これから40年の成長市場は、….

ちょっと古いですが、11/28の週刊ダイヤモンドのオススメ記事を紹介したサイトの図が、とても興味深かったので紹介します。

「世界人口70億人突破!「人口」を見れば世界が読める 次の40年の成長市場はここだ! 」

ここでは、今後の成長余力を、横軸に「人間開発指数:平均余命や就学年数、生活水準などを基に算出」を取っています。これは労働力の質の高さを表しています。

縦軸には、「民主化度:選挙プロセスや政治参加、市民の自由度などを基に算出」を取っています。

また、円の色で、生産年齢人口(15~64歳)が増え続ける期間である人口ボーナス期、つまり経済成長を加速させやすい期間を、円の大きさは、GDPと人口ボーナス期の年数を掛け合わせた数値を取っています。

 

これで見ると、色々なことが分かります。

記事では、中国、ロシア、ブラジルは成長が低下すること、インドや南アフリカ、フィリピンが伸びることを指摘しています。

また今後、アフリカの民主化が進むと、世界経済の中で大きな力を発揮してくるであろうことも予測できます。

この図では多くの国々が書かれているので、自分が仕事で関わっている国が、世界全体の中でこの図のどこに位置するのかを把握しておくと、今後のビジネス展開を考える上で役立つのではないかと思いました。

 

大阪ダブル選挙の維新コンビ当選は、「選挙で社会は変わる」ことの証明になるか?

11/27に行われた大阪府知事選と大阪市長選で、「大阪維新の会」の橋下徹さんと松井一郎さんが当選しました。

橋下さんと松井さんの「維新コンビ」は、府と大阪、堺の両政令市を再編する「大阪都」構想を掲げています。

当然、既存組織・市職員からは大きな反対があり、選挙は激戦でしたが、知事選で民主・自民が支持していた倉田さん、市長選で民主・自民・共産が支持していた現職の平松さんは敗れました。

投票率も高く、市長選では61%(前回比+17%)、府知事選でも52%(前回比+4%)。

今回の民意を受けて、「大阪都」構想実現に大きく動いていくことになると思われます。

「選挙という、世の中にある仕組みを使うと、社会は変わる」

このことが世の中に認知され、私たち有権者が投票所に行き、志ある政治家に投票することで、世の中は変わっていく筈です。

今回の選挙が、「国民の叡智で世の中を変えていく」先駆けになれば、と願っています。

 

 

2011-11-28 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

何があっても前進をやめない日本は明るい

投資家のバフェット氏の投資信念は、「割安な優良株への長期投資」という正攻法。この戦略で、米国を代表する富豪になりました。

来日中のバフェット氏が記者会見している様子が、2011/11/22の日本経済新聞の記事『投資家バフェット氏、福島の工場視察、「日本投資、魅力薄れず」』で紹介されています。

この中で、日本の将来について、投資家の視点で「将来は明るい」と述べています。

—(以下、引用)—

  「日本は何があっても前進をやめない国だと改めて確信した」

 バフェット氏は間接出資する超硬工具メーカー、タンガロイ(福島県いわき市)の新工場完成式に出席。「(東日本大震災から)9カ月足らずでここまで回復できるとは思っていなかった」とも語り、復興に向けた日本の取り組みを称賛した。

(中略)

 「(オリンパス問題は)大きな驚きだったが、こういうことは米国でも欧州でもどこでも起こる」

 オリンパスの損失隠しについては米エンロンの粉飾事件などを引き合いに出し、冷静な見方を示した。オリンパス問題も「日本企業への投資判断を変えるには至らない」という。

—(以上、引用)—

一方で欧州危機への見方は厳しく懸念を表明するとともに、米国の所得・資産格差にも懸念を表明し格差是正が政策課題になる、と述べています。

 

ちょうど、ライフネット生命保険社長の出口さんも、「出口治明の提言:日本の優先順位」で、「私見では、発展著しいBRICS等の新興国を除いて、先進国、すなわち、日・米・欧の3極の中で考えれば、日本が一番安心できると考えていいと思われる」として、以下のように中長期的視点を述べておられます。

・欧州(EU)の危機は1つの中央銀行に対して17の政府・財務省が対置する構造問題に起因。10年単位の時間を要し、ギリシャ離脱するという「不確実性」シナリオも依然として捨てきれない

・アメリカは大統領選挙の結果如何によっては、また戦争を始めるリスクも決してゼロではない

・日本には「不確実性」シナリオが生じる余地がほとんどないように思われる。最大の構造問題である少子高齢化と財政再建は、大変な問題であるが、少なくとも「不確実性」はなく予測は可能である。予測が可能であれば対策も立てやすい。

 

同じ日に、二人の賢人が同じことを述べた記事を拝読。

元気が出ました。

現実を受け止めて、楽観的に行動したいものです。

 

 

2011-11-23 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「良い人」が「良いことをするつもり」で起こしたオウム事件とは何だったのか?16年後の今こそ改めて考えてみたい

「オウム事件」と言うと、現代の若い方々は名前だけしか聞いたことがないかもしれません。

 

16年前の1995年3月20日、東京で「地下鉄サリン事件」という戦後最大の無差別テロが発生しました。

都内の地下鉄千代田、丸ノ内、日比谷の3路線・5電車で、猛毒化学物質サリンがまかれ、13名が死亡、負傷者6000名以上という被害が出ました。

この事件を起こしたのが、オウム真理教。

16年前の地下鉄サリン事件の当日、私は会社を休んでいて、築地駅に集まる救急車を上空から撮影している様子を自宅のテレビで見ました。

「今までに考えられなかったことが、日本で発生している」という大きく不気味な不安感を感じたことをよく覚えています。

それから1-2年間、「オウム事件」は日本全体をゆるがしました。

 

「地下鉄サリン事件」に先立つ事件もありました。

1989年の「坂本弁護士一家惨殺事件」。教祖の指示を受けた教団幹部6名が、「被害者の会」の中心メンバーとして教団の批判活動をしていた坂本弁護士宅に侵入し、一家3人を惨殺した事件です。

1994年の「松本サリン事件」。長野県松本市で猛毒のサリンがまかれ、8名が死亡。100名が重軽傷になりました。教団がらみの訴訟を扱っていた長野地裁・松本支部を標的にした事件でした。

 

この一連の事件を巡る刑事裁判は、11月21日に189名の被告中、最後となる遠藤誠一被告の上告審判決を迎えます。

2011年11月19日の日本経済新聞の記事「オウム裁判終結へ 凄惨テロ 傷跡深く」では、この事件を検証しています。

この中で関係者の方々のインタビューが掲載されています。

 

たとえば、弁護士の滝本太郎さんは、以下のように語っています。

—(以下、引用)—-

 オウムは「良い人」が「良いことをするつもり」で起こした宗教殺人だ。そのことが若い人たちの間で知られていないことを懸念する。今も入信は続いており、カルト対策は進んでいるとはいえない。

—(以上、引用)—-

人は、「良いことをしている」と思っていて悪しきことを引き起こすことがある。それがオウム事件だった。しかしそのことが、現代の若い人達の間で知られていない。

このことを、改めて考えてみる必要があるかもしれません。

 

また、松本サリン事件被害者の河野義行さんは、以下のように語っています。

—(以下、引用)—-

 松本サリン事件から16年余り過ぎた2010年9月、住み慣れた長野県松本市から鹿児島市に移住した。寝たきりだった妻の澄子が08年に亡くなり、人生に一区切りを付け、暖かいところで趣味の釣りを楽しみたかった。

(中略)

 オウム事件の被告や刑期を終えた元信者らに恨みはない。妻の見舞いに来てくれた元信者とは、今でも一緒に釣りや温泉に行く。実行犯とも拘置所で面会し、入信のいきさつや謝罪の言葉に耳を傾けてきた。

 事件直後は私自身が容疑者扱いされ、理不尽な思いをした。誰もが加害者にも被害者にもなり得る。だからこそ、判決確定まで容疑者は推定無罪の原則で扱われるべきだし、出所後は犯罪者扱いはやめるべきだ。

—(以上、引用)—-

河野さんは松本サリン事件の第一通報者でしたが、当初は家宅捜索を受けたり、報道でも容疑者扱いされました。また、14年間、意識不明状態になられた奥様と過ごされています。

その河野さんがおっしゃっているのは、まさに「罪を憎んで人を憎まず」。

17年前の松本サリン事件から、様々な葛藤を乗り越えられてきたであろう、河野さんだからこそ伝えられる、この言葉の重さを感じました。

 

同じ2011/11/19の日本経済新聞は「オウム残痕(3)「救ってくれると感じた」―悩み・不満に入り込む」という記事で、現代の日本で、カルト宗教が若い人達に入り込んでいることが書かれています。

 

オウム事件が風化しつつある中、改めて「オウム事件とは何だったのか」を振り返ることが、必要なのではないか、と思いました。

 

 

2011-11-21 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

議論で勝っても、意味はないのかもしれない

あることで議論になる、という状況はよくあると思います。

そんな場合、ロジックで議論して、相手の間違いを指摘し、議論で勝とうとする。

でも、それで勝ったとしても、相手はあまりよい思いはしないのですよね。

逆にしこりを残してしまったりします。(こう言うのは、実は私自身、そんな経験が多いからなのですが)

 

そういうこともあって、議論で勝っても、実は得るものは、それほど多くはないのではないか、と最近思ったりします。

それでも議論を仕掛けられることもあります。でも、そんな時は、「それは何故ですか?」「それは、どうしてですか?」と聞き役に回ると、理不尽な論理で議論を仕掛けられた時は相手は行き詰まるし、相手に理がある場合はこちらも得ることが多いように思います。

つい最近も、そんな経験をしたばかり。

 

議論をせずに、相手の話を聞くことに徹する方が、お互いに得るものが多いのではないか、と改めて思います。

 

 

2011-11-17 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

そして、ジョブスは伝説になった

昨日から、スティーブ・ジョブスの話題で持ちきりです。

スティーブ・ジョブスほど人生そのものがドラマティックな経営者は、なかなかいないのではないでしょうか?

パソコン黎明期に、ガレージでアップルを創業。実は私も1983年に大学の研究室でApple IIを占有していました。考えてみると、私の初めてのコンピュータは、Appleだったのですね。

その後、1984年にMacを世に出すも1985年にAppleを追われ、NeXT Computer、ピクサーを創業。

そして1996年、Appleに復帰。1997年に暫定CEO就任以来年間報酬は1$、2000年にCEO就任。iMac、iPOD、iPhone、iPADと立て続けに全く新しいカテゴリーの商品を世に出し、Appleの時価総額は世界最大になります。

ただ、こちらにあるように、当初の考えを全く変えたことも結構あります。この柔軟性はある意味で強みかもしれませんね。ジョブスと言えども全戦全勝ではありません。

最後の命の炎が消えるまで、Mr. Appleとして仕事を全うしたジョブス。最後の引き際まで、ドラマティック。

おそらく、今後も伝説として、長く語り継がれることになるのではないでしょうか?

 

気がつけば、私は初めて2007年に初めてのApple製品であるiPODを購入。その後、iPhoneは3GSと4の2台、Apple TV 1台を購入。そして今年の8月にはとうとう今まで17年間使っていたThinkPadからMacBook Airに乗り換えてしまいました。(ただし、オフィスでは相変わらずThinkPad X201ですが)

Apple製品に縁がなかった私がAppleユーザーになったのも、ジョブスの影響でしょう。

私には、この人と同じ時代を生きたことに感謝するような人が、何人かいます。

スティーブ・ジョブスもまさにそんな一人。ライブで見ることが出来た私は、幸せです。

ご冥福をお祈りします。

 

 

2011-10-07 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「首都圏3000万人の皆さん、今すぐ避難してください」→その時どうする?

菅さんが首相退任後、インタビューで震災直後に原発事故に直面した時の状況を語っています。

菅前首相「首都圏3000万人避難も想定した」【インタビュー要旨】

最悪シナリオを考えるように指示したくだりでは、首都圏3000万人が避難するケースも想定したそうです。

—(以下、引用)—

 いくつかのところに最悪のシミュレーションを頼んでいた。いろんな段階でいろんな報告が来た。最悪のシミュレーションはちゃんとやっておかなきゃだめだ。最悪をちゃんと想定して、そうならないように。かなり早い段階からやっていた。(200キロ圏内の避難が必要との試算があったが)200キロといったら、もう東京圏が入る。250キロといえば、ほとんど首都圏全部だ。3千万人だ。避難というレベルを超えている。大混乱だ。日本が社会的に機能しない状況に陥る。国が国として成り立つかという瀬戸際だった。

—(以下、引用)—

震災直後、私も自宅で在宅勤務モードで、原発事故の進捗を心配して見守っていた時期、官邸ではこのようなギリギリのシナリオまで考えざるを得なかったのですね。

「3000万人の避難」…想像しただけでも気が遠くなります。

ちょっと考えただけでも、…..。

受け入れ先はどこにするのか?

各自の受け入れ先の割り振りはどうするのか?

受け入れ先までの3000万人の移動手段はどのように確保するのか?

その間の、食事・トイレ・急病人が出た場合の手配はどうするのか?

避難所に持って行く荷物の扱いは?

ロジスティックス1つ取っても、まさに「史上最大の作戦」。しかも猶予期間は2−3日程度もないのです。

首都圏に様々な機能が一極集中している現状、このような事態になると、日本という国の機能が停止してしまいます。

 

仮に3000万人という規模をひとまず置いたとして、今の生活がなくなり、離れた場所での避難所暮らしに切り替わるとしたら…。

自分のケースを考えても、現在の財産のかなりの程度は失うことになるでしょうし、ネットワーク経由である程度の仕事は可能とは言え、通信回線や電源も確保できる保証もなく、最終的に仕事も失う可能性もあります。

しかしこれは、まさに福島で原発周辺から避難している方々の、今現在の現実です。たまたま、私たちは避難しくてもよい地域に住んでいたというだけ。そのことを思うと、避難されている方々は、私たちの姿でもあります。

 

このような最悪のシナリオを、現実的な問題として想定しなければいけない現代に、私たちは生きているのですね。

 

 

2011-09-28 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「最近の若い者はなっとらん」か?

「最近の若い者はなっとらん」「礼儀を知らん」と言う言葉を耳にすることがあります。

しかし私が若い頃も、上の方々に同じように言われていました。

古代エジプトの粘土板にも象形文字で「最近の若い者は礼儀を知らない」と書かれていた、という話も、事実かどうかは分かりませんが、聞いたことがあります。

 

私は、朝カフェやブロガー会議、社外の勉強会、そして勤務先等で、20代・30代の方々とお話しする機会も多くいただいています。

私自身は、今の若い人達にはまじめな人が多いと感じています。(もしかしたら、20年間続いている不況、激化する競争、少子高齢化など、バブル前夜だった私たちが20代の頃と比べてはるかに厳しくなっている社会的状況と、ITの発達やグローバル化などの大きな可能性が影響しているのかもしれません)

もちろん、社会経験の累積値は40代・50代の方に分がありますが、逆に未経験であるからこそ先入観にとらわれず色々とチャレンジできる、という強みがあります。

そして人間は、チャレンジして得られた結果を通して、学んでいくのですよね。だから社会が新しい状況になっても、人間社会は進化していく。

 

もし今の自分が、20代の自分の行動を見たらどう感じるか…..、たぶん、心配で観ていられないと思います。

今から考えても、恥ずかしいほど青臭いことを考えていましたし、「そんなの無理に決まっているじゃん」と思うようなことにも結構時間を使ってチャレンジしていました。しかし、そのようなことをやっていて失敗を重ねてきたからこそ、学んだことも多いのです。

 

ですので若い人達が、色々と傍目には無謀なチャレンジをしていたとしても静かに見守り、アドバイスを求められたら真剣にお応えする、ということが大切なのかなぁ、と思います。

しかし、このように書いている現在の私も、まだまだ試行錯誤しながら、経験を通して学んでいます。上段者の方からみて、現在の私も、おそらく危なっかしくてしょうがないんでしょうね。

 

 

2011-09-25 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

今年2回目の、災害による帰宅足止め

台風15号の首都圏直撃で、3.11の大震災に続き、昨日9.21も電車が止まり、災害による帰宅足止めになりました。

ということで、昨日、私の身の回りで起こったことですが、

1.当日午後、成田到着予定だった、米国IBMから来たエグゼクティブを乗せた飛行機が、台風のため成田着陸を断念し、新千歳空港に到着。昨晩は札幌のホテルに宿泊し、今朝、北海道から東京に向かっています

2.当日午後4時、仕事を切り上げて早めに帰ろうとしたら、既に午後3時半に田園都市線が全線運転取りやめ。会社に居残ることに

3.同じく当日午後4時頃。箱崎のオフィスから隅田川を見ると、様子が変。よく見ると、川面が強風で逆流。13階のオフィスからは白い波頭も見えました

4.午後6時から7時頃。台風が通り過ぎて三々五々と帰る人が出始めましたが、電車が動かないので、飲みに行く人もチラホラ。(Twitterを見ると、途中駅で電車が動かなくなったので、途中下車して飲むことにした人もチラホラ)

5.そんな中、東京電力管区で約30万世帯が停電とのこと。こんな時に、本当に大変です

6.「台風が東京を過ぎる午後6-7時には動くだろう」と思っていた東急・田園都市線ですが、結局東急のHPで動き始めたとの告知が出たのが8時21分。8時半に会社を出て水天宮発の田園都市線・中央林間駅行きに乗りました。最初は座れましたが、渋谷駅が大混雑のため、渋谷までは各駅で時間調整。渋谷では大混雑。結局たまプラーザまで通常50分のところ80分かかって、午後10時到着でした

 

中には首都圏の大混雑の中を、いわゆる帰宅難民になって大変な思いをして帰宅された方もいます。本当にお疲れさまです。

それに比べると、私の場合は動いた電車にすぐに乗れたのですし、少々帰宅が遅くなった程度で失ったものは何もありません。「帰宅難民」ではなく、単なる「災害による帰宅足止め」です。

また、台風で被災された方や、大震災で避難所生活をされていた方の中には今回の台風でまた被災された方もおられて、心が痛みます。

被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 

2011-09-22 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「原発は絶対安心です」から、「原発事故の確率はxx%です」へ。その時、私たちはどのように対応するか?

今まで「原発は絶対安心」と言われてきましたが、今回事故が起こりました。これにより、多くの方々が苦しんでおられます。

このような中で、定期検査中の原発再稼働にあたり、政府からはストレステストを適用する方針が出されています。

9月19日の日本経済新聞に、このストレステストに関連した記事「ストレステスト、原発、事故の確率明示―IAEAが国際基準、安全策強化促す」で掲載されています。

—(以下、引用)—

国際原子力機関(IAEA)は原子力発電所のストレステストの国際実施基準の中に、炉心損傷など過酷な事故が起きる確率を各国に試算させ、明示させることを盛り込む方向で検討に入った。….日本が始めた独自のストレステストはここまでの対応を求めておらず、再実施を迫られる可能性が出てきた。

(中略)

….確率の目標値などは定めないが、各原発のリスクが数字で示されることになり、対策を求められる各国政府は取り組みの焦点が絞りやすくなる。

 防護策が正常作動すれば深刻な事故には至らないため、自然災害の発生確率よりは大幅に低くなる。だが、各防護策が100%の確率で正常作動するとは想定できないことから「ゼロ%」にはならず、周辺住民の不安を招く懸念もある。

—(以上、引用)—

確かに、事故可能性を見える化する1つの方法が、事故発生確率を数値化することです。

しかし、記事にありますように何事も「100%確実」はあり得ません。

将来、事故発生確率明示化を求めるIAEAの基準に基づきストレステストを行った結果、「□□原発の事故発生確率は××%」となった場合、果たして、「稼働する」という判断ができるのか?

その判断基準の明確化と、その個別判断に対する周辺住民への納得いく説明も、今後は求められることになると思います。

 

今まで「原発は絶対安全」といったように、主観的なあいまいさが許されてきた中で、今回の事故が起こった訳で、今後はこのような客観的な評価に基づいた対策が必要になるのは、やむを得ないことなのでしょう。

その場合、私たちが「□□原発の事故発生確率は××%」という評価事実に対して向き合えるかどうかも、問われてくるのではないかと思います。

もしかしたらこれは、今後私たちが現実主義に目覚めるかどうかの試金石になるかもしれない、と思いました。

 

 

2011-09-20 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「四十、五十は洟垂れ小僧」 人生100年の時代。定年後の長い時間をいかに生きるか?

私は来年50歳です。

一般に定年は60歳と言われます。新入社員は一昔前。ちょっと前に30歳になり、ついこの前に40歳を迎えたばかりという意識でしたが、会社に入ってはや今年で27年目。60歳まであと11年間です。

いまだに恥ずかしいほど未熟で反省することばかりですし、まだまだ学び足りないことを痛感しておりますが、そろそろ定年後のことも含めて、どのように生きるかを考えていく歳になりました。

そのように思っていたら、9/13の日本経済新聞夕刊の記事「定年後に待つ長い老後――人生100年時代を生きる、退職後も働く」に、今年100歳になられる安藤さんのことが書かれています。

—(以下、引用)—

 安藤さんは慶応大学を卒業後、三井物産を経て、家業の水産業を継いだ。戦争から復員後も家業に追われ、やがて50歳で引退。晴れて老後を迎えたのは、高度経済成長が本格化した1960年代初めだった。

(中略)

….85歳の時、適正な価格で農産物などを買い取る「フェアトレード」方式でコーヒー豆の輸入事業を始めた。今も夏にコロンビア、冬にはタンザニアへ単身で出かける。

—(以上、引用)—

ううむ、「四十、五十は洟垂れ小僧」という、昔からある言葉を思い出しました。

安藤さんが引退された1960年代初めは、まさに私が生まれた頃です。

今49歳の私が生まれた頃に仕事を引退されながら、いまだにご活躍とは、素晴らしいですね。

もちろん、100歳で安藤さんほどの健康を保っている人は少ないと思いますが、100歳の長寿者は急速に増えています。私の祖母も、今年100歳で大往生しました。

記事によると、1963年に153人だった100歳以上の人たちは、2011年には47,756人、厚生労働省は2050年には68万人を超えると予測しているそうです。

記事では、100歳の今も、仲間と山登りに出かける安藤さんの写真が掲載されています。ご立派です。

改めて、自分として、100歳までちゃんと活動できるように身体を作ること。そして60歳で一区切りなどと考えずに働き続けることが出来るようにしたいと、思いました。(まだまだ「洟垂れ小僧」なのですから)

もちろん、自分が100歳まで生きられるかどうかは、神のみぞ知ることではありますが。

 

 

2011-09-14 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

あれから半年。風化していないか?

3月28日、当ブログの「そして、『いつもの日常』に戻ってしまう危うさ」というエントリーで、以下のように書かせていただきました。

—(以下、引用)—

現在の非常時モードから、普段の日常モードが戻った時に、果たして私たちが「新しい日本を創ろう」という問題意識を持ち続けられるかどうか?

(中略)

…、「新しい社会」を実現するためには、他ならぬ私たち自身が、現在の問題意識を風化させないこと、そして、それを為政者に要求し続けることが必要である、と感じました。

私自身も、今の気持ちを忘れないために、ブログを書き続けたいと思います。

—(以上、引用)—

そして今日、あの震災から半年になります。

この気持ち、自分の中で風化していないか?

常に自問していきたいと思います。

 

 

【津波映像】 大震災からもうすぐ半年。風化する記憶と、刻み込まれた記憶

あの3月11日から5ヶ月以上が経過し、もうすぐ半年になろうとしています。

「まだ大震災や津波の記憶は明確に頭の中に残っている」

そう思っていました。

 

先日、大震災から5ヶ月後に、新たにアップされた津波の映像を見ました。

約11分の動画です。

見慣れた積もりの津波の映像ですが、途中から、あの3月11日から数週間の間、常に持っていたあの感覚がよみがえり、徐々に気分が悪くなってきました。

顕在意識からは記憶が風化していく一方で、潜在意識の中では重く残っていることが、改めて分かりました。

この映像、数十年後、数百年後に津波が再び来る時、この映像を事前に見たことで助かる人も多くいる筈です。必ず後世に残していくべきなのでしょうね。

生々しい映像なので、リンクだけでご紹介します。(グロな画像はありませんが、かなりショッキングな津波映像なので、閲覧はご注意ください)⇒こちら

この映像に映ってる方々も亡くなられたのですね。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

2011-08-21 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

元復興担当相の発言で、改めて小泉元首相の凄さを知る

大木さんが「何度も言うけど、稲穂は実るほど垂れる、って知ってる?」というエントリーを書かれています。

大木さんもおっしゃるように、私の経験では、偉くなるほど、周りの人に感謝しています。

実際には、偉くなった人ほどご自身で他人の何倍も努力をされていると思います。

しかし加えて、「自分が今あるのは、他の多くの人達に支えられているからだ」というご自身の認識があるから、「稲穂は実るほど垂れる」なのでしょうね。

 

では、辞任された元復興担当相はどうだったのか、というと、テレビで数分程度放映されたごく限られた一場面しか見ていないので、本当のところは判断できません。

実際、元復興担当相のお名前を今回初めて聞いた方も多いと思います。

実はテレビに映ったのは、元復興担当相のごく一面だったのかもしれません。実際、「私はあの人をよく知っているけど、あれはあの人なりの愛情だ」と答えておられた知事さんもおられます。

ただ、マスコミは本質的に、常に大衆が知りたいと思うような新規ネタを提供し、視聴者を引き続けることで存在し続けている面があります。

そのような性質を持つマスコミに対して、格好の材料を提供してしまった訳で、あまりに不用意な態度であったことは否めないのかな、という気はします。

 

そう考えると、マスコミを通じて国民を味方に付けて、高い支持率で自分の基盤を守った小泉さんは、やはり凄い政治家だったのだな、と思います。

 

2011-07-06 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

公衆無線LANを使い始めました。加入も導入もとっても簡単。しかも速くて月数百円

遅ればせながら、公衆無線LANに加入しました。

実はお恥ずかしいことに、公衆無線LANとWifiの区別も明確についていなかったのですが、ITmediaの+D PC USERに掲載されていたこの記事を見てだいぶ理解が進み、加入しました。

ここ数年間で発売されたパソコンは、標準で無線LANが入っています。ですから公衆無線LANを使うにあたって、追加の機器は必要ありません。

加入自体はとても簡単。サイトに行って申込手続きを行い、パソコンの接続設定をするだけ。土曜日に出かける直前に自宅で10分で加入手続きをし、そのまま出かけてカフェに入って使ってみたら、すぐネット接続で来ました。

 

今まではカフェで文章を書く時は、基本的にオフライン。ネットで調べ物をする際には、iPhoneを使ったりしていました。

しかし、実際に公衆無線LANを使ってみると自宅で作業する環境とほとんど変わらず、当り前ですがとっても便利ですね。

使用料も月数百円で、これもとってもリーズナブルだと思います。

接続拠点が限られるという問題はありますが、私の場合は、普段からタリーズに入ってパソコンを使うことが多いので、タリーズでも使用できるWIRELESS GATEにしました。複数のプロバイダーをまたいで使えるローミングプロバイダーです。

ここまで来ると、問題は電源確保ですね。

私のパソコンはバッテリーがかなり寿命が来ていて、現在は1時間くらいしか持ちません。

作業時間が50分程度の通勤電車で作業する分にはこれでいいのですが、カフェで作業するにはやはりAC電源が必要です。

ですので、こちらに書いたように、そのようなカフェをいくつか確保するようにしています。

 

 

2011-07-01 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「ダイエット清涼飲料の飲みすぎで胴囲の増加」という記事から、相関関係と因果関係を考えてみる

日経メディカルにこんな記事がありました。

ダイエット清涼飲料の飲みすぎは禁物、胴囲の増加が飲まない人の6倍に

テキサス大学が384人について、1日当たりのダイエット清涼飲料の消費量ごとに、0本、0.5本未満、0.5~1本未満、1~2本未満、2本以上の5群に層別化して約3.6年間隔で3回、9.6年間追跡調査した結果によると、

・ダイエット清涼飲料の消費群は、胴囲が2.11±0.33cm増加、非消費群では0.76±0.24cmの増加
・ダイエット清涼飲料消費と胴囲の変化の間には、正の関係が確認(p<0.001)
・毎日2本以上のダイエット清涼飲料を飲んでいる群では胴囲が平均4.74cm増加(飲まない人の6倍)

この結果について、記事では下記のように指摘しています。

・「加糖飲料の消費を減らそうという努力は、ダイエット飲料の消費拡大につながっている。しかし、今回の結果は、ダイエット飲料の消費拡大に思わぬ落とし穴があることを示した」

・「カロリーを減らすためにダイエット炭酸飲料の消費を促すことは、必ずしも賢明な対策とは言いがたい。カロリーはゼロかもしれないが、もたらす結果は期待通りではない」

 

つまり、この調査では、

「ダイエット飲料をよく飲むグループ」と「胴囲が増加する」という相関関係が確認された

ということですね。

ただ、あくまで相関関係です。

当り前ですが、この研究では、

「ダイエット飲料をよく飲む」→「胴囲が増加する」

という因果関係は証明されていない、という点、ちゃんと理解する必要がありそうです。

世の中には、このような調査を元に、あたかも因果関係があるように提示するケースがあったりするので、注意が必要ですね。

 

ちなみに、以前「科学的教養は、自分を守る」で書きましたように、米国では、「ダイエット飲料は痩せるから、いくら沢山食べても大丈夫」と誤解する人もいたりします。

例えば、

「ダイエット飲料をよく飲む人は」-「沢山食べる」という相関関係

「沢山食べる人は」→「胴囲が増加する」という因果関係

に分けてみて、「ダイエット飲料をよく飲む人は、よく食べる」という相関関係と、「よく食べると、胴囲が増加する」という因果関係を証明する、というように分解して考えると面白いと思います。

 

 

2011-06-28 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

サステイナブルな社会への進化のために — 日本国内廃棄エアコン「鉱山」の価値は120億円?

MONEYzineに「エアコン廃棄、回収業者だと無料の理由 金属取出し、1台5000円の利益か」という記事が掲載されています。

この記事を見ると、エアコンは金属資源の宝庫ですね。

平成22年度の1年間で、家電リサイクル法に基づき指定取引所へ持ち込まれたエアコンの台数は314万2000台、このうち307万1000台が再商品化処理されたそうです。。

ここから再商品化されたのは、鉄3万5628トン、銅8367トン、アルミニウム1万4395トン、非鉄・鉄などの混合物4万238トン、プラスチックなどのその他有価物1万4220トン。

まさに「都市鉱山」ですね。

 

さらに、不要エアコンを無料で引き取る業者が、エアコンを金属買い取り業者に転売する場合の価格は、エアコン1キログラム当たり100円から120円が相場。

エアコンは、室外機と合せると約40Kgです。

ここで、仮にこの300万台が全て買取り業者に転売された場合の金額を計算すると、廃棄エアコンの価値(日本国内廃棄エアコン「鉱山」)が想定できます。そこで計算してみました。

300万台のエアコン(1台40Kg)は、合計12000万Kg。

1Kg当たり100-120円と想定すると、この価値は120億円から144億円。

これはかなりの規模ですね。

 

このように、商品廃棄がなくなり再資源化が様々な商品で行われるようになっていくことで、サステイナブル(持続可能)な社会に進化していくのだと思います。

リサイクル費用は、消費者としてはそのような社会を作るための「コスト」として負担するのも仕方がないのかもしれません。ただ、できれば消費者の負担なしでビジネスとしてうまく回せる仕組みがあるといいですね。

 

 

2011-06-27 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

ネット中毒で、脳の思考力が失われる、という研究結果

CNN.co.jpの2011/06/24で、次のような記事がありました。

『ネット漬け生活で脳が「ポップコーン化」 専門家が警鐘』

この記事を読むと、ネットというものはドラッグに近い中毒性を持つモノなのだと改めて認識しました。

実際、1日10時間以上ネットを利用するグループと、2時間未満のグループの比較では、前者が脳の思考を司る灰白質が少なくなっているそうです。

怖いですね。

記事では、処方箋として、以下の対策を挙げています。

1)ネット利用時間の記録をつける
2)ネット利用時間に上限を設ける
3)窓の外を眺める
4)「フリータイム」を設ける
5)電話をかける
6)ネット依存症にかかっていないかどうか診断を受ける

時間制限を決めるのは、確かによい手かもしれませんね。

 

参加型民主主義への序章。『自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」』 #openkonc

昨日14:00-16:00に総理官邸で『自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」』が開催されました。

既に動画も公開されています。

今回の参加は、

・菅 直人 内閣総理大臣
・福山哲郎 内閣官房副長官
・田坂広志 内閣官房参与
 [司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク 副代表

で、6/12の『自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」』に寄せられた質問に答える形で進められました。

ニコニコ動画だけでも3万人が参加していました。

Twitterでの質疑応答もありました。前回同様、Togetterでまとめてみました。

■議論へのコメント (ハッシュタグ#openkonc)→リンク
15:38-16:05辺りの部分のみ1500件です。(それでも全部拾えていないようです)

■質問 (ハッシュタグ#openkonq) →リンク

■専門家/メディア向け質問 (ハッシュタグ#openkonm)→リンク 

いくつか質疑応答をTwitterでメモったので、書き直して紹介します。

■町田の可喜庵というソーラーハウスを展開しているエコハウスから「個人住宅で井戸水を使ったりトイレは浄化槽を自然エネで動かすような防災拠点を展開したい。国として支援して欲しい」

→首相「島や個人の住宅が自然エネで全てまかなうモデルを作りたい。制度作りも含め拡がるよう応援したい」

■宮城県・仙台から「経産省と市民団体NPOの間で定期的なエネルギー政策協議の場を持つことは可能でしょうか?海外では10年以上、官庁とNPOが定期的に協議しているケースもあります」

→首相「自然エネルギーは、大勢の人が参加しないと拡がらない。どういう場がありえるか、実験的にでも行いたいと考えています」

■「不安定な自然エネ普及を考えるのならば、蓄電・スマートグリッドの整備も考えるべきでは?」

→首相「全くその通り。色々な組合せで考えていくべきだと考えている」

■「ドイツでは、自然エネルギー普及に際して国民負担を招いた。日本ではどうか?」

→首相「これは投資であり確かに最初にお金はかかる。将来のエネルギーはどうあるべきなのか、国民が将来の姿を考えて、どう育てて投資するか、判断することだと思います」

→福山副長官「自然エネルギーが高いと言われるが、何をもって高いのか?エネルギーの長期的コストも考えて示すべき。ドイツはそれを示して国民が選択し投資た結果、10年で太陽エネルギーが17倍になった。過去、日本では銀塩カメラ→デジカメや、固定→携帯への切替えは5-7年で起った。先進技術はすごい勢いで普及する。日本でも自然エネルギーが普及できる筈だ」

→首相「その制度(エネルギー買取り)を作ることが、普及に繋がる、と考えている」

■「原発廃止や発送電分離について、イタリアのように国民投票してはどうか?」

→首相「日本では国民投票制度がないが、国民が選択できるようにはすべきだと思う。ただ、「廃止か?継続か?」という単純な議論ではなく、前向きに選択できるように、例えば、『現在の自然エネ1%をいかに20%にするのか』という選択肢を、政治が専門家の力を借りてまず用意すべきだと思います」

→首相「電力問題は二つの視点が必要と考えている。①ピーク時にどうするか?→業務シフトなどでの対応、②長期的にどうするか?→原子力依存の見直し。ある時期は化石燃料が増えるのはやむを得ないが、自然エネ+省エネへのシフトを進めることで、経済界にもよい影響があると考えている」

■長野県飯田市(エコタウン全国2位)から「飯田市では会社と行政が一緒に太陽光発電を普及させている。3.6%世帯で太陽光パネル設置。他にバイオマス等の再生エネ/省水も模索中。環境モデル都市として取り組んでいる。さらに全国に普及するためにモデル的取組みを推進したい。政府に水利権等規制の緩和を期待している」

→首相「農水省に水利権等整備の取組みを指示したい。」

■「復興支援や原発問題についてもこのような会議はできないか?」

→首相「是非やりたい」

■田坂参与「現状をどうするか?、という現在への対策と、将来どうすべきか、という考えは分けて考えるべきでしょう。原発事故の原因は今も調査中で今後の対応を検討しているところです。私達が今議論しているのは、『結局、脱原発なのか、原発は継続すべきなのか?』という単純な議論ではないことを、皆様にはご理解いただきたい」

■田坂参与「このオープン懇談会は、参加型民主主義のスタイルです。自ら参加し、考え、行動する。これが自然エネと相性がよいようです。どこまでいっても、参加している国民が主人公です。」

→首相「初めて立候補した頃、「あきらめないで参加型民主主義を目指す市民の会」を作った。これは自分の政治のキーワードになっている。自然エネルギーは参加型エネルギー。国民が参加して新しいものを作ることに合ったテーマだと思う。しかし物事を変えるには力と中身(アイデア)が必要です。他テーマでも、このよう場を提案型交流として広げていきたい」

 

この試みは海外でも興味を持たれているようで、Twitterでエネルギー専門家でもあるChris Nelder氏による下記のような書き込みもありました。

The #Openkonc "participatory democracy" approach to rethinking Japan’s energy mix is innovative & useful. Wish the US would do the same.

(日本のエネルギーのあり方を再考するための#Openkoncによる「参加型民主主義」の方法は、革新的でとても有用だ。米国も同じことができるとよいのだが)

 

自然エネルギーのオープン懇談会は今後も続く予定ですし、復興や原発問題などへの展開も首相が「是非やりたい」との意向です。まさに、参加型民主主義への試みが拡がりつつあるのを実感します

現在、政党間の権力争いによる「菅降ろし」を見ていても、代議制が今や限界に突き当たっているのは明らかです。

インターネットを活用して、いかに民主主義の新しい形を作っていくか、考えていくべき時期に差し掛かっているのかもしれません。

 

一方で、この試みに対しては、マスコミにも前向きに対応いただきたいと願っています。

多くの人達がTwitterで書き込みをしているのに対して、Twitterの専門家/メディア向け質問 (#openkonm)への書き込みはごくわずか。会社名と名前を名乗って、メディアの立場で質問しているのは数名だけです。

先日のあるテレビ番組で、今回の試みに対して、ある政治記者が「どうしても、ひねくれて見てしまいます」のコメントしていました。ともすると中抜きされかねない、メディアの偽らざる本音かもしれません。

ただ見方を変えれば、このような場こそ、メディアが蓄積してきた実力によって、様々な問題提起を国民に率先して行う大きなチャンスでもあります。

実際、今回の試みでも、上記のハッシュタグのようにメディアや専門家が参加できる場を用意しています。(特別扱いされていないことが、今まで特別待遇だったメディアが感じる違和感なのかもしれませんが)

メディア各社も一緒になって、あるべき姿を考えていければ、日本はさらによい国になっていくと思います。

 

【6/19(日) 14:00 @ 首相官邸、誰でもTwitter参加可】『自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」』、先週に続いて開催 #openkonc

当ブログでもご紹介しましたが、6/12に開催された『自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」』は、ネット動画中継を通じて延べ15万人以上が視聴し、ツイッターを通じて1万5千を超えるコメントや質問があったそうです。

この結果を踏まえ、本日6/19(日) 14:00-16:00に総理官邸で『自然エネルギーに関する「総理・国民オープン対話」』が開催されます。

詳細は下記の通り。

【6/19 14:00追記】アクセスはこちらから。

全く新しい「直接民主主義」実現への一つの試みでもあります。

6/17(金)のBSフジ「プライムニュース」に出演されていた田坂広志内閣官房参与も、「この試みは継続性を持って行っていきたい」とお話しされていました。

ご興味がある方は、是非ご参加を。

—(以下、案内)—

1.開催趣旨

6月12日(日)に官邸に5人の有識者をお招きして開催された「自然エネルギーに関する総理・有識者オープン懇談会」は、ネット動画中継を通じて延べ15万人を超える方々が視聴され、ツイッターを通じて1万5千を超えるコメントや質問を頂きました。

この結果を踏まえ、今週末、6月19日(日)に、官邸にて「自然エネルギーに関する総理・国民オープン対話」を開催いたします。

これは、前回の「オープン懇談会」の最中にツイッターで投げかけられた主な質問を取り上げ、総理が直接にコメントや回答を述べることを通じて、多くの国民の方々との対話を試みるものです。

また、同時に、全国各地でグループで会場に集まり、この「オープン対話」に視聴参加される方々とは、動画中継を使って会場と官邸を結び、メッセージの交換をさせて頂きます。

今回の「オープン対話」も、前回の「オープン懇談会」と同様、ネットを通じてすべての動画中継を行い、ツイッターを通じてコメントや質問をお受けいたします。

6月12日に引き続き、多くの方々に参加して頂ければ、幸いです。

なお、6月12日の「オープン懇談会」は、政府インターネットテレビから、そのすべての動画がご覧になれます。

また、今回の対話の中でも、12日の懇談会の一部を映像で振り返ります。

2.日時  平成23年6月19日(日) 14:00~16:00

3.場所  官邸4階大会議室

4.会場側 参加者

 ・菅 直人 内閣総理大臣
 ・福山哲郎 内閣官房副長官
 ・田坂広志 内閣官房参与
  [司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク 副代表

5.その他

・オープン対話での議論に対しては、ツイッターの次のハッシュタグによって、コメント参加をすることができます。 (コメント用 #openkonc)
・同様に、次のハッシュタグを使って、質問することができます。 (質問用 #openkonq)
・また、専門家、メディアの方は、次のハッシュタグを使って、質問して下さい。 (#openkonm  職業と氏名を明記の上ご質問ください)
・時間の制約上、頂いた質問の全てに対して、対話の中でお答えすることは困難な場合があります。ご了承ください。

以上

—(以上、案内)—

 

2011-06-19 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

6万人以上がライブ参加!日本の民主主義が大きく変わる胎動を感じた、『自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」』 #openkonc

昨日のブログでご紹介の通り、『自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」』が開催されました。

このオープン懇談会、マスコミではあまり報道されていません。

そもそも、総理が記者クラブを通さずに、国民に直接話しかけること自体、かつてありませんでした。

しかし、これは日本の民主主義を変える可能性を持つ画期的な試みであり、是非多くの人達にお伝えしたいと思い、ブログで紹介させていただきます。

 

私は、この懇談会に自宅から参加しました。

首相官邸で参加されたのは、

・菅直人 内閣総理大臣
・福山哲郎 内閣官房副長官
・田坂広志 内閣官房参与
・枝廣淳子 環境ジャーナリスト
・岡田武史 元サッカー日本代表監督
・小林武史 ap bank代表理事
・坂本龍一 ミュージシャン (ビデオメッセージによる参加)
・孫 正義 ソフトバンク社長
[司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク 副代表

ライブ中継では、ニコニコ動画の高画質版だけで6万人が参加しました。低画質版をあわせると確実に10万人以上でしょう。

既に動画も公開されています。→リンク

また、Twitterで多くの方々が意見を述べておられましたので、まとめました。

■議論へのコメント (ハッシュタグ#openkonc)→リンク
15:55-16:03辺りの部分のみですが、それでも1500件以上、しかも全部拾えていません。恐らく10万件以上の書き込みがあったのではないでしょうか?
私の発言は沢山の中に紛れてしまったので、備忘録としてまとめました。→リンク

■質問 (ハッシュタグ#openkonq) →リンク

■専門家/メディア向け質問 (ハッシュタグ#openkonm)→リンク
書き込みは多いのですが、「職業と氏名を明記」のガイドに沿った質問は少数でした。メディアや専門家が、こういう場所でもっと質問し、ネットで議論を闘わせるようになると、メディアのあり方も変わってくるかもしれません

 

新しいエネルギーのあり方について、参加者が様々な議論をなさっていました。そのごく一部をご紹介します。

菅総理は、「国民がエネルギー供給に参加する権限を与える、ということ。買取り価格が適正であれば個人の間にも自然エネルギーが拡がる。行政の責任は、自然エネルギーと原子力の二つの選択肢を用意することだ」とおっしゃっていました。

これはスマートグリッドの本質を捉えた発言ですね。スマートグリッドは、発電・蓄電があらゆる場所で行われ、情報と送電が双方向になります。「エネルギーの安定供給」という発想自体が既に古いのかもしれません。まだまだ課題がある自然エネルギーですが、自然エネルギー自体を魅力のあるものにしていかなければいけないのでしょうね。

Twitterでは、「菅さんのこういう発言を聞いていると、マスコミをあげての菅おろしが、いったいどういう勢力によってなされたのか、透けてみえてくる。」という意見もありました。

 

また岡田元監督は、「組織的には分散型が強い。生命もサッカーもそう。中央集権だとある程度まで行くがそれ以上はいかない。エネルギーも分散型にせざるを得ないのではないか?その枠組みは作る必要がある。例えば脳が拒否してしまうと身体が死んでしまう。」とおっしゃっていました。

新しいエネルギー循環の仕組みであるスマートグリッドも、まさに分散型。そのためには、政府がその枠組みを作っていかないといけないのでしょう。

 

孫さんは、「欧州では10年前に自然エネルギーはほとんどなかったが、今、既に大きく普及している。日本もできないはずはない。電気料金は一時的には高くなるが、化石・原子力が長期的にはコストが上がる(化石燃料・原子力の補償など)。作る時は40-50年レンジでコストを考えるべき」と発言がありました。

孫さんご自身が関わっていたブロードバンドの世界でも同じことがありました。2000年頃の日本のブロードバンドは少数通信企業の独占で速度は遅く高価格でした。しかし競争原理が導入され、2-3年後には世界一安く速い通信インフラが普及しました。

自然エネルギーでも、日本でできる可能性は大きいと思います。

 

今回のオープン懇談会に参加して思ったことは、私たち国民が必要と考え、国がそのための施策を作って後押しすることで、自然エネルギーは大きく普及していく、という大きな可能性です。

 

また、このようにインターネット中継とTwitterを組合わせた懇談会は、素晴らしい仕組みだと思いました。このような声を政治に反映していく…直接民主主義実現への糸口になると思います。そしてオープン懇談会の最初で、そのこともTwitterに書き込みました。

同じ意見があったようで、冒頭でも、司会の藤沢久美さんからも、Twitterでの意見として、紹介されていました。

また田坂広志参与も最後に、エネルギーの民主化を通じて、民主主義のあり方が問われている中で、このオープン懇談会を開催した、ということを述べておられました。

今回、内閣官房が主導して行ったこのオープン懇談会。

記者クラブや報道メディア各社のフィルターを通してしか知ることがなかった、菅さんの姿が分かりましたし、国民の真摯な声も直接、内閣官房に届けることができました。

今後、日本の民主主義が進化していく上で、大きな契機になっていくのではないか、と思います。

 

 

2011-06-13 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

【6/12(日) 14:00 @ 首相官邸、Twitter参加も可】自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」について

本日14:00-15:30、首相官邸で、自然エネルギー本格的普及について要望を寄せた下記有識者と菅総理の懇談会が行われます。

・枝廣淳子 環境ジャーナリスト
・岡田武史 元サッカー日本代表監督
・小林武史 ap bank代表理事
・坂本龍一 ミュージシャン (ビデオメッセージによる参加)
・孫 正義 ソフトバンク社長
[司会]藤沢久美 シンクタンク・ソフィアバンク 副代表

懇談会はネットで動画中継され、Twitterでも質問を受け付け、全国民がリアルタイムで参加できる「オープン懇談会」となります。

参加方法はこちらに記載されていますので、参加されたい方は是非。

 

2011-06-12 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「起きることは、全てよきこと」 自分史で、自分をふり返る

昨日、毎月恒例のオルタナ定例ミーティングが開催されました。

毎回、ブロガーの方が講演をなさるのですが、今回は「点をつなぐ」の高橋誠さんによる「自分らしく生きるための自分史活用法」でした。

 

高橋さんは、「過去は変えられないが、過去の認識は変えられる。自分史で過去の自分をポジティブに捉えることができる」とおっしゃっています。

そして当日の講演では、0歳から今まで1年毎に何があったかを埋める形になっている記入シートを渡され、参加者は20分をかけて記入しました。

このシート、とってもいいと思いました。

それは1年単位で記入できる点と、世の中の動きと連動して眺めることができる点です。

実は、私は自分ポータルのプロフィールに自分史をまとめています。これは、「この時はこうだった」ということを書き出して、それをまとめたものです。

そこで高橋さんの記入シートで改めて1年単位で見てみると、色々と気付きがありました。

「この仕事をしていたのは、こんなに長い期間だったのか」とか、「こんなに短い期間にこれだけ集中してこんなことをやっていたのか」とか、「この時はこんなことがあったのか」という気付きが得られました。時間の長さや社会の動きを把握できるので、より客観的に把握できる点が、とてもよいですね。

 

また、過去のふり返りワークシートも渡されました。自分の挫折体験を改めてふり返って、出来事の詳細、当時の思い、現在から見た意味、学び・気付き・行動を記入する形になっています。

過去の自分の挫折体験を、再認識し、その意味を考えるためには、とてもよいツールですね。

「起きることは、全て良きこと」

という言葉がありますが、まさにそのことを気づかせてくれます。

最期に高橋さんは、次のように締めくくられました。

「答えは自分の中にある」

自分史は、その答えを掘り出す作業を、手伝ってくれるのですね。

確かに、長く生きている人ほど、自分の中に金鉱が埋まっています。

一方で、若い人は長く生きている人と比べると埋まっている金鉱は少ないかもしれません。しかし、探し出した金鉱を宝物に変える柔軟性は、長く生きている人よりも高いと思います。

若い人にとっても、長く生きている人にとっても、自分史は大きな価値があるのだ、と思いました。

 

 

在宅勤務普及を阻む壁、そしてそれを崩す可能性を持つエンタープライズ・ソーシャルウェア

JBpressに掲載された『「在宅勤務」に不安を覚える日本の会社員』という記事を読みました。

社会人になってから27年間ずっと外資系企業勤務だった私にとって、気がつかなかった日本企業における在宅勤務導入の壁が描かれていて、とても参考になりました。

記事によると、ある企業では、「みんなが集まって、組織として仕事が前に進めばよし、とされてきた」仕事の方法があるため、「在宅勤務になると、やるべきことがはっきりしていないので、何をやっていいか分からない。」状態になってしまう、とのことです。

考えてみると、私の勤務先である日本IBMの場合、個人毎の仕事の割り当てと評価基準は明確です。

恐らく、他の多くの外資系企業もそうなのではないでしょうか?

私が新卒入社の頃、中途入社で同じ部門に配属された人がいました。この方の前職はある典型的な日本企業でしたが、「日本IBMは、個人の仕事の責任範囲が広くて驚いた」とおっしゃっていました。

日本IBMでは、個人の仕事の責任範囲が明確なのは、新人でも変りありません。ただし、仕事の難易度と求められるアウトプットの質は、当然ながら、経験やスキルに従って高くなります。

『足りない部分を誰かがカバーする「助け合い」によって進む仕事』と『曖昧な評価』という要因以外にも、記事に書かれている…

・「会社でないと得られない仲間意識」
・「企業への帰属意識」
・「お互いに働いている姿を確認し合う行為」

…も、在宅勤務普及を阻んでいるのかもしれません。

しかしこれらは日本企業のよさでもあります。

これらを活かしつつ、いかに在宅勤務を展開するか、が「在宅勤務」普及のカギなのでしょう。

エンタープライズ・ソーシャルウェアは、企業内で場所を超えたネットでの仲間意識の涵養を促進する手段ですので、一つの解決策になり得るのではないか、と思います。

 

2011-06-02 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

『「内閣不信任案」提出を望んでいる国民は、どの位いるのか?』 街頭調査実施を希望

私はブログには政治的な話をあまり書かない方針です。

ただ、ちょっと思うところがあり、今回は書かせていただきます。(なお、私は支持政党は特にありません)

 

現時点で、内閣不信任案提出を望んでいる人は、世の中にどの程度いるのでしょうか?

少なくとも、ニュースで街頭インタビューしているのを見ている限り、「賛成」と言っている人は皆無で、ほとんどの人は否定的です。

 

確かに、現政権は色々と不手際があるかもしれません。

しかし一方で、限られた時間で、人間は多くのことは出来ません。

大震災後からもうすぐ3ヶ月が経とうとしている現在、政治の世界でも、政権交代以外にも、やるべきことが色々とあるはずです。

政権交代が目的化され、「震災後の日本の姿を具体的にどうするか」については思考停止に陥っているようにも感じます。

あるいは政権交代した時点で、一気に日本の将来の姿が具体化するのでしょうか?その日本の将来の姿は、内閣不信任案に賛同している議員の方々は、現在、持っているのでしょうか?

 

ここ数年間の日本は、常に辞任圧力と戦いながら政権運営する国になったように思います。

それは現在与党になっている政党が、野党時代だった時にも言えることです。

この状態が続くと、日本国は、短期的な犠牲を払って長期的な判断をすることが、ますますできなくなっていく国になってしまいます。

 

そこでマスコミ各社には、「内閣不信任案」提出を望んでいる国民が実際にどの程度いるのか、ぜひ街頭調査した上で、フィードバックしていただきたいところです。

「内閣不信任案提出を望んでいる」国民が10%程度だったとしたら、….それを発表することで政治の動きも少しは変わってくるのではないでしょうか?

本来マスコミには、そのように国民の本当の声を政治の動きに反映する役割も持っていると思います。

期待したいところです。

 

 

大震災後、定期的にチェックしている2つのサイト

■その1:Yahoo!地震情報

Yahoojisin_3

日本全国の過去5000件の地震を見ることができます。

地震発生後2-3分程度で反映されます。

iPhoneなどでブックマークしておくと、外出中に地震が発生しても、どんな状況なのかすぐに把握できます。

地震の前は確か過去50件程度しか見ることができなかったのですが、これだけ地震が頻繁に発生しているので数を増やしたようですね。

震災後は頻繁にチェックしていますが、地震の数はなかなか減りませんね。

 

■その2:東京電力・電力の使用状況グラフ

Tepcopower_3

東京電力管区での電力使用状況が、1時間毎に表示されます。

当日実績、前年相当日、前日実績、本日のピーク時供給力、本日の予想最大電力を見ることができます。

夏に向けて、電力がどの程度切迫しているのか(あるいは余裕があるのか)がよく分かります。

これを見ると、「関東地方では、節電効果が結構上がっているのだなぁ」と実感できます。

 

 

科学的教養は、自分を守る

2011/5/23の日本経済新聞の記事「東日本大震災 科学者が語る(3)」は、東京大学教授・坂村健さんのインタビューでした。

日頃思っていたことが書かれていて、「わが意を得たり」と思いました。

—(以下、引用)—

 政治家や専門家に難題の解決を任せるのではなく、自分で合理的に判断する姿勢が必要だ。それには科学的教養を身につけていなければならない。今回、ベクレルやシーベルトといった専門用語が日常生活にも飛び交ったが、分からない言葉に出くわせば、インターネットですぐに調べるようにしたい。

 放射性物質だけでなく、食品や薬でも正しく理解しておかないと、生きていけない。科学に関する基礎知識は義務教育でもっと教えるべきだ。

—(以上、引用)—

例えば、健康商法でも、詐欺事件でも、非科学的な話に騙される人はあとはたちません。

 

日本は比較的、世界の中でも平均的に科学的教養がある国だと思います。

例えば、以前、米国で飛行機に乗ったときに経験したことですが、隣に座った大きな体格のふくよかな米国人女性が、機内サービスで「何をお飲みになります?」と言われ、ダイエットペプシを注文し、持ち込んだ大きなポテトチップスの袋を瞬く間に食べてカラにしているのを見たことがあります。

この時は、「多分、日本人なら、ダイエットペプシはカロリーがゼロなだけと分かるから、『これを飲むと、やせるからポテトチップスを沢山食べても大丈夫』という発想はしないだろうなぁ」なんて思いました。

 

しかし、これはある意味で、科学的教養を持たないとどんな行動をするか、という反面教師だと思います。

気がつかないうちに、私たちも「ダイエットペプシを飲めば、いくら食べても大丈夫」という発想に陥ってしまう可能性はあるわけです。

いずれにしても、自分たちを守るためには、科学的に考える習慣は身につけたいものです。

 

過去日本最大の津波は80m。そして、太平洋岸の多くの地域は過去大津波に襲われているという事実

過去、日本で発生した津波で一番高かったのは、1771年4月24日に沖縄・八重山地震で発生した「明和の大津波」。

石垣島での津波の最大波高は40メートル、最大遡上高は80メートルと言われています。

琉球大学理学部 中村衛研究室の調査によると、この津波で、八重山諸島で約9000人、宮古島で約2000人の死者が出たそうです。

津波直後から疫痢・マラリア・伝染病が流行。その後は塩害の影響で農作物の生産が低迷して餓死者も出て、100年後の明治には人口が1/3にまで減少したと記録されています。

 

先日、「日本の過去1000年以上の地震年表で、日本の地震の傾向がかなり分かる件」でも書いたように、過去日本の地震で大きな被害を生み出しているのはほとんど津波によるものです。

過去、日本で1万人以上の死者を出した地震は十数件発生していますが、このうち津波が関わっていないのは、1855年の安政江戸地震(死者4,700~11,000名)と1923年の関東大震災(死者・行方不明105,385名)だけ。

実際、太平洋沿岸のほとんどの場所では、百年単位で大きな津波に襲われています。

三陸地方では50年単位でしょうか?そう言えば、小学生の頃、三陸地方はいつも津波に襲われていた、ということを教わった記憶があります。

私は海岸の風景が昔から好きでしたが、東日本大震災後は、「この海岸線で高台はどこか」を気にしつつ少し複雑な気持ちで眺めるようになりました。

 

日本の海岸線には、原発に限らず、日本のインフラを支える多くの施設があります。

これからも、「想定外」を「想定内」にする努力は、続けていきたいものです。

 

 

いま、様々な場面で行われる「トリアージ」

2011/05/10の日本経済新聞で、「大機小機:政策のトリアージ」というコラムが掲載されています。

「トリアージ」とは何でしょうか?

—(以下、引用)—-

 少数の医療チームで、あまたの傷病者を手当てするには優先度をつけざるを得ない。軽症の人は後回し、重症者でも治療して命を救える人は優先するが、助かる見込みのない人に手間はかけられない。非情だが緊急時に欠かせない選別がトリアージだ。

—(以上、引用)—-

この「トリアージ」という言葉、先日出版した本「バリュープロポジション戦略50の作法」第46章でも、「戦略立案の際に、問題を捨てることができず、すべての問題に対策を立てて対応しようとする」例として紹介させていただきました。

まさに有事の今、「トリアージ」はあらゆるところで求められ、行われていることを実感している方も多いのではないでしょうか?

有事だからこそ、今まで実行できなかった判断ができるポジティブな面を捉えて、考えていきたいですね。

 

 

2011-05-14 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

たった一人の反対で前に進めなくなる、過度な「個人の権利」の尊重の弊害

民主主義における「個人の権利」と、「公共の利益」は、時として相反します。

2011/05/08の日本経済新聞の記事「危機からの再出発(6)語られぬ『公共の利益』」で、このことについて、興味深い記述がありました。

—(以下、引用)—

 今回の原発事故で表面化した不安定な電力供給にも、用地取得の難しさが影を落としている。東西の電力を融通しあう中部電力東清水変電所。東電の電力不足対策に役立つはずだったが、送電線設備の用地買収が遅れ、本格稼働が予定の96年から2012年へと大きくずれ込んだ。

 政府の復興構想会議で委員を務める河野龍太郎(46、BNPパリバ証券)は話す。「日本は私権制限の議論をはばかってきたために、インフラ整備が進まず、望ましい改革も遅れ、得るべき利益を失った。日本全体にどんな得失があるか、正面から向き合うべき時だ」

(中略)

 生存権や表現の自由など基本的人権を尊重するのが民主主義だ。日本は戦前の軍国主義の反省もあって、とりわけ個人の権利を大切に扱ってきた。ただ、ややもすると、一人の反対で前に進めなくなる袋小路に陥っていたのも事実だ。

—(以上、引用)—

確かに日本社会では、「弱い人達は、大切にしよう」という主張がされると、それ以上の議論ができなくなり、思考停止状態に陥りがちです。

記事にあるように、軍国主義の行き過ぎた反省なのかもしれません。

しかし、個人の権利の過度な主張もまた、公共の利益を損うことも多いのは、様々な組織を運営していると実感するところではあります。

「ほぼ全員が賛成していたのに、一人だけが『私の事情を考えて欲しい!困る!』と強硬に反対したので、進められなかった」という経験をされた方、結構多いのではないでしょうか?

記事では、以下のように結んでいます。

—(以下、引用)—

 政治が難しい利害調整を避ける。先送りで傷口が広がる。巨額の借金も、長引くデフレも、無関係とは言い切れない。いまこそ悪癖を改め、怖がるだけで何もしない悪循環から抜け出す起点にすべきではないか。

 「優しい政治」「国民目線」といった言葉だけではない。臆せず難題と向き合い、真正面から解を探す。民主主義の強さが試される。

—(以上、引用)—

個人の権利、確かにとても大切です。

ただ、それだけを金科玉条のごとく守って思考停止状態になると、全体が少しずつ不幸になってしまいます。

記事にもあるように、「個人の権利」と「公共の利益」の利害調整という難題から逃げずに、最適解を探す。

今の日本だからこそ、為政者だけでなく、私たち一人一人にとっても、求められているのでしょうね。

 

原発事故。「健康にはただちに影響はない」けど、「では長期で考えると、どの程度影響あるのか?」

今回の原発事故で、政府から「健康にはただちに影響はない」という発表が相次いでされています。

「健康にはただちに影響はない」と言われると、「では長期で考えると、どの程度影響あるのか?」と不安に思うのは、当り前のことですね。

2011/05/08の日本経済新聞記事 『放射線とからだ(上)外部被曝、浴びた量に注意―低いレベルでは個人差大きく』で、このことについて解説しています。

記事は長いものですが、とても参考になったので、「長期的にどの程度影響があるのか」という点に絞ってご紹介したいと思います。

 

まず、放射線の被曝による健康被害は二種類あります。

一つ目は、一度に大量の放射線を受けて障害が出る「急性障害」です。

1シーベルトを超えるとリンパ球の減少や嘔吐(おうと)などの健康被害が起きます。

現時点の福島第1原発の状況では、これだけの放射能を受けた周辺住民は出ておらず、住民が急性障害になる可能性はほとんどゼロとのこと。

二つ目は、放射線量を浴びてから時間が経過し、がんなどの症状が出る「晩発性障害」です。放射線がDNAを傷をつけ、細胞をがん化させるためです。

これについては、広島・長崎の原爆による被爆者を長期間追跡した疫学調査が紹介されています。

以下は、放射線影響研究所の資料により一部改変・抜粋した資料です。(1958年~1998年の調査)

 

広島・長崎の被爆者における固形がんの発生リスクと放射線の影響

 

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

   

      

      

      

      

      

   

 

線量(ミリシーベルト) 被曝した人 がんになった人 そのうち被曝しなければがんにならなかったと推定できる人数 放射線の寄与率 (%)
5-100 27789 4406 81 1.8%
100-200 5527 946 75 7.6%
200-500 5935 1144 179 15.7%
500-1000 3173 688 206 29.5%
1000-2000 1647 460 196 44.2%
2000超 565 185 111 61%
合計 44635 7851 848 10.7%

 

確かに、高い放射線量を浴びる程、影響は高くなっています。ただ、5-100ミリシーベルトの放射能を浴びた27,000人の被爆者のうちがんになったのは4,400名で、そのうち被曝によりものと推定できるのは1.8%。

実際には、同研究所疫学部の陶山昭彦部長は「線量が低い場合は、喫煙などの生活習慣などによって引き起こされたがんと区別ができない」と説明しています。

—(以下、記事より抜粋)—

 そもそも放射線を浴びなくても、日本人の半分はがんになるとされる。そのため、放射線の影響でがんを発生したと判断するには、被曝してから、がんの発生率が有意に上昇したとする結果が出なければ原因だと断定しにくい。

—(以上、記事より抜粋)—

今回の原発事故は確かに深刻な問題ではありますが、不必要に不安になることは避けたいものです。

また、記事では以下のようにも書いています。

—(以下、記事より抜粋)—

 ただし、低レベルの放射線量による健康影響は科学的に分からない点が多く、将来がんが発生する可能性は否定できない。今後、福島第1原発事故が収束するまで、一定レベルの放射性物質は出続けるとみられ、国民の不安を解消するためにも住民の健康を長期間にわたり調べるべきだとの声は根強い。

—(以下、記事より抜粋)—

今回のデータは、しっかりと取って、今後に備えていきたいですね。

 

 

2011-05-09 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「分別ありては突破る事ならず、無分別が虎口前の肝要なり」

表題は、『葉隠』の一節です。

 

確かに、分別は大切です。

しかし切羽詰まった状況にいながら、色々と考えすぎたり、あるべき姿を議論したりして、悩んでいるうちに、時間だけが過ぎて結果がでなかったり、あるいは取り返しがつかない状況になることも、よくあります。

 

分別がありすぎるのもまた、問題なのですね。

 

 

2011-05-08 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

日本の過去1000年以上の地震年表で、日本の地震の傾向がかなり分かる件

Wikipediaの「地震の年表」で、日本の過去の巨大地震の一覧を見ることができます。

これを見ると、過去、日本の至る所で大きな地震が発生し、多くの犠牲者が出たことが分かります。

一覧では非常に多くの地震がリストされているので、下記にM8以上または死者1000人以上のものに限定して、挙げてみました。

参考までに、犠牲者の数のインパクトを把握するために、当時の日本の人口も合せて調査しました。(Wikipediaの「近代以前の日本の人口統計」及び「国勢調査以前の日本の人口統計」を参照。なお、近代以前は複数の調査研究を参照しているので人口推定値に幅があります)

1世紀 高知県土佐市で高知大学が超大型津波痕跡を発見。M9級の東南海地震によるものと推定
684年11月29日 白鳳地震(南海地震)M8.0~8.3、死者多数。土佐で大きな津波被害。ほぼ同時期に東南海・東海地震も発生
869年7月9日 貞観三陸地震 – M8.3~8.6、貞観津波の被害で死者約1,000人
【当時の日本の人口:600万人~700万人】

887年8月26日 仁和地震(南海地震) – M8.0~8.5、京都・摂津で死者多数。津波あり。ほぼ同時期に東南海・東海地震も発生。
1096年12月17日 永長地震(東海地震)- M8.0~8.5、死者1万人以上。伊勢・駿河で津波による大きな被害
1099年2月22日 康和地震(南海地震)- M 8.0~8.5、死者数万。土佐で津波により大きな被害
【当時の日本の人口:575万人~700万人】

1200年頃 地質調査によれば南海・東南海・東海地震が発生。
1293年5月27日 鎌倉大地震 -M7.1、死者2万3,000人あまり、余震多発。
【当時の日本の人口:700万人~975万人】

1360年11月21日・22日 紀伊・摂津地震(東南海地震?) – M7.5~8.0、死者多数。津波あり
1361年8月3日 正平・康安地震(南海地震)- M8.0~8.5、死者多数。摂津・阿波・土佐で津波により大きな被害

1498年9月20日 明応地震(東南海・東海地震) – M8.2~8.4、死者3万~4万人以上。伊勢・駿河で津波により大きな被害、浜名湖が海と繋がる。ほぼ同時期に南海地震も発生。
【当時の日本の人口:800万人~1700万人】

1586年1月18日 天正大地震 – M7.8~8.1、死者多数
1596年9月5日 慶長伏見地震(慶長伏見大地震) – M7.0~7.1、京都や堺で死者合計1,000人以上
17世紀前半 千島海溝南部(十勝沖から根室沖まで)を震源とするM 8.6クラスの地震が発生したと推定
1605年2月3日 慶長地震(東海・南海・東南海連動型地震)- M 7.9~8、関東から九州までの太平洋岸に津波、死者1万~2万人
【当時の日本の人口:1200万人~2200万人】

1611年9月27日 会津地震 – M 6.9、死者3,700人。
1611年12月2日 慶長三陸地震 – M 8.1、死者約2,000~5,000人。
1662年6月16日 近江・山城地震 – M7.4~7.8、死者数千人。
1666年2月1日 越後高田地震 – M6.4、死者1,400~1,500人。
1703年12月31日 元禄地震(元禄関東地震) – M8.1、死者5,200人(20万人とも)。関東南部に津波
【当時の日本の人口:2800万人】

1707年10月28日 宝永地震(東海・南海・東南海連動型地震) – M8.4~8.7、死者2,800~2万人以上。49日後に富士山の宝永大噴火。
1741年8月28日 北海道西南沖の大島で火山性地震 – M 6.9、死者2,033人。大津波発生
1751年5月21日 越後・越中地震 – M 7.0~7.4、死者1,541人。高田で火災など。
1766年3月8日 津軽地震 – M 6.9、弘前城損壊など。死者約1,500人。
1771年4月24日 八重山地震(明和の大津波) – M 7.4~8.0、死者約12,000人。最大波高85m
1792年5月21日 島原半島で土砂崩れによる大津波(島原大変肥後迷惑) – M 6.4、死者約15,000人。
1793年2月17日 三陸沖で地震(連動型宮城県沖地震) – M 8.0~8.4、死者100人程度
1828年12月18日 越後三条地震 – M 6.9、死者1,681人。
1843年4月25日 十勝沖地震 – M 8.0、死者46人。厚岸に津波
1847年5月8日 善光寺地震 – M 7.4。山崩れと洪水、死者約1万~1万3,000人。
1854年7月9日 伊賀上野地震(伊賀・伊勢・大和地震) – M 7.6、死者約1,800人。
1854年12月23日 安政東海地震(東海・東南海地震) – M8.4、死者2,000~3,000人。房総半島から四国に津波
1854年12月24日 安政南海地震 – M8.4、死者1,000~3,000人。紀伊・土佐に津波で大きな被害
1855年11月11日 安政江戸地震 – M6.9、死者4,700~1万1,000人。
1891年10月28日 濃尾地震 – M 8.0、死者・行方不明者7,273人
1896年6月15日 明治三陸地震 – M8.2~8.5、死者・行方不明者2万1,959人。
【当時の日本の人口:4200万人】

1923年9月1日 大正関東地震(関東大震災) – M7.9、死者・行方不明者10万5,385人
【当時の日本の人口:5600万人】

1933年3月3日 昭和三陸地震 – M 8.1、大津波発生、死者・行方不明者3,064人。
1944年12月7日 昭和東南海地震 – 三重県沖、M7.9、死者・行方不明者1,223人、伊豆から紀伊で津波
1945年1月13日 三河地震 – M 6.8、死者・行方不明者2,306人、津波あり
1946年12月21日 昭和南海地震 – 和歌山県沖~四国沖、M8.0、死者・行方不明者1,443人、房総から九州で津波
1948年6月28日
福井地震 – M 7.1、死者・行方不明者3,769人
1952年3月4日 十勝沖地震 – M 8.2、死者・行方不明者33人。北海道から東北に津波
1995年1月17日 兵庫県南部地震(阪神大震災) – M7.3、死者・行方不明者6,437人
2003年9月26日 十勝沖地震 – M8.0、北海道で最大震度 6弱、死者2人
2011年3月11日 東日本大震災 – Mw 9.0(M 8.4)、死者・行方不明者2万人以上。北海道から関東地方にかけて太平洋沿岸部への大津波で甚大な被害

これを見ると、過去の地震では、やはり津波が非常に大きな被害をもたらしているケースが多いことが分かります。最大波高85mというケースもあります。

人口700万人程度の時代に数万人の犠牲者が出ている時代もあります。どれほどの甚大な被害をもたらしていたのか、….想像を絶します。

また、20世紀後半の時期は、阪神大震災を除くと、日本の歴史上、例外的に地震の被害が少なかった時期であったことも分かります。

地震と大津波による大災害は、日本の歴史上では、日常茶飯事だったのですね。

 

参考までに、首都圏地域で、過去発生した地震もピックアップしてみました。

818年 北関東で地震 – M7.9、死者多数。
878年10月28日 相模・武蔵地震 – M7.4、死者多数
1293年5月27日 鎌倉大地震 – M7.1、建長寺などで火災発生、死者2万3,000人
1433年11月7日 相模地震 – M6.7、死者多数。津波により利根川が逆流
1615年6月26日 江戸地震 – M6、死者多数。
1633年3月1日 相模・駿河・伊豆地震 – M7.1、死者110~150人。駿河・熱海に津波。
1649年7月30日 武蔵・下野地震 – M7.1、死者多数。
1703年12月31日 元禄地震(元禄関東地震) – M8.1、死者5,200人(20万人とも)。関東南部に津波
1707年10月28日 宝永地震(東海・南海・東南海連動型地震) – M8.4~8.7、死者2,800~2万人以上、関東から九州までの太平洋岸に津波。49日後に富士山の宝永大噴火
1812年12月7日 武蔵・相模地震 – M6、死者多数。
1853年3月11日 小田原地震 – M6.7、死者約20~100人。
1854年11月11日 安政江戸地震 – M6.9、死者4,700~1万1,000人。
1894年6月20日 明治東京地震 – M7.0、死者31人。
1921年12月8日 竜ヶ崎地震 – 千葉県・茨城県県境付近で発生。M7.0。家屋倒壊、道路亀裂。
1923年9月1日 大正関東地震(関東大震災) – M7.9、死者・行方不明者10万5,385人(日本災害史上最悪)。
1924年1月15日 丹沢地震 – M7.3、死者19人。大正関東地震の余震。

江戸に幕府が出来てから結構頻繁に観測されています。逆に、それ以前は歴史に残されていないのかもしれません。

地震が集中している時期と、間が空く時期があることも分かります。

 

地震の歴史を見てみると、色々と学べることがありそうです。

このような凄まじい日本の地震の発生状況を見ると、今回、様々な場面で耳にする「想定外だった」という言葉がむなしく聞えてしまうのは、私だけでしょうか?

少なくとも日本に住んでいる以上、「大地震は必ず、いつか来る」という前提で、様々なことを考えていく必要がある、ということを再認識しました。

 

中国人記者の質問「日本政府が福島第一原発の事故を隠蔽したがるのは、そこに核兵器を隠しているからではないか」

大紀元の記事『北京で原発事故説明会 中国メディア「日本は核兵器隠しているのでは?」』で、中国の日本大使館とJETROが、北京で4/21に中国のメディアや民間企業などを対象に、東日本大地震の影響に関する説明会を開いた様子が報道されています。

表題は、そこで出た質問とのことです。

もちろん、説明会に参加していた、原子力安全基盤機構の理事と日本大使館公使は、即座に否定しました。

私たちからすると、福島第一原発に核兵器を隠すということはあり得ないことですが、相手はそういう事情は知らないわけです。こちらが想定もしていないことを考えている可能性は、当然ありますよね。

この一幕を見て、自分たちでは当り前と思われることも、相手にちゃんと情報発信した上で、さらに相互にコミュニケーションする重要さを再認識しました。

このような、地道なコミュニケーションの積み重ねが、海外での風評被害拡大を抑えていくことになると思います。

是非、続けて頂きたいですね。

 

2011-05-04 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

堀江貴文著の「拝金」・「成金」の2部作を読了

堀江貴文さんが書いた小説「拝金」「成金」を読みました。

2010年6月に、処女作として出版された「拝金」は、2000年代中頃に堀江さんがライブドアで経験されたことを追体験できる自伝的な小説です。

「拝金」のあとがきに、堀江さんは次のように書いています。

—(以下、引用)—–

 お金がないときはやれることに限界があるけど、お金があればやれることがどんどん広がる。つまりお金を持てば持つほど、お金から解き放たれて自由に発想できるようになる。もっといえば、あらゆる欲望、金、女、酒、美食、何でもいいけど、徹底的に浸り切り、欲にまみればまみれるほど、ある瞬間、その欲を突き抜ける、そんな感覚になっていく。

(中略)

 でも僕は自分の感じた気持ちをできるだけ多くの人と共有したかった。

(中略)

 じゃあ、どうするか?僕の体験した世界を読者に追体験してもらう。これが一番、簡単で確実な方法だ。

 だから小説を書いてみることにしました。

—(以上、引用)—–

 

そして2011年1月に出版された「成金」は、さらに時代をさかのぼって1999年から2000年頃のIT業界を舞台にしたもの。

「拝金」と「成金」を続けて読むと、一種の謎解きのようになっています。

ネットではこれらの作品は色々と批評されているようですが、私は、久し振りに小説の面白さを堪能し、時間を惜しんであっという間に読了しました。

それは恐らく私が、2000年前後のITバブルの時期から、堀江さんが時代の寵児だった2000年代中頃までの様々な出来事を、メディアなどを通じて共有していたからでしょう。

その舞台の主人公だった堀江さんご本人が実体験に基づいて書いているからこそ、圧倒的な説得力を持った世界が描かれたのだと思います。

「成金」のあとがきに、堀江さんは次のように書いています。

—(以下、引用)—–

 タイトルの「成金」とは、成金趣味とか行ったネガティブなニュアンスではなく、将棋の歩が金将に成るという本来の意味に基づいている。

 前に進まなければ、歩は歩のまま、でも前進して敵陣に突っ込めば、金将に成る。一番弱かった駒が王将を倒す力を獲得するのだ。

—(以上、引用)—–

自分が伝えたいことを、読者に伝える方法論としての小説の威力を、この2つの作品で感じました。


 

2011-04-25 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

悪口へ対処するための処方箋

宋文州さんのメルマガはいつも心に響きます。

例えば、「悪口という肥やし」というメルマガ。こちらで記事を読むことができます。

一部引用します。

—(以下、引用)—

リーダーシップの本質はビジョンを持つことよりも、実行の際の抵抗に抵抗する意志と覚悟です。悪口は抵抗勢力にとって最も安価な抵抗手段です。これに左右されては何も始まりません。

鈍感になるのでもなく、耐えるのでもなく、風景のように受け入れ、情報収集や自己反省に利用するのです。この「悪口を肥やしにする」ことができれば、人間は豊かで強くなりリーダーシップも自然に身に付きます。

—(以上、引用)—

 

勇気が出て、そして共感する内容です。

 

おそらく、悪口を言っている本人は、悪口を言っているつもりはなく、正論を言っていたり、ちょっとシニカルな意見を述べるクールな自分を装いたい、という気持ちなのかもしれません。

あるいは、その人なりの真実があり、本当に怒っているのかもしれません。

しかし私も、悪口を言われたり、ソーシャルメディアや2ちゃんねる等で見ず知らずの人から誹謗中傷を受けると、「肥やしにすべき」と思いつつ、結構落ち込んだりしています。

私などよりもはるかに高名なアルファブロガーでも、ネット上での中傷で傷つく人は多いようです。

考えてみれば、当り前です。

たとえ誰でも知っているような有名なブロガーでも、中身は同じ生身の人間。普通に悪口や中傷を言われて傷つくのは当り前のこと。耐性が強い訳ではないのです。

 

悪口を言われて冷静さを保つのは、難しいことですが、対応策はあると思います。

たとえば隣の人から見ると、他人に対する悪口は、結構冷静に見えているものです。

ですので、悪口を言われたら、まず近くの人に正直な気持ちで話してみるのはいかがでしょうか?

結構冷静な目でアドバイスをくれて、より的確な対応が取れることが多いように思います。

 

あるいは、アドバイスがなくても、ただ話すだけでもいいかもしれません。

人間は弱いもので、自分で全てを抱えずに少し周囲に愚痴を言ってみることで、救われることもあるのではないかと思います。

 

そして、宋さんがおっしゃるように、悪口を「肥やし」に出来れば、それは本当に素晴らしいことだと思います。

ライフネット生命保険の出口社長も、

『自分はここまで知っている』と宣言するには、『ここまでしか知らないのか?』という批判を受け止める覚悟が必要です。

でも、批判を受けたら、学び直せばいいだけですね。

こうして、競争力を高めることができる。まず、『競争したい』という意思表示が必要なんです。

とおっしゃっています。

批判を前向きに受け止められれば、理想ですね。

 

追記:実は、このエントリーは、震災前にドラフトしていたものです。3月12日にエントリーしようと用意していました。落ち着き始めたので、見直して書くことにしました。

 

 

2011-04-22 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

「東日本大震災 いま、あなたに何ができるのか」

田坂広志先生が、内閣官房参与に任じられたのが、2011年3月27日。

その日から3週間、週末返上で、早朝から深夜まで、福島原発事故対応に取り組んでおられるそうです。

その田坂先生から、「風の便り」特別便が、届きました。

15分間のYouTubeメッセージのリンクが付いています。

メッセージを見て、改めて、目の前にある仕事に思いを込めて取り組むことが、今、私たちに求められているのだ、と思いました。

 

田坂先生から、「多くの方々に伝えて頂きたい」とのご希望もあって、当ブログで紹介させていただきます。

この思いが一人一人に拡がり、日本の新しい歩みが始まっていくことを祈っています。

 

—(以下、「風の便り」特別便から引用)—-

=======================================================

田坂広志 「風の便り」 特別便

いま、内閣官房参与として
福島原発事故に取り組んでいます

この仕事をお受けした心境を
メッセージ動画
「いま、あなたに何ができるのか」
によってお伝えします

=======================================================

田坂です。

3月27日の夜、
人生の転機が訪れました。

東日本大震災によって引き起こされた
福島原発事故。

この事故対策のため、原子力の専門家として
政府に助言をして頂きたい。

総理から内閣官房参与就任の要請を受けたとき
聞こえてきたのは、いつものように
「天の声」でした。

それが、たとえ
「火中の栗を拾う」仕事であったとしても
誰かがやらなければならない仕事。

そして、かつて原子力工学の研究者として道を歩み、
「原子力施設の環境安全研究」で学位を頂いたことも         
この日のために天が与えた配剤であったのかもしれない。

そう思った瞬間に、覚悟は定まりました。

それから、2週間余り。
週末も返上し、早朝から深夜まで
福島原発事故への対策に追われる日々。

この状況は、まだ何か月続くのか。
その予想もできない状況でありながら、
なぜか、心の中は静かです。

それは、やはり、覚悟を定めたからでしょう。

3月23日に行った講演

「東日本大震災 いま、あなたに何ができるのか」

この講演において、多くの方々に語った思いが、
心の奥深くにあるからでしょう。

いつの日か、我々は、語る。

いつの日か、我々は、必ず、語る。

その思いを、改めてもう一度
メッセージ動画として、お届けします。

http://www.youtube.com/watch?v=UO9wZZSJd0w

何かを感じて頂ければ、幸いです。

そして、多くの方々に、
このメッセージを伝えて頂ければ、幸いです。

いま、目の前にある大切な仕事。

その仕事に全力を注ぐため、

「風の便り」は、しばらく休ませて頂きます。

有り難うございます。

—(以上、「風の便り」特別便から引用)—-

 

 

2011-04-20 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

9.11の米国と、3.11の日本の空気を、両方体験して感じたこと。それは危機に瀕して生まれた、愛国主義の台頭

2001年9月11日、私は米国カリフォルニア州のヨセミテにいました。

そして、9.11から10日間近く、米国に滞在しました。

実は9.11当日のヨセミテは、普段と全くかわりがありませんでした。テレビも新聞もネットも繋がらない状態だったので、2-3日後に事件発生を知ったほどです。

その後、街中では、星条旗を付けて走る車を見ることが多くなりました。

テレビでは連日「米国はテロに対してどのように闘うべきか?」という討論番組が放映されるようになり、1週間後に到着したラスベガスでは、電光パネルに"God bless America"というメッセージが絶え間なく流れていました。

すれ違う人々の顔もどこか険しく、米国全体で愛国主義が徐々に台頭していく様子を、日々、肌で感じました。

 

9年半後の2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。

私は勤務先の日本IBM箱崎本社で被災し、それから5週間が経ちました。

テレビでは「頑張ろうニッポン」というメッセージが流れ、人々は節電に励んでいます。

自粛の空気や、原発問題の重いムードの中、3月11日以前と比べて、日本のアイデンティティとは何か、人々は考えて始めているように思います。

戦後、しばらく失われていた愛国主義のようなものが生まれ始めているのではないでしょうか?

 

愛国主義が台頭した米国は、9.11の後、アルカイダとの戦いに突入。さらにイラクに侵攻しました。

日本の愛国主義の台頭は、「経済至上主義やエネルギー大量消費社会という20世紀型社会から決別した、新しい21世紀型社会モデルの創造」といったような、もっと別の生産的な方向に向けなくてはいけないと思います。

 

 

2011-04-16 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom

自粛が、経済を停滞させ、失業者を増やし、本当の経済萎縮が始まり、日本が悪魔のサイクルに入る理由

大木さんが「自粛を自粛する」というエントリーを書かれています。

全く同感です。

日経ビジネスオンラインの「広がる過剰自粛に悲鳴」という記事でも、あのきらびやかな大阪・道頓堀のネオンが消えて、とても寂しくなっている写真を掲載しています。

首都圏に住む人間から見ると、この寂しげな道頓堀の様子を写した写真は、とても奇異に見えます。

もちろん必要な節電はするべきでしょう。しかし本来、関西地区の電力は問題ないはず。こういう時こそ、発電所停止の影響がない地域は、活発な経済活動によって、日本を支えて欲しいものです。

 

ITmediaに、ニューヨークタイムズを引用した記事「日本は自粛という強迫観念にとらわれている」が掲載されています。

—(以下、引用)—

また「東京都民にとっての自粛は被災地の人々との連帯を示し、自粛をする側を何か良いことをしているという気分にさせる安易な方法だ。しかし、当人たちは実際にどんな効果をもたらすかはあまり考えていないようだ」とも論評した。

—(以上、引用)—

 

記事では「当人たちは実際にどんな効果をもたらすかはあまり考えていないようだ」と書いています。

なぜ、自粛がいけないのでしょうか?

 

例えば、自分がコンビニの店員だと仮定します。

現時点で、コンビニはそれほど自粛の影響を受けていないかもしれません。

ここで仮に、コンビニ店員である自分が、「ボクも被災地に配慮して、自粛しよう」と、いつもの外食等を止めたと仮定します。そして、多くの人達が「ボクも自粛だ」と同じ行動を取ると、…

■外食業界全体の売上が減る。実際、客の入りが8-9割減ったという店もあります。

→レストランは、当面、様々なコスト節減策で何とかしのごうとする

→しかし、自粛ムードが長期化すると、コスト削減も限界に

→やがてレストランで人員整理(=首切り)が始まる

→人員整理された人達は職を失い、収入が途絶える

→お金を使えず、コンビニでの買い物が出来なくなったり、購入額が減る

→すると、今度は、徐々にコンビニの売上も減っていく(この段階は自粛ではなく、本当の経済の収縮が始まる)

→コンビニも、当面は様々なコスト削減で凌ごうとするが、やがて限界に

→売上減少がある限界を超えると、コンビニでも人員整理(=首切り)が始まる

→そしてコンビニの店員である自分も、やがて「申し訳ないけど、来週からは来なくてもいい」と言われ、職を失う。(本格的な経済の収縮に突入)

 

非常に単純化して、コンビニと外食産業だけを取り上げました。経済は様々な活動が関係しあっているので、同じようなことが多くの業界で起こりますので、他人事ではありません。

「被災地の人と連帯したい」と思って安易な自粛に走り、多くの人が追従する結果、経済を停滞させ、巡り巡って自分自身も失業する可能性すらあるのです。

このように、本来は自粛する必要がないのに自粛する先に、何が待っているかというと、

経済停滞→企業収益悪化→企業倒産や労働者失業

です。

新しい日本を創ろうとしているこの矢先に、このような悪魔のサイクルに入ると、抜け出すのは容易ではありません。

 

大木さんがおっしゃるように、過度な自粛こそ、本当に自粛すべきだと思います。

贅沢をする必要はありませんが、迷惑をかけない範囲で、いつも通りの暮らしをしたいものです。

 

 

下を向いていると気がつきませんが、上を向くと、今年もいつもの桜が。

あの3.11から4週間経ちました。

 

私の家から駅までの間の道に、桜並木があります。

下を向いて考え事をしながら歩いていると気がつきませんが、上を向いて歩くと、こんなに激しかった4週間の間にも桜は芽吹く準備を整え、美しく咲き誇っていることに気がつきます。

昔から、飢饉があっても、天変地異があっても、戦があっても、桜はこうやって毎年春には普通に咲き、人々をなごませていたのでしょうね。

 

「M7クラスの余震がくる可能性が高い」との予測通り、昨夜も大きな地震がありました。

しかし自然は、将来を恐れることなく、日々の命を淡々と刻んでいます。

未来を考え、予測し、行動するのは、人間だけに与えられた力ではありますが、この力は、私たちを不必要に恐れさせたりします。

上を向いて美しく咲く桜を眺めながら、あるがまま淡々と生きる力もまた、ある種の強さなのだな、と思いました。

 

 

2011-04-08 | カテゴリー : 社会 | 投稿者 : takahisanagaicom