永井孝尚ブログ

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お手洗いのハンドドライヤーに、何秒かけますか?

公衆のお手洗いに、ハンドドライヤーがありますよね。
最近ちょっと気になって、外出先のお手洗いで手を洗った後、何カ所かで試してみてわかったことがあります。

どのメーカーのハンドドライヤーも、30秒で温風が自動停止するのです。30秒かければ、手は完全に乾きます。 実はせっかちな私は10秒ほどで切り上げてしまっていました。「30秒で自動停止する」というのは新しい発見でした。

 

実はこれをリサーチしようと思ったきっかけは、先週の熊本出張でした。

出張先にあった百貨店のお手洗いに、ダイソンのハンドドライヤーがあったのです。この脇にこう書いていました。

「12秒で乾き、99.9%除菌します」

実際にやってみたら実に強力な温風。手はみるみる間に乾きポカポカしてきて、青白い光も当てられ、確かに除菌されている実感がありました。(ちなみに写真が、そのハンドドライヤーです)

ハンドドライヤーで手がなかなか乾かない経験を繰り返していた私にとって、これは実に新しい体験でした。
これがきっかけで、「そもそも、ハンドドライヤーって何秒で乾くようになっているんだろう?」と疑問を持ち、冒頭の実験を繰り返してみたのです。

ダイソンの強みは強力モーター技術です。
ダイソンは強力モーター技術を活かし、様々なお客様の隠れたニーズに応えています。

このハンドドライヤーでは「時短」です。お手洗いの後、手を乾かす時間が、30秒から12秒に短縮するのは、せっかちな私のような人間にとって大きな価値があります。さらに施設から見ても、混雑を緩和するメリットもあります。

多くの人は、通常のハンドドライヤーでは30秒も手を乾かさないのではないでしょうか?
実は乾いた手よりも、濡れた手の方がはるかにウィルスが付着しやすくなるそうです。中途半端なハンドクリーナーの使用で、感染の危険性がむしろ増しているということです。(ちなみに「ハンドクリーナーのリサーチ」という目的ができたので、せっかちな私も30秒かけて手を乾燥するようになりました)

ダイソンは他にも、強力モーター技術を活かして、扇風機や掃除機、最近ではヘアドライヤー、さらに将来は電気自動車にも挑戦しようとしています。

ダイソンのハンドドライヤーを体験してみて、改めて「お客様をじっくりと観察して自社ならではの強みを活かせるところはどこかを考えることが必要なのだ」と思いました。

 

 

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くまもと産業支援財団様で、半日ワークショップを行いました

12月17日、熊本県およびくまもと産業支援財団様主催の「リーディング企業創出支援セミナー」で、半日間のワークショップを実施いたしました。

熊本県は「1年間の事業で10億円以上の付加価値額を生み出す企業」をリーディング企業と名付け、戦略的にリーディング企業の創出を図っています。→熊本県の発表資料

くまもと産業支援財団様は熊本県からこのセミナーの企画運営の委託を受けています。

今回、第1回目の「リーディング企業創出支援セミナー」で講師を務めさせていただきました。

リーディング企業を目指す企業などから60名の方々にお集まりいただき、実際に発表も行っていただきました。

アジェンダは下記の通りです。

14:00-14:15 オープニング
14:15-15:00 講義「お客様が買う理由をいかに作るか?」
15:00-15:30 ワークショップ「お客様が買う理由を作る」
15:30-15:45 休憩
15:45-16:45 ワークショップ発表
16:45-17:20 講義「お客様が買う理由を検証する」
17:20-17:30 クロージング・質疑応答

時間の関係で発表は5名の方々でしたが、実に様々なお取り組みをお話しいただきました。私自身も勉強になりました。

このような機会をいただき、感謝いたします。

 

 

 

人吉市Hit-Bizオープン記念講演で、講演しました

熊本県・人吉市に「人吉しごとサポートセンター」(Hit-Biz)が2018年12月17日に開設されました。(「行列のできる相談所」として富士市から始まった新しいビジネスモデルとして、現在日本全国に展開中で、注目を集めています)

Hit-Bizセンター長には、とてもお世話になっており個人的にも尊敬している松山真之助さんが就任されました。

さらに光栄なことに、松山さんからオープン記念講演のご依頼もいただき、オープン2日目に講演を致しました。

有り難いことに、人口3万5千人の市内から50人もの方々にご参加をいただきました。

既にHit-Bizは初日からフル稼働で、2日間で9件の経営相談を完了しておられるそうです。

人吉市から、新しいビジネスが次々と生まれるといいですね!

 

 

2018-12-19 | カテゴリー : 講演 | 投稿者 : takahisanagaicom

「PayPay100億円還元キャンペーン」、価格戦略的にどうなの?

今月、スマホ決済アプリを提供するPayPay(ペイペイ)が、同社アプリをスマホにダウンロードし、現金でなく同社アプリで商品を買うと、代金の2割を払い戻すという「100億円還元キャンペーン」を行いました。

たとえばアップルの新型MacBook Air 25万円をPayPayで購入すると、何と5万円も戻ってきます。しかも抽選で全額返ってくることも。

なんとも太っ腹なキャンペーン。100億円の還元金がなくなるまでキャンペーンを続けると発表しました。

結果、システム障害が起こるほどお客さんが殺到し、わずか10日間で還元キャンペーンは終了しました。

 

「なんで、その価格で売れちゃうの?」という価格戦略の本を出したばかりですが、価格戦略的にこのキャンペーンはどうなのでしょうか?

私は二つの点で、かなり秀逸なキャンペーンだと思います。

■まず「100億円の還元金が終われば終了」と条件を付けている点。値引きで怖いのは、値引き価格がお客さんにとって当たり前になることです。行動経済学的にいうと「値引き価格でアンカリングされる」ということです。しかし値引きなく条件付き還元キャンペーンなので、これが起こりません。

■190万人がアプリをダウンロードした点。日本のスマホ決済市場はまだ勝者がいない黎明期です。さらに決済サービスは、ユーザー数が多ければ多いほど儲かるので「規模の経済」が効きます。この市場立ち上がりの時期に一気に190万人獲得したことは、今後の決済サービスの戦いの上で、とても有利に働いてくるでしょう。

 

今後の課題は、今回アプリをインストールしてくれた190万人のユーザーに、今後も使い続けてもらうこと。100億円で190万人獲得ですから、1ユーザーあたり5,000円のお金を払って、アプリをインストールしてもらったことになります。この投資を生きた投資にする必要があります。

まず決済できる店を急拡大すること。今回獲得した190万という数字は、協力店を増やす上でとても大きな材料になってきます。

さらに他決済(現金や他決済アプリ)よりも高い使い勝手を提供し、ユーザーが高頻度に使いたくさせることも必要です。

 

PayPayはヤフーとソフトバンクの子会社です。

ヤフージャパン執行役員の小澤隆生さんによると、今回の戦略は孫さんも入ってヤフーとソフトバンクで徹底的に議論して決定したとのこと。

ソフトバンクは2000年頃にも街中でADSLモデムを無償配布する「パラソル部隊」を展開、立ち上がり始めたADSL通信市場を一気に押さえ、現在に至る通信ビジネスの足がかりを作りました。

戦略でとても大切なのは、このタイミング感と、的確に狙った目標へのピンポイントでの戦力集中です。

改めて価格戦略はビジネス戦略そのものだと実感します。

 

 

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アクセスが悪いと、お客さんは来ない?

先週に続き、星野リゾートの星野佳路社長のプレゼンで「なるほど」と思った話です。

星野社長がプレゼンした後、質疑応答でこんな質問がありました。

「私も旅館を経営しています。ただウチの地域は交通アクセスが悪くて、お客さんが来ません。何かアドバイスはありますか?」

私も2年前に「そうだ。星を売ろう」を出版したのがきっかけで、観光関係者とお話しする機会をいただくようになりましたが、同じ悩みを持つ方は多くおられます。

星野さんはこう答えていました。

「アクセスが良すぎるのもマイナスな場合もあります。アクセスが最も重要ではないと思っています。逆にアクセスが悪くても、来たい人は来ます。たとえば『秘境』といったように、なかなか行きにくいことが大きな価値になることもあります」

これは「価値をどう考えるか?」について教えてくれる話です。

「交通が不便なこと」は、あくまでその地域に与えられた条件の1つです。それがいいかどうかは状況によって違うのです。

せっかくなら与えられた条件を、いい方向に使いたいものです。

 

 

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