永井孝尚ブログ

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Zoom朝活永井塾 第41回「アル・ライズのポジショニング戦略、ブランド論、広告/PR論」を行いました

7月8日は、第41回の朝活・永井塾でした。今回もZoomでした。全国からのご参加をいただき、有り難うございます。

テーマは「アル・ライズのポジショニング戦略、ブランド論、広告/PR論」でした。

「ポジショニング」はマーケティングの基本概念の1つです。
1969年にアル・ライズとジャック・トラウトが提唱しました。
彼らは、ポジショニングとは「消費者の脳内に、商品を位置づけること」であるとシンプルに定義しました。

アル・ライズはその後、このポジショニングの考え方をブランディングやマーケティングコミュニケーションに発展させました。
アル・ライズのシンプルな考え方はマーケティングの本質を捉えています。

そこで今回の朝活永井塾では、下記をテキストにして、アル・ライズのポジショニング戦略を出発点に、ブランディング、さらにマーケティングコミュニケーションについて考えていきました。

「ポジショニング戦略[新版]」アル・ライズ、ジャック・トラウト著
「ブランディング 22の法則」アル・ライズ、ローラ・ライズ著
「ブランドは広告で作れない 広告vsPR」アル・ライズ&ローラ・ライズ著

今回もプレゼンの後、活発な質疑応答ができ、充実した会になりました。有り難うございました。

【プレゼン部分】

【質疑応答部分(プライバシー保護のため永井以外はお顔をボカしています)】

 

またリアルタイムに参加できなかった方々には動画配信をお送りしました。

次回の朝活勉強会「永井塾」は8月5日(水)。
テーマは「マーケティングの基本:レビットとコトラーのマーケティング論」
マーケティングの基本に立ち返り考えていきたいと思います。

40年前にトフラーが予言していたコロナ後の世界

コロナで在宅ワークを続ける中で、今後どのようになるかを識者の方々が語っています。

実はその指摘の多くは、40年前にこの本で語られています。

「第三の波」(アルビン・トフラー著、1980年出版)

トフラーは未来学者です。本書はインターネットが本格的に普及する15年も前に出版された本です。当時私は大学生。貪るように読みました。40年ぶりに読み直すと、本書はその後の私のキャリアにとても大きな影響を与えていたことを実感します。

在宅ワークの未来については、第16章「エレクトロニクス住宅(コテージ)」で描かれています。

–(以下、本書 p.264-269より引用)—

やがて何百万もの人たちが、オフィスや工場へ通勤せず、家庭で過すーと予言すれば、直ちに激しい反論を受けるはずである。…(しかし)あらゆる社会的、経済的な要因が、労働の場所を移動する方向に集中している。

ある工場の技術部長は「技術者も含めて、10〜25%の仕事は、現在の技術でも家庭内でやれる」と言う。

HP社の生産部長も同じような予想をしている。「1000人が現場で生産に従事しているが、そのうち250人は技術系の仕事を家庭でしようと思えばできる。コンピュータ・ターミナルの設備さえ完成すれば、ホワイトカラーの研究開発部門の半数から3/4までの社員も家庭で仕事ができるようになる」

ある製薬会社の副社長によれば、問題は「何人が家庭で仕事ができるか」ではなく、「何人がオフィスまたは工場で仕事をしなければならないか」だそうである。「通信設備さえ整えば、優に75%の従業員は家庭で仕事ができる」という。

言語処理装置、ファクシミリ、コンピュータ操作台、テレビ会議装置などを設備した仕事場が低いコストで住宅内に置けるようになれば、家庭における労働の可能性は猛烈な勢いで広がるだろう。

—(以上、引用)—

先進企業の取り組みを紹介しながら、40年前に在宅ワークの方向性を正確に見極めています。
一方でトフラーは在宅ワークの姿や課題を描いていますが、それは現代の私たちが経験している姿そのものです。

—(以下、本書p.269-271より引用)—

だが、第二の波の工場やオフィスから仕事を第三の波の家庭へ移す作業を見くびってはない。従業員の勤労意欲や管理の問題、法人組織や社会組織の再編成の問題などの解決には時間がかかり、苦痛も伴うだろう。…だが「エレクトロニクス住宅」の方向へ、強い力が集中的に働いているのは事実である。

技術先進諸国は、現在、交通の危機に直面している。大衆交通機関は麻痺寸前の状態にあり、道路やハイウェーは渋滞が続き、駐車場は少なく、空気汚染は深刻化している。ストライキや故障は日常茶飯事となり、運賃は急騰している通勤費用の急上昇は、個々の労働者によって負担される。

遠距離通信装置を設置し、それを操作するための経費が、いつ通勤関係経費を下回るようになるか、重要なポイントである。交通費がうなぎのぼりなのに反し、遠距離通信に要する経費は驚くほど低下している。両者の価格の曲線は、どこかで交わるはずである。

—-(以上、引用)—

まさに日本の都市圏も満員電車での通勤が大きな問題。一方でいまやネット接続費は通勤費と比べると無視できるほど下がっています。現実には在宅ワークにすんなり切り替えた業界と、なかなか切り替えられない業界がありますが、確かに方向性は「在宅ワーク」に向かっています。

—(以下、本書p.272-273より引用)—

仕事を家庭に、または中間的手段として地域の職業センターに移すことにより、不動産にかかる莫大な費用を著しく軽減できる。本社や製造工場が小さければ不動産獲得費用は減り、冷暖房、照明、保安、管理維持の諸経費も少なくてすむ。

仕事を移し、通勤が減れば、汚染が減少する。空気清浄化のための経費が少なくて済む。

一日の勤務時間が短縮されると、それに対する通勤時間の比率は大きくなる。8時間勤務するのに1時間がかりの通勤を嫌う社員は、勤務時間が短縮されるとなおいっそう通勤時間を負担に思う。勤務時間に対する通勤時間の比率が高くなれば、往復にかかる労力はそれだけ不合理で無駄で馬鹿げて見える。通勤への不満が高まるにつれて、雇用者側は集中化された職場で働く従業員に間接的に報償を増額しなければならない。

—-(以上、引用)—

コロナ禍で在宅ワークがいかに楽かを知った私たちが感じていることでもあります。

—(以下、本書p.274より引用)—

米国やヨーロッパのように核家族からの脱皮が進んでいるところでは、家族を再び一体化しようとする要求が高まっている。歴史を通じて家族を一致団結させていた要因の一つは、仕事を共にすることだった点を記憶しておきたい。今日でも、夫婦が同じ職場で協力している場合は、離婚率が低いのではないかと思われる。

—-(以上、引用)—

四六時中家族と一緒にいることで、このことを実感した方は多いのではないでしょうか?

—(以下、本書p.276-277より引用)—

エレクトロニクス・ターミナルと備品を購入し所有した個人は、古い意味での従業員ではなく、「生産手段」の所有量が増大したのだから、事実上独立した事業家になる。家庭作業グループが小さな会社をつくって相互サービスの契約を結んだり、機械を共有する協同組合を結成するようになるかもしれない。さまざまな新しい関係や組織形態が生じる可能性がある。

家庭で仕事をすることによって家族や隣人との感情関係は深まるSF小説のような電子スクリーンが他人との間に介入する人間関係しかない世界ではなく、一つは真に人間的な関係、もう一つはエレクトロニクス傾注の間接的関係という、それぞれ異なった規則や役割を持つ2種類の人間関係が併存する世界になると思われる。

—-(以上、引用)—

前半に書かれているように、実際に独立事業家が増えてきているように実感しています。またコロナ前もメールのやり取りだけで実際に会わずに仕事が進むことは少なくありませんでした。今後はZoomなどのやり取りだけで仕事が進むことも確実に増えるでしょう。

—(以下、本書p.277より引用)—

もちろん、全労働者が家で働けるわけではないし、働こうともしないだろう。…回答不能な問題や苦悩がある一方で、新たな可能性もある。第三の波の生産方式への飛躍によって、過去から持ち越されたきわめて処理困難な問題が片づくかもしれない。…製造とホワイトカラーの両部門の生産方式が飛躍し、「エレクトロニクス住宅」の実現に到達できれば、いま人々が議論したり戦ったり、時にはそのために生命をかけている問題の多くは、時代遅れになり、論議の条件は一変するだろう。

今日労働力とされるものの10〜20%が、今後20-30年にわたってエレクトロニクス住宅に移行するなら、想像も及ばない歴史的転換が起こるだろう。

…このような歴史的大転換自体、われわれが新しい文明の縁に来ているという主張を裏付けるだろう。しかし、われわれは同時に、家族のきずな、友情、学校、企業を含む社会生活全般を変革しようとしている。技術体系、情報体系と並んで、第三の波の社会体系の創造が始まるのである。

—(以上、引用)—

いま、この転換が大規模に起きつつあります。

いずれも1980年に書かれた内容です。改めてトフラーの慧眼には驚かされます。

 

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電話で営業支援サービスを売り込む会社

弊社には、営業の電話が頻繁にかかってきます。
この日も、営業の電話がかかってきました。

「御社の営業をご支援します。私どもに新規顧客開拓のお手伝いをさせてください」

普段は営業の電話は「申し訳ありませんが興味ありません」とお伝えして電話を置くのですが、この日はちょうど仕事が一息ついていたタイミングで、少し余裕がありました。前々からこのような営業の電話には興味があったので、勇気を出して尋ねてみました。

「あの、ちょっといいでしょうか?質問があるのですが…」
「はい?」
「御社では、普段はこんなスタイルで営業なさってるのでしょうか?」

お相手の方は(想像もしなかった)という様子でこうおっしゃいました。

「え?…いいえ。弊社では別に営業部隊がいます。(笑)」
「具体的にどのような営業スタイルをなさっているのでしょうか?」
「ええと。他部門のことですし、こちらではわかりかねます」

(悪いことを聞いてしまったなぁ)と思って、営業支援には興味がないことをお伝えして、電話を置きました。

この会社、とても営業効率が悪いと思います。
そもそもアポもなくいきなり営業の電話をしてくる時点で、完全にNGなわけですが…。

いわゆる「ローラー作戦」という営業スタイルです。
電話先がどんな会社で、相手がどんな人かもわからずに、片っ端からのべつ幕なしに電話しています。
この営業スタイルは、既に数十年以上も前に賞味期限が切れています。
この営業をさせられている担当の方(新入社員らしい女性の方でした)も、可哀想です。

ある程度確率した成功パターンを武器に持たせるだけで成約確率は数〜数十倍にアップします。成功すればご本人も達成感を感じて、次の成長に繋がります。にも関わらず、成功率が極めて低い営業スタイルに膨大な手間と労力をかけているのです。非常にもったいないことです。これは会社の経営の問題です。

営業支援が売り物の会社であれば、まず取り組むべきは自社が普段から行っている営業をレベルアップさせることです。今の時代、少しだけでもその手のセールスの方法論を書いた本を読めば、正しい営業スタイルの方法はすぐに学べます。そして成果をあげ、確立した方法論を外販すれば、大きな成果が上がります。

もし外注先の会社が電話をしていたとしても同じ事です。成功確率が低いことは変わりません。外注先なり、外注元が方法論を確立すべきです。

もしあなたが新入社員で入社早々こんな営業をさせられていたら、早めに会社に見切りを付けて新しい会社に移った方が、自分のキャリア上いいと思います。
恐らくそのようなことをさせる会社の文化は簡単には変わらないでしょうし、成長することもないでしょう。

 

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コロナ禍を成長に転じる経営者と、低迷する経営者

新型コロナで、新しいビジネスの種が生まれています。
今までのしがらみも吹き飛びました。

こんな状況で、部下にこんなことを言うマネージャーもいるのではないでしょうか?

「この状況でどうするか、何か考えてみてくれ」

これはちょっと残念なマネージャーです。
本当はこう言って欲しいところです。

「私が責任を取る。何かやってみようよ」

必要なのは、マネジメントではありません。
こんな時こそ、問われるのはリーダーシップです。

決まった目標があり、その目標達成のためにきめ細かく管理するのがマネジメントです。でも今は、アフターコロナはどんな世の中になるか、何をすべきかがよく見えない状況です。

こんな状況で必要なのはきめ細かく管理するマネジメントよりも、何を目指すか明確にするリーダーシップです。しかしリーダーと言えども何をすべきかはわかりません。だからこそ「あえて現場を知る部下に任せる」という方針を明確にするリーダーシップが求められます。

部下を信じ、とにかく仕事を任せ、上司として腹をくくり、責任を引き受けるべきなのです。

経営者も同じです。多くの経営者はこんなことを考えているのではないでしょうか?

「社内に起業家を育てたい。社員の成長を、会社の成長に繋げたい。そして目玉事業を育てたい」

ここまでの問題意識は素晴らしいと思います。問題はその次です。

「社内クラウドファンディングとかは、どうだろう?」
「でも、どうやって評価すればいい?」
「そもそも、誰に何をアサインすればいいのだろう?」

これでは何も新しいモノは生まれません。「全社一丸!」「標準化し、管理する」というマネジメント発想と、イノベーションは水と油だからです。

イノベーションは、異質なモノの組合せです。多様性から生まれ、創発します。そもそも管理不能なのです。では、どうするか?

私は多くの企業様で、組織横断型の全社研修を行ってきて、実感していることがあります。

研修を通じて、社内の多様性に気がつく人は実に多いのです。

「他事業部がこんなことをしていたなんて知らなかった」
「社内協業が必要だと痛感した」
「会社が成長する種が社内に沢山あることが分かった」

実は社内には、隠れた「宝の山」があります。
しかし組織のサイロ化で、隠れた宝の山は眠ったままになっています。

この組織のサイロを崩せるのは、経営者だけです。

有志メンバーを募って組織横断型のイノベーションチームを作りすべて任せるのも、1つの方法です。社内の多様性を活かし、サイロを崩して社員に任せて「イノベーションを促す仕組みづくり」に徹するべきなのです。

このアフターコロナを、今まで停滞していたイノベーションを活性化するチャンスに転じたいものです。

 

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商談のオンライン化は、論客型セールスへのシフトを加速する

先週、ある企業様で法人セールスの研修を行いました。現場のB2Bセールスで尽力しているリーダーの方々が多く参加されました。
研修に先立ちオンデマンド講義で、下記のような話をお伝えしました。

—(ここから)–
B2B営業の世界では顧客の課題を理解して解決策を提供する「ソリューション営業」が主流でした。

このソリューション営業は限界に突き当たっています。顧客の課題は様々。課題把握には時間も手間もかかるし、それに付き合う顧客にとっても、負担です。

私は前職で人材育成部長の時、このソリューション営業から提案を受けたことがあります。1時間の打ち合わせが2回。その後、3回目の商談での提案はイマイチ。商談はそこで打ち切りました。

顧客も「ソリューション疲れ」を感じており、手間がかかるのに売れないのです。
ではどうすればいいか?

新時代のセールスバイブルと呼ばれる「チャレンジャー・セールス・モデル」の著者マシュー・ディクソンとブレント・アダムソンは、全世界6千人の法人セールスを調査して5タイプに分類しました。

■論客型…論議を怖れず顧客に自己主張する
■一匹狼型…自信家で我が道を行く
■勤勉型…誰よりも多く電話し顧客訪問する
■受動的問題解決型…要望には必ず対応する
■関係構築型…顧客のためなら必死に働く

著者らはそれぞれのセールス業績も調べました。

最も業績が悪いのが「関係構築型」。
突出して好業績なのが「論客型」でした。

現代のB2Bセールスでは複雑な問題解決が必須です。顧客の行動を変える必要があります。論客型は顧客に「こうすべき」といういい意味でのプレッシャーを与え行動変化を促します。関係構築型は変化を生み出せません。だからなかなか売れないのです。
—(ここまで)–

その上で研修当日は参加者とZOOMで議論しました。
すると、こんな意見をいただきました。

「コロナのおかげで、論客型になる必要をさらに強く感じます。最近は商談もZOOMが多いのですが、お客様も忙しいので、関係構築型だと商談のアポすら取れません。具体的に議論ができ、解決策提示ができる論客型でないとお時間をいただけません。逆に論客型ならばZOOMのおかげで1時間の商談が20分で済むし移動も不要なので、商談の生産性はもの凄くアップします」

これは私も実感しています。私もお客様との商談では必ず課題を伺って提案をするようにしているのですが、大抵は20分で打ち合わせは終了します。

コロナ禍で日本のセールススタイルも良い方向へ変革していきそうです。

 

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