ヒット作の十分条件は存在しないが、必要条件はこの二つらしい

映画版『レ・ミゼラブル』プロデューサーであり、舞台版の生みの親でもあるキャメロン・マッキントッシュさんへのインタビュー記事が東洋経済オンラインに掲載されています。

「レ・ミゼラブル」仕掛け人の"感動の極意"
ヒットの秘訣を豪語する人間はウソつき

この中でキャメロンさんは次のように語っています。

ヒットの秘訣が分かるなんて豪語する人間はウソつきに決まっている(笑)。ただ、僕が一番大事にしていることは、とにかくストーリーとキャラクター。それだけは言える。

これは全く同感です。

 

「100円のコーラを1000円で売る方法」も、まずストーリーをしっかり構築した上で、かなり時間をかけて登場人物のペルソナを作り込みました。

「マーケティング理論を解説しているのに、ストーリー部分は余分」という意見もいただくことがあります。

しかし実は、ストーリーがあることで格段と記憶に定着できるのです。これは人類の知恵でもあります。

人類の多くが文字を読めるようになったのはここ数百年のこと。それ以前は字を読める人は極めて限られていました。

こんな状況で人類は世代から世代へ情報を伝える方法を編み出しました。それは物語による口伝。

分かりやすく記憶に残る物語で情報を伝えたのですよね。聖書が広まったのも、聖書の物語自体が面白かったからだ、とおっしゃる方もいます。

ストーリーがあることで情報はずっと伝えやすくなるし、記憶にも残るのですよね。

 

そして面白いストーリーを作る上で、キャラクターは重要です。

実は「100円のコーラを1000円で売る方法」は、前作となった作品(廃刊)とストーリーはあまり変わっていません。しかし前作はキャラクター設定をあまり重視しておらず手間をかけていませんでした。廃刊になったのは、やはり理由があったのですね。

キャメロンさんもおっしゃるように「ストーリーとキャラクターがしっかりしていれば必ずヒットする」という単純な話ではありませんが、確かに必要条件であることは間違いなさそうです。

  

 

明日の選挙では、投票を!

明日は選挙です。

でも「選挙って、正直言うと面倒くさいなぁ。この日は他に予定が入っているし」と思っている方は、意外にいらっしゃるのではないでしょうか?

 

今は20歳になると当たり前のように誰でも選挙権をもらえますが、このようになったのはつい最近のことです。

 

1889年、25歳以上の男子で15円以上の国税納税者に選挙権が与えられました。記名式投票でした。(国民全体の1%)

1900年、25歳以上の男子で10円以上の国税納税者に選挙権が拡がりました。無記名投票による秘密投票が実現しました。(国民全体の2.2%)

1919年、25歳以上の男子で3円以上の国税納税者に選挙権が拡がりました。(国民全体の5.5%)

1925年、25歳以上の男子全員に選挙権が拡がりました。男子普通選挙の実現です。(国民全体の20%)

1945年、20歳以上の男女全員に選挙権が拡がりました。男女平等普通選挙の実現です。(当時の国民全体の48%)

 

以前は、財産や性別で差別されていたのですよね。

こちらにありますように、なんと「議員12名に対して、選挙人13人」なんていうこともありました。

まさに「お金持ちの、お金持ちによる、お金持ちのための選挙制度」だった訳で、財産を持っていない人は政治に全く影響力を持てなかったのですよね。

 

紆余曲折の末、今は20歳以上であれば誰でも選挙権を持っています。

この選挙権、行使しないのはとてももったいないと思います。

選挙権を行使しないと、知らない間に他の人の投票で当選した人が、色々なことをどんどん国会で決めてしまい、日本がそっちの方向に進んでしまいます。

とは言え、もしかしたら「とは言っても、誰に投票していいか分からない」という意見もあるかもしれません。

こんな場合は、新聞や選挙公報を見て、自分に一番考えが近いなぁと思う人や政党に投票すればいいのではないでしょうか?もちろん熟慮に熟慮を重ねて投票できればベスト。

「みんなの意見は意外と正しい」という話もあります。これを実現するには、みんなが投票することが必要です。

 

将来のいい社会を作るためにも、投票に行きたいですね。

Iwillvote

 

2012-12-15 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

まず周りの5名に「投票に行こう」と声をかけよう!「デモクラシー2.0イニシアティブ」

あと1週間に迫った総選挙は、今後の日本の進路を決める重要な選挙です。

この重要なタイミングで、「デモクラシー2.0イニシアティブ」が始まりました。

Facebookページではこんなイメージが掲載されています。

Democracy20

さっそく私もアクセスして「いいね!」をさせていただきました。

 

デモクラシー2.0という以上、デモクラシー1.0もあります。

「デモクラシー2.0イニシアティブ」で提唱している1.0→2.0の進化は、このような形です。

観客型民主主義 → 参加型民主主義
社会の意思決定への参加 → 社会の変革への参加
政策決定の間接民主主義 → 政策実行の直接民主主義
税金による間接民主主義 → 寄付による直接民主主義
政府による公的サービス → 民間による公的サービス
官僚機構による政策立案 → 国民参加による政策創発
政府から国民への広報 → 政府による国民からの広報
劇場型政治 → 広場型政治
強力な指導者 → 賢明な国民
国民の意志表明 → 国民の学びと成長
二項対立的討論 → 弁証法的対話
マスメディア → ソーシャルメディア
自由としての権利 → 責任を伴う権利
現在の世代の利益 → 未来の世代の利益

とても分かりやすく整理されていると思いました。

 

「デモクラシー2.0イニシアティブ」の一つの目標値が「今回の総選挙で、投票率80%の実現」です。

ではどうすればよいのか?

「デモクラシー2.0イニシアティブ」では「周りの5名に『投票に行こう』と声をかけよう」と提唱しています。

これはとても具体的で分かりやすい行動ですね。

その声をかけられた人が、また周りの5名に声をかける。こうして広がっていき、民意が政治に反映されていきます。

 

ブレヒトは、

   英雄のいない国が不幸なのではない。
   英雄を必要とする国が不幸なのだ。

と語りました。

今回の総選挙を、参加型民主主義への進化が始まるスタートにしていきたいですね。

 

なお、12/9(日) 17:30から「デモクラシー2.0イニシアティブ」の記者会見が予定されています。

詳細はこちらにあります。

 

 

2012-12-08 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

潜在意識の力を活用すると願いは実現できる、という話

先日ご紹介した「プロカメラマンになれる本(1)」を久しぶりに読んでみましたが、改めて重要なことが書いてありましたので、まとめてみます。

・私たちの身の回りにあるもの全ては、それらが出来る前に、誰かの心の中に存在していたもの。例えば家は設計者の心の中に存在していたものだ。

・目に見えない事や願望も同じ。だから最初にどうしたいのか心の中で思い描くことが大切。

・つまり願いを実現するには、自分の性格や力量を考えて、最初に自分にあった設計図を心の中に描くこと。心の中に描けばあとは簡単だ。

・ただし注意すべき事がある。自分の行動をコントロールしているのは顕在意識だけではない。潜在意識が日々の自分の行動をコントロールしている。

・潜在意識の力を活用する事で、自分の行動をコントロールし夢を実現できる。

・潜在意識にパターンを作るには、同じ事を繰り返したり、声に出す事である。

・注意すべき点は潜在意識は人称を受け入れない点だ。自分が発する他人を否定する言葉は、潜在意識では自分を否定する言葉として自分に返ってくる。

・他人の本を読んだり作品を見たりする場合も同様。だからいい本や作品に出会ったら「すばらしい。自分もそうなる」と思う事。「xxxxxはダメ」ではなく「xxxxxはxxxxxするといい」と思う事

・これは訓練だ。まず自分を信じ込ませる事。そして潜在意識に願望を刷り込むこと。自己暗示をかける。

・ただし意識する必要はない。むしろ意識したり緊張状態になると潜在意識にガードがかかる。逆にリラックスしたりボーッとした状態の方が暗示にかかりやすい。TV CMと同じ。視聴者はTV CMを一生懸命見ずにボーッと見ているから暗示にかかって商品を買ってしまう。

・だからリラックスする方法を身につけて、実践し、暗示をかけ、それを実現するための具体的な道筋を思い描く事で、願いは実現する。

 

人によっては「まさか」と思われるかもしれません。

しかし有効な方法だと思います。20代前半でこの本に出会った私は、素直さが取り柄なのでこれをそのまま実践し、27歳で銀座キヤノンサロンで写真の個展を開催できました。

 

この本はこちらのウェブ でも全文公開されています。ご興味がある方は是非どうぞ。(上記は「プロカメラマンになれる本(1)」からの引用です)

 

 

2012-11-27 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「喫煙者は採用いたしておりません」という星野リゾート・採用サイト

星野リゾートの採用サイトが話題になっています。

大変申し訳ございませんが、
星野リゾートグループでは喫煙者は採用いたしておりません。
それが企業競争力に直結している課題であるからです。

ここに書かれているように、

・スタッフ本人の能力の問題ではなく、中毒症状という病理的な原因によるものであり、結果的に社員の潜在能力を低下させている

・「なぜニコチン中毒の社員だけを企業は優遇するのか」とアルコール中毒の社員が主張したら、従業員食堂の横に社員用のバーを設置するのでしょうか

確かに正論であると思います。

 

私が社会人になった頃は、今では考えられませんが、オフィスで普通にタバコを吸っていました。営業所等では換気が切れる夜になると、オフィスの向こう側がタバコの煙でモヤがかかる程。非喫煙者の私はとても苦しかったのを覚えています。

確かに喫煙者の権利も大切ではありますが、非喫煙者からすると、タバコの煙は本当に苦しいものです。

しかし当時のビジネスマンは、喫煙者が圧倒的マジョリティでした。

その後、喫煙室が出来、オフィスの外でしか吸えなくなり、今や星野リゾートさんのように「喫煙者は採用しない」とまで言い切る企業が出てきました。私の周囲でも喫煙者は激減しています。

考えてみれば、この20年間で時代は大きく変わったものですね。

 

 

「政治家は凄いなぁ」と思ったこと

昨日金曜の夕方、私は有楽町にいました。

歩いていると、よく聞いたことがある声で演説が聞こえてきました。

気になったのでそちらの方に行ってみたら、前首相・菅さんの街頭演説でした。

既に選挙活動が始まっているのですね。

「菅さん、元気だなぁ」と思って近寄って写真を撮ってみました。

20121117

写真を撮るために近寄ってみて、驚いたことがあります。

私はこれまで街頭演説をライブで見る機会があまりなかったのですが、有楽町にいる聴衆は数百人位。その最前列にいる十数名が、ひたすら大声で菅さんを野次っています。

街頭演説カーの目の下で十数名が大声で野次っているのが菅さんの耳に入らない訳はないのですが、菅さんは普段通りに演説を続けていました。

多分、野次が多いのは菅さんに限ったことではなく、ある程度の大物政治家ともなると、街頭演説では日常茶飯事なのでしょうね。

 

私の場合、プレゼン中にちゃんと聞いていない人がいたり寝ている人がいるだけで気になってしまう程なので、目の前で野次られたりしようものならすぐに集中力が失われて確実に何も話せなくなります。

目の前で大声で野次られているのに、話を続けられるという精神力。

これは菅さんに限らず、恐らく政治家にとって必要な資質なのでしょうね。

「政治家は凄い」と思ったのでした。

 

 

2012-11-17 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「蕎麦に海苔がかかっていない」と駄々をこねる男の子を見て、我が身をふり返りました

先日、ある蕎麦屋に行ったときのことです。

隣の席に60代のご夫婦・30代の娘・4歳くらいの男の子、という4人の家族連れがいました。

その男の子がぐずっています。

どうも、いつも自宅で食べる蕎麦には海苔が乗っているのに、この店では海苔が乗っていないので、「これ、いつものと違う」と言って駄々をこねているようです。

蕎麦屋の女将さんが「仕方ないわね。今日だけ特別よ」と味付け海苔を細かく切って出してあげていました。男の子はこれで少し機嫌が直ったようです。

 

微笑ましい光景ではありますが、ここでちょっと思ったこと。

 

大人の私たちから見ると、この男の子の悩みは本当に小さいことですよね。恐らくこういうことで悩む大人はいないはずです。

しかし私たちが日々悩んでいることは、もしかしたら、もっと上段者の方から見てみると、この「蕎麦に海苔が乗っていない」と駄々をこねている男の子と変わらないレベルに見えているのかもしれない。

そしてそういう上段者の方は、微笑みながらそうやって悩む私たちの成長を見守っているのかもしれない。

そんなことを思ったりしました。

 

 

2012-11-12 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

今さら聞けない「維新八策」

日本維新の会がかかげる「維新八策」。

自分の不勉強なのですが、これまで内容を知りませんでした。

本日(2012/10/28)の日本経済の記事「永田町インサイド 維新八策、実現性は―統治機構改革、改憲が前提」にその概要が書かれていましたので、自分のメモのためにも引用したいと思います。

—(以下、引用)—

1.統治機構の作り直し
・首相公選制
・参院廃止を視野、首長が国会議員を兼職する院を模索
・地方交付税の廃止、消費税の地方税化で国と地方の財政を分離
・国の役割を絞り込み、道州制が最終形

2.財政・行政・政治改革
・首相が年に100日は海外に行ける国会運営
・外郭団体、特別会計の徹底見直し、行政プロセスの可視化
・衆院議員を240人に半減、政党交付金を3割削減

3.公務員制度改革
・強固な身分制度の廃止、総人件費の削減
・人事権の内閣一元化、次長・局長級の政治任用
・地方公務員制度も抜本改革

4.教育改革
・基礎学力を底上げしグローバル人材を育成
・教育委員会制度の廃止、首長に権限と責任
・教育に使うクーポン制度を導入、教育機会の選択肢を拡大

5.社会保障制度改革
・年金は積み立て式に、高齢者はまず所得と資産で生活維持
・現物支給中心の最低生活保障制度
・軽症患者は医療費自己負担

6.経済政策・雇用政策・税制
・TPP参加、産業淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換
・脱原発依存の体制構築
・成長、投資、消費を促す税制

7.外交・防衛
・日米同盟が基軸
・日本全体で沖縄の負担を軽減する工程表の作成
・国連PKOなどへの参加を強化

8.憲法改正
・発議要件を国会議員の二分の一に緩和
・9条改正で国民投票
・自治体が条例で法令の内容を変える「上書き権」の創設

—(以上、引用)—

 

「維新八策」を拝読し、企画の進め方として王道だと思いました。

 

これまでの日本の政策論議は、過度に有権者の声を反映しようとするあまり、個別政策議論に陥る傾向がありました。

ですので、このようにマクロな視点でまず全体の「あるべき姿」を提示したという点で、大いに意義があると思います。

「あるべき姿」の提示なので「現状は違うので反対」という議論に陥らず、まず最初に「私たちの日本の将来像はこれでよいか否か。その理由は何か?」という議論が必要なのではないかと思います。

企画の進め方として多くの企業が行っていることですが、これを政治の世界で行おうとしている点が、新しい点だと思います。

企画プロセスの観点で考えると、当初の企画案は議論を通じて柔軟に修正・改善していくことが必要です。ですのでこの「維新八策」も、今後の議論を通じて柔軟に改善していくことになるのでしょう。

 

 

2012-10-28 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

もし、「人生の砂時計」があったとしたら…..。

おそらくその大きさは直径1m・高さ2mくらい。

常に私たち一人一人の傍らにあり、とても細かな砂がたえずサラサラと落ち続けています。

 

砂時計上部に溜まっている砂の量と、単位時間当たりで落ちる砂の量は、人様々。

しかし、砂時計上部の砂の量は決して分かりませんし、砂時計下部に落ちた砂が上部に戻ることもありません。

 

この砂時計、普段はなかなか見えることはありません。

しかしもし見えたとしたら…..。

 

今のこの時間。

一緒に時間を過ごしている全ての人。

全てかけがえのない素晴らしいもの。

感謝あるのみです。

 

 

2012-10-24 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「効き脳」を理解する–みんなちがって、みんないい。

研修でいわゆる「効き脳」について学んでいます。

検索したところ、詳しい話はこちらにありました。

より詳しくはこちら(英語)

簡単に言うと、脳の働きを、左脳系・右脳系、大脳系・小脳系で四象限に分けます。

A型..左脳・大脳系:論理・分析が得意
B型..左脳・小脳系:計画・ルールでプロセス統制が得意
C型..右脳・小脳系:人と接し人間への共感が得意
D型..右脳・大脳系:新しいアイデアや企画を創造するのが得意

詳細なアンケートで各項目について数値化します。4象限でマップするとスパイダーチャートになります。

面白いことに個人毎に全く違った形になります。

 

これはその人の思考パターンを「見える化」してくれます。

この「見える化」が出来ると、色々なことが分かってきます。

私がD型なのですが、同じ人同士で議論をすると、考え方が近いため非常にサクサク進みます。ただ、ともすると方向性は同じです。

一方で色々なタイプが混在するチームで議論をすると、実に色々なアイデアが出てきます。議論が発散しがちですが、うまくまとめることで新しい価値を生み出す可能性を感じます。

 

金子みすゞの詩「わたしと小鳥とすずと」の最後は「みんなちがって、みんないい。 」という言葉ですが、個人の多様性がチームの強さを生み出すことを実感しました。

 

 

2012-10-19 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

インタビューで、自分が気がつかない部分を引き出される

先日、ある雑誌のインタビューを受けました。

インタビューを受ける場合、私は事前に目的と質問項目をいただき、その回答をワープロA4一枚程度にまとめてインタビューに臨むのですが、インタビュー上手な編集者の方だと、そのワープロ1枚の内容から実に色々なことをどんどん引き出す形でインタビューが進みます。

先日の話がまさにそうでした。同席された方からの意見もあって話が膨らみました。たとえてみると、自分の中にあって自分では気がつかない部分がまさに発掘される感覚です。

このようなインタビューはとても充実しています。

 

11月上旬に雑誌に掲載予定ですので、また掲載されましたら当ブログで紹介させていただきます。

 

 

2012-10-13 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

多くの挫折を経験し、ノーベル賞を受賞された山中教授

ノーベル賞を受賞された山中教授。素晴らしいですね。

2006年にIPS細胞を作成しそれからわずか6年でノーベル賞受賞。

実は私一つだけ共通点があります。それは年齢。私も同じ50歳です。ノーベル賞を受賞された方々の中では、かなり若い方です。

さぞ順調なエリートコースを歩まれたのだろう…と思いきや、まったく逆でした。

2012/10/9の日本経済新聞の記事『山中氏の横顔、「手術下手」基礎研究に転向、挫折経て人の3倍努力。』を拝読すると、実は様々な挫折を繰り返し、色々なご苦労をなさって、今日に至ったことが分かりました。

—(以下、引用)—

卒業して研修医になったが、同僚が数十分で終える手術でも何時間もかかり、「ジャマナカ」のあだ名を付けられた。「手術はうまくない」と悟り、基礎研究の道に転じる決心をした。

(米国から) 帰国して1996年に大阪市立大の助手になったが、本人が「ポスト・アメリカ・ディプレッション」と呼ぶ鬱状態に。…..一人で行う実験用のネズミの世話がまた大変で、今度は「ヤマチュウ」と呼ばれるようになった。

 転機は99年、奈良先端科学技術大学院大の助教授に採用されたこと。政府の助成機関から研究費も獲得できた。….(審査で) 山中教授は緊張しながらも「やろうとしている研究内容を一生懸命説明した」。岸本元学長は「ほんまにできるんやろうか」と疑ったが、熱意に押され「千に三つでも当たれば成功」と助成を決めた。これがiPS細胞開発の端緒となった。

—(以上、引用)—

記事を拝読して、私が1996年の頃はどうだったか、1999年の頃は、とか、色々と考えました。

記事では、山中教授の座右の銘が二つ紹介されています。

「ビジョン・アンド・ハードワーク」
「人間万事塞翁が馬」

山中教授ならではの説得力があり共感する言葉ですし、大変僭越かもしれませんが、同世代としてもとても勇気をいただける受賞です。

もう一つは、山中教授が常に「周りの人達に感謝」という言葉を口にされていること。「感謝は全てを癒やす」という言葉もありますが、「感謝の心」の強さを改めて実感します。

ご受賞、おめでとうございます。

 

 

 

2012-10-10 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

スーパースターが抜けても優勝する日本ハム。これってとても重要なことを教えてくれると思います

日本ハムが、パリーグで3年ぶりにリーグ優勝しました。

その日本ハムに昨年まで在籍していたレンジャースのダルビッシュの談話が、読売新聞に掲載されています。

—(以下、引用)—

「小笠原さんや新庄さんが抜けてもハムは優勝しましたし、僕が抜けても大丈夫だと思ったからメジャーに来ました。ハムに僕は必要なかったということです」

—(以上、引用)—

これは重要なことだと思います。

拙著「100円のコーラを1000円で売る方法2」でも、与田誠が同じことを語っています。(p.166-167)

—(以下、引用)—

本当に強いのは、一人のスーパーマンが全部決めるチームではなく、メンバー全員で知恵を出し合って勝つチームです。組織の力は個人の力の集まりです。出発点はあくまで個人。だから、個人の力をいかに集めて、1人+1人+1人=3人ではなく、3人分をはるかに超える成果を生み出せるかどうかが大切です。

—(以上、引用)—

決してダルビッシュや小笠原、新庄がいらない、ということではなく、栗山新監督の指揮の下で一人一人の良さを活かした総合力がチームの強さを決める、ということなのではないでしょうか?

優勝おめでとうございます。

 

 

2012-10-03 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

昔の映画を、今、見て思うこと

30年程前に世界的にヒットした映画を、先日初めて見ました。

この映画は、ぴあの「もあテン」で何回も上位に選ばれた映画でした。知り合いからも見る前は「すごく怖いけど面白い映画で何度も見た」ということを聞いていました。

しかし実際に見た感想は、確かに面白かったのですが期待していたほどの感動はありませんでした。ただ、映画を見た後にWikipediaで解説を読み、その凝ったストーリーや世界観は大変面白く感じました。

 

実は1ヶ月前にも、同じ時代に製作された別の映画を見て同じ経験をしました。

両方とも米国で製作された映画でした。正直に申し上げて分かりにくく退屈な印象を受けてしまいました。

もしかしたら、かなり凝っていて、かつ万人に分かりやすい最近のハリウッド映画の作りに慣れてしまったせいでしょうか?

昔は、映画というものは分かりにくいものだったのかもしれませんね。

 

一方で、1960年代に製作された黒澤明監督の「用心棒」「椿三十郎」「7人の侍」「天国と地獄」等は今見てもワクワクします。これらの黒澤映画のシナリオ構成は、現代のハリウッド映画にも大きな影響を与えていることを改めて実感します。

また1980年代に製作された伊丹十三監督の「たんぽぽ」などは、凝ったオムニバス風のエピソードなどがとても楽しめました。

昔の映画を見直すと、色々な発見が得られると改めて思いました。

 

 

2012-09-30 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

もしかしたら、空気の共有は若い人達の方の間で強くなっている?

1年程前の日本経済新聞のコラムで、1980年代中頃と現代の入社式を並べて比較した写真を見た覚えがあります。

とても意外だったのは、1980年代(「新人類世代」〜「バブル世代」)の服装は実にバリエーションに富んでいるのに対して、現代の入社式ではまるでユニフォームではないかと思うくらい統一性が取れていることです。

写真を見ていて、若い方々同士で情報交換をとても密にし、気を遣っている様子が伝わって来たことをよく覚えています。

 

元々日本は、集団の中での「空気の共有」は強い傾向にありますが、若手の方々とお話ししていると、昔よりもその傾向が強くなっているように感じます。ケータイやソーシャルメディアの普及も、一役買っているのかもしれません。

若い方々の勉強会に呼んでいただくことがあるのですが、勉強会の前後にそのネットコミュニティに参加すると、皆さんがお互いにとても細やかな気遣いをされたコミュニケーションをなさっていることを実感します。

別の面で捉えると集団の中での空気の縛りが強くなってしまっているということなのかもしれません。

 

このようなことは同世代の人達だけでコミュニケーションしているとなかなか実感できないことです。改めて色々な人達とコミュニケーションをしていくことが大切だということを実感します。

 

 

2012-09-29 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

言葉のジェネレーションギャップが、言葉の進化を生んでいくことがよく分かる調査

文化庁が「国語に関する世論調査」を発表しました。→リンク

なかなか興味深い結果です。特に面白かったのはふだんの言い方についての調査。

下記それぞれの後者の言葉について、普段どちらを使っているかを年代別に調査した結果です。

「しっかり,たくさん食べよう」vs「がっつり食べよう」
「正反対」vs「真逆(まぎゃく)」
「中途半端でない」vs「半端ない」
「ゆっくり,のんびりする」vs「まったりする」

こんな感じになりました。

Bunkacho

うーむ、私の場合は「まったり」は使いますけど、他は使いません。明らかにシニア世代ですねぇ。

言葉が時代と共に変遷していく様子が、この調査からもよく読み取ることができます。

 

 

2012-09-23 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

100歳まで働く時代がやってくる!?

日本の100歳以上の人口が5万人を超えました。40年後には70万人になると言われています。

このようなタイミングで、ちょうど日経ビジネスオンラインで、「隠居べーション 100歳まで働く時代がやってくる!?」という記事を連載しています。

 

「100歳現役サラリーマンの長~い社会人生活 福井福太郎さんが歩んだ日本の近現代史」に登場する福井福太郎さんは現在は毎日辻堂から東京まで通勤。

70歳から働いている今の会社が、人生で一番長く務めているそうです。しかし激動の時代を生き抜いて来られたのですよね。

「98歳ガール、パリに出張撮影 人生三転の女性報道写真家、笹本恒子氏」に登場する笹本恒子さんは、現役カメラマン。ヨーロッパにも出張されています。

活き活きとしてとてもお若い福井さんと笹本さん。記事を拝読して、100歳のイメージが変わりました。(興味のある方は、リンク先の写真をご覧になることをお勧めします)

 

映画「ロボジー」の冒頭では、ミッキーカーチスが演じる主人公である73歳の老人が、引退して仕事がない日々に、時間を持て余らせる様子が描かれています。

そしてロボットの中に入る仕事で人々に夢を与えることに大きな喜びを感じるようになります。

 

人は「仕事を通じて人の役に立ちたい」という気持ちを持っています。

「高齢化社会」は、若い人が高齢者を支えるということが前提になっているように感じます。

しかし70歳・80歳になってもその経験を活かして元気に働ける社会の方が、明るい社会になるような気がします。

 

実際に100歳になっても働いている福井さんと笹本さんを拝見すると、主体的に自分の人生を生きているように思いました。そして主体的かどうかは、自営か雇われる側かに関係はなく、あくまで仕事に対する考え方の問題のように思います。

今後、年齢に関係なく、自分の仕事に対する仕事観はますます大切になっていくのかもしれませんね。

 

 

2012-09-15 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

中国共産党政権が全面崩壊に直面。その影響は?

大紀元「米有名コラムニスト:共産党政権は全面的崩壊に直面 もっと心構えを」という記事が掲載されています。

—(以下、引用)—

….中国には経済危機と劇的な政治の変化が発生すると予測。うねりはアメリカ次期大統領の在任中に必ず押し寄せるという。

….中国の共産党政権はすでに転換期に差し掛かっており、「戦略的」で「根本的な変化」が訪れる。経済の急速な鈍化が、銀行や企業、地方政府の発行した債券を回収困難なものにし、それにより、財政と金融危機が発生し、社会安定への影響は計り知れないという。

—(以上、引用)—

今や世界第二位の経済大国になり成長が続いている中国ですが、仮に政権が崩壊するとすれば、世界的な影響はかなり大きなものになりそうです。

2010年時点で、日本から中国への輸出は13.1兆円で日本の輸出総額の19.4%、輸入は13.4兆円で日本の輸出総額の22.1%。日本にとって、今や中国は最大の輸出国であり輸入国でもあります。(総務庁・統計局のデータを参照)

参照記事は米国向けに書かれたものですが、日本にとっても影響は計り知れません。

 

長い歴史で見ると、独裁体制は崩壊の歴史でもあります。特にソーシャルウェアが普及している現在はその動きが加速しています。

企業のリスク管理の観点でも、中国の政治体制は要ウォッチではないでしょうか。

 

 

2012-09-07 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「あの電柱まで」の積み重ね。最後まであきらめないこと

今月の日本経済新聞「私の履歴書」は、メキシコオリンピック・マラソン銀メダリストの君原健二さんです。

飾らない実直な文章は、君原さんの誠実なお人柄が伝わってきます。

2012/8/30の「私の履歴書」では、1979年の公共広告機構の自殺防止キャンペーン「すててはいけない君の人生」で紹介されたテレビCMのセリフが紹介されています。

—(以下、引用)—

「私は苦しくなると、よくやめたくなるんです。そんなとき、あの街角まで、あの電柱まで、あと100メートルだけ走ろう、そう自分に言い聞かせながら走るんです」

…..あの広告で自殺を思いとどまった若者がいたと後に聞いた。

—(以上、引用)—

「よくやめたくなるんだけど、ほんのちょっと先まで、と自分に言い聞かせる」という言葉。とても説得力がありますね。

君原さんは、マラソンにこれまで54回出場、途中放棄なしだそうです。

 

偉大な実績を残した君原さんですが、文章から伝わってくる君原さんの姿は、常に悩んでおられる等身大のお姿です。

あと残すは1回。とても勇気をいただける連載です。

 

 

2012-08-31 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

65歳からの10万時間をいかに使うか?

2012/08/14の日本経済新聞の特集「シニアが拓く(1)自由な10万時間――「終活」で築く最期の安心」で、シニア層について特集しています。

—(以下、引用)—

….65歳からの人生をざっと20年と見積もれば、食事や睡眠を差し引いた自由時間はおよそ10万時間になる。勤続40年の労働時間より多い自由な時間をどう過ごすか。

—(以上、引用)—

この20年間=10万時間という時間、考えてみたらすごい時間です。

この10万時間、何もしないというのはとてももったいないですね。

 

映画「ロボジー」の冒頭では、ロボットの中に入る主人公の老人を演じる主演の五十嵐信次郎さん(ミッキー・カーチス)が、退職後何もすることなく時間を過ごしている様子がリアルに描かれています。

そして、ひょんなことからロボット「ニュー潮風」の中に入って活躍することで、改めて人の役に立つ意味を実感します。

人は年齢には関係なく、社会に貢献したいというモチベーションを持っているものであると思います。

 

葛飾北斎は、75歳の時に初版を出した「富嶽百景」のあとがきで、次のように書いています。(出典:Wikipedia)

….70歳までに描いたものは本当に取るに足らぬものばかりである。(そのような私であるが、)73歳になってさまざまな生き物や草木の生まれと造りをいくらかは知ることができた。ゆえに、86歳になればますます腕は上達し、90歳ともなると奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。…

そして90歳で世を去る際に、以下のように語ったと伝えられています。

天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずやまさに本物といえる画工になり得たであろう

葛飾北斎の足跡に改めて触れると、成長したいと考える限り、年齢には関係なく人は成長し続けるものだと実感します。

 

自分はどのようにこの10万時間を過ごすのか、…私たち一人一人が、自分だけの答えを探すことが必要なのではないでしょうか。

 

 

 

2012-08-15 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

ブログや本で情報を発信し続けると、手厳しい意見も沢山いただきますが、….

ブログ、Facebook、Twitterを毎日書いていたりつぶやいていたりすると、その人の価値観が如実にあらわれます。そして、このように情報を発信し続けるとそれを見た人から色々な意見をいただきます。

中には耳が痛いご意見、手厳しいご意見、ごくたまに非難中傷もあります。

しかし情報発信をすることは批判を受け容れることが前提だと思うのですよね。そして自分が間違っていることに対する意見を受け容れることで、必ず自分の成長に繋がります。

 

本もまったく同様です。

本では自分の価値観がある程度のボリュームにまとまっていて、しかもブログやFacekoon/Twitterと違いお金を出していただき、さらに何時間もかけて読んでいただく訳で、それだけの投資をしていただいた読者の意見を真摯に聞き届けるのは当然のことなのでしょう。

 

意見にも様々なものがあります。

しかし意見をして下さる方にとってはその意見は真実です。

だからその意見に従うかどうかは別にしても、その意見をいったん真摯に受け止めることが大切なのではないかと思います。

 

 

2012-08-07 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

原発停止なのに、今夏の電力が安定供給できている理由を調べてみた

昨年の夏は原発がまだ稼働していました。しかし電力供給がピンチということで日本全国節電一色でした。

今年の夏は、関西電力の大飯原発こそ稼働しているものの、他の原発は稼働停止中。

しかし節電モードではありますが、今のところ電力供給がピンチという状況には至っていません。

 

そこで東京電力のサイトを調べてみたところ下記の図がありました。(オリジナルはこちら )

Power20120804

2011年8月と2012年7月を比較すると以下のようになります。

原子力    ー376万kW
常設火力   +334万kW
緊急設置火力 +134万kW
揚水式水力  +150万kW
太陽光等     +7万kW
その他     +77万kW
合計     +326万kW

原発停止分を、常設火力、緊急設置火力、揚水式水力などを総動員して間に合わせている,という状況がよく分かります。

昨年の夏は大震災の4ヶ月後に猛暑が襲ってきました。電力安定供給のために大変だったかと思います。それから1年後の今年の夏は、ある程度準備期間があったということなのでしょう。それにしてもご担当者の苦労は大変だったかと思います。

 

あまり目立ちませんが、「太陽光等」がゼロから7万kWに増えているのがとても重要だと思います。今後大きな変化に繋がっていく可能性があるのではないでしょうか?

 

 

2012-08-04 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「誰も感謝してくれない」と思うから、本人も周りも苦しい。だから「感謝する」

「誰も感謝してくれない」と悩む人がいます。

しかし「感謝」するのは他人。

他人はコントロールできません。

「感謝してくれない」といくら悩んでも、他人の行動がコントロールできない以上、その悩みは解決しないのではないでしょうか?

そして多くの場合、「感謝してくれない」と考えるようになると、本人だけでなくその周りの人も辛い思いをしていることが多いように思います。

 

一方で、「感謝する」のは自分の行動です。

場合によっては、「感謝しよう」と思っても、相手に対してそのような感情を持つのは難しい場合もあります。

しかしそれでも、「感謝する」のは自分の行動です。他人の行動よりもはるかにコントロールしやすいはずです。

そして不思議なことに、自分の経験をふり返ったり、色々な人の様子を見たりすると、「感謝してくれない」と考えるのを止めて自分が「感謝する」ことで、相手との関係がずっと良くなることが多いように思います。

 

「感謝は全てを癒やす」という言葉もあります。

 

だから「感謝してくれない」と考えるのは止めて、周りの人達に「感謝する」ようにありたいなぁ、と思う今日この頃です。

誰もが相手に感謝するような社会になると、世の中はずっとよくなるように思います。

 

 

2012-08-01 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

仕事をしながら本を書くのは、「二足の草鞋を履く」のではない。「車の両輪」である

2012/6/24の日本経済新聞の文化欄(最後のページ)に芥川賞を受賞された作家・礒崎憲一郎さんが「二足の草鞋」というコラムを書いておられます。

礒崎さんは商社に勤務する傍ら、2007年に文藝賞、その後芥川賞、ドゥマゴ賞と受賞されています。

このような方をよく「二足の草鞋を履く」と呼んだりしますが、礒崎さんは以下のように書いておられます。

—(以下、引用)—

私は自分が「二足の草鞋」を、この場合は会社員と小説家という意味だが、その二つの立場を器用に使い分けて、両立させているなどと思ったことは今まで一度もない。

(中略)

じっさいにはやればやるほど二つの世界は私の中で統合されている。

—(以上、引用)—-

これは私も全く同感です。

私も仕事から離れた時間に本を書いていますが、本では仕事で学んだことを消化・抽象化して本に書いていますし、さらに本に整理して書いて改めて咀嚼したことを仕事に活かしています。

「仕事は最高の学びの場」です。

だから、「二足の草鞋」というよりも、「お互いに車の両輪」である、というのが率直な感想です。

 

礒崎さんは以下のように続けています。

—(以下、引用)—

もう一つ、しばしばされる質問に「いったいいつ、書いているんですか?」というのがある。これもまあ「二足の草鞋」と同じで、私が会社勤めと執筆の両方を続けているので、よほど時間のやりくりが上手いのではないか?特別な時間管理術のようなものでも実践しているのではないか?

 という先入観から来ている質問なのだろうが、ここにも根本的な誤解がある。小説は時間を掛ければ書けるものではない。……

 時間管理術なんかよりももっと大事なのは、結局はさっきと同じ話になるのだが、自分としてどうしても譲れない、変えようにも変えられない部分はどこなのか、変えられない部分に対して自分の人生をどのように差し出すのか、その差し出すときの姿勢、腰の低さみたいなことなのだと思う。

—(以上、引用)—-

「自分の人生の時間を、どのように使うのか」というのは、単なる時間管理術を超えた世界です。

自分の人生の使い方を定めれば、その後どのようにするかは、自ずから付いてくるものであると思います。

 

 

2012-06-25 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

がん手術5回、うち1回は第3期(5年生存率ほぼゼロ)まで進んでも、まだまだ元気な理由

昨日、米沢富美子先生の「私の履歴書」を紹介したばかりですが、あまりに衝撃的な内容だったので紹介させていただきます。

昨日2012/6/23の「私の履歴書」からの引用です。

—(以下、引用)—

…私も乳がんで83年と84年に左右の乳房を全摘している。45歳の84年にはがんの第3期と判明し、私の5年生存率はゼロに近かった。

(中略)

私は23歳の時に胞状奇胎で胎児ががん化し、35歳の時には子宮前がん状態で子宮を全摘している。3人の子供を授かった子宮と全員母乳で育てた両乳房だが、未練はなかった。それぞれ「お役目、ご苦労であった」と労をねぎらって暇を出した。

さらに70歳の時に甲状腺をがんで全摘し、総計5回のがん手術を受けた。そのたびに手術の翌日から論文を書くなど立ち直りが早く、キャリアに影響しなかった。

—(以上、引用)—

これはすごい話です。

「お役目、ご苦労であった」「手術の翌日から論文を書く」というあたりは、くよくよ悩まない米沢先生のまさに真骨頂。

悩んでいても病気は治りません。むしろ明るい気持ちで楽しいことややりたいことに集中したり、日々笑っていたりする方が、免疫力の面でも病気が治癒する可能性が高まるそうです。

「明るく生きること」の大切さを学ばせていただいています。

 

この日の「私の履歴書」は以下のように締め括っています。

—(以下、引用)—

キャリアはともかく、今も生き永らえているのは「米沢は化け物だから」という説もある。

—(以上、引用)—

見習いたいものです。

 

 

2012-06-24 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

米沢富美子先生の「私の履歴書」

今月2012年6月の日本経済新聞「私の履歴書」は、物理学者の米沢富美子先生です。

私が慶応大学工学部に入学した翌年の1981年、理学系の学科がいくつか新設されて理工学部になりました。米沢先生はこの時、新設された理工学部物理学科に赴任されました。

私は工学部計測工学科で学んだために米沢先生とは直接の面識はありませんでしたが、「すごく若い女性の教授が来た!」と学内で大きな話題になったことをよく覚えています。

 

この米沢先生の「私の履歴書」

米沢先生のチャレンジ精神とパワー。何があってもめげず、ネガティブなことは一切考えず、とにかくがむしゃらで前向き。そして明るさ。

読むといつも元気をいただきます。

20代でお子様を3人生み、自力で育てている最中、睡眠時間がますます少なくなって研究する時間が減った時に、ご主人の一言で発憤して世界的な研究を成し遂げた、という話には圧倒されました。

 

米沢先生のお母様も物理学者を目指していたものの、お母様が学生の頃は女性が理科系に行くこと自体がなかなか許されなかった時代。泣く泣く諦めたそうです。

米沢先生は幼児の頃に数学の問題にとても興味を持ったことから、そのお母様よりものごごろが付いた頃から様々な数学を教えられたとのこと。

持って生まれた天賦の才能に加えて、日々の研鑽、そして楽しみ、障壁があっても諦めなかったからこそ、今の米沢先生があるのですね。

 

今月は、毎日「私の履歴書」を読むのが楽しみです。

 

 

2012-06-23 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

ダイバーシティと、企業のサステイナビリティと、個人の幸せ

2012/04/09の日本経済新聞夕刊の記事「トップが語るワークライフバランス りそなホールディングス会長細谷英二氏」で、細谷会長が次のように語っています。

—(以下、引用)—

 「組織に重要なのはダイバーシティー(人材の多様性)。異質なものと異質なものがぶつかり合うことで新しい知恵が生まれ、リスクへの感度が高まり、リスクマネジメントにも有用だ。画一的な環境で育ち、考え方が似通った者が集まる金太郎アメのような組織はダメ。特にグローバル時代は多様性がさらに求められるようになる。仕事と生活のバランスが取れる職場風土を育てないと多様な人たちが働ける環境にならない」

—(以上、引用)—

全くおっしゃる通りと思いました。

同じ考え方を持った人材だけで構成された組織は、状況が安定しているときは強いかもしれません。しかし現代のように環境が激変している時は変化に対応しきれません。同じ理由で、同じ成功体験を持った人材だけで構成された組織もまた、もろいのです。

だから組織の中で多様な考え方を持った人材が活躍し、お互いに意見を取り込んで創発し合うことが大切です。

様々な価値観を持った人材がもっと企業の中で活躍するようになると、働く場所として企業も魅力的な場になりますし、そのような企業は変化に対しても強い筈です。

ダイバーシティは、企業のサステイナビリティと、個人の幸せを両立する観点で考えるといいのかもしれません。

 

 

2012-04-10 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

感謝はすべてを癒やす

なかなかモノゴトが上手くいかないことがあります。

その場合の多くは人間関係に起因していることが多いように思います。

人間関係がこじれると、上手くいくものも上手くいかなくなります。

 

では、なぜ人間関係がこじれるか?

「人間関係」という文字の通り、「人間」の「関係」は一方向のものではありません。

相手がいて自分がいる関係。つまり双方向です。

そして多くの場合、「相手が一方的に悪い」という状況はほとんどありません。

自分が変われば、人間関係も変わるのです。

人間関係は鏡のようなものなのかもしれません。

 

ある方から、「感謝は全てを癒やします」と教えていただいたことがあります。

相手の方とちょっとこじれてしまった時、相手に感謝の念を持つようにしてみました。

不思議なことに感謝の念を持つように日々心がけて相手がまるで親密な友人に思えてくると、相手との人間関係のこじれが少なくなってきたように思います。

「感謝は全てを癒やす」

「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、世の中には「相手の懐に飛び込む」という言葉もあります。

意外と、真実なのではないかと思います。

 

ただ、「感謝すればモノゴトが上手く進むから、感謝しよう」と思わないことが重要ですね。

操作主義は、いくら隠していたとしても、私たちが思ったよりも敏感に相手は感じ取っているものです。

 

 

2012-03-13 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

3.11から1週間の福島第一原発の危機的な現実を描いた、1時間のドキュメンタリー

PBSでInside Japan’s Nuclear Meltdown (「日本の原発メルトダウンの内側」)という特集番組を組んでいます。

Watch Inside Japan’s Nuclear Meltdown on PBS. See more from FRONTLINE.

3.11の地震発生から1週間の福島第一原発は非常に危機的な状況が続いていたことがよく分かります。この番組で初めて見た映像も沢山ありました。

現在の首都圏での私たちの生活は間一髪の所で守られていたこと、そこには福島第一原発の絶望的な中で命を懸けて戦った現場の人達、自衛隊、消防庁の方々のご努力があったことが、よく分かります。

第二次大戦後、日本は「国のために死ぬ」という言い方はしない国になりました。
しかし今回は、国のために必死に戦った方々がいたということがよく分かりました。
本当に、感謝あるのみです。

合計54分で英語ですが、平易な英語ですし、日本語インタビューはそのまま日本語音声も入っていますし、映像もあるので、英語がちょっと苦手な方でも分かりやすいのではないかと思います。

 

このような番組、日本ではなかなか作れないのは、やはり当事者だからでしょうか?

 

 

2012-03-12 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

日本人女性の名前が、この100年で大きく変わってきたことが分かるデータ

昨日の男性編に続き、女性編です。

ソースは明治安田生命のサイトにある「生まれ年別名前ベスト10(女性)」

当エントリーの最後に、毎年のベスト1だけを拾ってみて掲載してみました。男性同様、この100年で大きく傾向が変わっています。

サイトでは各年のベスト10まで出ていますが、これを見ると、なかなか興味深いですね。

1927年(昭和2年)から1948年(昭和23年)までは1位は「和子」でした。平和を願ってのことなのでしょうか。

1960年までは1位から10位まで「xx子」です。そして1961年頃から「xx美」が増えてきます。

1962年生まれの私も、同年代の女性は「xx子」が多く、その次に「xx美」。他は少数派でした。

しかし1980年辺りから「xx子」はほとんどいなくなります。1983年から1990年まで「愛」が1位を独占しているのが象徴的です。

 

以前に、「日本の過去1000年以上の地震年表で、日本の地震の傾向がかなり分かる件」というエントリーを書きましたが、100年から1000年単位で世の中の動きを見ていると、面白い発見があり、興味深いですね。

 

1912    千代
1913    正子
1914    静子
1915    千代
1916    文子
1917    千代子
1918    久子
1919    久子
1920    文子
1921    文子
1922    文子
1923    文子
1924    幸子
1925    幸子
1926    久子
1927    和子
1928    和子
1929    和子
1930    和子
1931    和子
1932    和子
1933    和子
1934    和子
1935    和子
1936    和子
1937    和子
1938    和子
1939    和子
1940    紀子
1941    和子
1942    洋子
1943    和子
1944    和子
1945    和子
1946    和子
1947    和子
1948    和子
1949    幸子
1950    和子
1951    和子
1952    和子
1953    恵子
1954    恵子
1955    洋子
1956    恵子
1957    恵子
1958    恵子
1959    恵子
1960    恵子
1961    恵子
1962    久美子
1963    由美子
1964    由美子
1965    明美
1966    由美子
1967    由美子
1968    直美
1969    直美
1970    直美
1971    陽子
1972    陽子
1973    陽子
1974    陽子
1975    久美子
1976    智子
1977    智子
1978    陽子
1979    智子
1980    絵美
1981    恵
1982    裕子
1983    愛
1984    愛
1985    愛
1986    愛
1987    愛
1988    愛
1989    愛
1990    愛・彩
1991    美咲
1992    美咲
1993    美咲
1994    美咲
1995    美咲
1996    美咲
1997    明日香
1998    萌
1999    未来
2000    さくら・優花
2001    さくら
2002    美咲・葵
2003    陽菜
2004    さくら・美咲
2005    陽菜
2006    陽菜
2007    葵
2008    陽菜
2009    陽菜
2010    さくら
2011    陽菜・結愛

 

 

日本人男性の名前が、この100年で大きく変わってきたことが分かるデータ

明治安田生命のサイトで、「生まれ年別名前ベスト10(男性)」というデータが掲載されていました。

過去100年間に渡って、毎年のベスト10が掲載されています。

これを見ると、時代と共に名前が変わってていることがよく分かります。

全部のデータはリンク先を見ていただくとして、各年のベスト1だけを拾ってみました。

開戦翌年の1942年から終戦の1945年まで「勝」が1位なのも、時代を感じます。

特に最近10年間は、今までの名前とはかなり傾向が違うように感じます。ベスト10を見ると、なおさら感じます。

まだ彼らは小学生。10年〜20年後に彼らが社会人になる頃には、今までとは違った名前の人達が色々なところで活躍するのでしょうね。

1912    正一
1913    正二
1914    正三
1915    清
1916    辰雄
1917    三郎
1918    清
1919    三郎
1920    清
1921    清
1922    清
1923    清
1924    清
1925    清
1926    清
1927    昭二
1928    昭三
1929    茂
1930    清
1931    清
1932    勇
1933    清
1934    明
1935    弘
1936    清
1937    清
1938    勝
1939    勇
1940    勇
1941    勇
1942    勝
1943    勝
1944    勝
1945    勝
1946    稔
1947    清
1948    博
1949    博
1950    博
1951    茂
1952    茂
1953    茂
1954    茂
1955    隆
1956    隆
1957    誠
1958    誠
1959    誠
1960    浩
1961    浩
1962    誠
1963    誠
1964    誠
1965    誠
1966    誠
1967    誠
1968    健一
1969    誠
1970    健一
1971    誠
1972    誠
1973    誠
1974    誠
1975    誠
1976    誠
1977    誠
1978    誠
1979    大輔
1980    大輔
1981    大輔
1982    大輔
1983    大輔
1984    大輔
1985    大輔
1986    大輔
1987    達也
1988    翔太
1989    翔太
1990    翔太
1991    翔太
1992    拓也
1993    翔太
1994    健太
1995    拓也
1996    翔太
1997    翔太
1998    大輝
1999    大輝
2000    翔
2001    大輝
2002    駿
2003    大輝
2004    蓮
2005    翔・大翔
2006    陸
2007    大翔
2008    大翔
2009    大翔
2010    大翔
2011    大翔・蓮

 

2012-02-19 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

私が常に持ち歩いている震災グッズ

荻澤さんが「地震対策はお済みですか?」というエントリーを書いておられます。

確かに最近、地震が多いですね。「南関東地域で4年以内に70%の確率でM7の地震が起こる可能性がある」という東京大学地震研究所の研究結果も出ていて、色々と心配です。

 

昨年3/11の地震の時に、私が考えたのは、

・まずケータイ(iPhone)の電池が持つのか?
・大停電になったら、真っ暗な都内をどのように歩くのか?

ということでした。

そこで、地震の直後から必ず鞄の中に入れて持ち歩いているのが、写真のセットです。

Photo_2

真ん中上のiPhoneのケーブルがあれば、どこかにコンセントさえあれば充電できます。

しかし停電で充電できないこともあります。2−3日間は充電なしで凌がなければいけない可能性もあります。

そこで左下にある予備バッテリー。Apple銀座で購入。iPhone充電一回分は補ってくれるそうです。左上にあるのはその充電用ケーブルです。

そして、真ん中下にあるのがヘッドライト。もともと山歩き用に買ったものです。山歩きをしていて迷って夜中になったら、それこそ明かりが全くない漆黒の闇の中を歩くことになります。そのためのライトです。とても小さいモノですが、LEDライトが結構強力です。

予備のバッテリーも入れています。とても小さいものですが、これで一晩は大丈夫。

右にある袋は100円ショップで買った筆入れです。これに全て入れて、バックの一番底に入れています。

 

まさに必要最小限だと思いますが、計画停電を経験した身では、これがあるだけでも少しだけ安心です。

もちろん、大地震がないことが一番ですね。

 

 

「東日本大震災で徒歩で帰宅が34%」、だから必要な通信インフラ

2012/1/28の日本経済新聞夕刊の記事「震災時、交通網マヒ、「徒歩で帰宅」34%、30キロ以上歩いた人も。」で、以下のようなことが書かれていました。

—(以下、引用)—

東日本大震災で首都圏の交通網がまひし、帰宅が難しくなった人のうち、鉄道やバスの復旧を待たず、徒歩で帰宅した人が34%いたことが、鉄道総合技術研究所(東京都国分寺市)の調査で28日分かった。

(中略)

徒歩帰宅者に、早く戻りたかった理由を問うと、「家族の安否が分からなかった」「自宅の状況を確認したかった」との回答が多かった。

—(以上、引用)—

 

徒歩で帰ろうとなさった方々のお気持ち、よく分かります。

私自身がそうでした。

私も3/11の震災直後、 最初の30分間まったく何が起こっているのか分からない状況で、家族に連絡が取れませんでした。

震源地はどこなのか?被害はどうなっているのか?

家族は自宅にいるのか、都内にいるのか?

自宅にいる可能性が高かったのですが、その自宅は安全なのか?倒壊していないのか?

地震直後に電話しましたが、既に電話は繋がらない状態でした。

メールやTwitterで連絡を取ろうとしても、返事がありません。

徐々に震災の全容が分かってきますが、電車も止まっています。復旧の見込みは全く分かりません。

私の場合、勤務先から自宅まで40Kmあります。普段なら歩いて半日で帰れる距離です。

しかし途中、帰宅難民が大勢出ることは予想できました。帰宅する最中に再度地震に襲われる可能性も考えられましたし、都内で火災に会う可能性も考えられました。

とにかく情報がない中でどうするか?

3時間後にTwitterでやっと連絡が取れて、「こっちは大丈夫だから会社で待機していて」という連絡が来たときは、本当に安心しました。

恐らく、私のような状況で、まず自宅に戻ろうと判断された方々も多かったと思います。それが34%という数字なのでしょうね。

 

記事を読んで、非常時にはまずは何らかの手段で家族と連絡が取れる手段を用意するだけで、災害時の首都圏の混乱はかなりの減少できるのではないか、と思いました。

 

 

2012-01-30 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

風邪を引いたら、無理して会社に行くべきか?それとも休むべきか?

風邪をひいたときは、仕事で仲間に迷惑をかけないように、少々無理をしても会社に行くべきでしょうか?

それとも、大事を取って会社を休むべきでしょうか?

2012/1/28の日経プラスワンの記事「エコノ探偵団 風邪でも会社休みにくい?―「出勤は美徳」「自分は必要」」は、なかなか興味深い記事でした。

—-(以下、引用)—

同社(気象情報会社、ウェザーニューズ)の調査によると、….風邪でも休まなかった人の割合は年齢が上がるにつれて高くなり、40代では35・9%に達するという。

「無理をし過ぎている気がするけどなあ」。理由を確かめるため、章司は人事管理に詳しい日本総合研究所の高橋敏浩さん(52)に話を聞きに行った。高橋さんは「多少のことがあっても出勤するのが美徳だとずっと考えてきました。その影響が大きいのでしょう」と教えてくれた。

—-(以上、引用)—

確かに、風邪で明らかに体調が悪そうなのに、会社で仕事をしている人って、いますよね。

記事では、現代ではプロセスにおける貢献度やチームの成果などを重視する新しい人事評価制度が多くの企業で導入されているので、かえって突発的な休みが言い出しにくい環境になっている、と指摘しています。

一方で、無理して社員を働かせるマイナス面に注目する企業も増え始めているようです。

—-(以下、引用)—

「インフルエンザにかかった社員が会社で他の人にまき散らしたら一大事です。商談がまとまらなかったりすると、取り返しがつきません」

(中略)

「実は病気を押して仕事をすると、効率がかなり落ち、会社に大変な迷惑をかけます」

—-(以上、引用)—

私の考えですが、個人の1年間の仕事のパフォーマンスを考えた場合は、風邪を引いた場合は1−2日休んで完全に治して万全の状態にして仕事に復帰した方が、よいパフォーマンスが残せるように思います。

さらにオフィスで他の人にうつしてしまうマイナス面も結構大きいと思います。私の場合も、明らかに職場の人から感染してしまったケースがよくありました。

「風邪くらいで仕事を休んでどうする」という根性論も強かったりするので、なかなか難しい面もありますが、風邪の場合はひどくなりそうだったら早めに休んで早めに治した方が、自分にとっても同僚にとっても、仕事の生産性が高まるように思います。

 

いずれにしても一番良いのは、手洗いうがいをマメにして風邪をひかないことがベストです。

私の場合もちょっとやばそうな兆候が出たら、イソジンのうがいとトローチを飲んでいます。結構これでひどくなることもなく治ってしまいます。

インフルエンザも流行っているようです。

皆様ご自愛下さいませ。

 

 

2012-01-29 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

早朝の田園都市線で、人身事故を起こした電車に乗車。現場で対応する駅員さんの大変さを間近で実感

昨日の朝、いつもの通り、田園都市線鷺沼駅6:13AM発の電車に乗りました。

「いつも通り会社に7時過ぎについて、コーヒーを飲んで集中して昼の会議の資料を作って….」と段取りを考えていたら、隣の宮前平駅のホームに入った瞬間、大音響と共に電車が急停車。

6:14AM、電車はホームの途中でそのまま動かなくなりました。

「人身事故が発生しました。お客様救護のため、停車します」との車内アナウンス。駅に着いたのですがドアも開きません。

6:25AM、「お客様救護で感電防止措置が必要なため、一時的に電車の電気を全て落とします」との車内アナウンス。1分後に車内は真っ暗になりました。

6:30AM、5分後に電気が入り、明るさが戻りました。

私は電車に乗ったまま新聞を読んでいましたが、駅のホームで駅員さん達がお互いに大声を上げていて、緊迫した様子が伝わって来ます。

6:39AM、救急車か消防車のサイレンの音がしました。

同じタイミングで「具合の悪い乗客は申し出て下さい」との車内アナウンス。

6:45AM、事故発生30分後、相変わらずドアは閉まったままですが、「最後尾の10号車から車掌が最前の1号車に向うので、降車したい乗客は付いてくるように」との車内アナウンス。数分後、車掌が前を通ると、乗客が数十人続きました。

6:56AM、向かい側のホームに、大きな青いビニールシートに包んだものを駅員や職員が約10名で持ち抱えて移動。恐らく人身事故の当事者の方と思われます。

「この電車は回送電車になります」との車内アナウンスがありましたので、電車降りて自宅に電話。歩いて25分で自宅に戻れるのですが、とりあえず待機することにしました。

7:04AM、用を足しておこうと思い、駅のトイレに行くと結構混雑していました。5分ほど並びました。駅の改札の外には、改札を入れない乗客が大勢いました。

トイレを出ると、電話で他の人と話している人が、「7:40に動くそうだ」との話し声。

駅の外を見ると、消防自動車が止まっています。写真のように、車体の横に「救助工作車」と書いていました。

Photo_2

7:10AM、ホームに戻ると、なぜか皆さん、電車に乗っています。電車が出入りした様子はないので、回送でなくなったようです。とりあえず空いている席を探して座ります。

7:12AM、「警察の現場検証は終わりましたが、まだお客様を救護中で再開まで時間がかかります」との車内アナウンス。人身事故の処理は大変なのですね。

7:16AM、とりあえず隣の宮崎台駅まで行くとのことで、人身事故発生から1時間ぶりに発車。私は座れたのでパソコンで仕事を開始しました。

宮崎台駅でしばらく停車。

7:39AM、宮崎台駅を発車。この時点では電車はあまり混んでいませんでした。

7:42AM、溝の口駅で、車内は混み始めます。

7:50AM、二子玉川駅で車内の混雑がひどくなり、パソコンで仕事をすると立っている方々に迷惑がかかるので、パソコンを閉じました。

8:15AM、渋谷駅到着。大変な混雑で立っている方々は苦しそうです。

8:20AM、表参道駅に到着。千代田線や銀座線に乗り換える人が多いためでしょうか、だいぶ空いてきました。

8:40AM、勤務先がある水天宮駅に到着。普段よりも1時間40分遅い到着です。ホームはとても混んでおり、エスカレータに乗るまで5分、改札を出るまでさらに5分かかりました。オフィスに到着したのは9時ちょっと前でした。

私はまだ座れたので楽でしたが、ラッシュアワーで電車の遅れに遭遇した方々は、大変だったかと思います。

 

私は人身事故を起こした電車に乗ったのは初めてでしたが、人身事故が起こった場合の駅員さんや鉄道会社の人達は、本当に大変ですね。

遅れに伴うトラブル対応も大変ですが、人身事故の処理も駅員さんご自身がなさっているようですし、事故を起こした電車を運転なさっていた方の精神面ケアも大きな問題なのではないでしょうか?実際に事故が起こった宮前平駅で、緊迫した表情で仕事をなさっていた現場の駅員さん達を見て、強く思いました。

人身事故があった時は、もう少し駅員さん達にねぎらいの気持ちを持とう、とも思いました。

本当にお疲れ様でした。

 

また人身事故に遭われた方は、自ら選んだ結果なのか、あるいは本当に事故なのか、と思いを巡らせました。

本人にその気がなくても、イヤホンで音楽を聴いていて不注意でホームに落ちたり、(早朝だと考えにくいことですが)酔っ払って転落することもあるそうです。その時に電車が通りかかった時の結末は悲惨です。

駅のホームにいる時は、注意するようにしたいですね。

 

 

2012-01-21 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「ハイゼンベルクの不確定性原理」を破った「小澤の不等式」は、世界観を変える?

80年間、量子力学の基本的な法則と考えられ、あらゆる測定には精度の限界があるとした、「ハイゼンベルクの不確定性原理」。

名古屋大学の数学者小澤正直教授は2003年に、この「ハイゼンベルクの不確定性原理」を修正する式を「小澤の不等式」として提唱しました。

このたび、ウィーン工科大学のグループによる実験でこの「小澤の不等式」が実証された、というニュースがありました。

日経サイエンスに詳しい解説が掲載されています。→リンク

 

ちなみに、「ハイゼンベルクの不確定性原理」の式は、こんな式。

 εqηp ≧ h/4π

εqは測定する物体の位置の誤差、ηpは位置を測定したことによって物体の運動量に生じる乱れ。

要は、「物体の位置と運動量を正確に測定しようとすると、それぞれの誤差が必ず一定量以上発生する」という意味です。

ここで言う物体とは、量子という原子よりもさらに小さい物質のことです。

 

一方で、「小澤の不等式」はこんな式。赤字が加わったのですね。

 εqηp + σqηp + σpεq ≧ h/4π

赤字の中のσqσpは、物体が元々もっていた量子ゆらぎです。

つまり小澤教授は、「量子のゆらぎというもともと物体に備わっている性質があって、これは測定とは関係なく決まる」と主張しました。

そして量子ゆらぎが無限大になれば誤差ゼロの測定が可能であり、量子もつれになった2つの粒子ならそうした測定が可能である、としました。(この辺りから、私はほとんど分からなくなってきます….)

今回、それが実験で認められた、ということのようです。

この「小澤の不等式」、決して机上の空論ではなく、量子コンピューターのエラー確率の推定などに威力を発揮し始めているそうです。

  

大学は理科系だったので量子力学は少しだけ勉強しましたが、社会人になって30年近く離れてしまい、すっかり忘れてしまいました。

しかし、「ハイゼンベルクの不確定性原理」については、「モノゴトは正確に測定しようとしても、ある一定以上の誤差が必ず発生する性質を持っている」という意味と理解していました。

「結局、モノゴトは正確には分からない」、これが私にとって、そしておそらくは世の中でも、一つの世界観になっていたと思います。

これに対して、小澤教授が小澤の不等式で述べているのは、「モノゴトにはゆらぎが備わっている。これを考慮すればモノゴトを正確に測定することは不可能ではない」と述べているように思えます。

もしかしたら、世の中の世界観は、少し変わってくるかもしれません。

 

ps. 量子力学は専門家ではないので、正確なところは間違っているかもしれません。なにとぞご容赦下さい。

 

 

2012-01-19 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

内閣支持率調査からも分かる、「依らしむべし、知らしむべからず」から、「国民の叡智を信頼する」への転換

やや古い記事ですが、2011/12/26の日本経済新聞に「内閣不支持率が5割を超えた」という世論調査の結果が掲載されていました。

内閣支持率は11月末の前回調査から15%下がって36% 。不支持率は14%上がって53%。記事ではその理由を分析しています。

■福島原発事故の原子炉冷温停止状態を受けて、政府が事故収束を宣言したことについて →「納得できない」78%、「納得できる」12%

■消費増税で、10年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げる政府案について →「賛成」38%(7%下落)、「反対」53%(6%上昇)

■消費増税の関連法案を来年3月までに国会に提出する政府方針について →「支持する」38%、「支持しない」52%

この結果は、どのように考えれば良いのでしょうか?

 

ちょうど同じ日、同じ日本経済新聞に、「核心 強い人々と弱い指導者と――媚びぬ政治問われた1年」というコラムが掲載されていました。

—(以下、引用)—-

日本の人は政治家が思うほど弱くも無知でもない。いたずらに媚びるより賢明な政策を進めることが大事、と被災者らが教えているように思える。それは財政再建などの問題を考える際のポイントだろう。

(中略)

旧日本軍に関する名著「失敗の本質」は参謀本部が独善に陥り、外の声を無視した点を敗因の一つに挙げる。悲しいかな今日のリーダーたちに当てはまる。

(中略)

本紙の世論調査では、消費税の10%への引き上げを支持する人が38%、反対が53%で、以前より反対が増えた。「増税の前にすべきことをしないから」という向きが多いのだろう。

(中略)

1990年代初め、旧ソ連向け輸出の急減で経済・財政危機に陥り、見事に復興したのがフィンランドだ。グスタフソン駐日大使は「失業率の上昇や倒産の増加もあったので、政府の改革方針を国民がよく理解した」と振り返る。人々の納得感が大事ということだろう。ゴルバチョフ元ソ連大統領が情報公開(グラスノスチ)をテコに改革を進めたのに通じる。

(中略)

「よらしむべし、知らしむべからず」はもう通用しない。痛みを伴う政策でも必然性が分かり、公正に素早く進められるなら賢明な市民は受け入れる。日本人を見くびってはいけない。

—(以上、引用)—-

昨年10月22日の当ブログのエントリー「福島原発の問題は、これからが本番…. 田坂広志さんの日本記者クラブでの講演『福島原発事故が開けた「パンドラの箱」』(講演動画+資料)」でご紹介した田坂広志さんのご講演でも、田坂さんはご講演を以下の言葉で締め括っておられました。

『政府は、ともすると「依らしむべし、知らしむべからず」となっていた姿勢から、「国民の叡智を信頼する」という姿勢に変わるべき時期ではないか』

今回の内閣支持率調査でも、日本全体が変わるべき時期に来ており、実際にゆっくりと、しかし確実に変わりつつあることを如実に感じます。

 

 

課題の克服へ歩み始める2012年

2012年1月1日の日本経済新聞の社説「転換期日本、(1)、資本主義を進化させるために」で、以下のような言葉がありました。

—-(以下、引用)—

「日本は今悩んでいる。日本はどこへ行くのだ。日本は何をするのだ。日本はどうなるのだ」

「日本はもう(中略)進むだけ進んだのではないか。生々たる発育期をすぎて、静止状態に入ったのではないか。注意すべきは発足期にたつ支那(原文のまま。中国をさす)であって、日本の時代は過ぎたのではないか」

—-(以上、引用)—

「日本の時代は過ぎたのではないか」という書き出しがある本書『転換期の日本』(清沢洌著)が書かれたのは1929/10/18。世界恐慌の暗黒の木曜日の6日前です。

当時は帝国主義の時代、第1次グローバル化の時代ともよばれました。この時代は世界大戦で終わり、世界のリード役が英国から米国にかわっていく過渡期でもあった、と記事は書いています。

日本は1929年から1945年までの軍国主義の時代を経て、16年後に再び成長の波に乗りました。

では現代の私たちはどのように考えていくべきなのでしょうか?

記事は最後に以下のように締めくくっています。

—-(以下、引用)—

決して悲観することはない。変化の芽は出ている。

東日本大震災がきっかけとなり社会の絆や連帯が再認識されて、横でつながる意識の芽生えは、社会をかえる可能性をひめる。

民主主義の問題点は、今の生活を良くしようとして負担をきらい、将来の資産を先食いすることにある。遅まきながら世代格差を是正しようという考え方が共有されるようになった。

グローバル化を積極的に受けとめて、外の人材を受け入れ、起業しようという機運も高まっている。企業でも、政治でも、ガバナンスを問い直す動きがみえる。

清沢は『転換期の日本』を以下のように締めくくっている。「日本が再出発するためには」「国家の目標を高く掲ぐるを要する」「国家の目標とは(中略)、世界を家とし、世界に友を求めることである」

これはまさに現在に通じる。今様にいいかえると次のようになるだろう。日本再生のためには、国家目標としてグローバル社会で生きぬくことを高く掲げ、転換期を乗りこえていこう――。

—-(以上、引用)—

確かに、ほんの1-2年前まで失われていた、社会の絆や連帯、社会的コンセンサスが得られなかった世代間格差の是正、抵抗感があったグローバル化やダイバーシティが、最近は社会的にも受け入れられ始めていると感じます。

一度、課題を全員で共有し、皆で目指すべき方向感が「空気」として共有されると、抜群の実行力を見せるのが日本です。

2011年は、課題を認識した年ではなかったかと思います。

2012年は、課題の克服への歩みを皆で始める年としたいですね。

 

 

2012-01-04 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「幸せな人は9.4年長生きする」。日々の感謝が全てを癒す、という米国の研究結果

幸福研究の第一人者で「幸せ博士」との異名をとるイリノイ大学のエド・ディーナー博士は、人間と動物を対象に160本以上の調査研究の分析をしました。

その結果、「幸せである」と感じることが、平均9.4年の長生きにつながる、という調査結果を導き出したそうです。

詳しくは日経ビジネスオンラインに「幸せな人は9.4年長生きするという記事に掲載されています。

ポイントと思われる箇所を抜粋してみました。

 

まず、日々幸福な気持ちで過ごしていると長生きし、日々悲観的な気持ちで過ごしていると病気にかかったり短命に繋がるそうです。

ディーナー博士は、幸福と思うことで、物事も幸福な方向に転じるとおっしゃっています。今が幸福かどうかに関わらず、とにかく「まず幸福と思うこと」が大切、ということですね。

確かに長寿のお年寄りにお会いすると、穏やかで日々人に感謝する方が多いように思います。

 

個人的にもこれは実感します。

私は子供の頃は悲観的に考えるタイプでした。当時はなかなか辛かったですね。

しかし学生の頃に病気をしたり、社会人になって間もない二十代中頃に十二指腸潰瘍になった経験を経て、「そもそも短い人生。まだ分からない未来のことを悩むために貴重な自分の時間を使っても何もいいことはない」と実感し、物事を楽観的に考え楽しむようになりました。

幸せに楽観的に考えるのは実際にはなかなか難しいことです。しかしこのように考えることで物事がよい方向に行くことが多いように思います。

 

とは言っても「現実にはなかなか幸せに考えられないよ!」ということもあると思います。

記事ではいくつかの方法が紹介されています。

■毎晩寝る前にその日に起きた出来事で自分が嬉しかったことやありがたかったことを最低5つ(3つでも可)書き留めてみる。(「感謝の日記」という有名なエクササイズだそうです)

■「意識して人に親切にする」。たとえば1週間のうちの1日は、5つの親切なことをしてみる。ゴミを拾うとかいった、些細なことでOK。

 

「感謝は全てを癒す」という、私の師匠から教わった言葉があります。

まさにこの言葉の一面が米国の研究で実証されようとしている点、大変興味深く感じました。

 

 

2011-12-25 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

2012年の日本に求められるのは、過去の成功体験からの脱却

2011/12/23の日本経済新聞の記事「2012視点(1)新たなゲームの幕開け」で、カルロス・ゴーンさんのインタビュー記事が掲載されています。

日本のことをよく分かっている海外からのゴーンさんによる日本のよい点・これからの課題点のご指摘。参考になりましたのでご紹介させていただきます。

—(以下、引用)—

「震災の爪痕は大きかったが、回復も早かった。あれほどの被害にもかかわらず、日産の場合は9月末には再びフル生産できるまでになった。今回の復興を見て、なぜ日本が世界3位の経済大国なのか、私個人も納得できた気がする。人々は規律を守り、コミュニティー(共同体)のために献身的に努力する。お世辞ではなく、日本のパワーを世界に示したと思う」

(中略)

 ――ゲームに勝つには何が必要でしょう。
 「現場力や品質管理などに強みがある日本企業に必要なのは人材や考え方のダイバーシティ(多様性)だ。新市場を現地のパートナーと協力しながら開拓する。相手から学び、こちらも教える。成功体験に固執するのは良くない。日産のトップ100人のうち、日本人はおよそ60人で、残りは私をはじめ世界各地の出身者だ。組織のなかに多様性を定着させることが、日本企業や日本社会の課題ではないか」

—(以上、引用)—

現場や品質管理などの目標が与えられると圧倒的に強いのが日本。実行力はあります。

一方で課題は何をやるべきなのかを考えること。

ゴーンさんが「必要なのはダイバーシティ」「成功体験の固執しない」とおっしゃっているのは、過去の成功体験にこだわらずに、柔軟な発想ができる人材を組織の中に増やしていくことが必要である、との問題意識なのでしょう。

現在、日本が抱えてる問題の多くが、1950年代から1980年代の高度成長期の考え方の延長線上でやってきた点にあると思います。

しかし高度経済成長期からは状況は一変し、世の中はグローバル化し少子高齢化に進んでいます。

一部の先進国と多くの発展途上国(中産階級は数億人)という状況から、一部の成長停滞国と新興国(中産階級は30億人)になり、常に経済は拡大するという前提から、経済は縮小するという前提に変わっています。

一方で日本の社会全体は、いまだに高度経済成長期のパラダイムが至るところに残っているように思います。

過去の成功体験から脱却するための具体的な行動が、2012年にはいよいよ求められてくるのではないでしょうか?

 

 

2011-12-24 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom