永井孝尚ブログ

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いい習慣をつけ、人生を変える方法

小さなことでも、継続することで、大きな成果になります。
だからいい習慣を身につけると、あなたの人生は必ず変わってきます。

しかしいい習慣を身につけるのは、なかなか難しいことです。
「これをやるぞ!」と思っても、つい三日坊主になりがちです。

実は人間の脳は、そもそもそういう構造になっています。

予防医学者の石川善樹さんが、ハーバードビジネスレビュー2017年2月号に寄稿した記事で、習慣について述べています・
石川さんによると、脳はこのような三層構造になっています。(記事の図を若干変更して引用します)

「明日から〇〇〇を始めるぞ」と考えるのは、一番外側の脳(大脳新皮質)。ここは大きな変化を好みます。
この指令がそのまま一番内側の脳(大脳基底核)に届けば、バッチリと日々の習慣として身につくわけですが、残念ながらそうなりません。

感情を司る中間部分の脳(大脳辺縁系)が、「変化=恐怖」と判断して、大脳の指令を弾いてしまい、一番内側の脳に届かないからです。これは危険から身を守る人間の本能でもあるのですね。

小さな変化であれば、中間部分の脳は恐怖と見なさず、一番内側の脳に届いて習慣になります。しかし一番外側の脳は大きな変化を好むので満足しません。ジレンマですね。

 

そこで石川さんが提唱するのが、「小さな問い」。小さな目標を立て、それを達成するためにはどうすればよいかという「小さな問い」を立てて、小さな行動に繋げます。

たとえば私は、元々は朝型人間ではありませんでしたが、今は朝早く起きて仕事をするのが習慣になっています。
これも「小さな問い」がきっかけです。

私の場合の「小さな問い」は、「満員電車に乗りたくない。どうすればいいか?」

会社員時代は、首都圏でも最も混雑する田園都市線での通勤でした。ラッシュ時には殺人的な混雑。しかもよくトラブルで遅れることもあり、満員電車の中で数時間我慢することもしばしばでした。この「小さな問い」の自分なりの答えが、「早朝出勤」だったのです。2時間早く出勤するだけで、座って出勤できるようになりました。一度これを体験すると、二度と満員電車の乗ろうとは思わなくなりました。

そして早朝出勤が習慣化しました。
さらに早朝出勤すると、実は仕事が速く進みます。おかげで残業ゼロになりました。さらに本の執筆や、社外の人たちとの朝活も行えるようになりました。

これも「満員電車に乗りたくない」という小さな問いがきっかけだったのです。
もし「早朝出勤しよう」ということだけを目的にしていたら、おそらく習慣化できなかったかもしれません。
自分なりの「小さな問い」と「小さな行動」から始めることで、いい習慣を身につけて、人生を変えることができるはずです。

 

最後に宣伝です。

6月15日に『残業ゼロを実現する「朝30分で片づける」仕事術』という文庫本を出版します。6年前に書いた「残業3時間を朝30分で片づける仕事術」を、最近の「働き方改革」などの動きも取り入れて、大きく書き直したものです。

「働き方改革」は、一人でも始められます。

「残業ゼロを実現したい」と思う人にはお役に立てる本かと思います。

 

 

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弱みを克服するか?強みを強化すべきか?

私たちは学校で、苦手科目をなくすように教えられてきました。

数学が苦手だったら、「数学を頑張りましょう」
英語が苦手だったら、「英語を強化しましょう」
あるいは協調性がなければ、「みんなと仲良くなるようにしましょう」

こんな感じでしょうか?

私たちは苦手を克服するために、多大な努力を払っています。

それは社会人になっても続けていることが多いように思います。

しかし、これは本当に正しいことなのでしょうか?

 

たとえば私は、運動神経がよくありません。私がどんなに頑張って野球を練習しても、草野球で人並みにプレーするだけでも、恐らく難しいでしょう。

同様に、多くの人が弱みの改善に多大な労力をかけていますが、多くの場合、人並みになる程度です。

しかし一方で、あなたの強みは、あなたにとっては当たり前でも、普通の人はなかなか真似できません。

もし同じ労力をかけて能力を2倍にするなら、集中すべきは苦手なことの改善ではなく、自分の強みの才能をより伸ばして、ダントツの強みに育てることなのかもしれません。

企業でも同様です。

企業の弱みを強化しても、せいぜいが他社並になる程度です。しかしそれなら、他社のものを持ってきた方が早いはず。

むしろ自分たちの強みを見極め、そして磨き上げて、ダントツのものに仕上げていくことが大事なのです。

 

 

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東京マラソン挑戦を止めたのは「目的と目標の矛盾」だった

とても熱心にジョギングを続けている友人がいました。
彼は「東京マラソンで4時間を切る」と公言し、毎月200Kmのノルマを1年間継続していました。

その彼が急に、「マラソン挑戦は止めた」と言い始めました。体調が悪くなったのかと心配しましたが、いたって健康です。相変わらずジョギングも続けていますが、ホドホドに留めているようです。そんな彼と話す機会がありました。

「『4時間切る』と言っていたのに、なんでまた?」
「きっかけがあってさ。目標を変えたんだよ」

彼が見せてくれたのが、ある雑誌記事。こんなことが書いていました。

・マラソンでは、「長い距離を走ると自信に繋がる」と、体調不良でも頑張り勝ちだ
・しかし「あと少し」と頑張りすぎて心臓に負担がかかり、マラソン大会で死亡するケースもある
・米国の研究で1週間48Km以上走る人は、それ以下しか走らない人と比べ、心臓病のリスクが上がる
・ジョギングは生活習慣病改善にはよい。しかし中高年になって始めたマラソンには、リスクもある

「確かに200Km走るようになって肌の張りがなくなってきたんだよね。距離を半分にしたら元に戻った。『過ぎたるは及ばざるがごとし』っていうし、何ごともやり過ぎずホドホドがいいのかもしれない。余裕でフルマラソンを走れる人はいいんだろうけど、自分にはちょっとムリな目標だったんだろうね」

毎年申し込んでいた東京マラソンもやめて、マイペースでジョギングをする日々だそうです。

 

話を聞いて、なるほどと思いました。

彼は『東京マラソン4時間完走』を目標にジョギングを続けていました。
しかしそもそも彼がジョギングを始めた目的は、『年齢を重ねても、現役で仕事を続ける体力をつけること』でした。
彼の場合はこの目的と「フルマラソン4時間完走」という目標は、実は矛盾していたことに気がついたということですね。

一方で東京マラソンに向けて熱心に挑戦を続けている友人たちもいます。人はそれぞれです。彼らは彼らの目的と目標があるわけで、応援したいと思います。

その目的は、正しいか?
その目標は、その目的を実現するために、正しいか?

友人の話を聞いて、これはビジネスでも常に考えなければいけない、と改めて思いました。

 

 

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「永井ゼミ」第3回を行いました

今朝、東新橋で、朝活勉強会「永井マーケティング戦略ゼミナール」(永井ゼミ)の第3回を行いました。

今回は、『「あなたの強み」を考えるフレームワーク』というテーマで、20分の講義と40分の議論を行いました。

今回も参加された皆様同士で議論しました。実際に仕事の現場で尽力されている皆様のお取り組みを共有でき、私自身もとても勉強になりました。

以下、皆様からいただいたアンケートからの抜粋です。

■とても有意義な時間だった。キャリアを考える際のポイント・指針として参考になった。仕事・プライベートで強み・弱みをどうやって克服・活用するか考えたい。もっと参加者のご意見やアドバイスも聞ければと思った。

■知らないことを学んだり、いろいろな方のご意見が聞けて参考になる。

■嫌な仕事であっても自分の才能に照らして取り組めば、仕事が楽しくなり、好きになるという気づきを得ました。部下との対話でも、本人の気づいていない才能を教えてあげることで、好きになる可能性があると思いました。

■自分の将来を考える上で、まさに今後の導きが得られました。皆さんが常々考えていることを聞くことができ、刺激になります。

■今やっている仕事、そして転職先での仕事で、まず自分の資質をどう活かすか、考えて成果を出すのに役立つと思った。永井さんが理論をわかりやすく説明し、それをベースに出席者が思うところを率直に話し合って、気づきを得るという、理想的な勉強会だと思う。

■楽しかった。ワクワクドキドキした。

■強みを見つけるフレームワーク、活用してみます!

■自分の強み、弱みを考えて、深掘りしようと考えていたタイミングだったので、良かったです。

■思いがけずに「100円コーラ」誕生秘話や出版にかける思いをうかがえました。

参加された皆様、有り難うございました。

 

次回のテーマは、「それって、「商品」開発?「顧客」開発?」です。

ところで毎回、第一月曜日に行ってきましたが、参加された皆様にお伺いすると、半数以上の方が、第一月曜日はご都合が悪いと言うことがわかりました。(ご都合が悪い中にも関わらず参加いただいた皆様に感謝です!)

そこで今後、開催日を見直したいと思います。

詳しくは、明日のメルマガでご案内します。

客がほとんど来ない寂れた薬局が、なぜ儲かる?

先日、健康診断をした病院で、「念のため」と薬をいただいた時のこと。

病院で処方箋をいただき、地図を頼りにその薬局に向かいました。

道を歩いていたら、その薬局の看板がありましたが、そこは普通のマンション。指示通りマンション1階のロビーを通過すると、そこはなんとマンションの庭。その庭に薬局の入口がありました。

普通なら数名いる薬剤師も、ここは初老の男性1人だけ。店に入るとラジオが流れています。

この薬局は、普通の調剤薬局と比べると面積は1/5程度。とても狭い店内です。
普通の薬局には栄養ドリンクだけで10種類以上あったりしますが、ここは湿布が一種類、栄養ドリンクも見当たらず、置いている薬も数えるほど。
普通の薬局で壁一面にある広告もありません。
薬局によくあるIT機器もありません。

とても寂れています。
普通の調剤薬局なら薬剤師数名が忙しそうに働いているものですが、この薬局で一人だけいる薬剤師はノンビリとラジオを聴いているし、失礼ながら、商売のやる気がほとんど感じられません。
この薬局、儲かっているのでしょうか?

 

しかし近所の方に話しを伺って、驚きました。この薬局は、既に20年くらい営業しており、店の様子も最初の頃からほとんど変わっていないそうです。

「なんで続いているんだろう」

そこで考えました。

「この薬局、もしかしたら、意外と儲かっているのではないだろうか?」

 

まずこの薬局には一見客は来ません。入りにくい感じからすると、むしろ排除しているようにすら感じます。

実は私は、病院で処方箋をいただいた時に、「この薬はこちらの薬局しかありませんから」と言われてこの薬局にやってきました。

つまりこの薬局は、近所の病院で処方箋を出された患者さんだけを相手にしていて、その病院で必要な薬だけを用意しています。種類は絞られますし、量も限られるので、薬の在庫は最低限で間に合います。一見の一般消費者を排除しているので、湿布も最低限の1種類だけ。来店した時点で買う薬が決まっているので、店内の広告も不要です。

意外なことに、この薬局では薬がすぐに出てきます。一般の調剤薬局では薬が出てくるまで待たされることが多いことを考えると、大きな違いです。この薬局では、限られた薬剤の在庫情報は、恐らくこの初老の薬剤師さんの頭の中にすべて入っているのでしょう。だからすぐに用意できるし、待たせません。

つまりこの薬局は、一般消費者は完全に切り捨てた上で、近くの病院の患者さんだけを固定客として掴まえているのです。

仮にこの薬局と一般の調剤薬局のコストが面積比に比例していると考えると、この薬局のコストは通常の調剤薬局の1/5程度。

だからこの規模で経営できるのです。

 

もしこの薬局が一般消費者を切り捨てずに、対応しようとすると、どうなるでしょうか?

まず薬剤の品揃えを増やす必要があります。そのためには店舗を大きくし、薬剤師も増員する必要があります。

薬剤師を増やすには、薬剤師のスキルレベルは様々なので、まず薬剤の在庫情報をITで管理して、薬剤の効能もわかるようにして、病院の指示書に従って調剤し、ITで薬の情報を検索して精算できるようにする必要もあるでしょう。

在庫費用、店の賃料、人件費、IT化投資、あらゆる費用が大幅アップです。この費用に見合った売上が必要です。

売上拡大を目指してお客さんを一般消費者に広げた途端に、経営は変わり、普通の薬局と競争しなければならなくなります。

 

ノンビリとラジオを聴いているこの寂れた薬局の初老の薬剤師は、実はかなりしたたかな戦略家なのではないかと思いました。

 

 

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