットを軌道投入して回収。民間の宇宙船としては史上初。さらにロケット回収技術も試行錯誤を繰り返しながら開発中。

 

電気自動車を開発販売するテスラでは、このように考えました。

tesla2

現状:電気自動車はコストが高く、エコカーとしてなかなか普及が進まない。
戦略:まずプレミアムカーとして10万ドルを超える高級車を発売。次に5万ドル程度のミドルクラスの4ドアセダン。最後は大衆の手に届く2万ドルクラスのエントリー車を大量に生産。
実行:レーシングカーの名門・英国ロータス社と共同開発契約を締結。納期遅れとコスト増で苦しみ顧客の前払い金を私財で保証までしながら電気自動車を開発。その経験に基づき蓄積した技術を活かして、ミドルクラスに広げる。量産効果でエントリー車を量産。

 

そのテスラで最近発表したTesla Energyブランドの蓄積型バッテリーユニットでは、このように考えました。

現状:原子力発電と比較して太陽光発電が劣るのは、発電の安定性。昼間の太陽が照る時間しか発電できない。
戦略:高信頼性があり、スケーラブルなバッテリーを低コストで量産すれば、太陽光エネルギーの不安定性を補える。これを20億台展開できれば、全人類のエネルギーを太陽光発電で代替できる。現在世界で20億台の自動車があるので実現不可能な数字ではない。
実行:テスラーの電気自動車で試行錯誤しながらバッテリーを実装。

 

イーロン・マスクはある雑誌のインタビューでこのように語っています。

「革命的なブレークスルーによってではなく、コツコツと地道な努力を積み重ねることで成し遂げたんだ」

技術的な卓見性を兼ね備えた戦略性に、日本企業のお家芸でもあった愚直な仮説検証の積み重ねが加わったイーロン・マスク。

今後も目が離せません。

エレクトラックスが価格競争に陥らない理由

「黒船家電の掃除機」というと、ダイソンとアイロボットが有名です。それぞれ「吸引力」や「自働ロボット」といった尖った機能を売りにしています。

実は他にも、国内掃除機市場で伸びている黒船家電があります。北欧のエレクトラックスです。

この会社の売りは、「音が静かなこと」。

「掃除機は音がうるさい」という常識を覆し、赤ちゃんが寝ていたり、家族がテレビを見ていても、安心して掃除機をかけることができます。

 

日経ビジネス2015年3月9日号『企業研究:エレクトロラックス 「音」で打倒ダイソン』という記事で、詳しく紹介されています。

—(以下、引用)—

確かに、「音」は、日本の掃除機市場を牽引する外資2大勢力、ダイソン及びルンバシリーズの数少ない弱点の一つだ。サイクロン方式と強力なモーターでゴミを吸引するダイソン製掃除機は、その構造上、静粛性を追求するには限界がある。ルンバも在宅の際に利用すると、稼働音は人によっては気になるレベルに達しかねない。

 一方、エルゴスリーの運転音は約43デシベル。一般的な掃除機(約70デシベル)の6割程度で、例えると図書館や深夜の市街地レベルしかないという。この静粛性へのこだわりこそが、エルゴスリーが日本で評価を高めている原動力となっている。……

—(以上、引用)—

補足すると、実際には10デシベル違うと大きさは1/10になります。つまり43デシベルのエルゴスリーは、70デシベルの一般的な掃除機よりも、音量が数百分の一。

圧倒的な静音ですね。

 

成熟市場のように思われがちな白物家電ですが、エレクトロラックスはどのように考えてこのような製品を出しているのでしょうか?

記事ではその点についても言及しています。

—(以下、引用)—

 ……なぜエレクトロラックスは家電事業を拡大させようとするのか。その背景には、「白物家電には膨大な改良余地が残されており、そこをクリアすれば需要は掘り起こせる」という独自の発想がある。

 ……ある1つの信念で結び付いている。「現状の家電はまだまだ使う人に心地よくない部分が残っている」だ。

 同社の開発部隊は、掃除機の運転音に限らず、「現状の家電が持つ人に優しくない部分」を根絶するため、日々、異常とも言える実験を続けている。

—(以上、引用)—

 

記事では、経営幹部の言葉を紹介しています。

—(以下、引用)—

掃除機などのデザインを担当するペルニラ・ヨハンソンVPは説明する。

 仮に白物家電市場が成熟しつつあっても、“使って心地よい家電”を追求していくことには広大なフロンティアが残されていると考える。「これからも音や重さ、デザインなどに限らず、ユーザー自身さえ気が付いていない不快の源やニーズを探っていく」。

—(以上、引用)—

 

まさに消費者自身も「当たり前」と思っていて気がつかない困っている課題を先取りし、解決することで伸びているのですね。

しかし改めて、なぜ白物家電なのか?

そこにはしたたかな戦略があります。

—(以下、引用)—

実はそこには、「使う人にとって心地よい白物家電はまだ改良の余地がある」という思想に加え、もう一つ、重要な理由がある。「白物家電市場はデジタル家電に比べ安定している」(マクローリンCEO)がそれだ。

 冷蔵庫や洗濯機、掃除機、調理家電は、「清潔に生活したい」「おいしいものが食べたい」など人間の根源的欲求を満たす製品で、市場が消えることはない。買い替え需要が発生するし、新たな付加価値を打ち出し顧客に認められれば、高くても買ってくれる顧客がいる。

……着実に成長を遂げることができたのは、「主戦場は白物家電」「作るのは人に優しい家電」という2つの絶対軸をかたくななまでに貫き続けた結果だ。

—(以上、引用)—

 

顧客が気がつかないニーズを掘り起こし、応え続ければ、差別化を続けることができ、価格競争に陥らない、ということですね。

 

あらためて、「顧客が気がつかないニーズを掘り起こし続け、自社の強みを活かして、応えること」が、差別化の源泉になるということがわかります。

これは家電業界に限らず、ほとんどの業界で共通なことだと思います。

定期的にバックアップしているけど、本当にリストアできるのか?

現在、私は下記ウェブサイトを管理しています。

永井孝尚オフィシャルサイト

ウォンツアンドバリュー株式会社

Takahisa Nagai Photography

仕事の多くの部分はウェブサイトを中心に回っているので、ウェブサイトがなくなると途端に仕事が滞ります。

2012年にレンタルサーバー会社のファーストサーバで大規模な顧客データの消失事故(実際には全体の顧客数の1割)が起こったのも、記憶に新しいところ。

多くのレンタルサーバーでは、データのバックアップはユーザーの責任です。有料オプションでバックアップサービスを提供するケースもあるようですが、基本、自己責任ということですね。

 

ということで、私は毎週、自分が管理するサーバーのバックアップを取るようにしています。

と言っても、サーバー上の全ファイルを1つのファイルに圧縮し、自分のMacにコピーを取るだけ。自分のMacもTimeCapsuleで1時間毎にバックアップコピーを取っているので、これである程度の冗長性を確保できます。

作業自体は、3つのサーバー全部で、手作業で5-10分程度です。

 

しかし一方で、万が一の場合、本当にこのデータから回復できるのだろうか、という問題があります。

 

以前、日本IBMに勤務していた頃、まったく新しいサーバー用データバックアップソフトウェア製品の基本戦略を立てたことがあります。

その当時、ユーザーの実態調査をして、意外なことがわかりました。

実は半数以上のユーザーがバックアップを取った後に、リストア、つまりバックアップデータからシステムを元通り復旧できるかどうかを確認していない、ということです。

加えて、実際にリストアをしてみたユーザーの多くが、実はちゃんとリストアできなかったという実態も判明。

つまり、半数以上のユーザーがバックアップを取るだけで安心してしまい、実際に必要な時にそのバックアップデータが役立っていなかったのが実態だった、ということです。

障害を経験したユーザーにとっては大きな課題ですが、障害未経験のユーザーにとっては気がつかない課題だったのですね。

これは、新製品の基本戦略を考えるにあたって、大きなヒントになりました。

 

そこで自分も、バックアップしたデータからリストアできるのか、念のため試してみました。

別レンタルサーバーに移行して遊休状態にあるレンタルサーバーが一台あったので、試してみたところ…。

無事、バックアップデータから簡単に復活できました。

まずは一安心。

 

「バックアップは取ってみたけど、リストアできるかどうかわからない」と不安な方もおられるのではないでしょうか?

ITインフラは、今やどんな企業にとっても、生命線です。

一度、お試しになってみると、安心だと思います。

パスワード強度が足りない

以前から、英字4文字と数字4文字を組み合わせたパスワードを使ってきました。

これまではこれで、いわゆるパスワード強度(不正アクセスによる破られにくさ)はそこそこ高かったのですが、先日、WordPressの初期パスワード設定でこのパスワードを使おうとしたら

「強度…弱い」

との判定。「あれ?!」と思いました。

時代と共に、パスワードに求められる強度は上がっているのですね。

今では、数字と英字混在させるだけでなく、桁数を多くしたり、大文字小文字混在にしたり、特殊記号を使うといったことが必要なようです。

ということで私の場合、用途に応じて、パスワード強度を高める必要があるサイトでは、パスワードを変更しています。

ちなみにパスワードで使われる文字の種類と桁数で、解読時間はどうなるかを示したサイトもあります。→こちら 2年前のものなので、計算能力が向上した今ならもっと速くなっているでしょう。

パスワード強度は、今後、ますます高めていく必要がありそうです。

生体認証も1つの解決策ですが、偽造の可能性はゼロではありませんし、人に依存することなので、バックアップをどうするかがカギになりそうですね。

高画素競争が新段階にステップアップしてきたデジカメ

CP+2015を控えて、超高画質のデジタル一眼が増えてきました。

キヤノン EOS 5Ds……有効5,060万画素/フルサイズ→記事

オリンパスOM-D E-M5 Mk II……8枚合成で4000万画素/フォーサーズ→記事

既にソニーも3640万画素のα7Rを出していますし、ニコンも3635万画素のD810を出しています。

これだけ高画素になると、得られる画像が圧倒的に高画質になりますが、ファイルも巨大です。

キヤノンのサイトによると、EOS 5Dsの5,062万画素で得られる画像サイズは8688×5792ピクセル。ファイルサイズはJPEGでも14.1MB。RAWだとなんと60.5MBになります。

デジカメWatchの記事に よると、有効1,605万画素のセンサーを0.5ピクセルずつずらして16Mの画像を計8枚を撮影する40Mハイレゾショットを搭載したオリンパスOM- D E-M5 Mk IIで、40Mハイレゾショットを撮ると、JPEGで約20MB、RAWだと約100MBとのこと。

以前だったら考えられない巨大ファイルです。

しばらく2000万画素前後で推移し、高画素競争が一段落していたデジカメの世界ですが、8Kの普及が視野に入り、スマホのデジカメ機能向上の影響もあるためか、ここ1-2年で新たな段階にステップアップしているように感じます。

「デジタルが全てを壊す」…写真作品制作のデジタル化から

私は1980年代から1990年代まで、写真の個展を開催するなど、かなり写真活動に力を入れていました。

この頃は、写真を撮った後、作品プリントに仕上げるまでこんな感じでした。

0日目:現像所受付に行き、フィルムを現像に出す

1日目:翌日、現像所受付に行き、現像フィルムを受け取る

2日目:プリントする写真を選んで、現像所受付に行き、プリント依頼する

7日目:現像所受付に行き、プリントを受け取る(仕上がりが合っていない場合は、再プリントを依頼)

数えてみると、現像所受付には最低4回行く必要がありました。

当時は勤務していた所属部門の事情で都内事業所を頻繁に引っ越ししていました。オフィスが引っ越すと最初に行ったのは、夜遅くまで開いている現像所を探すことでした。

赤坂に勤務していた頃は、六本木1丁目にある日本発色に行ってましたし、築地に勤務していた頃は、銀座のコダックイマジカや日本発色の常連客でした。

仕事が終わって会社を出て、閉店間際の現像所受付に駆け込んで、現像の注文をしたり、仕上がりを受け取ったりしていたのですね。

こんなことを繰り返しながら作品を溜め、写真展を行っていました。

今は、作品プリントも含めて、現像所に行く必要が一切なくなりました。

まず現像が不要。撮影したら、イメージが残っている間にすぐにRAW現像し、JPEGデータを作ります。

そしてプリントも簡単。(ちなみに私は、カラープリンターは持っていません)

たとえば富士フイルムのスーパーデジタルプリントクリスタルでは、ネットで高品質のクリスタルプリントの注文ができ、自宅に配送してもらえます。クレジットカード決済以外にも、後日の銀行振込なども用意しているので安心です。

価格もデジカメ普及前のクリスタルプリントは六つ切で1枚2,500円位だった記憶がありますが、半額以下の1,008円。かなり安くなっています。

ちなみに「デジカメでキレイな写真を撮れたな」という方は、一度、この富士フイルムのスーパーデジタルプリントクリスタルを試してみることをお勧めします。きっとプリント品質の高さに驚かれるのではないかと思います。

実はこの変化が起こっている裏では、現像する人、写真を焼く人(プリンター)、そしてフィルムを開発・生産・流通・販売する人たちの仕事がなくなっています。

その一方、写真のデジタル化が進んだことで、写真作成に関わるあらゆるプロセスが迅速化・高品質化・低価格化しています。

日経ビジネス 2015.2.2号で、米アクセンチュアのピエール・ナンテルムCEOによる「デジタルが全てを壊す」という対談を掲載しています。

記事によると、アクセンチュアは、①あらゆる分野で進むデジタル化に対応するサービスと、②顧客企業の合理化や生産性向上を支援するサービスの2つにフォーカスし、マーケットシェアを伸ばしています。

写真作品制作のデジタル化で起こったのと同じことが、今、あらゆる業界で起こっています。

ライフワークの写真ホームページを14年ぶりにリニューアル

写真のホームページを一新しました。“Takahisa Nagai Photography”というサイト名で、海外からのアクセスを意識し基本は英語版で、シンプルにしました。

 

出来上がったサイトは…、”Tokyo Bay Area”という作品はこんな感じ。合計40点あります。

tba.jpg

 

作品をクリックすれば、もちろん大サイズで次々と見ることができます。

tba-work.jpg

 

こちらは「風の景色」という作品。こちらは合計36点。

wind.jpg

 

こちらは”Scene of Italy”というイタリアで撮影した作品。こちらは写真の個展は未開催で、合計28点。

italy.jpg

 

これは大学生時代に撮影した「都市の光景」(Scene of City)というモノクロームの作品で、合計21点。

city.jpg

 

個人プロフィールはこんな感じ。

about.jpg

 

お問い合わせもできます。

contact.jpg

  

私がライフワークの写真で、ホームページ上で作品発表を始めたのは、1996年です。振り返ってみればもう19年も前ですね。

当時はhtmlの書き方などを説明するマニュアルもなく、既存のホームページのソースを参考に、秀丸で手でhtmlタグを打ち込んでいました。サーバーのディスク容量はたった5MB。写真画像もノイズを押さえてサイズが最小限になるように加工するなど、色々と工夫をしました。

その後、ホームページビルダーが登場し、独自ドメインを取って「風の写真館」というサイトを作りましたが、2001年以降はほぼ現状維持のまま大きな変更をせず、現在に至っていました。

当時、写真のホームページ作成は、写真作品の数だけ表示サイズ調整が必要になり、結構手間がかかる作業でした。

 

今回、リニューアルで掲載した写真作品は合計125点ありますが、WIXを活用して作ったので、1日で完成しました。

WIXではサイズも自動調整し、Chome上のhtml5エディターでデザインし、即クラウドに反映され、すぐに公開できます。

こういうデザインは、ホームページビルダーよりもWIXの方が得意なようですね。独自ドメインも取れますし、既にドメインを持っていれば引き継ぎも簡単です。 

技術は格段に進化しています。

 

今年、写真には力を入れたいと考えていますので、今回、まずはそのインフラ作りが出来ました。

今後、作品は追って追加していきます。

Macユーザー向けムック本に、インタビュー記事を掲載いただきました

私は20年近く使っていたThinkPadから、2011年にMacに乗り換え、今はすっかりMacユーザー。Macなしでは仕事も何もできない状況になりました。

そんな私の経験について、枻出版社様のムックでインタビュー記事を掲載いただきました。

「iPhoneユーザーにMacBook Airをすすめる10の理由」

こんな感じで合計4ページの記事です。

枻出版 iPhoneユーザーにMacBook Airをすすめる10の理由.jpg

 

インタビューでは、ThinkPadからMacBookに移行した自分の実体験を中心に、苦労した点や、移行してよかった点、これから移行する人へのアドバイスなどをお話しさせていただきました。

 

Macを使い始めて3年半でかなり慣れてきたものの、本書を読むと、まだまだ知らなかったこともたくさんありました。

Windowsからの移行についても色々と書かれていますが、現行Macユーザーも十分に楽しめる本だと思います。

気がつくと、Mac、iPhone、iPadをスムーズに連携させて使うようになっていた

気がつくと、Mac、iPhone、iPadをかなりスムーズに連携させて使っていることに気がつきます。

EvernoteとDropboxで、データに関してはかなりシームレスに連携が取れるようになりました。iPhone一台持って出歩けば、連携させているデータについてはどこでも見ることができます。

メールも、Gmailを使ってどれでも受信・発信できます。こちらに書きましたように、Gmail以外のドメインのメールも、Gmailで受発信できます。

本は、今はまずKindle版がないかを調べてから買うようになりました。Kindleは主にiPadで、電車の中ではiPhoneで読んでいますが、現在読んでいる場所は自動的に連携してくれます。また読書中にラインを引いたりコメントをつけた箇所は、KidnleのWebサイトからMacのEvernoteに取り込むこともできます。

Facebook、Twitterも、どれを使っていても違いを意識することはありません。

 

思い返せば、iPhone (3GS)を初めて買ったのは2009年6月で5年半前。
Macを初めて買ったのは、2011年8月で3年半前。

ガラケーとThinkPadを主に使っていたほんの数年前は、こうなることは予想できませんでしたね。

 

自分がこういう状況なので、アクセスする人たちのことを考えると、自分のホームページもスマホ対応は必須なのは自明のことなのかなと思います。

幸い、今のホームページビルダーで作ればちゃんとスマホ対応できるので、ありがたいです。

ホームページビルダーSPがとても使いやすい

10年以上、ホームページビルダー(以下、hpb)を愛用しています。

4年前にWindowsからMacに移行してからも、VMware Fusion + Windows7を入れてMac上で動かしています。

最新バージョンは19。開発販売元のジャストでは、「このバージョンになって、ドラッグ&ドロップで簡単にホームページが作成できるようになった」としています。→ジャストのサイト

 

実際にはhpb 19を買うと、hpb SPとhpbクラシックの2つのバージョンが付いてきます。

「ドラッグ&ドロップで簡単にホームページが作成できる」のが、hpb SP。

ただしhpb 18以前で作成したホームページは、hpb SPでは修正できません。hpb 18以前で作成したホームページを修正するには、hpbクラシックを使います。hpbクラシックはhpb 18までの操作性を踏襲したもので、細かい使い勝手は改善されているものの、「ドラッグ&ドロップで簡単にホームページが作成できる」バージョンではありません。

私はhpb 19を買ったものの、当面はhpb 18以前のバージョンで作成したホームページの管理をする目的で使ったので、主にhpbクラシックを使っていました。

 

このたび新しいホームページを立ち上げることになり、hpb SPを使い始めています。

まだ使い始めて2日間ですが、とても使いやすいですね。

「ドラッグ&ドロップで簡単にホームページが作成できる」のも魅力ですが、個人的に気に入っているのは、編集対象(オブジェクト)を選ぶと、そこで編集できる機能だけが表示されること。hpb 18以前では、hpb 18の全機能が画面に出ていたので、どの機能を使うかかなり迷いました。今は迷うことなく選べます。

独立したツールだったウェブアートデザイナーなども、hpb SPでは本体に取り込まれ、必要な時に呼び出されるようになりました。これも使いやすくなりました。

html編集はできなくなったようです。恐らく何かの理由があると思いますが、html編集ができると何かと都合がよい場合も多いので、できれば復活していただきたいですね。

 

今後作成するホームページは、hpb SPで作ろうと思います。

『「製品開発の前に、プロトタイプで顧客へ検証を」と言うが、現実にはプロトタイプ開発には時間もお金もかかるので、無理』という思い込み

顧客が「少々高くても、是非欲しい」と思うようなマーケティング志向の製品を開発するにはどうすればよいか?

本格的な製品開発に入る前に、対象となる顧客とその課題、そしてどのような価値を提供するかを見極めて、さらに製品のプロトタイプ(試作品)で、それらの仮説が正しいかを検証することです。

 

しかし、このように考えるケースも多いのではないでしょうか?

『確かに一見もっともな意見だが、現実にはプロトタイプと言っても、開発には時間もお金もかかるので、無理』

 

しかし多くの場合、これは思い込みです。

プロトタイプで検証すべきなのは、仮説として考えた課題と解決策が、正しいか。

必ずしも完全な製品は必要ないからです。

 

たとえば以前に当ブログでご紹介したオンラインの靴販売サイト・ザッポスでは「靴をオンラインで買う顧客がいる」という仮説を立てました。

しかし巨額をかけてリアルなオンライン販売管理システムを構築することはありませんでした。

そのかわり、近所の靴屋で写真を撮ってサイトに並べ、注文の度に店で売値で買うようにしました。この方法なら、個人でも簡単にサイトを作れることが出来ます。

こうして仮説を検証し多くの学びを得て、ザッポスは成長を始めました。

 

また、あるまったく新しい鼻の外科手術器具の開発では、医療機器メーカー、外科医、デザイン会社で、構想を議論しました。

しかしまだ誰も見たことがない未発明の製品です。立場が異なる参加者はそれぞれ身振り手振りで説明するも、話は堂々巡りを続けます。

その会議の途中、若手エンジニアが席を立ち、5分後にあるモノを持ってきました。

ホワイトボード用マーカーの根元に、黒い写真フィルム容器をテープでぐるぐる巻きに括り付けて、さらにフィルム容器の端っこを洗濯ばさみで挟んだものでした。→ここにその写真があります。

制作時間にして5分。費用 数百円程度でしょうか?

身振り手振りを繰り返していた外科医は、「そう、まさにこれだよ!」

この製品は、業界スタンダードの電子メスになりました。

Ideo “Diego Powered Dissector System for Gyrus ACMI, ENT Division”より。

 

プロトタイプで検証すべきは、仮説と解決策。

絞り込んで考えると、色々なアイデアが出てくるはずです。

トム・ケリーやデイヴィッド ケリーが提唱する「デザイン思考」は、その方法論を提供してくれます。(出典: 「イノベーションの達人」 トム・ケリー著 p.53-55)

いつも使っているGmailで、簡単に独自ドメインメールを受発信する方法

現在準備中の独自ドメインで、メールの受発信も行いたいと考えています。

一方で普段使っているメールはGmailです。スパム対策やセキュリティ設定も優れており、外出先でスマホでもメール受発信ができるので、できればGmailで独自ドメインのメールも使えればいいな、と思っていました。

そこで調べたところ、簡単に設定できることがわかりました。備忘録を兼ねて、メモ書きします。

なお、さくらインターネットのレンタルサーバーのケースで書いています。別サーバーをお使いの方は読み換えていただければと思います。メールサーバー管理者が別にいる場合は、その方の協力が必要です。

(また、私はこの方法でメール受発信できるようになりましたが、技術的に正しいかどうかは検証していません。実施される方は自己責任でお願いします)

(1) まず、さくらインターネット側の設定からです。サーバーコントロールパネルでメールアドレスを作ります。 (メールアドレスのパスワードも設定)

(2) 作成したメールアドレスの転送先に、自分のGmailのアドレスを指定します。なお、Gmailアカウントへのアドレス追加の際に、確認コードがさくらインターネットのアドレスに送られてくるので、この時点では「転送専用にする」ではなく、「メールボックスに残す」にチェックしておきます。

(3) この時点では、メールアドレスは「名前@xxxxx.sakura.ne.jp」になっています。独自ドメインを取得していれば、これを「名前@独自ドメイン」に変えられます。
サーバーコントロールパネルで「メールアドレス毎の設定」をクリックし、画面右側のテーブルにある該当メールアドレスの「ウェブメール」をクリック、次に出てくる画面で「メール」→「設定」をクリックし、「設定対象ドメイン」で登録済の独自ドメインを選び、「このドメインをデフォルトにする」をチェックします。これでメールアドレスが独自ドメインになります。

(4) 次にGmail側の設定です。Gmail画面右上の歯車マークをクリックし、「アカウントとインポート」を選び、「名前:」の中の「メールアドレスの追加」をクリックします。

(5) 「別のメールアドレスを追加」の画面で、「名前」にメールで使用したい名前を入れて、「メールアドレス」にさくらインターネットのメールアドレスを入れ、「次のステップへ」をクリックします。

(6) 「メールアドレスを編集」の画面で、「SMTPサーバー経由で送信します」をチェックし、「SMTPサーバー」にxxxxx.sakura.ne.jp (名前にはsmtpは付けないこと)、「ユーザー名」にさくらインターネットのメールアドレス(@以下のドメイン名も含めること)、そして「パスワード」に(1)で設定したパスワードを入力し、「変更を保存する」をクリックします。

(7) アカウント認証のために、Gmailから確認コードがさくらインターネットのメールアドレスに送られるので、(3)のウェブメールの画面で確認し、ここで入力します。

 

これでGmail上で独自ドメインメールの受発信ができるようになります。

一通り設定が終わったら、上記(2)の画面に戻って「転送専用にする」をチェックしておくと、さくらインターネットのメールボックス容量は圧迫されなくなります。

 

さらにiPhoneで使うためには、iPhone用のGmailアプリを使用する必要があります。iPhone純正のメールソフトでは、独自ドメイン宛メールの受信はできますが、発信はできないからです。Gmailアプリであれば、独自ドメインメールで発信できます。

 

ブラウザー上のGmailではなく、PC用のメールソフトでメール受発信する場合は、別途メールソフトの設定が必要になります。(割愛します)

(なお、これは2014/12/25時点の情報です。後日ご覧になった方は、変更されている可能性もありますのでご了承ください)

大野耐一著「トヨタ生産方式」…36年前の本ですが、大きな学びがあります

大野耐一さんが書かれた「トヨタ生産方式」は1978年の出版。36年前の本です。

これを読もうと思ったきっかけは、エリック・リース著「リーン・スタートアップ」で、頻繁に本書が引用されていたからです。

アマゾンで調べたところ、Kindle版がありました。これはありがたいですね。

 

ともすると「36年前のビジネス書は古いんじゃないか?」と思いがちですが、素晴らしい本はとても学びがあります。

—(以下、引用)—

 必要なものを、必要なときに、必要なだけ供給する「ジャスト・イン・タイム」をどのようにしたら実現できるかを私は考え続けた。私はものごとをひっくり返して考えるのがすきだ。生産の流れは、物の移動である。そこで私は物の運搬を逆に考えてみた…

 いま「後工程が前工程に、必要なものを、必要なとき、必要なだけ引き取りに行く」と考えてみたらどうか。そうすれば、「前工程は引き取られた分だけつくればよい」ではないか。たくさんの工程をつなぐ手段としては、「何を、どれだけ」欲しいのかをはっきりと表示しておけばよいではないか。  それを「かんばん」と称して、各工程間を回すことによって、生産量すなわち必要量をコントロールしたらどうか、という発想となった。

—(以上、引用)—

「まず必要なアウトプットを考える。そして、そこからさかのぼって考える」という考え方は、「最初にまず買いたいという顧客を見つける」というリーンスタートアップの考え方に大きな影響を与えたのではないかと思います。

 

ではトヨタは、どのようにこれを実現したのでしょうか?

—(以下、引用)—

 トヨタ生産方式の基本思想を支えるのは、これまで触れてきた「ジャスト・イン・タイム」と、つぎに触れる「自働化」であり、「かんばん」方式は、トヨタ生産方式をスムーズに動かす手段なのである。

(中略)

この自動機にニンベンをつけることは、管理という意味も大きく変えるのである。すなわち人は正常に機械が動いているときはいらずに、異常でストップしたときに初めてそこへ行けばよいからである。だから一人で何台もの機械が持てるようになり、工数低減が進み、生産効率は飛躍的に向上する。

(中略)

いっぽうの「自働化」は生産現場における重大なムダであるつくり過ぎを排除し、不良品の生産を防止する役割を果たす。そのためには、平生から各選手の能力に当たる「標準作業」を認識しておき、これに当てはまらない異常事態、つまり選手の能力が発揮されないときには、特訓によってその選手本来の姿に戻してやる。これはコーチの重大な責務である。

—(以上、引用)—

人が介さない「自動化」と、人が介する「自働化」が生み出す価値を区別して考えることは、ITが普及した現代こそ、再びじっくり考えるべきポイントです。

 

—(以下、引用)—

企業のなかのムダは無数にあるが、つくり過ぎのムダほど恐しいものはない。

—(以上、引用)—

「作りすぎ」を、「過剰在庫」ではなく、「顧客ニーズに合わない製品」と読み換えると、まさに顧客の課題に合っていない売れない商品を作り出している今の企業が抱えている課題そのものです。

だからこそ、トヨタ生産方式を現代の製品開発に進化させたリーンスタートアップのような方法に注目が集まっているのでしょう。

 

トヨタで有名な「五回のなぜ」についても書かれています。オリジナルの本書では、どう書かれているか見てみましょう。

—(以下、引用)—

たとえば、機械が動かなくなったと仮定しよう。

(1)「なぜ機械は止まったか」 「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」
(2)「なぜオーバーロードがかかったのか」 「軸受部の潤滑が十分でないからだ」
(3)「なぜ十分に潤滑しないのか」 「潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ」
(4)「なぜ十分くみ上げないのか」 「ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ」
(5)「なぜ摩耗したのか」 「ストレーナー(濾過器)がついていないので、切粉が入ったからだ」

トヨタ生産方式も、実をいうと、トヨタマンの五回の「なぜ」を繰り返す、科学的接近の態度の累積と展開によってつくり上げられてきたといってよい。

五回の「なぜ」を自問自答することによって、ものごとの因果関係とか、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる。

私は、生産の現場に関しては、「データ」ももちろん重視してはいるが、「事実」をいちばんに重視している。問題が起きた場合、原因の突きとめ方が不十分であると、対策もピント外れのものになってしまう。そこで五回の「なぜ」を繰り返すというわけである。これはトヨタ式の科学的態度の基本をなしている。

—(以上、引用)—

このように「五回のなぜ」はただやみくもに考えるのではなく、あくまでも「事実」を起点に考えることが必要です。

商品開発の場合も、アイデアを考えるだけではなく、顧客のリアルな反応といった事実をもとに考えていくことが必要です。

そのための方法が仮説検証なのですね。

 

本書のごく一部を紹介しました。

本書は生産方式について書かれていますが、自分の仕事に当てはめて読んでいくと、とても学びが多い本です。

 


高城 剛著「2035年の世界」 今後20年間に何が起こるか、ポイントを押さえて概観できます

高城 剛著「2035年の世界」を読了しました。

高城さんが書かれたので、当初は技術面が中心だと思っていたのですが、実際には社会や人間のあり方までが書かれていて、とても参考になりました。

以下のセクションで構成されています。

セクション1:身体科学

セクション2:科学

セクション3:移動

セクション4:スタイル

セクション5:リスク

セクション6:政治

セクション7:経済

セクション8:環境

 

ここ1-2週間話題になっている「指数関数的に進化する人工知能は、人類にとって脅威になるのではないか」という点についても、高城さんとしての回答を出しておられます。

コンパクトな本ですが、今後20年間に起こる可能性がある事象についてポイントを押さえて幅広く概観できます。

今後の社会動向を考えて戦略の打ち手を考える立場にある方には、ご一読をお勧めします。

Mac版Evernote 6.0が不安定→直りました

世界経営者会議でEvernote CEOのフィル・リービンさんの講演を聴いてから、Evernoteを使うようになり約3週間です。

Mac、iPhone、iPad間で同期し、メモも共有できるので、早くも手放せない道具になっています。

 

これまで手ぶらで外出ということは滅多にありませんでした。以前はちょっとした外出でもMacを持ち歩き、そうすると他にも色々と持っていく必要があるので荷物が多くなっていました。

しかし今ではiPhone6を1台だけで手ぶらで出かけることも増えました。Evernote、Dropbox、Kindle、SmartNews、Gmail、Google Calendar等のおかげで、色々な情報を取ったり、思いつきの簡単なメモを取れるようになったためです。

 

そんなきっかけになったEvernoteですが、Mac版の動作が不調でした。問題は二つあって、

①ノートのタイトルが「無題」になってしまう

②画像ファイルやPDFファイルの文字認識ができない

おかしいなぁ、と思っていたら、オルタナブロガーの種田さんのこのエントリーをきっかけに不具合が直りました。

「Evernote アプリケーションで PDF 内のテキストが検索できなくなってしまったときの解決方法」(mtanedaブログ)

私の場合は、種田さんの解決方法に加えて、Mac版Evernoteをアンインストールした上で、App StoreでなくEvernoteのサイトからMac版Evernoteをインストールすることで解決しました。(種田さんのブログにあるように、ライブラリーのデータも削除する必要があるようです)

種田さんに感謝です。

 

現時点(2014/12/4)でEvernote 6.0 Mac版のApp Storeでも同様の不具合が起こっている人のコメントが多いようです。

最近App StoreからMac版Evernote 6.0をインストールまたはアップグレードした人は、見直した方がいいかもしれませんね。

 

SmartNews Compass 2014に参加しました

昨日2014/12/1に東京ANAホテルで行われたSmartNews Compass 2014に参加しました。

「日本のIT業界でも、マーケット・イン発想でテクノロジーに徹底的にこだわり、最初からグローバル展開を考え海外の経営人材も採用し、成果も出し始めているSmartNewsのような企業が出てきたのだなぁ」と、大きな感銘を受けました。

 

まず、SmartNews 40名の社員のうち、半数以上はエンジニア。物理系研究者出身の方が多く、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」というミッションのもとで、技術を磨いています。

戦後間もなく急成長したソニーやホンダといった日本のベンチャーも、設立当初はこんな感じだったのかもしれない、と思いを馳せました。

 

さらに、米国で政治記者を長年務め、The Wall Street Journal Onlineを立ち上げ、デジタルジャーナリズムの世界最大組織Online News Association(ONA)を創設した米国人も、SmartNewsの経営陣に参加しています。

またSmartNewsは最近、米国版を出荷しました。これは日本語版と同一です。設定で「各国版」の項目を「アメリカ合衆国」に変えると、米国と同一コンテンツを見ることができます。

2年前に当ブログの『消費者が「体験」を求めるグローバル時代に必要な、「サービス製造業」の考え方』というエントリーで書いたように、製品とインフラを世界共通プラットホームとして提供します。

 

またSmartNewsをお使いの方は、最近広告が違和感なく表示されるようになったことに気がついた方もおられるのではないでしょうか?

今回、SmartNews Adという広告事業の開始を発表しました。

“Ads as Contents”という考え方のもとで、広告もコンテンツの一部と捉えて、高度な最適化と配信アルゴリズムを持つAd Technologyにより広告配信しています。

SmatrNews Ad NetworkのPartnersとして、ミクシー・森田社長が登壇された他、産経デジタル、毎日新聞、サイバーエージェント、グリー、DeNAなども参加されています。

既にクライアントは50社。今回はその中からライフネット生命とエンジャパンのご担当者も登壇しました。

 

このようなイベントに参加するのは久しぶりでしたが、とても刺激を受けました。

何よりもITmediaにおられた時にとてもお世話になった藤村さんがお元気そうに活躍されていて、嬉しく思いました。

是非、SmartNewsが世界に羽ばたいていただくことを願っています。

 

詳しい様子は既にITmedia Newsでも紹介されていますので、興味がある方は、そちらもあわせてご参照ください。

世界経営者会議(11) 再び1日目:アミトコ ニクラス・ゼンストローム 共同創業者件CEO

世界経営者会議のレポートの続きです。

今回登壇した経営者19名の中には、テクノロジーベンチャーキャピタルの経営者もいました。

アミトコ共同創業者兼CEOのニクラス・ゼンストロームさんは、かつてスカイプを創業した方です。

ニクラスさんの話から、よく語られることが多いシリコンバレー視点とはまた別の視点で、テクノロジーベンチャーの今の姿を知ることが出来ました。

 

■アミトコ ニクラス・ゼンストローム 共同創業者件CEO

なぜアミトコを作ったか?

スカイプはシリコンバレーの外で成功した、当時として非常に数少ないテクノロジーベンチャーになった。

実は2002年、スカイプの資金調達をしようとしたが、誰も資金提供してくれなかった。自分はスウェーデン人で、スカイプは欧州生まれだ。シリコンバレーの外では、このような会社に投資する仕組みは、当時なかったのだ。

この経験により、英国でテクノロジーベンチャーキャピタルのアミトコを創業した。シリコンバレーの外で、財務的インフラを提供するためだ。

現在、10億ドル以上の企業価値があるネット企業の6割以上がシリコンバレーから生まれている。たとえばストックホルムで生まれたSpotify(音楽ストリーミング配信サービス)のように、欧州でも新しい会社が続々生まれている。東京でも同様だ。

 

(日本のベンチャーをどう見ているか、という質問に対して)

昔から日本のモバイルを注目していた。多くの技術が日本にある。かつて日本の起業家は国内市場だけを見ていたが、最近になってグローバルも見るようになった。

日本のSmartNewsにも投資をした。パイオニアだと思う。既にニュースの世界でNo.1だし、海外にも出て行こうとしている。創業者が技術にフォーカスしているし、シンプルなユーザー体験を提供している。多くのスタートアップで、若い有能な人たちが増えるといいと思う。

 

(新しい技術のトレンドはどうか、という質問に対して)

人がその技術自体に気がつかなくなっていく方向にある。(気がつくととても使い勝手がよくなっていて、その裏で最新技術を活用している、というイメージ)

色々な技術の組合せて、モノゴトを単純化していくようになっていく。ソフトウェアだけでなく、ビッグデータやクラウドがある。オンライン・オフラインの境目がなくなる。そしてものすごく効率が上がっていく。

 

【所感】

シリコンバレーのようなインフラも、わずか10年間でグローバル化しつつあります。

日本では渋谷を「ビットバレー」と呼び、ベンチャー企業とベンチャーキャピタルが次々と生まれた時期がありました。同じタイミングで同じことが欧州でも起こっていたのです。

一時期、”The World is Flat”という本が流行りました。実体経済では必ずしもフラット化しておらずむしろ民族主義などの問題が起こっています。しかしテクノロジーベンチャーの世界では、世界のフラット化は急速に進んでいると感じました。

 

【世界経営者会議レポート】

世界経営者会議(1)1日目:IBM・ロメッティCEO、日立・中西CEO

世界経営者会議(2)1日目:KPMGインターナショナル・ビーマイヤー会長

世界経営者会議(3)1日目:iRobot コリン・アングル会長・CEO 製品中心の会社は、マーケティング力も卓越していた

世界経営者会議(4)1日目: Evernote フィル・リービンCEO

世界経営者会議(5)2日目: LIXIL 藤森義明 社長兼CEO いないのは「プロの経営者」よりも、むしろ「プロのマーケター」

世界経営者会議(6)2日目: チャロン・ポカパン(CP)グループ タニン・チャラワノン会長兼CEO 「中国市場のチャンスは無限だ」「インターネットは飽和し、実体経済の変化が重要になる」

世界経営者会議(7)2日目: SMインベストメント テレシタ・シー・コソン副会長 平均年齢23才と若いフィリピンは、なぜ急成長しお金を持っているのか?

世界経営者会議(8)2日目:タイ石油公社(PTT) パイリン・チョーチョーターウォン社長兼CEO タイはバイオハブになる

世界経営者会議(9)2日目:サンミゲル ラモン副会長、社長兼COO ASEAN統合は、アジアの新たな発展の契機になる

世界経営者会議(10) 再び1日目:欧米製造業の対応 ーなぜ彼らはアジアにR&D拠点を移すのか?

世界経営者会議(11) 再び1日目:アミトコ ニクラス・ゼンストローム 共同創業者件CEO

 

世界経営者会議(10) 再び1日目:欧米製造業の対応 ーなぜ彼らはアジアにR&D拠点を移すのか?

世界経営者会議のレポートの続きです。

ここ数回、アジアの経営者の声を紹介してきました。ここで欧米の製造業トップの講演をご紹介したいと思います。

 

■BASF マルティン・ブルーダーミュラー副会長

2050年、世界の人口は90億人になる。リソース・環境・気候、食品と栄養、生活の質が重要になる。これらを解決する上で、化学はイネーブラー(enabler)だ。

BASFはサステイナブルな未来のために化学を作っていく。それが新しい企業戦略、”We create chemistry”だ。

R&D 18億ユーロ(2600億円)のうち、1/3は気候変動、エネルギー開発に投資していく。

市場規模と成長率を見ると、アメリカ地域が1900億ユーロ(28兆円)で年+6%。欧州中東アフリカ地域が2000億ユーロ(29兆円)で年+6%。アジア地域が2400億ユーロ(35兆円)で 年+9%。

つまりグローバルでは、アジアが最大市場で、かつ最も成長が速い。

そこで1/4のR&D支出をアジア に振り向け、アジアでイノベーションを推進し、世界に広げる戦略だ。

パートナーシップも重要だ。その際には、どのように関係性を管理するかが課題だ。

社内でも、別事業のR&D担当者同士が話し合うことで新しいアイデアが生まれている。R&Dだけでなく、SCMや生産も同様だ。

頭脳をつなげていくことが大事だ。一緒になることで効率性もスピードも高まる。全ての社員が、「我々はBASFという一つの会社である」という考えを持つことが大切だ。

 

■シュナイダーエレクトリック ジャンパスカル・トリコワ会長兼CEO

当社は25年前は電力管理を中心とした事業だった。

今や売上250億ユーロ(3.6兆円)。内訳はビルディング関連 102億ユーロ、インフラ関連 57億ユーロ、インダストリー関連 59億ユーロ、IT関連 34億ユーロだ。

R&Dに売上の4-5%を投資している。43%は新興国だ。さらに45%の人材がアジアにいる。

そこで本社をパリから香港に移した。当社では全世界45拠点に、11,000名のR&Dエンジニアがいる。顧客がいる現場近くに配置している。

パートナーシップも重要である。日本は生産性が高く、東芝、富士電機、TEPCOなどともパートナーシップを拡大している。

パートナーシップでは色々なものを組み合わせるので、複雑性との戦いになる。だから規格はオープンスタンダードでなければならない。標準化が必要だ。

大切なのは、小さい段階で失敗すること。その際、相手を信用できるかどうか。要は人である。人に尽きる。

 

■マイクロン・テクノロジー マーク・ダーカン CEO

マイクロンはメモリー半導体専業だ。

今、ムーアの法則が鈍化している。これまでデータセンターのデータが中心だった。今はモビリティとクラウドが普及しIoT (Internet of Things、モノのインターネット)のデータが急拡大している。

こんな時代の課題に、1社で全てに対応するのは難しい。だからパートナーシップが必須となった。

研究者たちのパートナーシップを拡大している。 パートナーシップのためには、Win-win(双方にとってのメリット)が何なのかをキチンと定義することが必要だ。真のWin-Winであれば競争ではない。これが真の差別化要因になっていて、持続できるかどうかがカギだ。

 

【所感】

欧米の製造業トップ3名の講演と対談でした。

共通して、R&D拠点としてアジアを重視していることが印象的でした。

現代では、多くの企業は顧客の近くにR&D拠点を置いています。その一つの理由は、R&Dの段階で顧客に「課題」を検証する必要性が、かつてよりもはるかに高まったからではないかと思います。

20−30年前は、門外不出の研究を本国で行うことが多く、R&D拠点も本国に置いていました。現代に比べてプッシュ型のアプローチ、つまり製品主導でも売れていましたし、顧客の課題が多様化していなかったから、というのが背景です。

しかし今は、この方法で製品開発を進めると、多様化・細分化・激変する顧客の課題を間違ったまま開発してしまい、製品を出してもまったく売れないということが起こってしまいます。

だから顧客の近くで、顧客に課題と解決策を検証しながら、製品開発を進めることが必要なのです。

このように考えると、欧米製造業各社が世界で一番成長しているアジア地域にR&D拠点を設置し始めているのは、ある意味必然なのでしょう。

 

昨年の世界経営者会議では、たとえば「欧米企業の多くは、いかにアジアの成長に対処するか苦慮している」という欧州・ヘンケルCEOの発言のように、アジアの成長への対応に悩む欧米企業トップの声が聞かれました。

一方で今年は、欧米企業はアジアの成長に対して、積極的に自社を変革してでも腰を据えて対応しようとする姿勢が印象的でした。

 

この世界経営者会議のレポート、登壇された19名の経営者のうち、まだ6名残っているので、もう少し続けます。

  

【世界経営者会議レポート】

世界経営者会議(1)1日目:IBM・ロメッティCEO、日立・中西CEO

世界経営者会議(2)1日目:KPMGインターナショナル・ビーマイヤー会長

世界経営者会議(3)1日目:iRobot コリン・アングル会長・CEO 製品中心の会社は、マーケティング力も卓越していた

世界経営者会議(4)1日目: Evernote フィル・リービンCEO

世界経営者会議(5)2日目: LIXIL 藤森義明 社長兼CEO いないのは「プロの経営者」よりも、むしろ「プロのマーケター」

世界経営者会議(6)2日目: チャロン・ポカパン(CP)グループ タニン・チャラワノン会長兼CEO 「中国市場のチャンスは無限だ」「インターネットは飽和し、実体経済の変化が重要になる」

世界経営者会議(7)2日目: SMインベストメント テレシタ・シー・コソン副会長 平均年齢23才と若いフィリピンは、なぜ急成長しお金を持っているのか?

世界経営者会議(8)2日目:タイ石油公社(PTT) パイリン・チョーチョーターウォン社長兼CEO タイはバイオハブになる

世界経営者会議(9)2日目:サンミゲル ラモン副会長、社長兼COO ASEAN統合は、アジアの新たな発展の契機になる

世界経営者会議(10) 再び1日目:欧米製造業の対応 ーなぜ彼らはアジアにR&D拠点を移すのか?

 

世界経営者会議(4) 1日目: Evernote フィル・リービンCEO

世界経営者会議レポートの続きです。

Evernote CEOのフィル・リービンさんが登壇しました。
 

【講演より】

現代では情報不足は解消し、むしろ情報過剰になっている。そこでEvernoteでは、「書く」「集める」「見つける」「発表する」の4つのことが出来るようにした。

■書く (write):現代ではプリントアウトはしない。フォントやマージン設定などの必要性は少なくなっている。この結果、ワープロは過剰機能になっている。今必要なのは、書く内容のクオリティそのものだ。これをサポートする。

■集める (collect):必要な全ての情報を簡単に収集できることが必要だ。

■見つける (find):検索(search)ではない。検索能力は不要だ。わかっていなかったけど知りたかったものが、自然に出てくることが必要だ。

■発表する(present):現代の生産性でプレゼンは最悪だ。きちんと発表できていない。

よりよい意思決定のためには、この4つが重要だ。Evernoteにはこれらの機能が全て入っている。製品の背後にあるテクノロジーが、常に何かを探してくれるイメージだ。

 

どんなわがままも聞いてもらえる「子ども」。

周りが働いてくれる「CEO」。

自分の能力が飛躍的に高まる「スーパーマン」。

あなたはどれになりたいだろうか?

私の場合は「スーパーマン」だ。能力を高めて色々なことを実現したい。Evernoteはそれを可能とするのだ。

そこで私が提唱しているのは、Augmented Intelligence (知能増幅)。テクノロジーを活用して、人間の知能を増幅するのだ。

そもそもEvernoteは、私が欲しいものを作った。

だからEvernoteは、Apple Watchなどの全てのウエラブルデバイスにも対応すべく準備してきた。デバイスがシームレスに繋がるようになる。たとえばiPhoneでメモを見ている時に電話がかかってきて、iPhoneの電話機能で話し始めたら、自然とApple Watchにメモが表示される、といったイメージだ。人間にはとてもスムーズな動作であり、自然に対話に入ることが出来る。これをテクノロジーでサポートする。実は背後にあるテクノロジーは高度なものだ。

 

【質疑応答より】

質問:人工知能についてはどう思うか?
→我々は、人工知能ではなく、人間と組み合わせることで、人がより賢くなることを目指している。これがAugmented Intelligence (知能増幅)だ。

質問:10年後にはどんな技術が生まれてくると思うか?
→今後はいくつかの技術の組合せになっていく。ローコスト・ローパワーな組合せが無限の計算能力を生み出せるようになる。技術面の限界はバッテリーくらいのものだ。実は本当の限界は、むしろ人間の想像力にある。現時点ですばらしい技術があるのに、想像力が足りないために使えていないのが現状だ。

→95%の人は、新しいものに接すると、まず否定に走りがちだ。たとえば2万年前に文字が生まれた時は、「文字なんて使っていたら馬鹿になる。ちゃんと覚えて口伝で伝えるべきだ」と言った人がいた筈だ。しかし文字があったから文明が進化した。火も「火事になる」と言って使わなかったら、文明は生まれなかった。ドローンなどの新技術も同じことだ。どのような可能性があるかを考えるべきであり、その上で、いかにリスクを下げるかを考えるべきなのだ。

 
【所感】

フィル・リービンさんのお話を聞くのは初めてでしたが、まさに「ビジョナリー」であり、すばらしい内容でした。

私はEvernoteは使っていなかったのですが、この講演の夜から使うようになりました。このブログもEvernoteを使いながら書いています。とっても便利です。

 

宇宙ビジネス・電気自動車・太陽エネルギーに挑戦するイーロン・マスクの実像。「モノゴトに魔法はない。志を持って実行するのみ」

「地球と人類を救う経営者」として最近話題のイーロン・マスクを描いた本「イーロン・マスクの挑戦 人類を火星に移住させる」(別冊宝島、2014年8月)を読みました。

1971年生まれのイーロン・マスク。その経歴は凄まじいものです。

1995年に起業したZip2社をその後売却し、2200万ドル(22億円)を手にします。

1999年にX.com社の共同設立者となり、これが2001年にPayPal社となり1億7000万ドル(170億円)を手にします。

この資金を元手に2002年に3つ目の会社として宇宙ロケット開発のスペースX社を起業。「人類を火星に移住させる」と宣言。

2004年に電気自動車会社「テスラモーター社」の会長、さらに太陽光発電の「ソーラーシティ社」の会長になります。

大学時代、イーロンは「人類の将来にとってもっとも大きな影響を与える問題は何か」と考え、「インターネット、持続可能エネルギー、宇宙開発の3つ」と考え、これらの事業を立ち上げています。

絵空事で終わらせていないのが凄い点です。

2010年12月8日、スペースX社が独自開発した宇宙ロケット「ファルコン9」は宇宙船ドラゴンを所定の軌道に投入、地球を2周して大気圏に再突入し、太平洋に着水しました。

スペースX社創業からわずか8年、民間の宇宙船としては史上初です。

打ち上げコストは1/10まで下げました。今後ロケット再利用を図り1/100まで下げることを狙っています。現在、国際宇宙ステーションに物資輸送を行いつつ、火星移住のための準備も進めています。

テスラモーター社では、ポルシェより速くフェラーリより安い電気自動車「ロードスター」を開発し販売。レオナルド・ディカブリオやブラッド・ビットといったセレブリティたちがこぞって購入しています。

本書では、あるロックスターはパーティでイーロンに、「ロードスターに文句がある。以前から持っているポルシェに全く乗らなくなった」と言った様子が描かれています。

さらに第2弾としてセダン型の「モデルS」も開発・販売しています。

さらにテスラ社の車に無料で充電するための新しいインフラとして、ソーラーシティ社により、太陽光発電による充電ステーション「スーパーチャージャー・ステーション」を世界に設立しています。

上記の一つだけの取り組みでも難題ですが、イーロン・マスクは、全て手がけて結果を出しています。

本書では、イーロンの取り組みや考え方も紹介しています。

感銘を受けたのは、何度も何度も失敗を繰り返し、成功への糧としている点。

3回失敗したロケットしかり、納期遅れとコスト増で苦しみ顧客の前払い金を私財で保証までした電気自動車開発しかり。そこにあるのは、「金儲けではなく“人類と地球のため”に働く・考える・行動する」という志です。

一方で、イーロン・マスクの考え方はきわめて合理的で真っ当。しかし実行するのは大変なことです。

—(以下、p.73より抜粋)—

「会社の名前で製品は売れているのだ」と思い込んでいる人がいるが、それは間違っている。まずは、素晴らしい製品があって会社のブランドを築く。ブランドは信頼であり、消費者は信頼に基づいて製品を購入してくれる。製品が先にあるのだ」

—(以上、抜粋)—

強い企業ブランドを持っていると、ついついそのブランド力に頼りがちです。しかし、本来はブランド力に頼らず、素晴らしい製品やサービスを作ることに全力を注ぐべきです。その結果が、さらなるブランドの信頼に繋がるのです。

当たり前のことですが、我々がつい陥りやすい罠について、的確に述べています。

—(以下、p.74より抜粋)—

「自ら積極的に批判に耳を傾けることが大切」である。では、どうやって自ら批判を求めていけばいいのだろうか?

その質問にイーロンは「友人に作った製品を見せるんだよ。そして、『どこが良いかは言わないでいいから、良くないところを教えてくれ』って頼むんだよ」

—(以上、抜粋)—

「批判に謙虚になれ」

当たり前のことですが、言うは易く行うは難し、です。

しかし批判に謙虚に耳を傾ければ、必ずよくなります。日々実践したいことです。

—(以下、p.75より抜粋)—

スペースX社は劇的にコストを引き下げてロケットを作り成功を収めている。しかし、これについてイーロンは「革命的なブレークスルーによってではなく、コツコツと地道な努力を積み重ねることで成し遂げたんだ」とコストダウンの意外な神髄を語ってくれた。

…「われわれの(コストダウンの)考え方そのものが、革命的なブレークスルーなんだ」

—(以上、抜粋)—

「愚直に積み重ねる」ことは日本人のお家芸だと思いがちですが、イーロン・マスクもまさに愚直に積み重ねています。

革新的イノベーションの時代から、持続的イノベーションの時代に変わりつつあることを、イーロン自身、認識しているのかも知れません。

愚直に積み重ねて実行するのに加えて、その先にシンプルな目標を定めて戦略的に考えている点が、イーロンの凄さだと思います。それは次のエピソードに現れています。

—(以下、p.82より抜粋)—

「我々のEV(電気自動車)はエコカーではなく、プレミアムカーだ」

そう宣言したイーロンのEV戦略は独創的だった。

所有することを切望し、持っている人に憧れ、持てば自慢したくなるEVカーを立ち上げ、まずは力ずくにでも世間の注目を集めるというものだった。

…値段も10万ドルを超える高級車だ。それならマスコミは取り上げ、世間も興味をそそられるに違いない。その次には、5万ドル程度のミドルクラスの4ドアセダンを送り出し、そして、最後は、大衆の手に届く2万ドルクラスのエントリー車を大量に生産する。これがイーロンが考えた型破りな戦略だった。

—(以上、抜粋)—

これは最初の電気自動車「ロードスター」を開発していた時の発言です。

最初にプレミアム車で成功し話題を取る。そのためにレーシングカーの名門・英国ロータス社と共同開発契約を締結。

次に経験に基づき蓄積した技術を活かして、ミドルクラスに広げる。

さらに量産効果でエントリー車を量産する。

電気自動車メーカーで、このようにシンプルでわかりやすい戦略的な製品ロードマップを持って明言しているのは、テスラ社だけなのかもしれません。

このようにイーロンの考え方はまさに王道。「モノゴトに魔法はない。志を持って実行するのみ」ということですね。
本書では、戦略的に考え、ものすごい愚直な実行力と交渉力で実現してしまうイーロン・マスクの姿をわかりやすく描いています。

今後日本でも、イーロン・マスクは大きな話題になっていくと思います。いま、要注目の一人だと思います。

ちなみに、テスラは既に日本語サイトがあり、日本でも販売中です。モデルSが823万円。大阪パナソニックセンターで試乗できます。

 

 

「欧米系ITソリューションを日本で売ろうと思ったけど、ぜんぜん売れない!」を解決するために

斎藤昌義さんが「欧米との文化の違いを理解しないままに製品やサービスを選定してはいけない」というブログを書いておられます。

私も前職で外資系IT企業の経験が長かったこともあり、思想的背景の違いを踏まえずに欧米の製品を現場に持って行って受け容れられない、ということを沢山経験してきました。

 

そして最近、日本のIT企業(SI業者)も、同じ状況に置かれていることに気がつきました。

ITソリューションとして販売されているのは、海外企業の製品群が多いからです。

日本の大手IT企業(富士通、日立、NEC、NTTデータ)のITソリューションは、多くの場合、オープンな販売チャネルではなく、自社販売チャネル(直販や子会社)で販売しています。

オープンな販売チャネルで広く販売しているITソリューションは、同じオルタナブロガーであるe-Jan ネットワークス社長・坂本さんのCachattoやインフォテリア社長・平野さんのAsteriaのような素晴らしい日本製品もある一方で、市場全体では外資系IT企業の比率が高いのが現実です。

この結果、独立系SI業者からすると、外資系のITソリューションを手がけているケースが多いのです。

 

その際に、冒頭の「思想的背景を踏まえずに、欧米の製品を現場に持って行った際のギャップ」の問題が起こってきます。

「海外で実績が出始めたITソリューション」ということで、SI業者が「じゃあ、ウチでも先行投資して販売しよう」とチャレンジすると、日本ではぜんぜん売れない現実に直面するのです。

ここまでが課題の話。

ではどのように解決すればよいのでしょうか?

一つの方法があります。

 

米国製品を日本市場で展開するケースを例に、このようなことが起こる理由を考えると、日米の「ターゲット顧客」と「その顧客の課題」にギャップがあるからです。

様々な業界で、日米ギャップは沢山あります。たとえば、

■日本のような国民全員が加入する健康保険制度は、米国にはありません。(現在オバマ大統領が、オバマケアで解決を図ろうとしています)

■日本では雇用主が源泉徴収して納税するため個人で確定申告をせずに済みますが、米国では個人の確定申告が義務づけられています。(その代わり多くの節税の方法があります)

■日本では自動車メーカーの傘下に系列の自動車ディーラーがあり取り扱う自動車会社で色分けされてますが、米国では自動車ディーラーは独立系で複数自動車会社の自動車を取り扱います。

このようなギャップがあるため、ターゲット顧客と顧客の課題は、日米では大きく異なるのです。

ですので、海外ITソリューションが前提とするターゲット顧客と顧客課題と、日本市場でのターゲット顧客と課題の現実を見極めることが必要です。

 

SI業者は、たとえば「ある特定分野の業務知識に詳しい」といったように、自社ならではの強みを持っています。

ギャップを埋めるためには、先行投資しようとするITソリューションのターゲット顧客とその顧客の課題、さらにそこで活かせる自社の強みを徹底的に考え抜くことが必要です。

幸いゼロベースで考える場合とは異なり、ITソリューションの海外顧客実績を参考にできます。海外の顧客プロフィールと課題が、日本ではどのように当てはめられるかを考えれば、日本市場での展開にあたって参考になります。

ターゲット顧客の定義を変えたり、同じターゲット顧客でも別の課題に取り組む必要もあるでしょう。

あるいはITソリューションに、自社ならではの強みを活かした、別の付加価値を提供する必要があるかも知れません。

 

「自社の強み?う〜ん……。そんなものはありません。理想論です」というケースも多いのですが、それは違います。実際には、自社の強みは当たり前になっているので、過小評価してしまう企業が多いのが実態なのです。考え抜くとたとえ小さな種であっても見つかるはずですし、逆にたとえ小さな種でもそれを見つけて育てない限り、差別化できません。

「自社の強み」を考え抜くには、先日のブログでご紹介したこのフレームワークが役立ちます。

また、ターゲット顧客・課題・解決策を考えるには、バリュープロポジションの考え方が役立ちます。ご参考までに、こちらは8年前に当ブログで書いた内容ですが、今でも参考になると思います。

 

私は様々な業界のクライアント様と一緒に、上記を考えるワークショップを実施しています。

クライアント様別に最適化してカスタマイズしているので、準備には手間も時間もかかります。

しかし「いかに自社のバリュープロポジションを具体的に作るか」でお困りの企業は多いようで、有り難いことに、多くのお客様から研修・ワークショップ提供のご依頼をいただいています。

 

海外のITソリューションを日本で展開する際に、このバリュープロポジションの考え方が大いに役立つことは、前職でも実感しています。

ITソリューションに携わるセールスやエンジニアこそ、バリュープロポジションを中心としたマーケティングの考え方を身につけると、仕事力向上に役立つはずです。

 

苦手の動画編集が、iMovieで簡単にできた

昔から動画はどちらかと言えば苦手種目でした。

先日動画を撮影し、それを人様に見ていただくために編集することになりました。

苦手種目だった動画ですが、試しにMacBook Proに入っているiMovieを初めて使ってみて驚きました。とても簡単に編集できるのですね。

 

たとえば映画の予告編風に作るのであれば、既に完成済のサンプルから好みのタイプを選択、中にある文字や動画、背景画像を入れ替えるだけで、それなりのモノがすぐに完成します。

動画と動画の繋ぎ(フェードアウトするか、等)も、自由に設定変更できます。BGMも揃っていますし、動画の再生速度も色々と変えられます。

出来上がった動画はそのままYouTubeにアップしたり、ファイルに書き出したりできます。

 

数年前だったら、プロに頼んで100万円以上かかっていたであろうレベルの作品が、細かなこだわりがなければ、誰でも一定レベル以上の作品が簡単に作れてしまう時代なのですね。

 

実際に体験してみて、改めて「現代は、『自分の強みやスキルとは何か?』を考え抜かなければならない時代なのだな」と実感しました。

 

SmartNewsは、視点の偏りを是正しメディアリテラシーを向上させる効果がある

高校生までは、新聞と言えば実家で取っていた朝日新聞でした。

大学3年生くらいから日本経済新聞を読むようになり、現在に至っています。

実際に各社の新聞紙を読み比べるとわかりますが、同じテーマでも論調はかなり異なります。これは一紙だけを読んでいるとなかなかわからないのですよね。

本当は何社かの新聞を併読すると、視点の偏りを是正できます。ただ新聞を何紙も併読するのはなかなか難しいのが現実だと思います。
 

ネットで色々な意見を読めるようになり、かなり改善されたと思います。ただネットの情報では玉石混淆なのが難点です。

私はSmartNewsを毎日読んでいますが、実はSmartNewsは、様々な論点に触れることができるのが隠れた大きなメリットなのだと気がつきました。

たとえば現在、主なメディアでは下記のニュースを読むことができます。

読売新聞、毎日新聞、ハフポスト、サーチナ、ロイター、共同通信、TBSニュース、東洋経済ONLINE、プレジデント、現代ビジネス

それぞれ論調が異なりますので、様々な視点に触れることができます。

これは結果的に、自分のメディアリテラシー向上に繋がります。

 

SmartNewsはネットの反応時間を待たずに記事をサクサク読めるので、ニュースの吸収速度が速いという特性があります。

日々、サクサクと様々なメディアの視点に触れることで、自然とメディアに左右されない見方ができるようになっていくように思います。

 

最近グリーなどの出資でも話題で成長著しいSmartNewsですが、こんな利点もあるのだな、と思いました。
 

 

人間の脳と同等。ニューロン100億個を内蔵するチップは、どのような未来を生み出すのか?

2014年4月24日、古巣である日本IBMの東京基礎研究所を見学する機会をいただきました。

その時に、IBMが神経細胞を模したニューロンチップを開発していることを初めて知りました。その翌日に書いた4/25のブログを読み返してみると、

・非フォン・ノイマン型の300万素子で構成
256個の神経細胞(ニューロン)に相当
・世界で最も優れた情報処理システムである脳細胞の動きをヒントに開発
・米国の国防高等研究計画局(DARPA)が出資するSyNAPSEプロジェクトの成果
・各ニューロンが記憶を保持

このニューロンチップが急速に進化しています。

 

2014年8月7日、IBMは新しいニューロンチップを発表しました。

日経ITproの記事「IBM、2011年比4000倍の巨大ニューロチップを作成」によると、

・CMOSチップ最大級の54億個のトランジスタで構成
100万個の神経細胞(ニューロン)、2億5600万個のシナプス(ニューロン間結合)の働きをシミュレート

今年4月に見たニューロンチップ(開発されたのは2011年だったのですね)のニューロン数が、256個から100万個に。記事タイトルの通り4000倍。まさに指数関数的に進化しています。

記事によると、このシステムはスケーラブルに増やすことができ、既にIBMは16チップ、1600万ニューロン(40億シナプス)のシステムを製作済とのこと。

さらに「IBMは長期的なゴールとして、100億ニューロン、100兆シナプスのシステムの開発を目指す。消費電力は1kW、体積は2リットル以下」とのことです。

 

人間の脳は、10の10乗から11乗のニューロンで構成されています。改めてニューロンチップの進化をニューロンの数で整理すると、

・私が見た4年前の単体チップが、ニューロン256個 (=10の2-3乗)
・今回の単体チップは、100万個 (=10の6乗)
・既に製作済の16チップ構成で、1600万個 (=10の7乗)
・IBMの長期的なゴールは、100億個 (=10の10乗)

 

つまり人間の脳が持つニューロン数と同等のチップ開発が、既に視野に入っているのですね。

 

発表によると、ニューロンチップが実現できるのは、たとえば交通状況を動画で監視して異常を見つける、といったような主に認知機能に関する分野とのことです。(攻殻機動隊-Ghost in the shell-のように「魂が宿る」ということはないようです)

この分野でコンピュータが人間の脳に追いつくのは、実はそんなに遠い未来ではないのかもしれません。

 

今後、ニューロンチップが指数関数的に進化していくと、未来の人間の仕事はどうなるのでしょうか?

 

かつてコンピュータの計算能力向上で、人は細かい日々の計算作業からは解放され、ソロバンは不要になりました。

しかし人間が数字のことは考えないで済むかというとそんなことはありませんでした。

ビジネスで数字で強いことが必須なのは、昔も今も変わっていません。

 

おそらく、同じことがニューロンチップでも起こるのではないかと思います。

たとえば忍耐強く長時間監視するような作業は次第にニューロンチップを使ったマシンにとって替わられる一方、様々な事象を認知する能力の高さは、引き続き求められるのではないでしょうか?

 

テクノロジーの進化は、未来の仕事のあり方を大きく変えていく一方で、人間にしかできないことが何かをしっかりと見極めることもまた重要なことです。

たとえば自動車普及で、自動車の運転手という仕事が生まれる一方で、馬車にかかわる仕事は激減しました。さらに自動車の自動運転が普及すると、この運転手という仕事も激減する可能性があります。

テクノロジーの未来はどうなるのか、興味を持って見ていきたいと思います。

 

「あなたのFacebookアカウントで新しいパスワードのリクエストがありました」という件名のメールが届きました

一昨日、「あなたのFacebookアカウントで新しいパスワードのリクエストがありました」という件名で、Facebookからこんなメールが届きました。(本文中のメールアドレス、他は隠しています)

Facebookpwreset  

心当たりがないので、最初に考えたのは「これって、フィッシング詐欺?」

“あなたのFacebookアカウントで新しいパスワードのリクエストがありました”で検索してみると、なぜか上と同じ画面のブログページがいくつか出てきただけ。これらのページには、特に対応策も「困った」ということも書いていません。中には既に削除されてるページもありました。

 

上記の「今すぐお知らせください」のリンク先URLは下記でした。

https://www.facebook.com/login/recover/disavow_reset_email.php?n=(個人情報のため以下略)

どうも本物の警告メールのようなので上記をクリックすると、次のFacebook画面が出てきました。Facebookthanks_2
リンク先を辿り、このページ「新しいパスワードをリクエストしたことを示すメールが届きましたが、そのようなリクエストはしていません。」をクリックすると、こんな説明が出てきました。

—(以下、引用)—

パスワードの再設定をリクエストしていないのにFacebookパスワードの再設定に関するメールが届いた場合は、他のユーザーがあなたのメールアドレスまたはユーザーネームを入力して自分のアカウントにログインしようとした可能性があります。一般的なユーザーネームまたはメールアドレスを使っている場合は、このようなことが頻繁に発生します。受け取ったメール内のリンクをクリックしない限り、何の変更も行われず、アカウントは安全に保たれます。

パスワードが再設定されたことを確認するメールが再び届いた場合は、アカウントの安全を確保してください。

—(以上、引用)—

 

誰かが私のメールアドレスを使ってFacebookにログインを試み、ログインできないのでリセットを試みた、ということのようです。

どこからか入手したメールアドレス一覧でFacebookにログインを試みることで、弱いパスワードを設定している場合は、容易に乗っ取ることが可能である、ということですね。

怖いですね。

GmailやFacebookを使う場合、2段階認証は必須だと改めて実感しました。

 

一方で、すべての人がITリテラシーを持っているわけではありません。例えばFacebookやGmailの2段階認証を行えるスキルは、必ずしも全ユーザーが持っているわけではないでしょう。

今後、クラッキング技術が高まると、多くの人たちが被害に遭う可能性がますます高まります。

世の中のITリテラシーを高める一方で、一般の人でもクラッキングに対応できる方法も必要になってくるのではないか、と改めて思いました。

 

『人が足りなかったから、突破口が見つかった』…規模10倍のライバルに、常識を覆したディーゼルエンジンで挑んだマツダ

マツダは、社員数2万人で売上2兆円。
一方の業界トップのトヨタは、社員33万人で売上22兆円。

規模10倍のライバルに同じ事をしていては勝てません。そこでマツダは、「スカイアクティブ」という省エネエンジンで差別化しました。圧縮比に注目し、徹底的に圧縮比を高めて燃費を改善。ノーマルのガソリンエンジンでハイブリッド並の省エネを達成し、デミオに搭載しました。

ここまでは2011年時点の情報を元に、「100円のコーラを1000円で売る方法2」でご紹介した話。

実は最近のマツダは、このガソリンエンジンとはまったく逆のアプローチで、ディーゼルエンジンを成功させていることをご存じでしょうか?

 

ディーゼルエンジンの取り組みで、日本の大手自動車メーカーは欧州メーカーに遅れを取っています。ここにマツダはディーゼルエンジン「スカイアクティブD」で挑戦しました。

ディーゼルエンジンは、低速トルクがあって燃費が良いものの、高回転が回らず、排気ガス浄化度はガソリエンジンンに及ばず、価格もガソリンエンジンに比べて高い、というジレンマがあります。

本当は静かでよく回り、排気ガスをキレイにし、価格下げたいところ。

さらに燃料を速く燃やすと窒素酸化物(NOx)が増え、ゆっくり燃やすと黒煙(PM)が増えるので排ガスの後処理装置が必要になり、コストがさらに上がります。

ディーゼルエンジンにはジレンマがあったのです。過去、自動車メーカー各社はここに色々と挑戦してきました。

 

マツダは全く異なる設計でチャレンジしました。このことは下記の記事に掲載されています。

「排ガス対策・静か・高回転」 常識を覆したマツダのディーゼル(モータージャーナル 池田直渡さん

ガソリン版のスカイアクティブでは圧縮率を上げました。

逆に、ディーゼル版のスカイアクティブDでは圧縮を下げたのです。

圧縮を落とせばNOxは減ります。加えて燃料噴射を高精細化して超緻密制御することで、まずNOx抑制エンジンの基本を作りました。

しかしこれだとパワーが出ません。そこで条件がよいときはターボで圧縮を補うようにしました。

つまり通常のディーゼルエンジンは、「エンジン高性能化→排ガス対策」という発想で取り組むところを、マツダは「排ガス対策→高性能化」という逆転の発想で取り組んだのですね。

おかげでディーゼル特有のガラガラ音も激減、強度設計に余裕ができたので鋳鉄製ブロックをアルミに置換して、軽量ディーゼルが誕生。回転部品が軽量化したことでエンジンも高回転化しました。

スカイアクティブD搭載車は走りもよいと評価されています。

 

2011/12/11に掲載された日本経済新聞の記事「イノベーション 成功の法則(3) 『欠乏』『不足』が新機軸生む」で、マツダの人見開発本部長は、『数十人の組織ではあれもこれもできない。一方で必ず燃費の良さは重要になる。エンジンの基本に立ち返り一から考え直すことにした』とおっしゃっています。

さらに『人が足りなかったから、突破口が見つかった』と加えておられます。

この取り組みの結果、圧縮比を上げたガソリンエンジンのスカイアクティブが生まれました。

 

この数年後に挑戦したディーゼル版スカイアクティブDも、方法は全く逆の「圧縮比を下げる」アプローチではありますが、同様の「エンジンの基本に立ち返り一から考え直した」結果生まれたのです。

私たちはつい「リソースが足りない」と思いがちです。

しかしリソースはイノベーションの必須条件ではありません。

むしろスタートアップ企業などを見ていると、リソースがなく、かつしがらみから解き放たれた組織の方が、自由な発想でイノベーションを起こすケースが多いように思います。

 

このマツダの挑戦は、しがらみから解き放たれて発想する大切さを教えてくれます。

 

 

画期的なソニーの曲面CMOSセンサー。デジカメ市場は劇的に変わるか?

2014年7月3日の日経産業新聞で、「ソニーが曲面CMOSセンサーを開発した」という記事が掲載されています。

生物模倣で大進化、デジカメの「目」 ソニーの挑戦

 

1839年にダゲールが「ダゲレオタイプ」を発表して以来、カメラは常に平面上に画像を投影していました。かつての銀塩カメラのフィルムも平面。銀塩カメラの構造を踏襲した現代のデジカメもイメージセンサーは平面です。

 

一方で同じ役目を果たす人間の眼球は、球状です。

眼球では、レンズの反対側にある網膜上に画像が映され、この網膜上にある網膜細胞が光を感知し、視神経がこの画像情報を脳に伝えることで、人は画像を認識し、「モノが見え」ます。

「網膜=イメージセンサー」ですが、網膜は球状、イメージセンサーは平面。

実は従来型カメラの場合、一番シャープに写るのは画像の中心部分。画像周辺部に行くほど、画像が流れ、画質が低下します。これが「像面湾曲収差」と呼ばれる現象です。イメージセンサーが平面だと、中央部と比べて周辺部はレンズまでの距離が違います。だからこの現象が起こるのですね。

しかし眼球の場合、網膜上のどの部分もレンズから等距離になるので、この画質低下は起こりません。

「この眼球に見習って、カメラのイメージセンサーも曲面上にデザインすればいい」とソニーの研究者は考えたようですね。

 

カメラが誕生してから175年、画像投影部分が曲面になるのは画期的なこと。新聞によると、性能上も大きなメリットがあるそうです。

■レンズを簡略化可能。スマホ用カメラで、レンズ枚数を5枚から3枚に減らすことで、小型・軽量化、低コスト化が図れる。(湾曲収差を修正するレンズ設計が不要になるためのようです)

■シリコンの電気特性が変化し、ノイズの原因となる暗電流を1/5に低減でき、暗い場所でもノイズの少ない画像を撮影できる

■像面湾曲収差がなくなるので、明るいレンズを使っても画質が維持できる。(明るいと被写界深度が浅くなることもあり像面湾曲収差が強くなる)

■周辺部が暗く写る「周辺減光」がなくなる

ソニーでは、既にさまざまな曲面CMOSセンサーを試作済とのこと。

この曲面CMOS技術を活用することで、今後デジカメがさらに大きく進化する可能性も出てきました。

たとえばスマホのデジカメ機能がさらに劇的に向上し、現在苦境にあるコンパクトデジカメ市場は消滅してしまうかもしれません。

 

2013年時点で、ソニーは世界のCMOS市場で33%のシェアを持っています。2009年には「裏面照射型CMOSイメージセンサー」で高感度化も実現しました。

ソニーの今後の技術開発に期待したいところです。

 

テクノロジーの大きな可能性を見せてくれた、IBM基礎研究所のコグニティブ・コンピューティング説明会

昨日2014/4/24、IBM東京基礎研究所で「学習するコンピューティング〜“ Cognitive Computing ”」の説明会があり、参加いたしました。

コグニティブ・コンピューティングを中心に、東京基礎研究所が持つ様々な技術が紹介されました。

 

IBMのコグニティブ・コンピューティングといえば、2011年に全米クイズ王に勝ったワトソンがその代表格です。→参照ブログ

ワトソンは開発当初からビジネス活用を検討しており、実際に医療診断や投資アドバイス等でも活用されているそうです。

今回のデモでは、実際に数万種類のレシピを覚えて、家族構成や冷蔵庫の在庫から、1週間のお勧めレシピを提案する様子を見せていただきました。

マイクで「この食材はイヤ」と言うと、別のメニューに調整してくれます。

FAQ形式になっているテキストデータを読む込ませることで、ルールを覚え込ませることができるそうです。

 

また、交通渋滞を緩和する技術のデモもありました。エージェント技術を活用したPredictive Traffic Management (予測トラフィック管理)です。

これは祇園祭で混雑する京都を例にとって、交通状況や気象をシミュレーションして、ソーシャルメディアの反応をリアルタイムにチェックしながら、渋滞待ちを最小化できるバスの運行を実現するものです。

ここでは、東京基礎研が10年以上前から研究している「エージェント技術」と呼ばれるテクノロジーを使い、一台一台の車の癖を一つ一つのエージェントに覚えさせて動かし、交通状況をシミュレーションします。

ソーシャルメディア分析については、オルタナブロガーでもある米持幸寿さんが、実際に2011年に、東日本大震災での風評分析を試行された技術を使っているようです。→米持さんの論文

 

ニューロコンピューティングのハードウェアも展示されていました。

これは、世界で最も優れた情報処理システムである脳細胞の動きをヒントに開発されたものです。

256個の神経細胞(ニューロン)に相当する非フォン・ノイマン型の300万素子を展示していました。(米国の国防高等研究計画局(DARPA)が出資するSyNAPSEプロジェクトの成果です)

各ニューロンが記憶を保持します。将来のニューロンチップが出来ることを紹介するために、町中を動く車や人、自転車を、それぞれ認識する動画デモもありました。(イメージでもであり、現時点ではまだ出来ていないそうです)

展示していたのは256個のニューロンに相当するチップですが、人間の脳は10の10乗から11乗の神経細胞があります。人間レベルになるにはまだまだ時間がかかりそうです。

将来予想されるムーアの法則の限界も考えると、大きな挑戦になりそうですが、まったく新しいコンピュータの予感もさせてくれます。

 

他にも、船舶のエンジンなどのセンサーをモニタリングし故障を予測する異常検知技術や、監督官庁が公開している自動車不具合情報を16カ国に対応して分析できる技術もありました。

 

このように、10年・20年のレンジで長年の研究を続けて、蓄積した技術を元に、リアルな顧客プロジェクトを通して、粘り強く進化させていくのが、IBM基礎研究所の強みであることを、改めて実感しました。

 

デモや説明を見ながら、私は、昨年10月の世界経営者会議で、GEイメルト会長が発言した内容を思い出しました。→イメルトの発言のまとめ

イメルト会長は、「GEの全ての事業会社でソフトウェアは重要だ。GEのサービスの中にソフトウェアを埋め込み、導入機器からのデータ分析をビジネスにする。GEはソフトウェア会社になる。領域によってはIBMがライバルになる」と言っています。

この点について質問をしたところ、「確かにIBMはGEと競合する分野もあるが、同時に協業もしている」との回答でした。

確かに、このような技術の積み重ねはIBMの独断場です。一方でIBMは、その技術を顧客企業の実業務で検証しています。

実業務に強いGEと技術に強いIBMは、お互いにある程度棲み分けていて、重複する部分が競合している、ということのようです。

 

IBMは、技術を活用して顧客のビジネス課題を解決するテクノロジーカンパニー。

実際、1911年の創業で主力事業だったパンチカードシステム(タビュレーティングマシン)も、国勢調査、在庫管理、会計管理などで顧客の情報処理の効率を飛躍的に高め、その後のコンピュータに繋がる情報処理システムでした。

このIBMが持つ幅広いテクノロジーの一端を垣間見て、未来の可能性を堪能した説明会でした。

 

お招きくださった日本IBMの皆様には、深く感謝申し上げます。

 

 

Gmailアカウントが乗っ取られると、いとも簡単に崩壊してしまう私たちの生活。それを防ぐために

普段、Gmailをメールとして使っている方は多いと思います。

そのGmailのパスワード、どのように管理していますでしょうか?

「password」とか「0000」と設定している方はさすがにおられないと思います。しかし、他のアプリやサイトのパスワードと同じにしている方は、意外と多いのではないでしょうか?

 

毎日のように企業の顧客データ漏洩が報じられる今日この頃、あなたのメールアドレスと、登録サービスのパスワードの組み合わせが第三者に渡ってしまう可能性は、高まっています。

もし悪意がある第三者がメールアドレスのパスワードを入手したとします。そしてもしそのパスワードがGmailパスワードと同一であれば、Gmailアカウントが乗っ取られてしまいます。

こうなると、とても大変です。

まず過去のあらゆるメールのやり取りがわかってしまいます。その中には、自分だけでなく、他の人のプライバシーや、取引先の機密情報もあるでしょう。

さらにメールとパスワードの組み合わせで、様々な外部サービス(アマゾンや楽天など)も使用できますし、金融機関などとのお金のやり取りに関する認証も可能になります。

このようにして、私たちの日々の生活がいとも簡単に崩れ去り、信用を失ったり金銭的被害を被る可能性があるのです。

 

このことを改めて認識したのは、この記事を読んだのがきっかけです。

Gmailアカウントを乗っ取られないための基本ガイド

ここに書いてあることは、一つ一つ確実に行うことをお勧めします。

 

この中で「2段階認証」について、実際に設定してみましたので、自分の経験を元に補足説明します。

2段階認証をすると、Googleから6ケタのコードが発行されます。

それ以降は、この6ケタのコードと、自分が設定したパスワードの組み合わせで認証を行うようになります。6ケタのコードを適切に管理することで、外部からの乗っ取りは極めて困難になります。

このコードは、発行されると、携帯メッセージに送られるようになっていますが、私の場合は何らかの不具合で受け取れませんでした。そこで自動の音声電話で送ってもらいました。

ブラウザー経由でGmailにアクセスする場合、自分が設定したパスワードに加えて、このコード入力が必要となります。

またバックアップで1回のみ使用できる10個のコードも発行されます。

一方で、2段階認証に対応していないアプリもあります。たとえばiPhone/iPad等のメールシステムやカレンダー、PC/MacのThunderbirdなどのメーラーです。その場合、別途「アプリ固有パスワード」の発行が必要になります。但し1回のみでOKですし、このパスワードは憶えておく必要はありません。

「アプリ固有パスワード」の詳しい説明はここにありますが、実際に2段階認証を設定すると、もう少しわかりやすい設定方法へのリンクがあります。
 

今一度、ご自身のGmailのセキュリティ設定を見直しておくと、安心だと思います。
 

 

Macの画面が真っ暗になってしまった→調べたらすぐに直った

大雪の昨日。

用事があり、たまプラーザ駅まで歩きました。

Photo_2 たまプラーザが一面大雪でした。

 

その後、仕事をしようと思いスタバに入りMacを開くと、画面が真っ暗です。

何度立ち上げ直しても、起動音はするものの、画面は真っ暗。

「Mac修理になると、ジーニアスバーの予約か」と覚悟。

「でもまぁ、最悪TimeCapsuleのバックアップから直前の状態に戻せるし、自宅にあるバックアップのMBA 11でDropboxの差分データを取ればすぐに作業を再開できるから、なんとかなるか」

もしバックアップがないとすごいストレスで悩んでいたでしょう。シマンテックの調査によると、「PCがクラッシュして使用不能になる」や「PCに保存してあったファイルをすべて損失」は、「失恋」よりもストレスが高いそうです。

しかし数カ月前に何重かのバックアップ手段を講じておいたので、こういう時でも精神的にとても楽です。

 

一方で締切が近い仕事なので、できればここでも仕事を継続したいところ。

MacではWord文書を編集していたので、iPad miniでDropbox経由でWordファイルを持ってきて、編集できるか試してみました。確かにPagesで開いて編集できるのですが、ちょっと使い勝手が違うので、これは断念。

そこでもしかしたら何かリセットして再起動をすれば正常立ち上げするかも….と思い、iPad miniから「Mac 画面が真っ黒」でGoogleを検索したところ、下記記事を発見。

「Macの画面が真っ暗になってしまったらPRAMクリアを行おう。」

記事に書かれているとおり、command + option + P + Rを押しながら電源ボタンを押して再起動したら….見事直りました。

 

いやぁ、このような情報を共有して下さる方、本当に有り難いですね。

私も「少しでも人様の役立つ情報をブログに書いていこう」と改めて思ったのでした。
 

加えて、「データのバックアップを二重・三重にして取っておいてよかった」としみじみ思いました。

 

全米の全メタン排出源の21.5%を占める「家畜のげっぷ」

ナショナル・ジオグラフィック2014.01号の記事「ごみは宝の山」を読んでいたら、こんな図が出てきました。(円グラフのデータを引用)

米国のメタン排出源
・天然ガス・石油産業 37.5%
・下水処理 2%
・その他 5%
・堆肥 8%
・石炭産業 11%
・埋め立て地(ごみ等) 16%
・家畜のげっぷなど 21.5%
(端数処理のため合計は100%になりません)

記事では、このうち16%を占める埋め立て地から生じるメタンガスをエネルギーに変える試みを紹介しています。

実際、既に米国では約150億キロワット時の電力(100万世帯の年間消費電力に相当)を、この方法でまかなっているとのこと。

 

私が驚いたのは、「家畜のげっぷ等」がこれを上回る排出量であること。なんと全体の21.5%です。

 

こう思っていたら、「世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え」でこんな質問がありました。本書は、子ども達の素朴な100の質問に世界の第一人者が真面目に応えるという本です。

「ウシが一年間おならをがまんして、大きいのを一発したら、宇宙まで飛んでいける?」

この質問に、サイエンスライターのメアリー・ローチさんが、真面目に答えています。

本書p.242-244からサマリーすると、

・ウシはおならもげっぷもしない。音がして敵に場所がばれてしまうから。そこでメタンガスをうまく肺にまわして、息と一緒に静かに吐き出す。

・ウシが一年間に息と一緒に吐き出すメタンガスは、一頭で85Kg

・メタンは可燃性。圧力タンクに貯めて勇敢な宇宙飛行ウシにベルト固定式ロケットをつければ、その燃料に使える

・ロケット科学者に頼んで計算してもらった。85Kgのメタンガスがあれば、33秒間にわたって900Kg重の推進力を出せる。これだけあれば空気力学的に抵抗のない流線型をした体重680Kgのウシを高度5Kmまで打ち上げられる。

・宇宙が始まるのは高度32Kmなので答えは「実現できない」ということになるけど、このロケット科学者いわく「このメタンエンジンはホットだ!」

たしかに宇宙には行けないかもしれませんが、家畜から出るメタンガスのエネルギー利用は大いに可能性がありそうです。

 

そう思って検索してみたところ、既に試みがされているようです。日本でも、

日立パワーソリューションズ 鶏糞メタン発酵発電システム

APEC 環境技術交流バーチャルセンター 家畜糞尿のメタン発酵処理と消化液の利活用

  

子どもたちの素朴な疑問は、意外と鋭いなぁ、と思った次第です。

 


 

山田眞次郎・井関利明著「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」を読了。目からウロコが落ちました

山田眞次郎さん「パナソニックは日本企業再生の道しるべか?」というブログを拝読して「面白いなぁ!」と思い、これがきっかけになって、最後に紹介されていたご著書「思考 日本企業再生のためのビジネス認識論」(学研パブリッシング)を読了しました。

本書は,山田さんと慶應義塾大学の井関利明名誉教授の対談。400ページを超える大著です。

今まで自分が考えていた常識を覆してくれると同時に、深く納得する様々な気づきを与えてくれました。

特に参考になった点をご紹介します。沢山ありましたので長くなってしまいますが、ご容赦ください。

■日本ビジネスの強みと言われている「メティキュラス」(几帳面で細かい)と「コンフォート」(心地よいサービス)からは、イノベーションは起こせない。だから「失われた20年」になってしまった (p.16)

■大手メーカーが一時期「六重苦」と言っていた。全て自社責任ではなくビジネス環境が悪いと考えている。実は重大な問題は企業の中にある (p.47)

■GE・ウェルチの「選択と集中」。本来の意味は「現在から未来にかけての選択肢を考慮して選択し、未来に集中する」ということ。だから未来の可能性である異質なものも囲うことが大事だった。しかし多くの日本人は誤解し、異質なものを排除してしまった。 (p.88)

■標準化は、ある意味でイノベーションの対局概念。(p.92) 標準化とは大量生産による弊害。(p.125)

■イノベーションは社内に異質性と多様性を保つから生まれる。全社一丸となるとイノベーションは起きない。 (p.94)

■日本国民は「日本はモノづくりが強い国」と誇りに思っている。しかし実際には(後述するように)日本の技術は半世紀遅れている。(p.132)

■第3発明期の本質である「仕組み連動テクノロジ−」は目に見えないのでなかなか認識できない。戦後からアポロ計画のころまで(1945年-1969年)の25年間、米国で第3発明期の基礎技術が確立されたときに、日本は参加できなかった。それを未だに認識できていない。日本の技術は、厳しい言い方をすると半世紀遅れている。(p.186)

■「仕組み連動テクノロジー」は、目的に合わせて複数の単品が、それぞれ絡み合いながら最適に機能する。たとえば、ミサイル迎撃のための衛星、航空機、イージス艦、迎撃用ミサイル、操作する作業員、関係省庁への連絡網。米国ではそれぞれが一つのシステムとして繋がっている。日本は単品としては揃っている。単品同士を連動させるシステムもある。しかし突発的なミッションにこれらを繋ぎ合わせ、思うとおりに「仕組み連動」させるテクノロジーがない。(p.190-194)

■1993年は歴史的な転換点。91年に冷戦が終わり、インターネットとGPSが軍事から民間に開放され、世界に新しいビジネスチャンスを創り出した。93年にクリントンが「情報ハイウェイ構想」で大統領に選出。その後、94年にネットスケープとアマゾンが設立、95年にWindows95発売、Yahoo!とeBayが設立、98年にGoogleが設立。これらは人とモノとシステムを目に見えないネット上で連動させる仕組みだ。Appleも現在は壮大な「仕組み連動」を構築している。その間、日本は「失われた20年」だった。問題のポイントは、戦後の25年間(1945年-1969年)、米国を中心に起きた第3発明期のイノベーションに貢献できなかったこと。一週遅れとでも言えるくらいの差がついている。(p.219-227)

■「日本は世界一の技術国だ」「やっぱりモノづくりこそが、日本の生きる道だ」と安易に結論づけるのはやめるべき。強みと弱みを明確にし、弱い部分(=仕組み連動テクノロジー)を謙虚に受け容れ、チャレンジすべき。それは若い人たちにしかできない。理解力が高く、感性が鋭く、経験に邪魔されない柔軟な思考を持っているからだ。(p.229-230)

■価格競争の中でクォーツ時計を7000円で売り出したスウォッチや、ホンダやヤマハに機能・性能で劣るハーレーやドゥカティは、独自の「文化価値」を創り上げ価格競争から抜け出し、いまでは優良企業。この「文化価値」こそが、価格競争の次に来る「価値」のあり方。言い換えれば生活のコンテクストの中の「仕組み連動」。供給者である企業サイドだけでは、新しい「価値」を生み出すことは難しくなっている。(p.243-248)

■「マーケティング」の定義も変わる。提供物が単一商品だった過去は4P (Product, Price, Place, Promotion)戦略という企業サイドからの一方向な働きかけが必要だった。(今でも4Pが有効な分野は残ってはいる) パラダイム変換が必要になったひとつのきっかけは、2001年にP.シーボルト出した「個客革命」という著作。ポイントは「顧客が力を持ったという認識」「顧客は企業の資産」「顧客の関係づくりが決め手」「顧客経験」。新しいマーケティングの定義は「課題解決と新しい価値創造のための、関係づくりの社会的作法」である。(p.250-262)

■「イノベーション」を「技術革新」と翻訳したのは誤訳だ。本来は「人々に新しい『生活経験』を約束すること」 まだこの世に存在しない「生活革新」の製品やサービスや情報の組み合わせは、需要サイドと供給サイドや第三者が関わり合い、相互作用の中で初めて生まれてくる。(p.269-273)

■ある程度大きな企業は社内がサイロ構造になっている。改めて全社を見れば、社内は実はきわめて多様性に富んでいるが、横断的に関わって「イノベーションチーム」を作ろうという発想がない。この社内多様性の認識と活用こそ、「創発するマーケティング」の最初のチャンス。(p.282-284)

■イノベーションを起こすにはリーダーは不要。今はイノベーションは個人技ではなくチーム作業だから。役職の裏付けがある人ではなく、組織経験が乏しい若者の方が良い。そういう人たちを集めて自然発生的に異なる役割を担うようにするとチームの生産性は一番高くなる。イノベーションはリーダーによって窒息する。権威を振りかざすリーダーの所為で、対等な人たち同士の相互行為を通じて形成されるはずの共同学習と共進化、共形成が不発に終わる。リーダー待望論があるうちは、積極的な”当事者”は育たない。(p.291-300)

■競争ほど無駄なものはない。競争し合うよりは協力し合う方が、地球全体のためにはどれだけ有効か。さらに今は他産業からどんどん参入し入り乱れているので誰と競争しているのかわからなくなっている。「脱競争」を主張する人は増えている。競争論で著名なM.ポーターも「企業の定義を『シェアードバリューをつくること』に変えなければならない」と言っている。(p.313-318)

 

ごく一部を紹介しました。

実際には本書を読まれると、もっと多くのことを学ぶことができます。上記を読んで「これはいい」と思った方は、是非本書をご一読することをお勧めします。

本書を執筆され、ブログでもご紹介された山田さんには、深く感謝です。
 

 

2年半前のTimeCapsuleを、最新型に変えました

2年半前に買ったTime Capsuleの調子が変です。

気がつくと、バックアップが取れていないまま、数週間経過していることがたびたび。

1年ほど前にAppleのサポートセンターに電話して、Firewall設定に問題があることがわかって修正しました。しかしそれからしばらくしてまたバックアップが取れていません。

先々月にMacBook Proに変えた際に、フルバックアップを取ってしばらく調子がよかったのですが、また気がつくと10日ほどバックアップが取れていませんでした。

Macのデータが消えてTimeCapsuleからリストア出来ないという悲惨な状況は考えただけでも恐ろしいですし、何としても避けたいところ。(とは言え、二重の保険の意味でも、一応写真以外の主なデータはDropbox上に置いてはいますが)

そこで新しいTime Capsuleも出たこともあって、Time Capsuleを買い換えることにしました。

こんな小さな箱に入っています。

Img_2654 

先代Time Capsuleと並べてみました。

真横から比較した図。

Img_2661 

斜め上から比較した図。

Img_2659 

新型はちょっと軽くなった感じです。

また、平面の面積が小さくなったので、棚の隅に置いても違和感がありません。

無線LANの設定は、最低限の入力をするだけでほとんど自動。本当にあっという間でした。

AppleのTime Capsuleのサイト

「AirMac Time Capsuleがあれば、コーヒーをいれるのよりもはやく、新しいWi-Fiネットワークを使う準備が整います。」

と書いていますが、これは本当ですね。

Ethernet経由でバックアップを取り始めたところ、360GBのデータが11時間で完了です。

Img_2657 

無線LANの速度も3倍になりましたし、これでバックアップもちゃんと継続的に取れればいいですね。

無事バックアップも取れたので、タイミングを見て、旧Time Capsule上のデータは、上書き消去しようと思います。