石田三成、三杯のお茶

以前、ある温泉旅館に泊まった時のこと。

旅の疲れもあって早く温泉に入りたかったのですが、仲居さんが何度も部屋に出入りして、お茶を出してくれたり宿泊の説明をしてくれます。恐らくこれがこの旅館流の「おもてなし」なのだと思いますが、「早くして欲しい」というのも野暮なので言い出せず、察して欲しいなぁと思ったりします。

京都で200年続く老舗旅館「柊屋」で60年間も仲居を務められた田口八重さんは、ご著書「おこしやす」で次のように書いておられます。

—(以下、引用)—

お客さまはおひとりおひとり、お顔立ちが違うように、お気持ちだって違うのです。それぞれに合ったおもてなしをしなければいけません。お仕着せのサービスでは喜んでくださらないということです。お目にかかった瞬間に、お客様の気持ちを察して、こうしてほしいと望む対応をしていくのです。
これが私がおもてなしをしてきた人生で、体験から掴んだモットーなのです。

—(以上、引用)—

 

また、石田三成がある小寺の小坊主だった時のこと。

鷹狩りをしていた秀吉がその小寺に立ち寄り、お茶を所望しました。

三成は、まず冷たいお茶を持ってきました。
一気に飲み干した秀吉が二杯目を求めると、三成は生暖かいお茶を出しました。
二杯目も飲み歩々してそしてもう一度求めると、熱いお茶を出しました。

三成は汗をかいた秀吉の状態を考え対応したのです。
三成の気配りに感心した秀吉は、三成を召し抱えることにしました。

 

田口八重さんと三成の逸話は、「本来のおもてなし」とは、相手の状況を踏まえた対応であることを教えてくれます。
しきたり通りの対応は「本来のおもてなし」の対極にあります。

そもそも今やものづくり企業と言えども、サービスなしでは成り立ちません。マーケティングの巨人と言われたセオドア・レビットも、こう述べていました。

「サービス業というものは存在しない。サービスの要素がほかの業界と比べて多いか少ないかの違いであり、すべての業界でサービスが行われている」

御社のサービスは、お客様へ「本来のおもてなし」を提供しているでしょうか?

 

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大手メーカーの研究開発者が顧客に会おうとしない理由

大手メーカー様の研究開発部門から、講演のご依頼をよくいただきます。
お悩みは驚くほど共通しています。

「社員を顧客視点の考え方に変えるにはどうすればいいんでしょうか?」

どこもバブル絶頂期までは、世界で輝いていた大企業。しかしその後伸び悩み苦しんでいる点も共通しています。

デザイン思考やDXなどの新しい方法論の取り込みには貪欲。全社で大きな投資をしています。でも低迷から抜け出せないのです。

講演の事前打ち合わせを重ね、講演当日に参加者と話し合い、さらにその後のフォローで感じる点も、共通しています。

お客様に会う機会があるエンジニアがほとんどいないのです。
研究開発拠点のオフィスで仕事をする日々を続けているのです。

「顧客視点に変えるには、まずお客様に会うことですよ」と、手を変え品を変え、様々な事例を紹介しながらお伝えします。

参加者からは「確かにそうだよね」と同意はいただけます。でも行動がほとんど変わりません。

最近サービスマーケティングを学んでいるのですが、理由が少し分かってきました。
「価値はどこで生まれるのか?」という根っ子の認識が、どうも違うようなのです。

大手メーカーは、「ものづくり」の大きな成功体験があります。
ものづくりでは、技術的な種から強い製品を生み出します。
「自社テクノロジーを製品に結集し、この価値をお客様に提供しよう」と考えるのです。
このようにものづくりの成功体験がある企業は、研究開発部門で価値が生まれるのが常識でした。

しかし今や就業者の7割以上がサービス産業(第3次産業)。メーカーもサービス化が進んでいます。

スティーブ・ジョブスがアップルに戻ってきた2000年頃のこと。ジョブズはこう言ったそうです。

「我々はユニークなマーケティングとイノベーティブな製品の二つで勝ってきた。21世紀はもう一つの柱が必要だ。それがカスタマーサービスだ」

そして世界中にアップルストアを作りました。

私がMacのトラブルで困った時のこと。AppleCare+という有料サービスに入っていたので、サイトでサポートを依頼すると、数秒後にアップルストアのスタッフから折り返し電話があり、親切丁寧に電話で問題解決をサポートしてくれました。最高で完璧なサービスでした。

このように「サービス化」はあらゆるビジネスで進んでいます。
iPhoneはアプリというサービスなしで使う人はいません。
GEもジェットエンジンの稼働状況を常に監視するサービスを提供しています。

そしてサービスで価値が生まれるのは「顧客との接点」です。

ここまでの話をまとめると、

①ものづくり全盛期は、研究開発部門で価値が生まれるのが常識だった。
②しかしあらゆるビジネスでサービス化が進み、「顧客との接点」で価値が生まれるのが常識になった。

いまや「研究開発部門で価値が生まれる」という過去の常識を変えないと、「顧客との接点で価値が生まれる」という現代の状況には対応できないのです。

しかし「研究開発部門で価値が生まれる」という過去の成功体験から抜け出せないのが、大手メーカーの研究開発者が陥っているジレンマなのです。

 

では、どうするか?

研究開発棟に閉じこもって考えていても、何も生まれません。
まずはオフィスから一歩外に出る。

顧客に会ってみる。観察してみる。話してみる。
そして、顧客の悩みを理解してみる。
その上で、自分たちが何ができるかを考える。

「価値共創」という言葉があります。
価値とは、顧客とともに創るものです。
顧客に会わずして、価値共創ができるわけがありません。

まずはオフィスを出でよ。
そしてお客様から学べ。

すべては、そこから始まるのだと思います。

 

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朝活・永井塾 第36回「超実践マーケットイン企画術・実戦編」を行いました

2月5日は第36回の朝活・永井塾。テーマは「超実践マーケットイン企画術・実戦編」でした。

現代のビジネスパーソンに求められるのは、「言われた通りに仕事をすること」ではなく「自分で何をすべきかを考え、仕事をすること」。
そこで必要なのが、企画力です。

しかし企画の作り方について教わったことがある方は、意外と少ないのではないでしょうか?
企画はアイデアを出すだけでは企画になりません。
企画で必要なのは、マーケットインで考えることです。

そこで今回は、永井がIBMで実際に取り組んだ二つの事例(マーケティング戦略事例と人材育成事例)を挙げながら、どのように企画を進めるかを具体的に紹介していきました。

今回の様子です。早朝からご参加いただき、有り難うございます。最近はネット参加の方も増えてきました。

次回の朝活勉強会「永井塾」は3月5日(水)。テーマは「顧客体験を見える化し、作り込む」です。最近話題になっているCXやカスタマージャーニーの考え方を掘り下げていきます。

詳しくはメルマガでご案内していますので、参加希望の方はメルマガにご登録いただければ幸いです。ご参加をお待ちしております。

 

自ら学ばない日本人、アジア太平洋地域で最下位の衝撃

パーソル総合研究所が、アジア太平洋地域14の国・地域で就業意識をインターネット調査した結果を発表しています。→リンク

注目が「社外の学習・自己啓発」。
「とくに何も行っていない」で、日本が14ヶ国でダントツワースト1位です。

14ヶ国平均 13.3%
14位 ベトナム 2%
13位 インドネシア 2.3%
12位 タイ 5.7%
11位 中国 6.3%
10位 フィリピン 6.4%

6位 台湾 13.0%
5位 香港 18.3%
4位 シンガポール 18.3%
3位 オーストラリア 21.5%
2位 ニュージーランド 22.1%
1位 日本 46.3%

ううむ。
これはヤバイです。
確かに、ベトナム、インドネシア、タイ、中国、フィリピンの人たちは、頑張って自ら学んでいるという印象を受けます。

それにしても、日本がこれほど低いとは。

頑張って学ぶ人は、成長する。
学ぼうとしない人は、成長しない。
当たり前のことですよね。

ビジネスパーソンが楽しく学びたくなるように、本を書いていますが、まだまだ力不足です。

私も本を書いたり新しい研修をご提供するために、日々学んでいます。
新しく学ぶたびに「知らないことばかりだ」と自分の無知を再確認します。
自ら学ばない限り、衰退するだけです。

一方で、学びには「新しいことを知る」という楽しさもあります。
少しでもこの楽しさを伝えられたらと思います。

「やるべきことはまだ多い」と、改めて実感した調査でした。

 

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力はある。あとはやるかどうか?

講演や研修を終え参加者の様子を見ると、二通りの人たちがいることに気がつきます。

A:納得し行動を変える人たち
B:理由を探し、変ろうとしない人たち

講演や研修の目的は「行動を変えること」なので、全員がAになるように常にフィードバックをいただき改善を図っていますが、Bタイプはいるものです。

AとBの比率は会社によって大きく変わります。

小さな会社は、ほとんどの方が行動を変えるAタイプ。

なかなか動かないBタイプは、不思議なことに就職ランキングの上位で社員1万人以上の大企業に多いのです。

Bタイプに共通するのは先が見えてしまうこと。

「あのケースでこれやってもうまくいくかなぁ」
「こんな提案したら怒られそうだなぁ」
「いい話だけど、理想論だよね」
「自分が動かなくても大勢に影響ないし」
「やっぱりやめとこう」

色々と考えてしまい、行動に繋がらないのです。

小さな会社はそんな余裕はありません。自分一人の働きで会社は変わります。ですので行動せざるを得ません。

 

日本が停滞を続けているのは、大企業を中心にBタイプが多くなったからではないでしょうか?

これは二つの要因があります。

一つは「危機感」。

「社外の人と会う機会がない」という大企業の人、多いですね。「大企業」という組織は、魔法瓶のように外界の変化を遮断します。世界は激変しているのに、社内は心地よいぬるま湯のまま。危機感を持てないのです。そして魔法瓶はいつか壊れます。

2つ目は、失敗を恐れ新しいことができないこと。

絶対に失敗しない方法があります。
新しいことを何もしないことです。しかし確実に組織は衰退します。

新しい挑戦で成功するには、80点主義で新しいことを次々とやること。
沢山の苗を植えて、間引くイメージです。

そもそも一会社員が少々失敗しても、大企業はまず潰れません。せいぜい出世が1年遅れる程度。新しい挑戦で成功すれば、充分に元は取り返せます。

 

出来ない理由を探したり他人を頼るのは、そろそろ止めましょう。

「力不足じゃないか?」というのは杞憂です。
日本の多くのビジネスパーソンは既に力はあります。
要は「やるかどうか」。

「社外の人と会う機会がない」というであれば、自分で会う機会を作ればいいだけのこと。

「○○○だからできない」と考えず、「これをやるために○○○しよう」と考えを変えることです。

そして失敗を認め、失敗から学ぶスタイルに変える。
組織も、失敗から学ぶことを許容する組織に変える。

自分を変えるのは、自分だけです。
会社を変えるのも、自分たちだけです。

私たちは、変える力は既にあります。

目の前の課題を見つけ、挑戦しましょう。
成長の種は、そこにあるのではないでしょうか?

 

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成功するから幸せなのでない。幸せだから成功する


先週水曜日の夜学・永井塾は「人はなぜ動くのか?」

一見、マーケティングとは関係なさそうなテーマですが、経営戦略も組織のマネジメントも必ず人が絡みます。人に対する洞察は大切です。

今回の夜学永井塾では、下記の本をテキストにしました。

「人を伸ばす力」(エドワード・L・デシ著)
「選択の科学」(シーナ・アイエンガー著)
「フロー体験入門」(M・チクセントミハイ著)
「GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代」(アダム・グラント著)

この4冊の著者に共通することがあります。彼らは「ポジティブ心理学」の研究者なのです。

ポジティブ心理学とは、人間の幸せについて研究する心理学のこと。

かつての心理学は、心の病を治療することを目的に発展しました。
第一次/第二次世界大戦で、数多くの人たちが心に傷を受けました。
そこで政府の財政支援の下、病理の学問として心理学が発展しました。

一方でかつての心理学は、「どうすればもっと幸福になれるか」という研究はあまり行ってきませんでした。

そこで個人や社会を繁栄させ、より充実した幸福な人生を送るためにはどうすればよいかという視点で、ポジティブ心理学が発展しました。自己実現を重視したかのマズローは、実は「ポジティブ心理学」という言葉を初めて使用した心理学者でした。

欧州でのポジティブ心理学の第一人者イローナ・ボニウェルは、著書「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」で、このように述べています。

–(以下、引用)–

特にポジティブ心理学でコペルニクス的大発見だと思われるのは、「成功するから幸せになるのではない。幸せだから成功するのだ」というものです。

私たちは、「いい学校に入ったら幸せになれる」「出世して給料があがれば幸せになれる」「いい人と結婚すれば幸せになれる」と、いつも幸せを先送りしてきました。しかし、ポジティブ心理学は、今、ここで幸せになれる、そして、その幸せがさらなる幸運を連れてくるということを、データで証明してくれています。

–(以上、引用)–

確かにいつも幸せそうにしている人は運に恵まれますます成功する一方で、いつも悪口や愚痴を言う人を見ていると、どうも運に見放されがちのように感じます。

日本にも古くから、「笑う門には福来たる」という言葉があります。

楽観的に考え、いま現在の環境に深く感謝して、日々を過ごしていきたいものです。

 

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夜学永井塾・第9回「人はなぜ動くのか」を行いました

昨日は第9回の夜学・永井塾。テーマは「人はなぜ動くのか」でした。

経営戦略も組織のマネジメントも必ず人が絡むので、人がなぜ動くかを理解することは大切です。

ビジネスでは「報酬がやる気を高める」が常識です。この動機付けが「外発的動機付け」です。

一方で自ら学び成長したいという動機付けを「内発的動機付け」と呼びます。

心理学者デシは、やる気などの内発的動機付けは、外発的動機付けで低下し、さらに競争などでも弱まることを実験で明らかにしました。この仕組みを理解しないと、組織が停滞してしまいます。

そこで今回は下記のテキストにして、人はなぜ動くのか、どうすれば幸せに働くことができるのかを考えていきました。

「人を伸ばす力」(エドワード・L・デシ著)
「選択の科学」(シーナ・アイエンガー著)
「フロー体験入門」(M・チクセントミハイ著)
「GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代」(アダム・グラント著)
「ティール組織」(フレデリック・ラルー著)

今回も参加された皆様が抱える人にまつわる様々な課題を伺いながら、組織経営を成功させるためのポイントを学びました。

夜学・永井塾も、残り2回となりました。
次回は2月19日(水)、テーマは「リーダーシップ/変革/企業文化」です。

参加希望の方は、こちらからどうぞ→ https://night-nagaijuku-10.peatix.com/

 

原因探しよりも、対応策

大きな問題が発生しました。
こんな時のセオリーは、「根本原因を特定し、原因を除去せよ」です。
しかしいくら調べても、原因が特定できません。

たとえば体調が悪くなって倒れてしまいました。
なんとか体調は戻りましたが、色々と検査をしても原因がわからない、というようなケースです。

こんな時、どうすればいいのでしょうか?

2020年1月3日の日本経済新聞『こころの健康学 原因より「手立て探し」を』で、認知行動療法研修開発センター 大野裕さんがこのように書いています。

—(以下、引用)–

…「原因探し」ではなく「手立て探し」をするように意識するとよい。私たちはよくないことが起きたとき、「なんであんなことをしたのだろう」「どうしてこうしなかったのだろう」と考えて、原因探しを始める。原因がわかれば解決策が見つかるのではないかと考えてのことだが、原因がわからないことも多い…

(中略)

現実によくないことが起きているのだとすれば、原因を考えても、その事実は変わらない。これからどうすればよいのかという手立て探しをする方がずっと大事だ。そのように考えていると、考えは自然に前向きになって、いろいろな工夫ができるようになる。

–(以上、引用)—

たとえば「体調が悪くて倒れたけど、原因がわからない」という場合は、

・普段から体調が悪くなる状況を避ける→仕事でムリしない、など
・体調が悪くなったら、すぐ休む

といった対応策を取れば、かなりの確率で再発を防ぐことができます。

現実には、問題が起こっても、根本原因が見つからないケースは意外と多いもの。

こんな時は、根本原因がわからなくても、「手立て探し」、つまり対応策を考えて、解決を図るようにしたいですね。

 

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ホンキ出せ

昨年のドラマで私の一番のお気に入りは、「グランメゾン東京」。
フレンチレストランを舞台に、ミシュランの三つ星を目指す物語です。

登場人物は誰もが、頑張って努力してきた人たちばかり。
しかしもっと凄い世界を知ります。

そして自分は、実は努力していることに満足しているだけで「なんでこんなに努力しているのに、うまくいかないの?」と思っていたことを思い知らされます。

「自分は本当に努力してきたのだろうか?」
「努力していることに満足していただけなのではないか?」

そして吹っ切れて、没頭していきます。

このドラマのキャッチコピーは「自分だけの星を掴め。」
そして登場人物達が相手にかける言葉は、「ホンキ出せ。」

登場人物達は、悩みながら自分がホンキを出すべきものは何か見つけて、ホンキを出して、自分の星を掴んでいきます。

とても元気をいただいたドラマでした。

2020年、私たちもホンキを出しましょう。

 

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読書は、投資活動である

読書に時間がかかるという人は、多いのではないでしょうか?
かく言う私も、必ずしも速読家ではありません。しかしかなりの分量の本を読んでいます。

読書の際に心がけているのは「読書は投資活動である」ということ。

誰でも貴重な自分の時間を投資し何かを得ようと考えて読書をしています。時間という投資とそのリターンを考える必要があります。「時間をかけて一所懸命読んだけど、よくわからなかった」という状況はなるべく避けたいものです。

そこで私は次の工夫をしています。

■気になる本は、内容を大まかにチェックして基本「即買い」
その本は、自分にとって運命のお宝本かもしれません。一度チャンスを逃したら、入手する機会は二度とないかもしれません。「やっぱり欲しかった」と探し回るのは時間のムダ。だから内容をチェックして「いい」と思ったら基本「即買い」です。

■概要を掴んだ上で読む
「はじめに」「目次」「あとがき」でその本の概要が掴めます。本来は買う段階でチェックしたいものですが、ネット購入だと必ずしもすべてチェックできません。ですので読み始めの段階でチェックします。

■目的意識を持って読む
その本を買ったのには、目的があるはずです。その目的のために必要な箇所を読めば、自分の目的を達成できます。

■「何か違う」と思ったら躊躇せず止める
「いい」と思って読み始めた本でも、「何か違うなぁ」と思うことは案外と多いものです。そんな時は躊躇せずにそこで読むのを止めて、次の本を読み始めます。「せっかくお金出して買ったのにもったいない」と思って何時間もかけて読んでも、何も得られない方がずっともったいないですよね。

拙著「MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた」でご紹介した50冊は、こうして最初から最後まで熟読した本の中から厳選しました。

良い読書は、徐々にではありますが、確実に自分を高めてくれます。同じ時間を投資して本を読むのであれば、自分の血となり肉となる良い本を読みたいものですね。

 

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イチロー『ぼくの夢』は、基本理念・ビジョン・経営方針のお手本

会社で経営戦略を立てる時に必要なのが、基本理念・ビジョン・経営方針。それぞれ似ているようですが、違います。

■基本理念:自社とは何か?時代が変わっても変わらない目指す姿
■ビジョン:ある時期までに実現したい姿
■経営方針:ビジョンを実現する方法

でも、違いはわかりにくいですよね。
小学6年生のイチローが書いた作文「ぼくの夢」は、この3つが見事に使い分けられています。まず一部を紹介します。

—(以下、引用)–

ぼくの夢は一流のプロ野球選手になること。

そのためには、中学高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるためには練習が必要です。
3歳のときから練習を始めています。3歳から7歳までは半年、3年生の時から、365日中360日は激しい練習をやってます。
1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になれると思います。

そして中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そしてその球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズです。ドラフト入団で契約金は1億円以上が目標です。

(中略)

…そしてぼくたちは、1年間負け知らずで野球が出来ました。だからこの調子でこれからも頑張ります。

そしてぼくが一流の選手になったら、お世話になった人に招待状を配って応援してもらうのも「夢」のひとつです。

とにかく1番大きな夢は、プロ野球選手になることです。

—(以下、引用)–

この中で、「基本理念」はこの部分。既にプロ野球選手を目指しています。

ぼくの夢は一流のプロ野球選手になること。
そしてぼくが一流の選手になったら、お世話になった人に招待状を配って応援してもらうのも「夢」のひとつです。
とにかく1番大きな夢は、プロ野球選手になることです。

「ビジョン」はこの部分。6年後の自分を具体的にイメージしています。

そして中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そしてその球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズです。ドラフト入団で契約金は1億円以上が目標です。

そして「経営方針」はこの部分。6年後の自分になる方法が具体的です。

そのためには、中学高校と全国大会に出て活躍しなければなりません。活躍できるためには練習が必要です。
3歳のときから練習を始めています。3歳から7歳までは半年、3年生の時から、365日中360日は激しい練習をやってます。
1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球選手になれると思います。

…そしてぼくたちは、1年間負け知らずで野球が出来ました。だからこの調子でこれからも頑張ります。

小学6年生にしてこの構想力。

やはりイチロー、恐るべしです。

 

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夜学永井塾・第8回「法人営業のための戦略販売」を行いました

昨日は第8回の夜学・永井塾。テーマは「法人営業のための戦略販売」でした。

世の営業の多くは法人営業(B2B営業)です。
「足で稼ぐ」「自分を売り込む」という場当たり的な法人セールスは、成功確率が低いのが現実。戦略が必要です。

この法人営業のバイブルは、30年以上前に書かれたR.B.ミラー著「戦略販売」です。現代の法人営業本の多くは本書がベースです。
さらにその後も様々な法人営業の考え方が生まれており、法人営業の考え方は進化しています。

そこで下記の原書を教材に、法人営業の考え方を学びました。

「戦略販売」(R・B・ミラー著) 1985年
「大型商談を成約に導く「SPIN」営業術」(ニール・ラッカム著) 1987年
「チャレンジャー・セールス・モデル」(ブレント・アダムソンほか著) 2011年
「隠れたキーマンを探せ」(ブレント・アダムソンほか著)2015年

ポイントは、示唆質問や解決質問を駆使して、潜在ニーズを顕在ニーズに育てたり…。

複雑な問題解決が必要な法人セールスを成功させるために、論客型セールスの方法論を学んだり…。

売り込みやすい顧客関係者(トーカー)ではなく、あえて厳しい顧客関係者(モビライザー)に会って、顧客の変革を支援すること、などです。

今回も参加された皆様が抱える法人営業のリアルな課題を伺いながら、現代の法人営業を成功させるためのポイントを学びました。

次回は来年1月15日(水)、テーマは「人はなぜ動くのか?」です。

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お客様の痛みを、観察して見つける6つのポイント

新事業成功のカギは「お客様の痛みを見つけて、解決すること」です。

しかしお客様の痛みは、ウンウン考え続けても、なかなか見つからないもの。
だからと言って、お客様に「痛みを教えて下さい」と言っても「は?」と言われます。
お客様はそもそも自分の痛みに気がついていないことも多いからです。

そこで必要なのが、お客様を観察すること。
でも「どうやって観察すればいいんだろう?」と思いますよね。

ちょっとした工夫をすることで、観察から多くのことが学べます。
デザイン思考を提唱したトム・ケリーは著書「イノベーションの達人!」で6つのポイントを挙げています。本書では丁寧に紹介されていますが、ここでは端的に要約してご紹介します。

① 先入観に囚とらわれずに素直に観察する
「へぇ〜。全然知らなかった」というように、素直になりましょう。

② 相手の立場に感情移入し、共感する
「この人、何に困っているんだろう」と共感しましょう。

③ ヒラメキと直感を重視する
「あれ?なんか変だぞ」という自分野直感を信じましょう。

④ 気になることはマメにメモ。情報を蓄積
メモることで、一見違うことでも「コレとアレは同じね」と関係性が見つかります。

⑤ 一見ゴミ情報も漁あさってみる
貪欲にアレコレ探すことで「こんなところにヒントが!」というのが見つかります。

⑥ 相手との会話を楽しむ
「へぇ〜。なるほど」と楽しみましょう。

「お客様の痛み」を探すのは、宝物探しに似ています。好奇心を持って探すと、意外と見つかりますよ。

 

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松屋カレーの「値上げ?」問題を考えてみる

値上げでショックを受けること、ありませんか?
消費者は価格には敏感なので、価格を変える時はきめ細かなコミュニケーションが必要です。

牛めし「松屋」の隠れ人気メニューは、実はカレー。
コアなファンが多く「カレー専門店よりも美味い」と人気です。

先月末、松屋カレーで価格に関する大きな話題がありました。

11月27日に、松屋のTwitter公式アカウントで、390円で売っていたオリジナルカレーの終了を発表したのです。

松屋カレーショック。
松屋の定番。オリジナルカレー。
まもなく本当に無くなります。
#松屋は牛めし屋
オリジナルカレーをご愛顧いただいていた皆様には大変心苦しいのですが松屋オリジナルカレー。本当に終売です。
食べおさめは今のうち
#ホームページでは明日まで非公開事項

松屋カレーのファンから「ショック」「悲しい」「なぜ?」「困る」との反応が相次ぎ、バズりました。

11月28日、今度は490円の創業ビーフカレーの定番化が発表されました。

12月3日(火)10時~
松屋『創業ビーフカレー』ついに定番化!!
牛バラ肉をとろっとろに煮込んだ創業ビーフカレーは松屋本気カレーです!!
#食べればわかるさ
#創業ビーフカレー
#松屋カレーショック
※創業ビーフカレー販売に伴い『現オリジナルカレー』は12/1より順次販売終了とさせて頂きます。

「なくならず良かった」という声もありましたが、「うーん…」「値上げか…」との反応も多く、これもバズりました。

実際には、商品品質を向上し品揃えを変えたので、必ずしも値上げではありません。しかし消費者には値上げに見えてしまいました。

牛丼業界は数年前まで、激しい価格競争をしていました。価格を下げるには品質見直しも必要なので、価格競争は消費者にとっても、いいことだけではありません。

そこで最近、松屋フーズは高付加価値化シフトを図っています。
830円のうな丼も投入しています。
ビジネス上でも成果が出ています。今年4月以降は、既存店舗の客数、客単価、売上、すべて対前年比プラス。これは立派。→「松屋 前年比 月次推移 (2020年3月期)」(松屋フーズIR情報より)

しかし今回の発表は、消費者により痛みを感じさせた可能性があります。

・390円カレー終了→痛い!
・490円カレー登場→悪くない。でも390円カレーないのはやはり痛い

より細やかなコミュニケーションが必要だったのでは、と思います。
たとえば390円カレーは販売継続、新たに490円カレーの併売を発表すると、消費者にとってお得感を感じさせたかもしれません。

価格に関わるコミュニケーションは、実にセンシティブな問題です。

 

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朝活・永井塾 第34回「ソーシャルネットワーク理論」を行いました

今朝は第34回の朝活・永井塾。テーマは「ソーシャルネットワーク理論」でした。

SNSで、私たちは多くの人たちと簡単に繋がるようになりました。
人との繋がりについては、海外ではSNS登場のはるか前、1960年代から研究されています。しかし日本ではこれら研究はほとんど紹介されていないのが現実です。

この人間同士の社会的な繋がりに関する理論は、「ソーシャルネットワーク理論」と呼ばれています。
この理論が登場した当時、ネットワーク経由で人がコミュニケーションすることはありませんでしたが、現代でも基本的な人の関わり方はあまり変わっていません。ソーシャルネットワーク理論を理解することは、SNS時代に私たちがリアルな世界やネットの世界での人との繋がりを考える上で、大いに役立ちます。

そこで今回の朝活・永井塾では、ソーシャルネットワーク理論の主要な海外論文をまとめた下記テキストを使って、学びました。

「リーディングス・ネットワーク論」(野沢慎司編著)

今回の様子です。早朝から皆さんご参加いただいています。有り難うございます。

次回の朝活勉強会「永井塾」は来年1月8日(水)。テーマは「超実践・マーケットイン企画術(理論編)」です。
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何したいの? どうしたいの?

最近、ビジネスパーソンの方々とお話ししていて、痛感していることがあります。

皆さん、とても真面目に目の前の仕事に取り組んでおられます。
しかし「何をしたいのですか?」「どうしたいのですか?」と聞くと、皆さん考え込んでしまうのです。

「何したいのか?」は、言い換えれば「これをこうしたい」という問題意識です。
「どうしたいの?」は、言い換えれば「こうすればうまくいく」という仮説です。

問題意識と仮説がないまま、目の前の仕事を、言われたとおりに一生懸命に行っているのです。

一昔前までは、これで問題はありませんでした。
やることが明確だったからです。
求められるのは効率。だから言われたとおり、頑張ってやることが必要でしたし、評価されました。

たとえてみれば、登る山が明確で、誰がその山に一番乗りで登るかを競っていました。

しかし今は、世の中がどんどん複雑になっています。
何をやればいいか、皆が困っています。

たとえてみれば、どの山に登るか、どう登るかが、決められないのです。

この「どの山に登るか?」が問題意識で、「どう登るか?」が仮説です。
ここで必要なのが、実践的な企画力です。

そこで来年1月と2月の朝活永井塾は、「超実践・マーケットイン企画術」と題して、2回連続でこの企画力について学んでいきます。

メルマガでご案内しています。ご興味ある方はぜひどうぞ。
(ネットのみの参加も受け付けています)

 

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「51歳で全く違う業界」という挑戦

週刊東洋経済2019.11.23号に、今年9月に東京都副知事に就任された宮坂学さんのインタビュー記事が掲載されています。宮坂さんは2012年にヤフー社長就任し、6年間務められた後に昨年退任されました。宮坂さんはインタビューでこう語っておられます。

「今、僕は51歳。せっかくこれだけ平均寿命が延びて、たぶんあと25年くらい働ける。ずっと同じ世界にいてはもったいない。東京都の仕事をしてみると、会う人、行く場所、読む本などが一変した。これはちょっと面白い、非常にチャレンジングだと思えた。」

「何もかもが新鮮で、違う大陸に来た感覚。やりがいがあるし、何よりもすごく面白い」

深く共感しました。

かくいう私も同じ51歳で、29年3ヶ月間勤めたIBMを退職し独立。それまではIT業界にいました。

独立後はIT業界から離れて実に様々な業界のお客様と、マーケティングの講演・研修・執筆を通じてお付き合いをさせていただいてます。食品業、旅行業、製造業、小売業、公益事業、ホテル業、不動産開発業、運送業、保険業、化粧品業、食品卸業、さらに様々な中小企業、等などです。これが実にエキサイティング。

毎日が新しい発見で、実に面白く、勉強になり、楽しんでいます。

これも50代になり、30年間の蓄積があるおかげと思います。

かつては20歳前後から40年間仕事をし、60歳で引退するのが当たり前でした。
しかし人生100年時代。この20年間で、私たちが健康に過ごせる期間は格段に伸びました。
仮に80歳まで働くとすると、仕事をする期間は60年間。

50歳はちょうど折り返し地点。自分の経験を活かしてスイッチするのにいいタイミングなのかもしれません。
「何よりもすごく面白い」と語る宮坂さんのインタビュー、同じ51歳で全く違う業界に足を踏み入れた私も、とても共感します。

とは言え、50歳で全く違う業界に足を踏み入れるのはちょっと勇気が必要です。

宮坂さんの場合、ヤフー社長を退任してZコーポレーションで新規事業として仮想通貨やマイクロモビリティの事業実現のために自治体を回っているうちに、日本で一番大きな自治体である東京都と関わりができ、小池知事から都の参与就任を依頼され、仕事の面白さを実感したのがきっかけだったそうです。

私の場合、30歳の頃から「50歳で独立」と考えながら、勤務先に承認をいただいてブログや執筆を始め、色々な方々とご縁をいただいたことが独立のきっかけでした。

幸い、多くの会社で副業も解禁され始めています。

40代後半になったら、試しにこれまでとはまったく別業界に色々と挑戦してみて、面白かったりうまくいきそうだったら仕事を切り替えるのは、これからのビジネスパーソンにとって有力な選択肢だと思います。

 

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夜学永井塾・第7回「ブランド戦略と価格戦略」を行いました

昨日は第7回の夜学・永井塾
テーマは「ブランド戦略と価格戦略」でした。

ブランドとは「お客様との約束」です。
ブランド論は、ブランド戦略論の世界的第一人者・デービッド・アーカーにより、1990年代に大きく進化しました。
そしてアーカーはブランド・アイデンティティ・システムという概念を創り上げました。

そして価格もブランド論と表裏一体の関係です。
たとえば「売るために値下げする」のは、ブランド的に考えると「定価で買って下さるお客様との約束を破る」ことでもあります。
お客様が「その価値ならお金を払う」という金額が、正しい価格なのです。

そこで下記テキストを教材に、ブランド論と価格戦略について、最新の行動経済学の考え方も取り入れながら学びました。

「ブランド優位の戦略」(デービッド・A・アーカー著)
「価格の掟」(ハーマン・サイモン著)

次回は12月18日(水)、テーマは「販売戦略」です。

参加希望の方は、こちらからどうぞ→ https://night-nagaijuku-05.peatix.com/

 

「激動する市場で、長期ビジョンは意味あるの?」という疑問

いまや市場は激動していて、まるで嵐の真っ直中。
数ヶ月前には想像もしていなかった会社が、ライバルとなって立ちはだかることもあります。

つい最近も、

・Yahoo!、ZOZO、LINEが経営統合を発表したり、
・NTTが電力事業に参入すると発表したり(しかも送電も行うとのこと)

といった発表がありました。

こんな世の中を見ていると、「一寸先は闇なんだから、長期ビジョンなんて意味はない」と思ってしまいます。

しかし私は「こんな時代だからこそ、長期ビジョンは意味がある」と思っています。

たとえてみれば、エベレストやマッターホルンの登頂のようなものです。
山の気候は晴れていたと思ったらブリザードが襲うといったように、ほんの数分で激変します。
ちょうど市場が激変するのと同じです。

しかし「あの険しい山を登頂する」という目的があり、その目的を実現するための準備を備えていれば、気候の変動に対応して、山頂を極めることができます。

逆に目的がなければ、激しい気候変動に翻弄されてしまいます。

この「あの険しい山を登頂する」という目的が、長期ビジョン。
言い換えれば「10年後、我々はどんな会社でありたいか?」という姿です。
その長期ビジョンを実現するために何をすべきかを考えるのが、全社戦略。

世の中の変化が激しいからこそ、社会の大きな変化を見据え、長期ビジョンを策定し、目的地に向かって実行計画の修正を繰り返すことが必要なのだと思います。

 

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戦略策定は、「田植え」と「収穫」の2段階で考える

戦略策定で、まず必要なのはアイデア。
その次の段階が、アイデアの絞り込み。ポーターが言う「戦略とはやらないことを決める」ことです。

ここが難しいところ。
アイデアを育てる方法とアイデアの絞り込みの方法は、そもそも正反対だからです。

そこで必要になってくるのが、今のタイミングは、アイデア育成なのか、アイデア収穫なのかを、メリハリを付けて意識することです。

■アイデア育成の段階→基本は「発散させる」こと

・アイデアは絞り込まず、とにかく量を沢山出すことを狙う
・制約は最小限にする
・あえてカオスな状態を重視する
・自由闊達な議論を促す
・あえて何も決めない
・アイデアは記録する(メモらずにホワイトボードなどに書く)

たとえてみると、田植えをして稲(=アイデア)を育てるのと似ています。

 

■戦略策定(=アイデア収穫)の段階→基本は「収束させる」こと

・アイデアを選び、徹底的に絞り込む
・そもそもの戦略の目的を実現するために、やらないことを決める
・首尾一貫性を重視する
・課題解決のための議論を促す
・自己責任による決定をする

たとえてみると、育った稲(=アイデア)を刈り取るのと似ています。

 

今がアイデアを生み出す段階なのか、戦略を策定する段階なのかを意識しないまま、両者をわけずに議論をすると、会議が迷走し、時間はかかるけど何も決まらない状態になります。

今がどのフェーズかを意識すれば、生産性は飛躍的に高まります。

 

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朝活・永井塾 第33回「ゲーム理論で勝つビジネス」を行いました

昨日は第33回の朝活・永井塾。テーマは「ゲーム理論で勝つビジネス」でした。

「ゲーム理論って難しそう」と感じる方、多いのではないでしょうか?
しかしゲーム理論を学ぶことで、ビジネス力はアップします。

実はゲーム理論の基本は、決して難しくありません。
そして「お客様が買う理由」を創り上げるためにも、ゲーム理論の理解はとて役立ちます。

ゲーム理論を理解すると、「このお客に何とか売ろう」「ライバルに絶対勝つ」といった目先の勝ち負けから抜け出し、より高い視点でビジネスを考えられるようになります。

ゲーム理論で考え抜く交渉上手な欧米企業や中国企業と比べると、日本企業はゲームを知らない素人です。プロの将棋士を相手に、勝ちの定石を学ばずに勝負を挑んでいる状態に似ています。

そこで今回の朝活・永井塾では、下記テキストを使ってゲーム理論を学びました。

「ゲーム理論で勝つ経営」(A・ブランデンバーガー著)

今回の様子です。早朝からのご参加、感謝です。

次回の朝活勉強会「永井塾」は12月4日(水)。テーマは「ソーシャル・ネットワーク理論」です。
詳しくはメルマガでご案内していますので、参加希望の方はメルマガにご登録いただければ幸いです。ご参加をお待ちしております。

 

サービスだけで、3ヶ月で1.3兆円を稼ぐアップル

10月30日に、アップルの2019年7~9月期決算が発表されました。

売上高は…。

全社では、640億4000万ドル(約6兆9000億円)で、前年同期比2%増
→その中で、ハードは、515億2900万ドル(5兆5500億円)で、同1%減
→その中で、iPhoneは、333億6200万ドル(3兆5930億円)で、同9%減

相変わらずもの凄い売上規模ですが、成長は止まっているように見えます。特にiPhoneの売上は下がっています。

しかし実際には、この裏で大きな変化が徐々に進んでいます。
注目すべきは、サービス売上です。
売上高は、125億1100万ドル(1兆3500億円)で、前年同期比18%増

全体に比べると小さく見えます。しかし3ヶ月で1兆3500億円をサービスで稼ぐ会社は滅多にありません。
年で換算すると、5兆円規模。これが20%近く毎年伸びています。

しかもアップルの場合、サービス売上は、景気が悪くなってもあまり影響を受けないiCloud、iTunesなどです。

アップル全体の売上に占めるサービス売上は19.5%。
ちなみに6年前の2013年第三四半期は、全社売上比率11.3%でした。
6年間で全社売上比率は8.2%もアップしています。

かねてからアップルの課題は、ハード偏重からの脱却でした。
ハードは製品の仕上がりや季節変動要因が大きく、不安定だからです。

そこでアップルは、収益基盤が盤石な今のうちに「サービスビジネスへの移行」という戦略を立て、じっくり時間をかけて着実に戦略を実行しているのです。

最近は定額見放題のApple TV+も始めました。

私たちは、ビジネス絶好調な中でも正しい危機感を持った上で、10年単位で戦略を立てて収益構造をゆっくりと着実に転換しているアップルの戦略から、今一度じっくりと学ぶべきだと思います。

参考までに、この戦略については、昨年2018年8月に書いた下記ブログでも詳しく解説していますので、よろしければ併せてご参照下さい。

3ヶ月でサービス売上1兆円!リカーリングビジネス化するアップル

 

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サステナブルであることは、全てに優先する

10月28日と29日に開催されている「世界経営者会議」に参加しています。2013年から毎年参加しており、今回が7回目の参加です。

世界のトップ自身が何を考えているかを自分の言葉で語る貴重な場。
リアルタイムに世界のビジネス状況がわかり、とても勉強になります。

今回のテーマは

「激動を味方にするリーダー像 (“Managing beyond the upheaval”)」

世界の経営者が登壇するイベントですが、今回、多くの経営者が語っていることがありました。それは

「サステナビリティ」

一日目の昨日、リーダーが語った言葉を集めてみました。

■ネスレ名誉会長 ピーター・ブラベック
「植物に比べCO2排出や水の消費が多い食肉の技術革新が必要だ」

■中村邦晴 住友商事会長
「社会課題と産業界の課題を同時に解決することが求められている」

■ブランズウィック・グループ会長 アラン・パーカー
「企業は社会貢献しないと、優秀な若い人を惹きつけられない時代だ」

■小宮山宏 三菱総合研究所理事長
「様々な社会課題が生まれている。(かつての経済学者の)ケインズが知らない世界だ。既存の技術を組み合わせ、知の再構築をする人をどれだけ集められるかが求められている」

■柳井正 ファーストリテーリング会長兼社長
「サステナブルであることはすべてに優先する」

■磯崎攻典 キリンホールディングス社長
「ビール会社であるキリンはCSV(コーポレート・シェアード・バリュー)との整合性が元々よくない(アルコール販売しているので健康を損なっているという声がある)。本業への危機感がある。そこで逆境を味方にする。CSVを根幹に据え、医と食を繋ぐ事業へ事業ポートフォリオの転換を進める。世界で見ても、M&Aでなく自社だけでこれができるアルコールメーカーは、協和発酵を持つキリンのみだ」

■日清食品ホールディングス 安藤宏基会長
「カップヌードルをサステナブルにする。バイオマス素材へシフトし、ゴミ発電を有効利用し、素材を植物性由来タンパク質に変えてCO2排出を抑え、培養肉へのシフトを図る」

日本国内だけに目を向けていると実感できませんが、既に世界では随分前からSDGs(持続的な開発目標)は、まさに企業の必達目標です。

ちょっと前に世界的に話題になったスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが国連の「気候行動サミット」で行った怒りのスピーチも、この世界的なSDGsの流れの中で理解する必要があります。

今後は確実に、企業にとって「SDGs?知らないなぁ」では済まされないようになります。

 

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2019-10-29 | カテゴリー : ビジネス | 投稿者 : takahisanagaicom

自社商品しか知らずに、顧客目線に立てるのか?

自社商品やサービスを愛用している人は、とても多くいます。
愛社精神の表れであり、誠に結構なことです。

しかし中には、こんなマーケティング部長もいます。

「私は自分の会社以外のお菓子は絶対食べないんです。だって当社が1番いいから。皆さんも、ウチのお菓子を食べて下さいね」

お客様は、自社商品以外に数多くの他社製品も選んでいます。
そもそもマーケティング部長は、市場全体を俯瞰する立場。
社内で最も顧客視点を求められます。

しかし自社商品しか知らずに、リアルな顧客視点を持てるのでしょうか?

トヨタの設計エンジニアは、トヨタ車ではなく他社の車に乗っています。
他社の車にも、いい点は沢山あります。そこから学べることも多いからです。

なんとトップの豊田章雄社長自身が、スバル・インプレッサに乗ってかっ飛ばしている動画もあります。トヨタ広報も関わっています。

確かに愛社精神も大切。

同時に顧客目線を持ち続けるためにも、時にはライバルの商品も知ることが必要だと思います。

 

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夜学永井塾・第6回「新規事業③:ブルーオーシャン戦略」を行いました

10月16日(水)に、第6回の夜学・永井塾を行いました。
テーマは「新規事業③:ブルーオーシャン戦略」でした。

夜学・永井塾の「新規事業開発・3回シリーズ」最終回です。

いまや一般用語になった感がある「ブルーオーシャン」「レッドオーシャン」。
しかし意外とちゃんと理解していない人も多いのもまた、現実です。

そこで下記の原書を教材にブルーオーシャン戦略の考え方を学びました。

「[新版]ブルー・オーシャン戦略」(チャン・キム/レネ・モボルニュ著)
「ブルーオーシャンシフト」(チャン・キム/レネ・モボルニュ著)

ミニワークショップも二つ行いました。

まず、QBハウスを事例にして、ブルーオーシャン戦略のカギとなる価値曲線を実際に描いてみる。

価値曲線は本を読むとすぐに描けそうですが、実際に描こうとするとなかなか描けません。そこでポイントをご説明した上で、実際に価値曲線を描いていただき、答え合わせをしました。

さらに自社事業を取り上げ、ブルーオーシャン戦略の出発点である「非顧客層」が誰か、その非顧客層を選ぶかを考えてみる。

実はブルーオーシャン戦略は「非顧客第一主義」。この見極めがとても大事なのです。

 

次回は11月20日(水)、テーマは「ブランド戦略と価格戦略」です。

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2019-10-18 | カテゴリー : night-nagaijuku | 投稿者 : takahisanagaicom

究極のマーケット・インは、究極のプロダクト・アウト

よくこう言われます。

プロダクト・アウトはダメだ。
これからは、マーケット・インで考えなければいけない。

確かに作り手の思い込みで、顧客視点がまったくない商品やサービスは、なかなか売れません。

一方で、スティーブ・ジョブスはユーザーの話を一切聞かないことで有名でした。

「ジョブスはユーザーの声を聞かなかった。
でもアップル製品はものすごく売れている。
だからプロダクト・アウトでいいんだ」

時々、こう言う人もおられます。

しかしジョブスは、自分自身が一番厳しいアップルユーザーでした。
自社のエンジニアやデザイナーに、厳しい注文を出し続けました。
そして細かいところに手が届くクールな製品を生み出してきました。

ジョブスは、成功するプロダクト・アウトのお手本です。
ユーザーの話を一切聞かない究極のプロダクト・アウト。
一方で究極のマーケット・インでもあるのです。
だからアップル製品が愛されるのです。

売れる商品を作るためには、顧客を観察し、顧客の痛みを理解することです。
観察の対象は相手に限りません。自分自身の観察でも、痛みはわかります。

10分で散髪できるQBハウスも、創業者が髪を切っているときに、

「そもそもなんで髪をカットするだけで1時間も必要なんだ?」

…と、自分自身で気がついたことがきっかけで、生まれました。

自分が、顧客になりきる。
そして自分自身の痛みを解決する商品やサービスを作る。
これが究極のプロダクト・アウトであり、同時に
究極のマーケット・インでもあるのです。

「プロダクトアウトでいい」という方は、本当にご自身が顧客になり切っているかを問いかけてみるのは意味があることだと思います。

 

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「何やるか」の前に、「何故やるか?」

 

私は仕事柄、数多くの様々な企画書を拝読する機会があります。

会社員時代は、他の企画担当者が作成したマーケティング戦略企画書や事業企画書。
独立後は、新商品企画書や、事業計画書。

いつも感じることがあります。
「何をやるか」を詳細に書いた企画書はとても多く目にします。
しかし「何が変わるか」がサッパリわからない企画が、実に多いのです。

たとえば、会社員時代であれば、こんな感じです。

同僚「とりあえず企画を考えた。コレやってアレやるんだよ」
永井「この企画ってさ、何がどう変わるの?」
「え?考えたことないなぁ。だって企画だからさ。まずはやってみないと」
「ええと。そもそも何のタメにやるの?」
「部の方針だしさ。そもそもやることに意味があるんだ」
「どんな意味があるの?」
「だから方針なんだよ。だから、やるしかないでしょ」
「じゃぁ、何を変えるのが目標なの?」
「だから、やることに意味が…(面倒だな〜。聞かなきゃよかった…)」

かくして私は、結構嫌われていました。(笑)

そもそも企画の目的は、何かを変えることです。たとえば、

「不便な状態」を、「便利な状態」に変える
「困った状況」を、「快適な状況」に変える

その出発点は、

その企画では、何を解決するのか

つまり

「何故やるか?」

です。

そもそも何故やるかが明確でない企画は、何も問題を解決できません。
そんな企画は、ヒトモノカネの浪費です。
あえて企画を立ち上げないという選択肢がよい時もあるのです。

まず「なぜその企画をやるのか?」を考えたいですね。

 

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朝活・永井塾 第32回「最新キャズム理論」を行いました

今朝は第32回朝活勉強会「永井塾」。テーマは「最新キャズム理論」でした。

新商品は、最初に目新しさに注目する人たちが買った後は、なかなか売れないことが多いもの。これを説明するのが「キャズム理論」です。
ジェフリー・ムーアが1991年に「キャズム理論」を提唱してから28年が経ち、キャズム理論は進化しています。

最新キャズム理論は、新商品を市場に浸透させるための方法論として、大きく進化しています。
次の3ステップに応えながら、自社の新事業が市場でどのような状況にあり、どこに焦点を絞り、どのように支配していくかを考えていきます。

ステップ1:“Where?” 今、自社商品は技術市場モデル(TMM: Technology Market Model)のどこにいるか?
ステップ2:“Which?” どこにフォーカスするか?
ステップ3:“How?” ビジネスを刈り取るためにどうするか?

そこで今回の朝活・永井塾では、下記の本をテキストにしてキャズム理論の基本的な考え方を紹介した後に、最新キャズム理論の活用方法を考えていきました。

「キャズム Ver.2」(ジェフリー・ムーア著)

今回の様子です。早朝からのご参加、感謝です。

次回の朝活勉強会「永井塾」は11月6日(水)。テーマは「ゲーム理論で勝つビジネス」です。
詳しくはメルマガでご案内していますので、参加希望の方はメルマガにご登録いただければ幸いです。ご参加をお待ちしております。

 

ネットを使わない若者。デジタル疲れ。常識は必ず変わる

これまで当たり前だった常識は、必ず変わります。

 

たとえば私たちはこう考えがちです。

「若者はネット、年配は店」

実は、旅行予約の世界では逆転しています。
9月27日の日本経済新聞の記事「ヒットのクスリ」で、JTB総研「海外観光旅行の現状2019」のデータを紹介しています。元データを確認したところ、

【相談から申込みまですべてネットを利用】
男性19-28歳 36.4%
女性19-28歳 31.6%

男性60-79歳 53.9%
女性60-79歳 60.7%

なんと男女ともに、シニアの方がはるかにネットを使いこなしています。
では若者は何を使っているかというと、店舗です。

【相談から申込みまですべて旅行代理店を利用】
男性19-28歳 39.3%
女性19-28歳 45.1%

男性60-79歳 26.7%
女性60-79歳 23.3%

若い層は旅行経験が浅いためですが、今のシニアは意外とネットを使いこなしています。

先日私もカフェで体験したのですが、隣の席にいた80代と思われる女性の方々がかなりコアなネットの話をしておられました。

このような事実を踏まえずに、「ターゲットはシニアだからお店の対応を充実させよう」と考えると、失敗します。

また、私たちはこう考えがちです。

「デジタル化はどんどん進む」

しかし現実には、逆の動きも出始めています。

ブックオフの業績が、最近回復しています。
メルカリに押されてきましたが、実際にはメルカリで商品発送したり個人間トラブルに気をつけたりというのは意外と手間がかかります。いわゆる「メルカリ疲れ」です。

そのためリアル店舗に回帰する人が増えているためです。

 

「若者はネット。シニアは店」
「デジタル化はどんどん進む」

これらは一例ですが、私たちの常識は、意外と変わっていることも多いのです。これをいち早く察することで、戦わずして勝てるのです。

そのためにも、事実をキチンと見ていきたいものです。

 

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自分ごと vs. 他人ごと

色々な会社とご縁をいただき、感じることがあります。

成長する会社は、みな自分ごとで考えています。

経営幹部は、「自分はこの会社をこうしたい」「次の新事業、自分はこれを立ち上げる」
現場も、「私はお客さんに、こんなサービスを提供したい」
マネージャーも、「今回部下が失敗したのは、自分のココが悪かった。こう改める」

経営幹部も現場も、常に自分主語で考え、具体的に行動しています。

一方で、中には残念ながら低迷する会社もあります。
共通するのは、みな他人ごとで考えていることです。

経営幹部は、「もう少し部下が何とかならないかなぁ」
現場も、「上が悪い」「これはトップの問題だよ」
マネージャーも、「上も下もダメだ。困ったなぁ。様子見かなぁ」

皆が「誰かが考えてくれる」と考え、問題意識はあり文句は言うけれども、考えは「〜すべき」といった抽象的ばかり。自分ごとで考えず、具体的な行動もしません。
そして新しいことをすると「それはダメ」と足を引っ張ったり潰すことすらあります。
日本が停滞しているのは、このような人が増えてしまったためかもしれません。

自分主語で、自分ごとで考え、具体的な行動をすれば、企業も日本も少しずつ変わっていくはずです。

そんなことを考えながら、私も微力ながら自分ごとで考え、本を書いたり、講演したり、月2回の勉強会を続けています。

あなたは、自分主語で考えていますか?
自分事で、いま、何を考え、どのような具体的な行動をしますか?

 

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夜学永井塾・第5回「新規事業②:顧客開発とデザイン思考」を行いました

第5回の夜学・永井塾を行いました。
テーマは「新規事業②:顧客開発とデザイン思考」でした。

夜学・永井塾の「新規事業開発・3回シリーズ」の第2回目です。

「新商品を開発したが、ぜんぜん売れない」という経験、ありませんか?
新商品開発で必要なのは、新しい商品の開発ではありません。
新たな顧客を開発することです。

そこで下記をテキストに、リーンスタートアップやデザイン思考の考え方を紹介しながら、課題を抱える顧客を発掘し、その悩みを解決する必要最小限の製品を探り当て検証して、商品を開発していく「顧客開発」の方法論を学んでいきました。

「アントレプレナーの教科書[新装版]」(スティーブン・G・ブランク著)
「リーン・スタートアップ」(エリック・リース著)
「アダプト思考」(ティム・ハーフォード著)
「発想する会社」(トム・ケリー著)

今回も、顧客開発モデルで皆様が取り組んでいる事業を整理するミニ・ワークショップを行いました。

愛媛から参加の方もおられて有り難い限りです。最近は過半数がWeb参加の方々です。

次回は10月16日(水)、テーマは「新規事業を考える③:ブルーオーシャン戦略」です。
具体的なブルーオーシャン戦略を考えるワークショップも取り入れながら、学んでいきます。

参加希望の方は、こちらからどうぞ→ https://night-nagaijuku-05.peatix.com/

 

 

2019-09-18 | カテゴリー : night-nagaijuku | 投稿者 : takahisanagaicom

人気レストランが、食べ残しを食べる理由

商売で何よりも怖いのが「客離れ」。

「万事順調」と思っていても、知らない間にお客様は不満を感じているもの。
そんなお客様は何も言わずに黙って離れていき、二度と戻ってきません。

気がつくのは、客離れがかなり進んでしまった時。そこからの巻き返しは大変です。
その後も売上は下がり続け、場合によっては人員削減などの辛い状況が待っています。

だから出来るだけ早い段階で、客離れの兆候を知ることが大事です。

イタリアンレストラン「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」のシェフ落合務さんが、9月5日の日本経済新聞夕刊に掲載された記事「【人間発見】イタリア料理シェフ 落合務さん」で、こんなことを書いています。

–(以下、引用)—
 お客さまは気にいらなければ二度と足を運んでくれません。味がまずいのか、価格が高いのか、接客が悪いのか。よほどのことがない限り、面と向かって教えてくれません。
 ですから各店のシェフら責任者には、お客さまが半分以上食べ残した皿は、必ず自分で食べてみるように厳命しています。
 それがラ・ベットラの味であれば「そのお客さまの舌に合わなかったのだ」と納得できます。もし本来の味と離れていれば、原因を探し出してコックに調理を修正させます。もちろん私も厨房にいれば食べ残しを食べて、指導しています。
—(以上、引用)—

食べ残しを食べるのは勇気がいるものだと思います。
でも客離れの恐怖を考えると、「そんなことはどうでもいいこと」と落合さんは考えているのでしょう。

客離れの兆候を把握するために、仕組みを持ちたいものです。

 

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松本空港ロータリークラブ様で講演しました

2019年9月9日(月)に松本市内で、松本空港ロータリークラブ様で、「お客様が買う理由をいかに作るか」というテーマで講演を致しました。

当日は松本空港ロータリークラブ会員に加えて一般参加も含め、経営者や自営業の方々を中心に約200名が参加されました。

多くの方々にご参加いただき、有り難うございました。

 

 

 

ゴディバと同等。でも価格は1/3

ある菓子メーカー部長の講演を聞く機会がありました。

この会社は自社の最新技術を駆使し、最高級チョコ「ゴディバ」と同等品質のチョコを開発。ゴディバの1/3の価格、同社他商品よりも1〜2割高い価格で販売しています。

「ゴディバと同じ品質で、価格1/3ですよ。こんな商品、当社しか作れません」

部長は自信満々です。

「そうそう。部下が『当社の名前を外して、別ブランドで売ったらどうでしょう?』って提案してきたんで、『当社が誇る最高級チョコだ。当社の名前を外すなんて言語道断!』と一喝してやりました。」

お話しを伺って、少し考えてしまいました。

 

トヨタは長年米国では「品質は良いけど安い車」というイメージ。メルセデスのような「高いけど欲しい車」ではありませんでした。

そこでトヨタ色を一切排除したブランド「レクサス」を新たに作り、「最高級ブランド」としてメルセデスに対抗しました。トヨタは既存のトヨタ車の顧客ではなく、トヨタがリーチできなかった「最高級で高品質な車が欲しい」という新しい顧客を開拓したのです。

トヨタは「最高級車だからトヨタの名前をつけよう」と考えず、むしろ「トヨタという名前は安物と取られてしまうから、新しいブランドが必要」と現実的に考え、レクサスを立ち上げたのです。

「ゴディバと同等のこのチョコには、当社の名前を外し別ブランドで売りましょう」という部下の真意は、恐らくこのレクサスの考え方と同じです。「当社がリーチしていない新しい顧客を開拓しよう」ということです。

 

こう考えると、菓子メーカー部長の問題は二つあることがわかります。

①「あえて高く売る」という選択肢を考えていない
部長は「当社のチョコよりも1〜2割も高い。わが社が誇る最高級チョコだ」と考えているのでしょう。しかし価格には「品質表示機能」があります。ゴディバと同等品質でも、ゴディバの1/3の価格を付けた途端、お客さんは「ゴディバの1/3の品質」と考えるのです。

②「自社名ブランド」を至上のものと考え、それ以外の現実的な選択肢を排除している
この会社のブランドは「親近感」はありますが「高級感」はありません。自社ブランドは確かに大切です。しかし現実には、この自社ブランドでは最高級チョコ「ゴディバ」には対抗できません。そして恐らくこの部長の頭の中には、ゴディバへ対抗する選択肢はないのでしょう。

 

本当は今までのやり方を根本的に見直すところに、新たな飛躍の種があります。この部長は成功体験があるがために、その種を潰してしまっているのです。

成功体験は、本当にやっかいなものです。
自信にもなりますが、新たなチャンスを潰すこともあります。

だからこそ、常に今の状態が本当にいいのか、健全な問題意識を持ち続けたいものです。

 

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朝活・永井塾 第31回「日本の優秀企業と、米国のエクセレントカンパニー」を行いました

今朝は第31回朝活勉強会「永井塾」。テーマは「日本の優秀企業と、米国のエクセレントカンパニー」でした。

私たちは日頃、「日本企業のいいところは〇〇〇だよね」と言ったりします。しかしよく考えてみると、日本企業の本当の良さとは何でしょうか?
新原 浩朗著「日本の優秀企業研究」では、この結論をひと言でまとめています。

「自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、
愚直に、真面目に、自分たちの頭できちんと考え抜き、
情熱をもって取り組んでいる企業」

一方で米国の超優良企業を分析したジム・コリンズは、著書「ビジョナリー・カンパニー」「同2」で、その基本原則と共通パターンとして、「すぐれた組織を作り社員に活力を与える」「基本理念」「生え抜きの経営陣」「強い信念」「単純明快なハリネズミの戦略」「愚直な継続」などを挙げています。

このようにして見ると、日本企業と米国のエクセレントカンパニーには、意外と共通点も多そうです。

そこで今回の朝活永井塾では、下記著書をテキストに、このテーマについて深掘りして考えていきました。

「エクセレントカンパニー」(トム・ピータース/ロバート・ウォーターマン著)
「ビジョナリー・カンパニー― 時代を超える生存の原則」(ジム・コリンズ著)
「ビジョナリー・カンパニー2 – 飛躍の法則」(ジム・コリンズ著)
「日本の優秀企業研究」(新原 浩朗著)

今回の様子です。早朝からのご参加、感謝です。

次回の朝活勉強会「永井塾」は10月2日(水)。テーマは「最新キャズム理論」です。
詳しくはメルマガでご案内していますので、参加希望の方はメルマガにご登録いただければ幸いです。ご参加をお待ちしております。

 

根本原因を一つに絞るな。問題の構造を考えろ

「その問題の根本的な原因は、何だ?」というのが口癖の方、多いですよね。

たしかに問題の根本原因を探すことはとても大切です。
しかし、問題の根本原因は必ずしも一つとは限りません。
複数の原因により、問題が発生していることが多いのです。

問題と対応策の構造は図のようになっています。

だから解決すべき問題があったら、まず主な原因を洗い出すこと。
原因を漏れなく洗い出したいところですが、一方で原因究明に時間をかけすぎるとタイミングを逸します。
だから主立った原因を洗い出します。

そして各原因への対応策を立てることです。
その上で、各対応策に首尾一貫性を持たせた、問題対策の基本方針を決めます。

たとえば、「社内がどんよりしている。社員も元気がない。問題も放置される。新卒退社も多い」という問題があったとします。

この問題解決のために、「景気づけに全社員でハロウィーンパーティーをやろう!」と企画したけれども、社員がほとんど参加せずに盛り上がらないまま終わってしまう…というのはよくあること。

そこで主な原因を洗い出していきます。たとえば

・社員同士のやり取りはチャットとメールが中心で、対面コミュニケーションがほとんどない
・同僚がどんな人なのか分からない。興味もない。
・入社数年目の若手が相談できる人がおらず、悩みを抱えたまま辞めていく

そして、それぞれの原因への対応策を考えていきます。

その上で、「社員同士が理解し合う楽しい職場に変えていく」という基本方針を決め、首尾一貫性を持たせて各対応策を連携させながら、実行していきます。

さらに実行しながら、適宜見直していきます。

問題の構造を見極めて、対応策の構造を作りこむことが必要なのです。

 

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企画を立てたら、全責任を持て。しかし抱え込むな

何か企画を立てるとき、絶対に言ってはいけない禁句があります。
「それは自分の仕事じゃない」

企画を立てる人は、映画のプロデューサーに似ています。

映画のプロデューサーは、映画の企画を立ち上げ、資金調達し、監督・脚本・俳優・スタッフを誰にするか決め、宣伝し、映画を公開して、収益を生み出すところまで責任を持っています。

プロデューサー自身は、脚本を書くわけでもないですし、演技するわけでもありません。
しかしプロデューサーは映画制作の総責任者です。プロジェクトでは必ず何らかの問題が起こります。そんなときに、「これは自分の仕事でない」といった瞬間、その映画プロジェクトは失敗します。

だから細部まで目を配り、何か問題が起こったら率先して解決することが必要なのです。

企画も同じです。
「この企画は、全て自分の仕事。全責任が自分にある」と考えるべきなのです。

これは「すべての仕事を抱え込め」と言っているのではありません。
むしろ逆です。

プロデューサーは脚本を書きませんし、演技もしません。
企画責任者も、その道のプロがいれば任せるべきなのです。
そして彼らが成果を出せるようにサポートし、問題があれば先回りして解決すべきなのです。

そのためには、まず自分で抱え込まないこと。
その一方で、徹底的に細部まで目を配り、すべて自分でまとめ上げることが必要なのです。

 

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夜学永井塾・第4回「新規事業:イノベーション」を行いました

昨晩は、第4回の夜学・永井塾
テーマは「新規事業①:シュンペーター/イノベーションのジレンマ/ジョブ理論」でした。

夜学・永井塾の「新規事業開発・3回シリーズ」の第1回目です。
いまや他社と似た新商品を開発しても、売れません。
そこで必要なのがイノベーションの考え方。
現在のイノベーション論の源流は、100年前の経済学者・シュンペーターです。シュンペーターは「イノベーションは、既存知と既存知の新しい組み合わせだ」と言いました。

たとえばiPhoneは既存技術の組み合わせですが、世界を大きく変えました。

このシュンペーターの考え方は、クリステンセンなどに受け継がれ、発展しています。
そこで下記をテキストにして、イノベーションの基本的な考え方を学んでいきました。

「企業家とは何か」(J.A.シュンペーター著)
「イノベーションのジレンマ」 (クレイトン・クリステンセン著)
「イノベーションへの解」 (クレイトン・クリステンセン著)
「ジョブ理論」 (クレイトン・クリステンセン著)

今回も、ジョブ理論で皆様が取り組んでいる事業を整理するミニ・ワークショップを行いました。

次回は9月18日(水)、テーマは「新規事業を考える②: 顧客開発とデザイン思考」です。
新規事業を具体的に進めるためのリーンスタートアップやデザイン思考を学んでいきます。

参加希望の方は、こちらからどうぞ→ https://night-nagaijuku-05.peatix.com/

 

 

2019-08-22 | カテゴリー : night-nagaijuku | 投稿者 : takahisanagaicom

「わかった」と「実際にやってみる」は、全く違う

マーケティング研修をやっていて実感するのは、「マーケティングの実践」と「自転車に乗る」のが、とても似ているということ。

講演でお話しすると、意外と多いのがこんな反応です。
「言われてみれば当たり前のことですよね。知っていることもあったし。こんなの楽勝ですよ」

そして実際にワークショップをはじめてみると、多くの場合、こんな反応に変わります。
「あれ?ぜんぜんできない」

理解することと、実際にやることは、まったく違うのです。

「自転車に乗るには、自転車にまたがり、身体でバランスを取り、ペダルをこぐ。ハンドルで方向を取ってください」と口頭で説明されると、なんだか乗れそうな気になります。

しかし現実には、それだけでは自転車には乗れません。実際に補助輪をつけて自転車に乗り慣れて、補助輪を外してバランスの取り方を憶え、空中に足を浮かせて自走する、という段階を経て、乗れるようになります。

マーケティングの実践もまったく同じです。
頭で理解するだけでは、出来ないのです。
実際にやってみることです。

マーケティングの世界には、様々なフレームワークがあります。
「実際に自転車に乗ってみる」ことに相当するのが、この「フレームワークに沿って考えてみる」こと。

フレームワークを与えられ、実例を見せられ、それを自分の仕事に当てはめてみても、最初はなかなか考えることができません。
しかし自分なりに考えて、試行錯誤をしながらやってみると、徐々に考えられるようになります。

座学で学んだだけでは、マーケティングは使いこなせないのです。
自分の仕事で、試行錯誤を繰り返すことで、徐々に身体が憶えていくものなのです。

ところで自転車は一度乗れるようになると、身体が憶えていてその後は忘れなくなります。
マーケティングも同じです。一度使えるようになれば、その後も使えるようになります。

それは自分の武器になるのです。

 

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考えるだけでは、いい企画は生まれない

このような悩みをよく聞きます。

「みんなでいい企画を作ろうと考えているんですけど、なかなかいい企画が思いつきません」

これは勘違いをしています。
それは「考えれば、いい企画が生まれる」と思ってること。

考えるのは、確かに大切です。
しかしそれだけでは、いい企画は生まれません。

企画のキモは「誰かの課題を解決すること」。誰かとは、たとえば顧客や同僚の社員です。

顧客も気づかない課題を見つければ、ヒット商品の種になります。
あるいは、同僚の社員が抱える課題を見つけて、会社が元気になることもあります。
このような課題の発見が、いい企画の種です。

このような企画の種は、会議室に何人も集まって考えているだけでは見つかりません。
いい企画を生み出す出発点は、まずよい情報(=事実)を仕入れることです。

商品開発であれば、顧客を観察してみて、顧客も気づかない課題を見つける。
あるいは同僚の社員を観察して、何で困ってるかを見つける。
考え抜くのはその後です。

顧客も気づかない課題を見つけたら、なんでその課題が発生しているのか、どうすれば解決できるのかを考え抜く。
あるいは同僚の社員が困っていることを見つけたら、なんでそんなことが起きているのか原因を考え抜き、解決策を考え抜く。

私は会議室でお客さんと考える場合、たとえば消費者アンケートなどをプロジェクターで映しながら、気がついた点や違和感を議論することもあります。これも「よい情報(=事実)」に基づいて考える一つの方法です。

材料がないままひたすら「いい企画は何だろう?」と考えても、ただ時間が過ぎていくだけ、ということも多いのです。

まずは、よい情報を仕入れましょう。
考え抜くのは、その後です。

 

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